とりあえず彼は短パンはけして手放しません、そしてニーソックスですね。
………
ニーソックス着て、スカートの間の肌があります。もうダメだろうな彼は………夏場どうするんだろう?
「響の奴は修行ね………」
少し緒川さんと話しながら、彼らの裏で色々合わせたりしている。
こっちの学生生活はまあまあだ。元々学生二回目であり、優等生だったため、欠席補習だろうと挽回できる。その辺は響には悪い。
「それで翼さんは」
「しばらくは奏さんが話し合うそうです、彼女が側にいれば、僕より素直になってくれるでしょうね」
「謙遜ですよ緒川さん」
そう言い合いながら、少しだけ構える。
いま二人は軽い服装であり、木刀を持つ、前の感覚を取り戻すために頼み込んだ。
「………正直、翼さんや響さん、貴方に辛い思いをさせてしまっているのが不甲斐ないんですよ」
「………仕方ないですよ、人にはできることは、限られてますっ」
そう言いながら斬り合う。どちらも早く、緒川さんは驚くも、すぐに切り替えている。
「響には未来って友達が居ます。彼女に、うそを言えないから、何も言えずにいるんだと言ってます。だけど、オレは本当に響のためになっているか、分かりません」
「アスカさん」
「オレはもう装者の姿が女だろうと、オレは、響達を助ける剣になります。翼さんも、響も、守れる者達は守りたいです」
そう言って、一本取る。それに緒川さんは驚きながら、
「お見事です」
「オレは、進んでみせる」
アストルフォ、それだけは約束してやる。そう剣に決意する。
――風鳴翼
「………私は………」
いつの間にか二課が管理する医務施設の天井、それに奏から叩かれた。
「いたい」
「こぉぉのぉぉ、バカやろうが………」
病院だから静かだが、曰く、緒川さんの変わりにしばらく自分が就くらしい。そう言われながら、長い説教が続く。
「あーあ、翼の所為でアスカのこと可愛がれないじゃないか。最近下着も付けさそうと思ってるのに」
「それはいくらなんでも」
そんな話をしながら、ほらと言って、彼の写真を見せる。全部はその、女装した写真だった。
「これでも見て、少しはその堅い頭を柔らかくしろ」
「………私は」
「翼」
静かに抱きしめられながら、私に奏は静かに、
「私達の所為で取り返しのつかないことは多くあった、被害者であるはずの観客や、他にも沢山。私はお前だけに背負わさせていたんだな」
「!? そんなことはない、だって奏はもう戦えないっ」
「アスカの所為でか?」
「!!!」
何も言えない。そうだ、私の中には龍崎に対して、そんな気持ちがあった。
龍崎はそれを知って、それでも距離は一定に保ってくれていた。なのに、
「私は………」
「………翼、お前にだけは言わなきゃいけない機密事項がある」
「えっ」
それに奏は離れ、そして静かに、
「翼はな、絶唱を歌ったんだ。これは限られた人しか分からない」
「!?」
それを聞かされ、自分の身体を確認した。だけど、
「いくら私の適正値でも、絶唱を歌えば、こんなに傷が浅いはずが無い」
「ああ、それもどうやら、空間を越えて来たアスカの力らしい」
「龍崎の………」
龍崎の何かが反応して、天羽々斬の絶唱の負荷を取り除き、破壊力に変えたらしい。
それほどまで早く、自分の元に飛んだため、ちゃんとした情報が無いと、司令官達が判断したらしい。
「元々龍崎は、旦那が私の身を心配したり、研究用に取り寄せた、欠片中の欠片だが、その中には聖遺物か分からない物も混じっていた」
「だけど、あの事件の所為で何が無くなり、何が聖遺物化したか不明だった………まさか」
「アスカの中には、まだ別の聖遺物能力があるかも知れない」
「だけど待って奏っ、アスカの聖遺物事態の問題は」
そう、考えて欲しい。龍崎アスカは複数の聖遺物の融合型と通ってはいる。融合型だから融合して適正していると、表向きにはそうしている。
だが、実際は違うのだ。実際の彼は、全く異なる複数の聖遺物と適合値が高いだけだった。
少なくても、天羽々斬ですら、運用だけなら問題ないくらい、彼は適合率が高い。これは、人なのか疑うレベルだと、櫻井女史が言っていた。
「こんなことが表に出れば」
「ああ、彼奴の身体事態、外交問題になりかねない」
どの機関も聖遺物、シンフォギアの適正率の研究に、装者は不可欠。そんな中で彼は、あまりに特異点過ぎる。
私は、
「私はその可能性を引き出してしまったのか………」
少なくとも、彼は絶唱を抑える何かがあり、それを使用できる。それも融合型と言う、異なる聖遺物が一つになった聖遺物の力。
こんなことが別の組織に出回れば、彼は普通に生きることすら困難過ぎる。下手をすれば、家族にだって危険が………
そんな可能性の一端を、私が………
「ていっ」
奏がまた私を叩く。
「んな言い方すんなら、もういい加減にしろ。翼」
「奏………」
「彼奴は、立花だって、みんながみんならしく頑張ってるんだ………私も、いま生きてる」
「奏」
「生きてるんだ、止まりたくない。戦うだけが戦いじゃない、私はいまの私の力で、あんたの翼であり、彼奴等の翼なんだ」
「………」
「なあ翼、昔の相棒からの頼みだ。彼奴らの翼になってくれ、そして、夢を忘れないでくれ」
そう言われ、しばらく検査のために席を外す。
奏はそう言いながら、私は考える。
私は………夢を追っても良いのだろうか………
――???
「はあ、もういいわ」
「えっ………」
この前の失敗、私はきついものがあると思った。
だけど、今回はあっさり終わった。
「な、なんでだよ、もういいのか」
声が震える、混乱する。なんで、なんでなんだよ!?
「もういいでしょ、食事にしましょう、クリス」
「………ああ」
彼奴だ、あのピンク野郎の所為だッ。
私は知っている、あのピンクの装者の写真が、大量に部屋に飾られている。全てだ、いつもいつもいつもいつもいつもッ、それを見て、静かに何か考えに耽ってる。
私を見なくなったのも、彼奴が現れてからだ。
最近は茶髪も増えている。
許さない、彼奴らを、私は絶対に許さない。
――龍崎アスカ
「ふう………」
休憩スペースで横になって、少し休んでいると、股をさわさわと触る誰かがいた。
「ひゃあうっ!?」
「もう、可愛いんだから♪」
そう言って、股を抑え距離を取るオレ。櫻井良子さん、いつも肌を触ったり、服を替えようとしたりと、少し度が過ぎる。
「りょ、了子さん………」
「もう、少し無防備よアスカちゃん♪ 誘ってるのかな?」
「オレは男ですよ!?」
それを聞きながら、スマホを覗いてにやにやしている。
「あらら短パン? もう、だれよ短パンなんかはかせたの? せっかく音消したのに、これじゃ意味無いじゃない」
「なに撮ってるの!?」
「もう少し触りたいわね、お姉さんの癒しのために、さわさわさせて欲しいわね~」
「い、嫌ですっ。本当は本部にいる間だって、リディアンの服は嫌なんですよオレ」
縮こまりながら、弱音を吐く。男らしくない? この格好で何を言うか。だが、それ様子を眺める了子さんの目が怖い。本能的に。
「もう、本当に可愛いわね………連れて帰りたいわ………」
獲物を見る目でオレを見る。止めてください、背筋が寒いです。
そうしているとき、了子さんの手に鞄がある。
「アタッシュケース?」
「そ、ああ急いで弦十郎くんに届けなきゃ。それじゃね~今度は、ぐっふふ」
身を縮ませて、距離を取る時、本当に身の危険を感じるときがある。
何だろうホントに………
とあるお偉いさん暗殺に伴い、デュランダル輸送計画が発令される。
このことは奏、翼両名には内緒で、自分達だけの作戦決行。それに響の様子を見るが、緊張しているが、危険な緊張ではない。
「俺とアスカくんはヘリからサポート、アスカくんはアームドギアヒポグリフを」
司令官に言われ、すでにシンフォギアを纏うオレ。ヒポグリフは自立型であり、ある程度なら、他の人の言葉も理解して動く。最優先は主の守護と命令、次に民間人の保護。その場合、二課メンバーの指示に従う。
ヘリに乗る中、響の方を見る。緊張しているが、無事を祈るし、サポートするしかない。
作戦が始まる。
「………」
スカートなぞ翻ろうが自分には関係ないし、シンフォギアの姿だから見えても問題ない。少し気になるが無視だ。
ヘリから身を乗り出しながら、走行する車達を見る。ピンク色の車を囲み、黒車が囲む。その側でヒポグリフが飛んでいた。
いま現在、暗殺者グループの調査などの荒技で、一般道を全部貸し切りにしている。よくできたよなと思いながら、響が乗るのは、了子さんのピンクの車だ。
「………デュランダルか」
「気になるのか?」
弦十郎司令官も身を乗り出しながら、様子を見ている中で頷く。
アストルフォの仲間に、その聖剣の持ち手がいる。彼が言う『剣』はそれの可能性があるし、彼の言い回しが気になる。
このことは誰にも話していない。元々自分が前世持ちなのも黙っているし、正直話しても意味はない。
自分はアストルフォ達が出てくる物語ならともかく、ノイズが出てくるこの世界の物語は知らない。どうなるかなんて分かる訳ないし、そうなる保証もない。
「………!」
その時、橋が崩れたとき、車が落ちる。それをヒポグリフが助け、人命は助け出して、車の側に戻る。
「敵襲だっ、アスカっ」
「OKっ」
その時、アストルフォのもう一つの能力。殲滅型では無く、本来は妖鳥を払う音色だが、音波攻撃できる。ただし歌が歌えなくなるため、ほぼサポートとしか使えない。いまがその時だ。
取り出す瞬間、巨大な楽器へと変わる角笛を持ちながら、戦慄を流す。地下にいるノイズはそれに苦しみ、出ると共に消し飛ぶ中、側で司令官が指示を飛ばす。
「これは、誘い込まれてるか!? おそらく近くの薬品工場っ。向こうさん、ヒポグリフの情報が流れているようだ!!」
ヒポグリフは三人、無理すれば最大四人乗れそうな大型獣であり、狭い場所や、壊すとまずい場所では運用できない。
誘い込まれるように、その薬品工場へと車が入り込む。
「!? 煙が」
黒煙の所為で、工場で何が起きているか分からず、それに目線で確認してから飛び込む。ヒポグリフは近くにいる人達の安全第一に動くように叫んでからだ。
「ちっ、ノイズがおお………!?」
後ろから鎖のような鞭が放たれ、それを避ける。振り返ればネフシュタンの鎧を纏う、あの子が激昂して向かってくる。
あれは確か自己再生能力がある完全聖遺物であり、あの時の事件で奪われた物。なんでそれを、自分と変わりない子が着ているか分からない。 激昂している理由も、
「お前が、お前が!!」
「な、なんだよっ」
「るっせぇ、テメェの所為だ!!」
身体を捻ると共にスカートが伸びて刃になり、斬りかかる中、マントも掴み、剣を構える。
向こうはノイズを取り出しながら、向かってくる。何故か叫びながら、睨みながら、
「寄せ集めのくせにぃぃぃぃ」
そんな中で歌が聞こえる。響の歌、響がちゃんと戦えている中で、デュランダルのケースがあることに気づく。
そして、
「!?」
それが何かに反応して、ケースから出て空に浮遊していた。
「なっ、まずっ」
「!? 取らせるかっ」
二人同時にデュランダルへと飛ぶが、オレは違う。
「!?」
デュランダルを取ろうとしたネフシュタンの子へと抱きつき、それを阻み、
「飛べ響っ」
「うんっ」
「!? テメェら!?!!」
オレの背中を踏みつけ、デュランダルを手に取る響。元々響が見えていたため、響にデュランダルを託す。それが、いけなかった。
ネフシュタンの子と共に地面に降りて、彼女を押さえつける。正直、触れちゃいけないところに触れた気がするが、気にしない。
それよりも、
「!? 響」
黒い影が、剣を掲げる響を覆い、咆哮する響。
その眼光は紅く、獣のようだった。
「なん、だ………響っ!!」
急いで槍を構え、転倒させようとする。まず剣を手放せた方がいい、そう判断すると共に、剣が、
『あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』
ネフシュタンの子に振り下ろされる。
もし、ここでそれが振り下ろされれば、どんな被害が出る?
もし、それを響が知れば、響はどうなる?
答えは分かる。
だから、
「頼むっ、オレに、止めさせろぉぉぉぉぉぉぉぉ」
『ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ』
槍が効果を発動する前に砕け、瞬時に出した本のページがすぐに燃え、役に立たない。
だけど、その手を掴むことはできた。
「!?」
壊せ壊せ破壊しろ破壊しろ破壊しろ破壊しろ破壊破壊破壊破壊ハカイハカイはかいハカい………
んなもんっ、望んでないっ!!!
頭の中に何か流れ込むが、こちらはそんな黒い衝動は別の意味で慣れてるんだよッ。黒い影が自分も包む、二人揃って飲み込まれる中、だけど、
『ビビギぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ』
『!?』
その後、光が世界を包み込んだ………
――???
デュランダル輸送は失敗、その後、アビスにて再度保管される。
その際の被害、二人の装者の尽力にて防がれ、死者0。施設もまた、大がかりな被害もなく、奇跡と言って良い事案である。
デュランダルの適合者候補、ガングニール装者、立花響
そして、融合聖遺物アストルフォ装者、龍崎アスカ
必ず手に入れる、この二つを………
シリアスはもちろんありますよ、クロスオーバーがFate/シリーズなんですから、それなりに重いものか、ぶっ飛んだ理論とか考えてます。彼の聖遺物に対する適合率などがそうです。
運用と言っていますが、軽い戦闘なら問題なく扱えます。ただし、翼より下なのは明白です。むしろ翼と言うお手本があるからできると思ってください。
あの人が、アスカに対しての行動はこれでいいのだろうか? まあ、アストルフォが最初に出てきた時のマスター考えれば、マシですね。
それでは、お読みいただきありがとうございます。