少年/戦姫絶唱フェイト・シンフォギア   作:にゃはっふー

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このGからGXの間の物語、少し安らぎをあげよう。そう思う作者です。

アスカ「それってどういう」

ごめんねアスカ………

アスカ「それはそれで不安なんだけど!?」


外の理・第5章、関係

 全てを終えたカルデア、多くの傷跡が残る中、ダ・ヴィンチちゃんだけ腕を組み、ふむと考え込んでいた。

 

「空間が壊れ始めていたが、本当に全て終わったのかな?」

 

 少しだけ検査、調査してみると、ごく僅かだが、まだあった(・・・)

 

 そう、あった。すでに空間を支えていた元凶、僅かな泥であるそれは消えている。謎のサーヴァントの手により、消されていた。

 

 それを見たダ・ヴィンチ。そのサーヴァントをスキャンしようとすると、機器が突如悲鳴を上げ、エラーを表示している。これを見ていると、

 

「やめておけ」

 

 そこに、金色の鎧を脱ぎ、ワインを楽しんでいた英霊が現れた。それには少しばかり驚き、納得してやめた。

 

「英雄王自らが止めに入るような存在ね。天才としては解明したいところだが」

「二度も言わせるなたわけ。今回の件はただの悪意が、あれの領域に引っかかったから出てきただけだ。あれはそうそう人の世に出ることは、いや………」

 

 そう言いながらグラスの中身を飲み干し、静かに己の宝物庫にしまう。

 

「人の世に常にありながら、常にない。相も変わらず矛盾の存在、実に不愉快だ。あれがそう言うもので無ければ、不敬罪で消している」

「………」

 

 それをしないと言うことは、あれと言うのはそれほどまで高位の存在。神霊、いや、この英雄王がやめると言う行動をするのなら、神霊であるはずはない。

 

「それなら、なんなんだろうね………」

 

 そう思いながら、もう一人、アスカと言う英霊として、手を貸しに来た子も見るが、その魂の性質に、少しばかり驚く。

 

「令呪が効かない………ああそうだろうね、これじゃ効くはずも無い」

 

 検査結果を見て、さも納得する。もしかすれば彼もまた、謎のサーヴァントと関わり合いがあるのだろう。

 

「当たり前だな、今回は道化の祭り、愚か者が混じっただけのこと。ま、その事実を本人に言うか言わないかは、お前に任す。余が許そう」

 

 そう言って去り、あーあと微笑みながら、グラフを見つめていた………

 

 

 

 ――???

 

 

 朝日が差し込み、目を覚ます。

 

 私は立花響、目が覚めるとそこには、

 

「フォウフォ、フォウ♪ おはよう響♪」

 

 耳と尻尾を持つ、アストルフォウくん。エプロン姿で可愛らしくウインクしていた。

 

 末期だと、私は悟った………

 

 

 

「と言う夢を見たんだよ未来」

「ああうん、実は私も………」

「やめてやれよ………」

 

 

 

 ――立花響

 

 

 あれからアスカは殺してくれとしか言わなくなり、一度家に帰った。

 

 正直、アストルフォウくんはあまりにツボなので、写真の一枚か二枚は欲しいです。ですがみんなが言うにはやめておかないと、アスカが理性崩壊するのでだめと、保管は仕方なくするが、閲覧禁止らしい。

 

 それでもアスカの傷は深く、男装に戻っています。

 

 ………………

 

 ああ違う、元に戻ってます。

 

「響、どうした?」

「いえ奏さんっ、少し頭の中で過去を振り返ってただけですっ」

 

 いまは元気付けるために、料理の材料、簡単な鍋物を作るために、アスカの家に出向いてます。

 

 クリスちゃんが何度も注意を言い、部屋に入ると、

 

「………ごめん、まだ元気無い」

「………飯は食え」

「………うん」

 

 クリスちゃんの言うことを聞き、部屋に入れてくれます。

 

 

 

 ――龍崎アスカ

 

 

「さすがに辛い………」

「元気を出せアスカっ、私から見ていい振り付けだったぞッ」

 

 翼さんはそう言うと、クリスが奧へ連れて行く。怒鳴り声と説教が聞こえ、うなだれながら戻ってきた。

 

 そうか、やっぱりみんな、オレが女の子のような振り付けと笑顔して、歌って踊ってるの見てたのね。

 

 辛い。

 

「ま、まああれだ。元気出せ、私ら全員、ちゃんと忘れるから」

「「えっ」」

 

 響と奏さんを連れて行くクリス。未来もついて行く。翼さんに料理させられないから全員出ていくのは怖いんだけど………

 

 仕方なくテレビを見る。いまアイドル番組見ると精神崩壊起こしそうだから、どうしようかな………

 

「ああ、ところでどんな鍋にする? 私はできれば豆乳鍋などにチャレンジしたいんだけど?」

 

 元凶は黙って帰って欲しい。静かに睨む。

 

 そこにさも当たり前のようにいる花の魔術師。ただ一言言おう。

 

「帰れ」

「え~今回の一件が解決したこと伝えに着ただけなんだけど」

「帰れ」

「おま、アスカのことを考えろよ………」

「食い入るように見てた人達には言われたくないよっ」

 

 この世界に味方はいない………

 

 

 

 落ち着いてから、マーリンが言うには解決したらしい。

 

「まあとりあえず、できればそうそう問題が起きないことを祈ろうよ」

「………やっぱり『また』があるのか?」

「それは当たり前だろ? 君は抑止力だ、またがあることもあるし、無いこともある。ま、私達抑止である英霊や存在が声を掛けられることは無いはずだ」

 

 むしろと言いながら、白菜を食べ、

 

「君はこの世界の一部だ。この世界の問題の方が、君にとって危険だよ」

 

 実はあの身体、アストルフォの霊体をベースに、抑止の力を加えたらしい。正直急ぎの作業だから、あれだった。

 

 だが自分が問題なく動けるように、色々と考慮と配慮は最前線でしたと言う。

 

「君が使う力は異常だからね。いくらなんでも向こうでも違和感なく使えるようにするのには骨が折れたよ」

「それならアスカにさせんなよ」

「それを私に言われてもな~………ほんと、今回の件は誰も得しない事件だよ」

 

 そう話ながらご飯を食べる中、少し考え込む。

 

「………そっち側なら援護するが、こっちの問題は我関せずか?」

「そう。あっ、豚肉もちょうだい」

 

 未来によそってもらいながら、受け取り、ふーふーしながら食べる。

 

「まあ祈りくらいはするよ、君には数多の世界で借りがあるんだから」

「はいはい………」

 

 スープを飲みながら、少し落ち着き、また、落ち着いてから考える。

 

 

 

「今回のこと、オレがこの世界に転生したことと関係ないよな?」

 

 

 

 その言葉に、マーリンは静かに、

 

「……………………さあね………………」

 

 花の魔術師は少しわざとらしく間を置いてから、そう答えた。

 

 どうもオレの死、前世には、まだまだ裏があるらしい。

 

「正直それも考えてるよ、やれやれ………アヴァロンで隠居しているはずなんだけどね私。考えなきゃいけないことが多いし、伝えられない件もある」

 

 伝えられない件。それには少し覚えがある。

 

 謎の英霊、剣を使うそれだろう。

 

「グランド・サーヴァントだろ? 諦めろ」

「ビーストならともかく、ほとんど雑務なんだもんな~」

 

 それにと、

 

「君の件も、まだ色々だよ。彼の方で君も含めてケアしてるから、あまり今回引っ張りすぎると、自分のことで失敗するから。早く元気になるんだね、この子達のためにも」

「………あんたに言われたら終わりか」

 

 酷いな~と言うが、身に覚えがあるためそれ以上は言わず、手を合わせてごちそうさまと言って、こちらを見る。

 

「それじゃ、またね」

「嫌だよ」

「違うよ、もう一つの君に対してだ」

「それも嫌だよ」

「酷いな~彼女達に薬渡してないのに~」

 

 そんなことを言いながら、窓から帰っていった。

 

 

 

 ――藤丸立香

 

 

「はあ、それで無銘、みんなは?」

「だいぶ落ち着きを取り戻している。最初の二人はもう忘れているように意気投合しているよ」

 

 カルデアの食堂で、無銘と話し合う。今回の件で色々した。

 

 まずルビーから記録データを奪うため、令呪を切った。ルビーにも効いて良かった良かった。

 

 そしてメディアからもデータ取り上げたりと、色々。さすがにカルデアの方も、通信はなかったが、データは見えていたらしい。消せはしないが、公にはしないと、ダ・ヴィンチちゃんが言って、管理するらしい。

 

「ともかく、今回は私も少し響いたよ。しばらくは料理人ぐらいの仕事だけにしてくれマスター」

「ああ、分かったよ」

 

 そんな時に、いつも時々来てお菓子食べたりして帰る。アヴァロンから通う彼が入ってきた。

 

「やあ、さっきぶり」

「? マーリン。なにを言っているの?」

「いやなに、もう一人の君のとこで鍋をいただいてね。それで」

「…………………えっ?」

「マっスター♪♪」

 

 その時、アストルフォが後ろから抱きついてくる。

 

 最近、アストルフォのスキンシップが、前々より積極的にしてくるようになったな~と思いながら、背中に張り付くこの子を取り外す。布団にも入るし、お風呂にもね。どうしたんだろう?

 

 無銘は何も言わず、マーリンは静かにお茶菓子を頼みながら、ここは平和だった。

 

 

 

 ――龍崎アスカ

 

 

 みんなの反応があれです。

 

 司令達は優しいです、クリスはなにかあれば言えと優しくなりました。最近は仲が良いです。

 

 調ちゃんとよく会話します。信じられる人の一人です。切歌ちゃんとマリアさんは何かストップがかかる。やはり言われる前に気づいてくれたのは大きいようだ。二人に悪いよなこれ。

 

 翼さんと緒川さんは別の意味で辛いです。あの二人歌唱力と振り付けと、変なところに目を付けています。

 

 奏さん、言わせないで。

 

 幼なじみ達、信じていたものに裏切られた気がするが、こちらの様子を見て未来はこっち側のような気がするけど。持ってそうだけどね。

 

 さすがにそろそろ元気な姿を見せないといけない、そう思い、司令と共に司令室へ歩いている。

 

「辛くはないか?」

「………もうこれには慣れました」

 

 リディアン女学院の女性服、やはりここに来るとこれに着替えなければいけない。それに慣れてしまった。

 

「やはり、早い段階で考えるべきだった………すまない」

「いえ、こればかりは仕方ないです」

 

 そう思いながら、ただ一つ、

 

「それにやっぱり、こんな姿でも、やらなきゃいけないことから目を背ける気はないですよ」

 

 いま装者はノイズの災厄が無くなったいま、新たな方法で世のために活動する。これを前提に組織を動かすのが、現状なのだ。

 

 オレ一人、いつまでも引きこもってはいけない。

 

「………オレはオレとして、頑張る。いろんな人にその姿、見せなきゃいけませんから………」

「………そうだな」

 

 ただ、思うことは一つ。

 

「もうアストルフォウくんには成らない」

 

 それだけは心に誓いを立てた。

 

 

 

「………ん」

 

 家から騒ぎ声が聞こえ、中に入ると、

 

「あっ、ア~スカ♪」

 

 響達が料理したり、掃除したりと、なにしてるんだかと思う。

 

「いやね、アストルフォウくんの写真は欲しいけど、アスカには悪いと思ってるから、元気になって欲しいんだもん」

 

 そう言いながら、響は少し抱きついてくる。響は顔がゆるみながら、

 

「やっぱりアスカが側にいないと、ね………」

「………はいはい」

 

 もうこの年齢で抱きつかれても困るので剥がしながら、しばらく大人しい身内に落ち着く。

 

 よく考えればまだ響はオレが目の前で死んだことがあったりするのだから、あまり元気ない姿は見せられない。

 

「………あーもう」

 

 ともかく、あの花の魔術師が言っていたとおり、気にしすぎていたらダメらしい。

 

 早く切り替えるかと思いながら、部屋に入っていくことにした。




アスカ「そう言えば、あのカルデアはどんなメンバー構成してるんだろ」
クリス「気にすることか?」
アスカ「死んだから武蔵イベントぐらいしかまともにしてないからな………あっちの武蔵は女性なんだぜ」
翼「なん、だと………」
アスカ「ジャックには会いたいな………マシュや藤丸にももう少し話したかった」

 そんなことを呟きながら、彼はこちらで過ごす。



「………おかあさん?」



 しばらくオマケ回とオリジナル回ですね。それでは、お読みいただきありがとうございます。

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