どうぞ。
清姫、クラスバーサーカーであり、美形の僧に一目惚れし、彼に求婚したが拒絶された。
だがもう一度会う約束をしていたが、彼は清姫を恐れ、約束を破り、逃げ出した。
結果、彼女の思いは強く激しく、その身を変化させるほど強まり、蛇へと姿を変え、鐘に隠れた彼を焼き殺した。
源頼光、クラスバーサーカーであり、史実では男性だが、彼女だったのが彼の世界の真実であり、多くの神秘と対峙した、希代の神秘殺し。
だが彼女には色々な物語があり、狂っている。
母性愛が狂っていて、愛する者は子として接して、非人道なことすらいとわず、愛する者の敵を討つ。
静謐のハサン、クラスアサシン。その肌、否、彼女全てが毒でできている。少女は毒そのものとして、暗殺者の称号を持つハサンの一人。
ブリュンヒルデ、クラスランサーであり、北欧の神に仕える戦乙女。
彼女のことは悲劇として有名である。愛する者を失った少女。
「なお、彼女達の愛は重く、マスターに対する愛は深く、ランサーはシグルドさんと思い、愛し殺しにかかり、頼光さんは息子と思い、手元からけして離そうとせず、清姫さんは嘘言えば殺し、つねに背後に控え静謐のハサンさんは………あっ、この人平気だろ!? 毒で死なない人しか愛せないのならオレダメだろっ」
「マスターボクの力で魔防高いし、魂の質が高いから効かないよ?」
「なんてこったい!!!!!」
――立花響
なにか虚ろになって虚空に向かって語り出したアスカの言葉、ぜ、全部怖いんですけど………
アスカは事実を知り、怯えながら、後ろに下がる。
「ま・す・たぁ………」
「ひぃ!!」
清姫と言う、黒い着物で、白い綺麗な人が、にんまりと微笑みながら、その白い肌をほんのり赤くしているけど、吐息と共に、火が出てくる。
「な、なんで絆Lvが高いの!? 霊基再臨!? お、オレ育ててないよねきよひーさん!!?」
「そんなの、愛ッ、ですッ!!!」
「なんでそこで愛!?」
そんな叫びの中、全身をくまなく見るのは、全員だった。
「わたくし、いつもいつも
「くす」
「あらあら………母の愛に勝てないのに………」
「ふふふふ………」
四人の女性が色々怖いです。なんだろう、助けて未来ぅ。
「わたくしはいつも
「それは私も」
「母もです」
「ふふふふ………」
「ちっがぁぁぁぁうううぅぅぅもん、オレが課金+貯めたもんでガチャった時に願ったのは、レギュと二軍用と、イベ鯖が来て欲しかっただけだよっ!! きよひーとか呼んでないっていうか、なにかしらの恐怖があって、持つのも怖かったから………その」
「何度でも会いたいが故に、いつも外していたのは知ってますから、ご安心してくださいな………」
もうだめだと呟いて、奏さんに腰が抜けて抱きつくアスカ。ここまで怖いの?
それにはナスターシャ教授が、
「清姫伝説は、鐘に隠れた僧を殺す際、解けた鉄でですから………その」
「それは………」
「怖いデス………」
「あ、あと、オレの知ってる清姫なら、バレンタインデーイベは、自分をチョコにしてマスターにプレゼントしたり、ことある事に現れてマスターの正妻の座取ろうとしたり………そのたびにスマホ持つ手が何故か震えに震えて、怖くて所持できないんだ」
なんでと思い、アストルフォさんを見る。と、もの凄く言いにくそうに頬をかいて、
「そのね、あの………別にアスカが僧本人って訳じゃないんだ。彼女の記録とアスカの記録で関わったのは、マスター時代だね」
「お、オレの過去、清姫のマスター?」
「はいっ♪♪ あなた様はわたくしと永遠の契りをかわし合った、安珍様の生まれ変わりですので。ねえ
「待ってよぉ、安珍の生まれ変わりじゃないなら違うよぉ。怖いよ帰りたいよぉ、もうやだよぉ」
目がとろけようにアスカを見てて、アスカは泣きわめいてる。
まるで昔おばさんと私と未来とで無理矢理、お洋服の交換会したときみたいに泣きわめいてる。
私はその前に出て、説得しようと叫ぶ。
「ま、待ってください清姫さんっ。アスカはその、貴方の知るマスターさんかも知れませんですが、生まれ変わりですっ。いまはアスカですっ、私の大切なアスカですッ」
それもそれでと言う視線が集まる。あれ? 私何か変なこと言ったかな?
清姫さん達は、一斉に、冷ややかなでこちらを見た。
「………分かってます」
「けど、変わらないよ?」
「ええ、そうですよ………母の愛は、姿が変わっても変わりません………永遠に………」
「見つけて、探して、愛して殺します………ずっとずっとずっとずっとずっとッ。シグルドっ、間違いない、あなたはシグルドです!!」
「そんなわけないもんっ」
「………アスカ、それは………」
言いにくそうなアストルフォさん、叫び声をあげるブリュンヒルデさん。そして全員がアスカを見る。
「では此度の縁組みはどうしましょう? わたくし、うぇでぃんぐなる、西洋式を少ししてみたいと思いますが、どう思いますか?」
「いえここは母と共に帰りますええ帰ります。その後はご飯を食べお風呂………ああ、そう言えば一人暮らししているのでしたね、お世話になった人達にお話ししなければいけませんね」
「Aaaaaaaaaaaaaaaaa―――はあはあ………」
「私は、ずっといられればいい………」
「あらあら」
「まあまあ」
「…………ふふっ」
「くすっ」
…………………………………………………
「アスカっ、戦え………無いよな。私も無理だ」
頷くアスカだけど、その時、誰かが膝をつく。
「………ジャンヌ?」
そう言われたとき、私ですら目を丸くする。
大きな旗を持つ、槍のようなそれ。金髪で、長い三つ編みをした女性。金髪の騎士さんが舌打ちする。
「………おい」
その時、アスカの目の色は戻っていた。
「はい」「ええ」「なに?」「?」
四人の反応を見ながら、アスカは静かにギアを握る。
「………なんでジャンヌやモードレッドが傷付いてる?」
「? 我々と戦ったためです」
「………なんで戦った」
「貴方は我々の言う人ではない、そう言って邪魔したんですっ。
そう清姫さんが言ったとき、歌が響く。
天羽々斬、翼さんの剣を構え、
「みんな、とりあえず叩く。二人と翼、クリスを守るッ」
それに私以外の人達が武器を構え、私にアスカは、
「ごめん響………けど」
「………分かったよ、けど、本気じゃないよね?」
「………ネロ達と同じだよ」
「そゆとこ、マスターの好きなところだよボク♪」
「うむっ、余達も忘れるでないぞっ」
――龍崎アスカ
怖い、けど、そう言っていられない。
「翼やクリスを利用してオレを呼ぼうとしたり、ジャンヌ達にケガさせたんだッ。覚悟はいいな。清姫、源頼光、静謐のハサン、ブリュンヒルデッ」
「殺さなきゃ、殺さなきゃッ!!」
「………」
「あらあら、反抗期ですか、母は悲しいです」
「
さすがと言うべきか全く話が通じていない、こうなれば仕方ない。叩いて大人しくさせる。
「ネロ、アルテラッ。キャスター組はアストルフォ。響っ」
「分かったよっ」
アストルフォもキャスター組と共に、戦えない人達のそばで待機、剣を持つセイバー組が自分と共に斬りかかる。響はジャンヌ達のそばに向かう。
「邪魔しないでくださいっ、わたくしはこのまま
「それは余も同じだが、此度は我慢しておるんだッ。ウェディングはまた今度出会ったときに取っておく!!」
「もう色々困らせないでくれッ」
翼の曲を歌い、その戦いをする。翼とは何度も共に戦ったため、動きも技も、誰よりも知っている。その為か、アストルフォギアの次に、一番戦いやすいギアだ。
「!! いま浮気を受信しました
「母は許しませんッ、なによりその格好はなんです!? 母と同じならいざ知らず、ちゃんとした娘として着物を着なさいッ」
「愛して殺しますッ」
雷を放ちながら、ナギナタで追い打ちする清姫? いかん混ざってるが使ってる。バーサーカーなのにランサーの武器使わないで欲しい。
(まずい、静謐が見あたらない!?)
「わたしを考えてくれたマスター?」
その時、一瞬だけ瞬きした瞬間、彼女が抱きついて、その顔が、吐息がかかる位置まで居た。
(まさか宝具!?)
いくらなんでも高速移動なんて無いはずなのに何故だ。まずい、彼女の宝具は接吻と言う形で相手を殺す。それは英霊でも二度すれば殺せる。
って言うかここでキスされれば色々死ぬのが確定する。
『熱く、熱く、蕩けるように………』
憤怒して叫ぶ清姫、源頼光が冷笑、ブリュンヒルデは槍を強く握り、他は多数の反応を見せる中、時間がゆっくりと動く感覚。やはり宝具が発動している。
『あなたの体と心を焼き尽くす』
頬を赤くして抱きつきながら、唇が近づく。
『
そう言った瞬間、
銃声か鳴り響く!!
「影縫い」
緒川さんがそう呟いた瞬間、僅かに出来ていた影に銃弾を撃ち込んで、止めた。
「?」
「助かっ、たっ!!」
身体を動かした瞬間、ちゅと頬にされたが、何ともなく、その場から離れる。
静謐のハサンは頬を赤くして、クスと微笑む。
「死なないのが嬉しいの?」
静かに頷く。そう言えば、止められたとはいえ、宝具に昇華した死のキスを受けたのに、何ともない。
「マスターッ、マスターはあの人の死の洗礼をはね除けたの忘れたの!!?」
アストルフォの言葉に、初代であり最後であるハサンの死から生還したことを思い出す。そりゃそうだ、死なないなオレ。
少し濡れていた唇、キスすると共に頬を舐められたようで、毒でもある唾液を拭きながら、ネロとアルテラが即座に来る。
「奏者ッ、よくも奏者の頬にッ」
「………貴方は悪い文明………」
「いや、これ宝具で毒だから………オレは平気だけど」
そう言いながら、その時、
「!!!!」
雷が、炎が、魔銀の槍が巨大化する。
「あらあら………ま・す・たぁぁぁ………わたくしと言う者がありながら、目の前で浮気ですかそうですか分かりました愛しましょうキスしましょういますぐしましょうね………」
「母は許しません………ええ許しません」
「愛し殺し愛愛愛愛愛愛アイイイイイイイイイイイイイッ」
そして一人だけ、嬉しそうに、
「くすっ」
そう微笑んだ瞬間、彼女達がブーストした。怖い。
「これがバーサーカーの力か………」
もう内ランサーとアサシンが居ようが関係ない。向こうはバーサーカー陣営OK?だよ。そう思いながら、ちらっと見た。
「だ・ん・な・さ・ま? この状況でまだ浮気ですか? 分かりました、淑女としてたしなむ気でしたが、ここは正妻清姫、本気を出すしか無いようですね」
「悪いけど清姫、静謐、ブリュンヒルデ、頼光。まさかだと思うけど、オレが貴方達と戦うのに真っ正面から戦うと思っていたか?」
全ユーザーならこういうだろう。い・や・だッと。誰もこの面々と真正面から戦う? 死ぬぞ。令呪も何も足りなくなって、どうなるか分からない。
だからこそ、策を使うのみ。
「よしっ、キャス狐ッ、準備は!?」
「みこっと大丈夫ですマスター♪」
それに全員が驚く。念話って便利だよ、魔術師達は真っ先に学ぶべきだね。こんな陣営に搦め手用意しない方が頭おかしいんだよ。
(いっぱい褒めてくださいねご主人様っ♪♪)
「(わかったよ)イチイバルッ」
そしてオレはギア、イチイバルを取り出し、全砲門解放する。
「アストルフォっ」
「全員OっKっ!!!」
「「「「!!!?」」」」
いつの間にか、全員助けられていて、イチイバル全力で放射。
爆音響く中でクリスの歌を歌い、天井を破壊しながら弾丸をなりふり構わずぶっ飛ばしながら、逃げる。
作戦としては、どーせあの方々は洞窟内なんて言葉忘れて本気出すんだ。いずれ崩壊するならこっちが壊して、その隙に逃げる。それ以外にあり得ない。
実際その通りで、爆撃の隙間から、彼女達を無視して逃げ出す。
「ま、待ちなさい娘よっ、この状況でそれはっ」
「いままでの戦いでど、洞窟がっ」
「!!?」
「シグルドっ」
――雪音クリス
私のイチイバルを使って、あの話を聞かない四人組を埋めて、洞窟から脱出したアスカが、ギアを解除して、全員の前に現れた。
「ふう、どうにかなった」
「ったく、人のギアで滅茶苦茶すんなっ」
「悪かったよ、はい、イチイバルと天羽々斬」
「ああ」
返されたギアを見ながら、色々と話を交換する。
「気が付けば私と雪音だけで、他の者達と合流するために動いていたところ、あの四人組に襲われ、洞窟に隠れていたんだ」
「んで、あの、サーヴァント? って奴らに助けてもらって、だいたいは事情が分かってんだ。まあ、オメェから少し聞いてなきゃ、完全に分からなかったけどな」
そう、私はこいつと飯食うとき、課金ゲームしてた頃の話を聞いていて、少しだけ分かってた。
だけどまあ、
「あの金髪騎士が、叛逆の騎士モードレッドで、金髪がジャンヌ・ダルクか………」
「ああ」
その時、心配してかジャックが甘えてくる。まあありゃ心配する。
ジャックは正直、あの密閉された洞窟内で、酸の霧なんて発生させられないためか、後ろに下げられていたんだろう。
抱きしめ上げ、頬スリしながら、可愛がる様子に、後ろが叫ぶ。
「そ、そう、奏者ぁあぁ!? 余達と反応が違うぞっ」
「すまない、食費すら削って苦労してガチャって手に入れ、最終戦でも活躍したこの子に対する思い入れは桁違いなんだ………あと怖かったんだよぉぉぉぉ」
そう言いながら、抱き上げて、くるくると回転する。ジャックは嬉しそうに笑いながらだが………
「雪音、どうしたその微妙な顔は?」
「いや、だっ………いや、もうなにも言わない」
「すまない………だが、やはり、自分としては、そのな………」
アタランテはそう複雑そうに言う。彼奴も彼奴で複雑だからな。反英雄ジャックのこと、感覚のズレが分かるため、どうしてもどう接すればいいか分からない。その正体も知っているからなおのこと………
とか関係なく、あれはやばい。ただでさえ回りがこいつにかける精神負担考えれば、少し壊れてもおかしくない。最近こいつ、ジャックからおかあさんと言われるたびに、不安があるが、いまは目を瞑ろう。
ジャックもあたしのことを、おねえちゃんとか言ってくるし、もうどうすればいいんだろうな………
ひとしきり楽しんでから、アスカはジャックを抱き上げながら、
「とりあえずその人はルーラーのジャンヌ。ルーラーは特別クラスと覚えておいてくれ。それでセイバーモードレッド。クリスと翼を守ってくれてありがとう」
「いえ、いいんですよアスカさん」
「………」
――龍崎アスカ
ジャンヌも、モードレッドも最終段階まで上げた子であり、全員その姿だが、モードレッドは何か複雑そうにこちらを見る。よく考えれば、
「モードレッド、クラレントを貸してくれてありがとう。いつも助かってるよ」
「………別に、それはお前のでもあるし、その………お前のこと、気に入ってるから、いい………」
そんなことを言われて、少し嬉しい。彼の騎士と呼ばないと、男女扱い嫌いな子だからな。ジャンヌにも感謝しながら、崩れた洞窟を見る。
「ともかく、ここから離れて、先急ごう。ジャンヌ達もマスター契約しないと?」
「ですね、お願いします」
「おう、私らまだ平気か?」
そう言いながら、ジャンヌ達がクリス達と契約したりと、これで宝具は使えると話をしながら、少し振り返る。
それにモードレッドは、
「おい、あれは諦めろ。いくらサーヴァントでも、あれは終わって、座に戻ってる」
「ああうん………けどな」
正直源頼光は、息子ちゃんといるんだからオレはいいだろでいい。
だが、ブリュンヒルデ、清姫、静謐のハサンは、そのな………
「………別の形だったら、受け入れたかったな」
友達、家族、そう言う暖かい物を求めているだけの彼女達なのに、なんでこうなったんだろうか?
そう思うと、そう思ってしまう。
「あーもうこのお人はっ、甘ちゃんですよ~何回転生しても変わらないようです」
「子ジカらしいわ~」
「ま、それは輪廻転生をし続けても、忘れて欲しくない感情ではあるがな」
ネロの言葉に、周りは微笑む。
ともかく、
「未来が心配だ、早く奧の霊核へ。できればその途中で出会えればいいけど」
「だね、急ごうっ」
そして我々は駆けだした。
――???
静まりかえる、瓦礫の中、
ガッシャと腕が生えた………
………
次回に続くよ♪♪ お読みいただきありがとうございます。