少年/戦姫絶唱フェイト・シンフォギア   作:にゃはっふー

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日常回。ジャック達は、とある花を出すしか能のない魔術師を退治して、富士山あたりに捨てに出てます。平和だな………


Gの番外編2話・日常

 トントントントン………静かに料理、今日は和食。

 

 魚と自家製みそで、みそ汁など、調整しながら、漬け物を取り出すと、

 

「来たぞ~」

「あっ、クリス。もう少し待って、いま作るから」

「ん~」

 

 そう言いながら、リビングに座るが、つまめるように、軽い浅漬けが用意されている。卵焼きもいい具合に焼け、お弁当も用意しておく。

 

 朝は和食なら、昼は洋食と、自家製パンは無理なんだよなと残念がりながら、サンドイッチを用意して、お弁当を用意。クリスは女性だから、見た目もいいものにしなければいけないなと、最近は料理本を攻略本と共に買う。

 

 そうしていると、クリスがこっち見ている。

 

「どうした?」

「………」

 

 静かに、

 

「お前、似合ってるぞ」

「? ありがとう」

 

 そう、エプロン姿のオレを褒めた。

 

 

 

 休みの日は切歌と調が家に来る。もう外で活動できるようになってから、よく来るようになった。

 

「いらっしゃい、ゲームしか無いけど、いいのか?」

「別に良いデス、美味しい料理食べに来ただけデスから」

「アスカの料理食べたい」

 

 そう言われ、なんか嬉しいなと思いながら、時間も時間だからとスパゲティを作り始める。そう言えば多めに作ったトマトソースがそろそろ危険だった。

 

 家族が増えたため、まだこの辺りの消費のペースがまちまちだな。いずれ本当のマスターの下に帰るしなと思いながら、考える。

 

「よし、これを早めに消費するか」

「アスカ、洗濯物平気デス~?」

「今日、少し雨降るから、早く干さないと」

「あっ、そうなのか」

「私がしてあげるよ」

「ホント、ありがと調」

 

 そう言って、オレは自家製ベーコンを出そう。二課にいたから、そういう専門道具とか充実してるんだよね。

 

 感想も聞こうと、切歌はこちらを見ながら、目を輝かせる。

 

「………少しだけだぞ」

「ホントですか!?」

 

 調は現在洗濯物を片づけに出向いてる。正直男物と女物が混合している我が家の洗濯事情。泣ける。まあいまはアタランテ達もいるんだけどね。

 

 軽くベーコンを厚めに切り、焼く。いい感じだなと思いながら、ハシで掴み、

 

「はい、あーん」

 

 

 

 ――暁切歌

 

 

 いま目の前にいるのが男性じゃない気がするデス。

 

 エプロン姿、あーんさせる仕草も含めて、女性デス、可愛いデス、卑怯デス。

 

 けどどうしてだろう? どうして少しだけ頬が赤くなる気がするデス。

 

(私はそうじゃないデス私はそうじゃないデス私はそうじゃないデス………)

 

「? あーん」

 

 そう言われるがまま、美味しそうデスし、静かに、

 

「あーん」

 

 美味しい、脂と肉の甘さなど、お店に出そうな物デス。

 

「おいしいデス♪」

「そう………よかった」

 

 そうはにかむアスカ。

 

「………」

 

 私は正常デスか? 異常デスか? 分からなくなるデス………

 

 

 

 ――月読調

 

 

 アスカの洗濯物は、男性服と女性服があるが、下着は探してもトランクスしか無い。あっ、ちなみにこれはすでに洗濯済みの物。

 

 さすがにアスカは私に、下着を洗わせる気はないらしい。アタランテさん達のは見当たらない。本人達に任せて、自分は一切関与しないのだろう。だけどこの前、翼先輩の下着類はしていたと聞いたような?

 

 畳まれて仕舞われていた物を確認し終えて、私は洗濯物を洗濯する。

 

 よく見れば、アスカがよく着る物もある。

 

 ………

 

「…………………………」

 

 私は静かに洗濯物を抱きしめ、顔を埋める。彼のにおいを感じる、まるですぐそばにいてくれるようで安心する。

 

 ………………

 

 よし洗濯機に入れよう。

 

 時々フィーネこと、了子さんとは実は話したりする。本人曰く、もう悪人として色々やっておきながら、いい人やる気無い。と言うが、

 

「これ以上話しかけるんなら、お姉さんの恋バナ百物語するわよ………」

 

 そう言うので、

 

「………アスカの話が聞きたい」

 

 そう言って、色々聞いた。ためになった。

 

 正直、みんなには悪いけど、私はかなりリードできる。先輩中の先輩がいるのだから、勝てる。

 

「洗剤も気を付けてる、了子さんの言ってたとおりだな」

 

 あの人、なにげにここを盗撮してたらしい。その際の話もよく聞いた。

 

「………アスカは家事とかできるのに、家事できる人がいいんだよね………」

 

 そう呟いたらしい、そう独り言で言っていた。そして一人暮らしが長く、話を聞けば、前世も一人暮らしだからなのか、私達がご飯食べにくるのを受け入れてくれる。それが嬉しい。

 

「あっ、そうだ。部屋の物もかごに入れておこう。部屋に無いか聞いてから」

 

 そう言って、部屋では食器の並べている切ちゃん。料理しているアスカに、部屋に入る許可を取り、場所は前に聞いているし、了子さんにも聞いている。

 

 部屋の中にはいると、ベットと、掛けられた男子制服がある。これもこれで格好いいし、可愛いことは見たことある。

 

 洗濯物らしい物は、隅に纏められている。ちなみにしわにならないようにされていて、観察していた了子さんも、本当に男性か信じられないらしいほどまめらしい。

 

「………そう言えば、年頃の男の人が持ってる物も買わずに、ゲームとかにお金使ったりしてるんだよね。二課のお給料は別にして」

 

 その辺も彼は別にしているらしい。料理器具など、みんなのために使うのが二課でもらったお金で、ゲームなどの趣味は親からの仕送りをやりくりしている。

 

 本当に、女の子に興味ないのだろうかと本気で思われるほど、そう言ったことが無いらしい。少し心配だ、あのまま女の子になってしまったら、困る。

 

 ベットに少しだけ倒れる、しわにならないように後で、直さないといけない。

 

「………アスカのにおい………」

 

 ほっとする、顔を埋めて、この幸せな時間を感じる。なんでだろう? 彼がいると思うと、本当にほっとして安らぐ。

 

 このことを言っても、苦笑されてしまうし、それは表の人たちに聞けと言う。そんなこと、恥ずかしくて聞けない。

 

「………!」

 

 その時、顔に銀色の長い髪を見つけた。それを静かに持ち、考える。いや考える必要はない。あまりにも長すぎる。

 

「………負けない」

 

 そう言って、髪の毛は捨てておいてしわも戻し、洗濯物はかごの中に入れておく。

 

 アスカの作る手料理は美味しい、切ちゃんはソースが口元について、彼に拭かれて少し羨ましいけど、時々、違うデスって、何が違うんだろう?

 

 

 

 ――龍崎アスカ

 

 

 夕暮れ時になり、クリスも来ない。暇だなと思っていると、誰かが入ってきた。

 

 鍵があるのに入るなんて、一人しか思いつかない。

 

「ア~スカ♪」

「響」

 

 そう言って、抱きついてくる幼なじみ。ここ最近、こんな感じで懐いてくるが、正直平常心保てる自分が枯れていると思う。胸が当たってるから、響のことを逆に心配する。

 

「今日はアスカのご飯食べたいんだ♪ いいかな?」

「はいはい………残り物でいいか?」

「うん♪」

 

 最近スキンシップが酷いのは、オレが真っ二つになって戻って以来だ。

 

 よく考えれば、オレはあのハサンに物の見事に殺された。そんな光景を見た以上、響は表向きはこんな風にのんきだが、実際は酷かった未来に言われた。

 

「アスカ~」

「おいおい………」

 

 魚を蒸し焼きにしつつ、美味しいの作ってる最中だから、背中から抱きつくのは止めて欲しいが、少し妙だ。

 

「響?」

「………」

 

 本当に密着過ぎて、少し驚く。またかと、心の傷は深い。

 

「アスカ………」

 

 泣きそうな声でそう言って、ここにいることを確認する。本当に酷い時があるので、何も言えない。

 

「響、オレはここにいるよ」

「………アスカ」

 

 そのまま抱きつかれたまま料理をして、料理を出す。それも、

 

「はい、あーん」

「あーん♪」

 

 そう言う扱いで、少し幼児退行してる気がするが、未来から言わせればまだマシだと言う。本当に申し訳ない。

 

「アスカ」

「ん?」

「今日泊まる♪」

 

 ………我、一番の問題が起きたなり………

 

 

 

「……………ああぁぁぁぁ、説得に時間食った………」

 

『響の送り迎えありがと、いま少し心配してるけど、シャワー浴びてるから』

 

 未来に電話しながら、明日の下準備に味付けしている。明日は埋めた後、山菜なり採って帰るそうらしいので、楽しみにしてよう。そうしながら、

 

「未来にも迷惑かけてるよ、今度何か作る」

 

『うん、アスカの料理美味しいからね』

 

 少し嬉しそうな未来。そう言えばと、

 

『なーんか、昔はアスカの家に泊まっても何も無かったのにね』

 

「オレだけ男だし、いまの年頃の子が泊まるのはね。なにより、オレは前世があるから、爺臭いよ?」

 

『あー』

 

 納得される辺り、あるらしい。そんな会話をしながら、

 

『けど関係ないよアスカ、いまはアスカだもん。前世の分まで、幸せに成らないとダメだよ』

 

「ああ、じっちゃんにも約束したから、そのつもりだよ。幸せか………ま、いまが幸せだから、高望みはしないけどね」

 

 そう言ったとき、未来は何か息をのむように黙り込む。

 

「? 未来?」

 

『………鈍感だよね、アスカって』

 

「はい?」

 

『………知らない』

 

 そう言われて切られた電話、なんだと思いながら、聖遺物を見る。

 

「はあ………こんな日々で、いい訳じゃないんだけど………どうすればいいんだろうねアストルフォ」

 

 知らないよと言われた気がしながら、一日は終わる。

 

 

 

 翌日、帰ってきたみんなを加え、山菜のパーティーしてたら、

 

「酷いよっ、私じゃなかったら死んでるよ!!」

 

「おかあさんごめんなさい………」

「申し訳ない、確実に射貫いたと思いましたが」

「チッ、令呪は一日回復システムか?! ジャック宝具ブーストして」

「もうやめようよ~」

「私はただ、君たちの世界のだから、繁華街のツケを渡しただけじゃないかっ。気を使っていかがわしい店は行ってないよっ、キャバクラ程度」

「仕留めるみんな」

「異議なし」

「どのマーリンも屑です」

 

 セレナの一言により、ほぼ全員が聖遺物を手に取り、ジャックとアタランテは宝具を手に取り、響と未来はあわわしている。

 

「なぜ!? お酒飲んだだけだよほんとッ。居酒屋巡りしただけだし、ほんと」

 

 その後念入りに仕留めました。

 

 はぎ取ったもので、携帯があったのでメールで、回収するかトドメ刺しておきます?とおくると、アルトリアからゴーサインが送られ、マスターからは待ってくださいと丁寧なメールが来た。




携帯、スマホを持つマーリン。

こいつ、これでもグランド・キャスターですよね?

お読みいただきありがとうございます。

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