少年/戦姫絶唱フェイト・シンフォギア   作:にゃはっふー

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もういいよね?

どうぞ。


Gの番外編4話、GからGXに入る前に

 ある日、頼まれた。

 

 だから決意して頼みを聞くことにした。

 

 だがマーリン覚えてろよ。

 

 

 

 人理継続保障機関カルデア。正直、魔術師と言う、人理を考慮して、神秘の深淵にたどり着けるか?と疑問に思う生き物達が、何を言っているか分からない。

 

 そんな場所に、ただの数合わせで来たマスター候補、藤丸立香。

 

 度重なる事件の結果、カルデアにて最後のマスターとなり、人理を修復し、偉業を成したマスターである。

 

 標高6000メートルある雪山にて造られた施設にて隔離された施設にて、彼は多くの英霊と契約して、今もなお健在する。

 

 そして、

 

「えー一時、自分のパスになったアタランテとジャックの契約状態を検査するために来ました、龍崎アスカです。アストルフォの姿で男性です、皆さんには詳しい話を知らされていると思いますが、よろしくお願いします」

 

 三日間だけ、カルデア滞在。怖いとしか言えない中で、藤丸立香は休暇と言う名前で、家に帰るため、日本に帰国。

 

 そしてとある盾の少女は、マーリンがアヴァロンに呼んでいる。となっていた。

 

 まあいまはいい、いま問題なのは、

 

 マスターの来世の魂。

 

 令呪は無い。

 

 美少年のマスターである。

 

 が自分の前にある。

 

 と言う顔のサーヴァント達であった。

 

(響、オレは無事に帰れるだろうか?)

 

 少し涙が流れかけた。

 

 

 

 ダ・ヴィンチちゃんの検査は早く終わり、やはり調整すれば戻るらしいし、魂が同じだからこんなことになっていると分かる中、上着を脱いでコードをつけたりする。この辺はただの健康検査だのなんだのだ。

 

「しかしあれだね、本来転生しているのだから、僅かに同じはあっても、こんなに波長が合うなんて。時計塔には絶対に言えないよ」

「はあ。そんなにあり得ない事態なのかオレ………」

 

 魔術師の問題は気にしないと決めているため、検査を受けている。

 

「しばらくすれば終わるけど、これはすぐにパスを戻すのは無理だ。サーヴァント二騎はまだ君がマスターをしていてくれたまえ」

「はい」

 

 せっかく向こうの休日も利用しての活動だ、ライムやジャンヌリリィにも会おう。そして可愛がろう、甘やかせよう。

 

 ロリコン? 別に構わない。

 

「もう問題ないよ、部屋に帰っても」

「はい」

 

 そう言って上着を着て、いざあの子達のもとに行こうとしたとき、扉を開けた。

 

 

 

 白馬に乗った英霊がいた。

 

 

 

 すぐに扉を閉めたがロンの槍を入れられ、無理矢理回収される。

 

「何故私を見て扉を閉めたんですか?」

「すいません怖かったんです」

 

 無理矢理馬に乗せられ、抱きしめられる。愛おしい者を抱くように、胸に顔を埋める形だが、恐怖が勝つ。何故だろうね。

 

「まったく、お前は生まれ変わっても変わらないのだな。だが生まれ変わった故に、ここのことは忘れているのだろう? 私が案内する、案ずるな、お前は私が守る」

「………はい」

 

 しかし馬での移動でいいのだろうか、本当にいいのだろうかと思いながら、

 

「すいません、少しここで過ごすための荷物を置きたいので、個室へ」

「ん、そうか。なら私の部屋に連れていく」

 

 あれ? すでにこの人、オレを自分の部屋に持って帰ろうとしている。

 

 ははっ、まずい。

 

 瞬間、ロンの槍を振り回し、薙刀を防いだ。

 

「貴方、我が息子をどこに連れていく気ですか………」

 

 はい安定のバーサーカーの源頼光さんです。それの出現と共に、完全に顔が胸に押し付けられ、守られる?

 

「私達のマスターの生まれ変わりだ、丁重に扱うのが通りだろ?」

 

「あらあら、なにを言っているのですか貴方は………」

 

「本当は独り占めしたいだけでしょうにね………」

 

 バーサーカー達が現れ、そして、

 

「殺す………愛して殺す、愛殺す。愛殺」

 

 ぶつぶつ言う声や、キャットとして見過ごせないですとバーサーカーのキャス狐もいるようで、やはり魔境のようだ。見えない、見えるのはきれいな肌だ。

 

 だが羞恥心より、恐怖を通り越した無の境地にいます。これでイヤッホーと言える人がいたらすごいと思う。ひとたび人気が無いところに連れ込まれたらどうなるか分からないのに………

 

 バトルが始まった。

 

 

 

 ――無銘

 

 

 龍崎アスカ、私と同じ抑止であり、私と違う点は私は自ら抑止に死後を売り渡したこと。彼は抑止により選ばれただけのもの。

 

 その彼はいま上着をボロボロにされ、ズボンを奪われてパンツだけとなり、ゴムも伸びていて、ガタガタと怯えていた。

 

「大丈夫問題ない、ここは今日の日のために用意したルームだ。彼女たちどころか、一部のスタッフすら知らない」

「初めては好きな子がいい………前世もそんなこと無かったんだ………だから」

 

 私は思いっきり頬を殴り、目を覚まさせる。よほど怖かったらしい。

 

「目を覚ませッ、君はまだ引き戻れるッ」

「すまない無銘………やはりあれは怖い、匂いは平気か、俺の匂いできよひーは追ってくるぞ」

「問題ない、それも考慮している」

 

 その時、何もないところから気配がするが、私は安心して武器を構え問う。

 

「見つかっていないだろうな」

「安心しな、そんなヘマはしませんよっと」

 

 そう言って顔のない王(ノーフェイス・メイキング)を解除して、食糧を持ってくる。こいつが裏切ることは無いが、念のために調べてから、彼に渡す。

 

 いま彼には投影した礼装を纏ってもらう。リンゴをかじりながら、戦局を聞く。

 

「現在バーサーカー組初めとしたもんはオタクを探して彷徨ってたり、ライバルとバトルをおっぱじめたりしてるぜ」

「やはりそんなことに………これでまだ初日だぞ?」

「だからって自害させて、データ状態で保存も危険なんだろ? くそ、魔術師ども、手を出せばパンドラの箱並のもんに手を出そうとして」

 

 いま現状、女性サーヴァント全員を戦闘不能状態で放っておくと言う手があるが、それをすればここの守りが弱くなる。そうなればスパイなりが来て別の意味で危険なため、倒されたサーヴァントはしばらくすればスタッフが復活させる。

 

 逆に言えば、こちら側のサーヴァントも復活するのだが、やはりタイムラグがあるため、その間に龍崎アスカと言う人物の人権を完全無視し、滅茶苦茶にされるだろう。色々な意味でだ。

 

 二度と魂が離れないように念入りに念入りに………まだ高校生である彼にとって、それはさすがに酷過ぎる。なにより、本来のマスターのために、このような場所に来てくれたのだ。我々は死にもの狂いで守らなければいけない。

 

「いま封印みたいなことになってる英霊は」

「青髭、黒髭ぐらいだよ。彼らの暴走は酷いからね」

「納得」

 

 そして自分を狙うサーヴァントはどうなんだと聞くと、ロビンフットは少し悩んでいる。

 

「どうした?」

「いやね、正直それが分かりずらいんだなこれは。青いセイバーさんやラーマさんみたく、嫁さん旦那さんがいる奴らは、動かないんだけどな~」

「………マリーみたいな人たちの動きが分からない?」

 

 それにロビンフットが真剣な顔で頷く。

 

「なるほど、生前まともな恋をしなかった女性サーヴァントも、いまのマスターにそれらしいアプローチをしている。彼女たちの動きが?」

「不気味なくらいに落ち着いててね、クレオパトラさんみたいなお方らは、やりすぎなきゃ目を瞑るってスタンスだから、情報戦みたくなっててな」

「アサシン組………いや、此度アサシン組は」

 

 少し難しい、彼らが動かすことは得策ではない。おそらく目を付けられているし、女性はむしろ危険すぎる。

 

「メディアはどうだ?」

「どっち」

「大人」

「あっちは駄目だ、別の意味でだ。パラケルススと手組んで、性別変換薬なんか作ったり、解毒薬作ったり、洋服作ったり、趣味一直線」

「ルーラーは」

「壊れてる」

「はぁ?」

「参戦するべきか否か、ジャンヌルーラーがめっちゃおかしいのよ。マルタの方は目を瞑る派だし、オルタは捕まえて自分のもんにするって息巻いてるし。滅茶苦茶よほんとに」

 

 どうやらあまり味方に期待できない。マスターの令呪があって、初めて暴走するサーヴァント達を止められたのだ、いまは無理だ。

 

「ところで龍崎アスカ、これは現カルデアにいるサーヴァントデータだ。これ見て聞きたいことはあるか」

「BBとかの桜似だれやねん」

「君はそこの記録は無いのか………書類見て対策を考えてくれ、ここではおそらく」

「ギアは使えない、オレはただのアストルフォ似のマスターの来世。分かってる」

「………君もお人よしだ、異世界に居れば、このような茶番に付き合わずに済んだというのに」

 

 そう皮肉を言うが、涙目でふんと鼻で笑う。

 

「オレはジャックが最近、ライム達に会えないのが寂しいかなと思っただけだ。前世のためじゃないし、それが恋仲のためだからじゃないわい」

 

 そう強がりを言って、我々は安心して動く。

 

 

 

 ――龍崎アスカ

 

 

 何時間経ったか分からない、シャワー室、ベットとトイレは必要最低限ある部屋で、膝を抱え、荷物の手入れをしている。

 

 下着と衣類がいくつか無くなってるんですけど、気にしない。

 

 術的にこれまずくないか聞いておいたし、問題ないと無銘談。持ち主を索敵する魔術目的で奪われたんだろうなと思いながら、できれば穏便に会いたかった英霊達。

 

 まさか廊下で無理矢理裸にされ、パンツ脱がされそう………もうやめよう。考えるのは怖い。

 

「………シャワー浴びよう」

 

 そう呟き、シャワー室へ出向く。と言ってもお湯を風呂に満たして入るだけにする。流れる水から索敵される可能性があるからだ。

 

 怖い、あの女神化しているはずのアルトリア、無銘の相手じゃない彼女も結局同じだったんだ。あのまま部屋に連れて困れていたらどうなっていたか。

 

 そして、

 

「………アストルフォ」

 

 そうアストルフォ、アストルフォである。いたのだ彼が、

 

『アスカ、ボク、ボク我慢できない………アスカっ』

 

『逃げないでッ、アスカ、アスカぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』

 

 泣きたくなる。親友がおかしいんだもん。

 

 湯船の中で丸くなりながら、目を閉じていると、ガラララと音が、

 

「えっ」

 

「は~い♪ アスカさんここにいたんですねっ」

「こんにちはアスカ」

 

 アン&メアリーが入ってきた。

 

 

 

 裸で………

 

 

 

「うっ、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 すぐに目を閉じ、背を向ける。その様子に、

 

「やっぱり嫌ですわね、こんな無惨な傷だらけの身体では」

「やっぱり嫌だよね、こんな語るも陰惨な傷だらけの貧相な身体じゃ」

 

「そ、そうじゃないよっ。二人ともそれでも綺麗だけどっ、まずいだろっ、問題だろっ、男で女じゃないか!!」

 

 その言葉に、二人は微笑んだことに気づかず、ちゃぷんと狭い風呂場に入る二人。

 

「ま、なっ」

「恥ずかしいのならそのまま背を向けて、目を瞑っててくださいね」

「恥ずかしいのなら、そのままがいいよ? 服は僕らが隠しちゃった」

 

 考えるな考えるな感触やらなんやら考えるな考えるな考えるなッ。

 

「可愛いですわね」

「いいにおいだったし、本人もいいにおい」

 

 考えるなッ。

 

「私は藤丸マスターさん、メアリーはアスカさん」

「これで問題ないねアン」

「問題ありますよねぇぇぇぇぇぇぇぇこの状況も問題あるよッ。二人とも自分のことは大事にしてッ。オレとは初対面だよ!!」

 

 それに静かに、

 

「関係ないってことはよくわかったよ」

「うれしいよ、こんな身体でも、恥ずかしがって綺麗って言われて」

「私達は海賊ですよアスカさん」

「海賊は」

 

 

 

「「狙った獲物は必ず手に入れる」」

 

 

 

 二人が左右から耳元で囁く瞬間、

 

 

 

壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)ッ!!」

 

 

 

 破壊された風呂場の中で、すぐに二人は礼装を纏った。それを声で叫ばれて、目を開き、タオルを確保して走る。

 

「逃げろッ、ここは私が食い止めるッ」

「させないよ」

「海賊から財宝を取ろうだなんて、はしたない人ですねメアリー」

「だねアン………」

 

 そして静かに、

 

「「海賊なめるなよ」」

 

「ここは任せろッ」

「任せたッ、そして」

「ああ………倒してしまっても構わないのだろ?」

「生前思い出せ死亡フラグッ」

 

 こうしてその後、タオルだけと言う言葉に湧き出る者達に、一日は整備室なりなんなりで怯えて過ごした。

 

 響、未来、奏さん、翼、クリス、マリア、セレナ、切歌、調。みんなに会いたい、着替えた後。もう帰りたい。

 

 こうしてタオル一枚でカルデアをウロウロするのであった………




まだ英霊達とのふれあいは始まったばかり。

アスカは無事に響達のもとに帰れるか。

お読みいただきありがとうございます。

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