少年/戦姫絶唱フェイト・シンフォギア   作:にゃはっふー

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懺悔します。アストルフォウくんの際、女の子に変えなかったことを………

この物語は男の娘なので、やはり性別変化はさせられなかった。踏み切れなかった私を許してください。

ではどうぞ。


外の理・第2章、いざ進む

 カルデアのシミュレーションルームで身体を動かし、この身体で戦えることを確認して、レイシフト前に来る三人。

 

 オレことセイバーと、シールダーであるマシュさん。そしてマスターだ。

 

「マスター他にサーヴァントは呼べないの?」

「ああ、何人かはいない、何人かは国や組織から隠してる。後はまあ、今回の件にそれほど乗る気じゃないとかね」

 

 苦笑しながら、こちら側の用件は伝えている。アストルフォもどきなのは伝えている。いないサーヴァントには、アストルフォもいるらしい。

 

 何故かは分からないが、多くのサーヴァントが行方をくらましていたりする中で、いまの謎の空間を感知したカルデアチーム。

 

 こうして出向くことになったらしい。

 

「攻撃は君に任せる、俺が攻撃サポートするよ。防御系統はアスカだと回復に回した方が早いし効率はいいな。マシュは俺の援護と、アスカの補助を」

「はい」

「それじゃ」

「行くよ」

 

 

 

 光に包まれ、数秒の浮遊感の後、地面に着地する。レイシフト成功らしいが、

 

「ここは………ロンドン風城下町?」

「造りからして、アスカさんの推測通りかと」

「そうか………ともかく人が来る前にダ・ヴィンチちゃんに連絡を」

 

 立体映像が現れるが、ザーーとノイズしか出ず、ん?と全員が首を傾げた。

 

「変ですね、通信が繋がらない………」

「霊脈は分かる? それの所為かも知れない」

「ん、それはマシュさん、お願いします」

「分かりました」

 

 マシュさんが確認しようとした時、瞬間、剣を抜き、居合いの如く、それを弾く。

 

 甲高い金属音を始めに、無数の弾丸が放たれる。

 

 二刀流で全て弾き、マシュさんは即座に切り替え、盾で全員を覆う。

 

「二人とも」

「エネミーです、数は分かりますか」

「弾丸からして銃使い………英霊だとアーチャーかライダーか。サーヴァント反応が分かれば良いんだけど」

「通信ができれば分かりますが………」

「二人とも、いま気配は」

「………来る」

 

 盾を構えるマシュと共に走るが、別の方角から来る狙撃は剣で防ぐ。

 

「マシュは悪いけどそのまま走行。アスカは盾で防げない正確射撃を防いでくれ」

「「了解」」

 

 銃撃の嵐の中、それら全て叩ききる剣の中、それは、

 

「!?」

 

 現れた。

 

 

 

「「「ノッブっ!!!」」」」

 

 

 

 瞬間、オレは意識が吹き飛び、鬼神のごとく切り刻んだらしい………

 

 

 

 ――藤丸立香

 

 

「………コロシツクシタ?」

 

 セイバーこと、マーリンの頼みで、今回限り召喚に応えてくれた英霊アスカは血走った目で、けして本人などには見せられないほど、ちびノブ達を切り伏せていた。

 

 いまも虫の息のちびノブを掴み上げ、握りしめてトドメを刺した。

 

「えっ? これぐだぐだなの? えっ、オレその所為でアストルフォウくんになったの? えっ、マジで? マスターオレは誰を殺せばいいの? ははっ、ダレヲコロセバイイノ?」

「落ち着いてくださいアスカさんっ」

「アストルフォの姿はいいよ!! 実際この肉体だからいいよッ、スカートとかも短パンだからギリで耐えるよッ。だがなぜアストルフォウくんだっ!! 殺す、殺し尽くす………織田信長と沖田総司はどこだッ、首を出せえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

「自重してくれアスカっ」

 

 っていうか、肉体の姿はアストルフォなんだと思いながら、俺達は辺りを見る。

 

 うん、とりあえずちびノブ達から素材とかゲットする辺り、話通り、一時的に英霊化した人なんだろうな。少し親近感を感じる。

 

「とりあえず、二人を捜そう。まずはそこからだ」

「了解マスターっ」

「分かりました先輩」

 

 心強いな、二人だけだけど。と、金属と銃撃音が聞こえる。

 

「念のために見に行こう」

 

 

 

「えーーーいっ、わしッ、いい加減にせぬか!! 沖田っ、元気か!?」

「まだ平気、へいきっへっちゃらでゴフっ」

「沖田あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 相も変わらず、二人は揃っていて、二人して武装ちびノブに囲まれていた。

 

「アスカ頼むっ」

「分かりましたマスターとりあえず二人以外のノブは全て八つ当たりするよ!!」

 

 過激なことを言うけど、彼が一番早く加速する。

 

「ノブ!?」

「遅い」

 

 冷ややかな一言と共に、斬撃が三度同時に放たれ、回転するように身体を動かし、地面を回る。

 

 気づいたときにはすでに斬られていて、大型のノブに対しても、

 

「ニセ無明三段突き」

 

 その瞬間、急所全てに一瞬で撃ち込み、静かに、

 

「切り捨てご免ってねっ」

 

 ウインクすると共に剣を仕舞うと、全てのノブは倒れ、消えていく。

 

 あれ? この子本当にアストルフォの姿なのか? スペックは遙かに違うよ!?

 

「わ、私の、私の宝具がッ。私の宝具が!!」

「落ち着け沖田っ、あれはニセと当本人も言っているっ」

「落ち着けるはず無いじゃないですかッ、宝具が無い沖田さんは一体なにが残るというのですか!? もうこうなれば北欧かどっかの神の槍手に入れて、みんなの手を繋ぐ歌を歌うしかないじゃないですか!!」

 

「おいそこの漫才サーヴァント」

 

「誰がじゃっ」

「っていうか、ああ♪♪ マスターさーんっ♪ 沖田さんですよ~来てくれたんゴフッ」

「沖田平気か!?」

「先輩、血、血っ」

 

 俺にかかった血を拭いてくれるマシュ。とりあえず沖田と信長がここにいるのは、

 

「これってぐだぐた?」

「うむ………しょーじき、わしらも来たばかりだが、これらがうろちょろしてるから、またわしの悪い心とかがの~」

「ですね~さすがに飽きましたね」

「もう沖田、そいうこと言わないで欲しいわい。ネタ切れが分かってしまうじゃろ」

「ともかくマスターさん達と、私の宝具泥棒さんが来てくれて助かりました」

 

 意外と根に持つな沖田。まあ、本当に宝具レベルだけど、そんなに魔力が使われた感覚は無いんだけどね。

 

 そんな話をしていると、隅っこからまた、

 

「ノブノブ」

 

「斬っ」

 

 ともかくここにいても敵に出会うだけのようだから、どこかに隠れよう。

 

 全員顔を合わせ、殿をアスカに頼んで進むことにした。

 

「あれ? 切り込み隊長も取られてない!? 沖田さん、沖田さんの立ち位置がっ。ど、どうすればいいのですか、沖田さんの未来は如何に!? 未来~!! 未来~」

「おぬしがみらい言うと、なぜかみく~と読む者が居るからやめいっ」

 

 ………何のことだろう?

 

 

 

 下水道らしき場所に隠れたが、やはりかなり違う。

 

「ここは………綺麗すぎる」

「ん? どゆことだ?」

「この時代とかだったら、下水道のにおいは酷いってこと?」

 

 さすがアスカだ、マシュもそれに同意するように頷く。

 

 かつてレイシフトの際もそうだけど、ここまで真水のような下水道はそうはない。となるとここはどこだろうか?

 

「歴史の分岐点、あるいは閉ざされた空間………経験から後者かな? 固有結界系かな?」

「それなら術者がいるよね? 聖杯かな?」

「聖杯ですか」

「聖杯………なんかあるたびにそれがあるだけで納得するのう」

「ですね~」

 

 あまりそれを言わない方がいいんだけど、まあ気にしたら負けだな。

 

 そう思っていると、外のちびノブ達がうるさい。なんだ?

 

「アスカ、気配を消してみてきてくれ」

「分かったよ」

「………あれ、本当に私達のポジションが」

「安心せい沖田よ、あれはあれだ。ゲスト出演なだけだ、古株ならどっしり構えておれ。男なんじゃし、ユーザーも離れることないじゃろ」

「それもそうですね♪」

 

 無視しよう。

 

 

 

 ――アスカ

 

 

 いまサーヴァントとして視界共有できるか少し試して、できなくても側なら使える通信機を使い、様子を見せている。

 

「ノッブ達なにしてる? 大型テレビ?」

 

 配線に苦戦しているが、あるちびノブがうまく設定した瞬間、歓声が湧く。そしてテレビを始め、大ガラスなどの普通のガラスに何かが映る。おいテレビはなんだ?

 

 魔術的なそれを見ると、謎の黒いフードの何かが映る

 

【は~いみなさ~んっ♪♪ こーんばーんはー♪】

 

『ノブーーーーーーーー』

 

 声は加工されていなければ女性の声、ん? 少なくても信長の声ではない。沖田でも無ければ誰だと思いながら、それはテレビ番組のお姉さん的にテレビ側に話しかけてくる。

 

【今日はとっても嬉しいニュースよ~♪ なんと、この結界内に、藤丸立香お兄さんが来てくれました~ぱちぱちぱちぱち~♪♪】

 

『ノブノブブ~』

 

【これで計画第二段階は完了しました~】

 

 それに戦慄する。つまりこうしてカルデアマスターである彼が来ることはすでに計画とやらに組み込まれ、いま策にはまる。

 

 今頃マスター側は騒がしいだろうと思いながら、様子を見ていた。

 

【という訳で、計画第三段階で~すっ。それでは】

 

 テレビ側からノブと言う声、カメラマンもノブかいと思いながら、切り替わるのは、スポットライトに映り、拘束台に乗せられている。

 

「セイバーランスロット、トリスタン」

 

 そこにいるのは二人のサーヴァント。どちらも円卓関係者じゃないかと思いながら、何が起きるか見ている。

 

『不覚………』

『まさかお酒に薬が盛られていたとは………』

【うっふふ、それではこれより、大々的な計画プランスリーの説明で~すっ】

 

 そ・れ・はと楽しげに、

 

 

 

【私、浮気が文化って言う人のは、取って言いと思うの】

 

 

 

 瞬間、ゴム手袋を付けたナイチンゲールが現れる。準備万端、女医さんが現れた。

 

『ブチ取ります』

 

『『何を!!?』』

 

【それでは、まずはここにいるサーヴァントさん達は、男は男。女の子は女の子と分け分けするべきです。その中ではっきりしない人は取り、可愛い子も取り、浮気が文化な人は取り、悪い人はついでに取ることにします】

 

『ノブブーーーーーーーーッ』

 

 ちびノブよどこに歓声を上げる瞬間がある? えっ、マジか? 二人がどんどん奧の部屋に連れて行かれていく。

 

 しばらくして絶叫する男性の悲鳴が響き渡り、沈黙が辺りを包む。

 

【オッホン………それでは、メディアさん。判定官メディアさん】

『ここに』

 

 大人のメディアさんは、どうも向こうらしい。やばいな、あの人神代の魔術師なんだけどな~と奧から血だらけのナイチンゲールさんを無視する。

 

『オペは成功しました、黄金になって消えないようにして拘束しています。いまは安静にしなければいけませんからね。座には殺してでも戻しません』

 

 帰してあげて。

 

【実は、興味深い映像がノブちゃん達から送られました、はい】

 

 そこにはアストルフォウくんになったオレが映る。瞬間、玄人のような目つきであらゆる角度を見るメディアさん。やめて。

 

『この人はいわゆる男の娘です、ええ間違いない。そして肉体はアストルフォをベースで、魂を詰め込んだと言う感じです。肉体は別の場所、異次元にあるのでしょうね』

【そんなことが可能なの?】

『ええ、ただ肉体も近くないといけないです。だいぶ前にそんな話を座で聞いてますから彼でしょう。問題ないです』

 

 なにが?

 

『彼が例え異次元に肉体があろうと、女性にすることは可能ですッ。ってかしてみせます!!』

 

 やめて。

 

『無論、アストルフォウくんに永久固定!! 永遠の少女として、私の中に登録しますッ』

【素晴らしいわメディアさんっ!!】

 

 大歓声の中、オレはマーリンに泥のような殺意を越えた何かを抱く。

 

【というわけで、彼は女の子なのに、男の子なのナイチンゲールさん】

『分かりました』

 

 そう言い、カメラを見る。なんだろうと思い、どんどん近づいてくる。

 

「………え?」

 

 

 

「Aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaッ!!!」

 

 

 

 そう叫び声を上げ、画面を壊してナイチンゲールさんが現れた。

 

 なんなの? ホラー過ぎるよあの人。

 

「殺してでも取りますッ」

 

 こちらを見ながら、もうなんなのと思いながら、ただ一言、

 

「お、オレは男なのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」

 

 いまは撤退するしかなく、急いで走り出す。

 

 

 

 ――???

 

 

「うふふ、楽しいわ~そうよね?」

 

 そうノブ達に言いながらくるくる回る。

 

「さあ、みんな女の子、小さな女の子、夢を見る女の子、綺麗な女性になればいいわ。夢も希望も叶えに叶えて、素敵な空間を作りましょう。どんなことをしても………ね………うふふふ」

 

 そう言いながら、逃げまどうアストルフォウくんを見る。

 

「かわいいわ~楽しみ、ここに来たらどうしましょうね………」

 

 そう言い、

 

「わたし、可愛い女の子は、可愛い女の子と恋愛した方がいいと思うの」

 

 そう呟いた瞬間、アストルフォウくんは全身鳥肌を立てて走り出す。




アストルフォウくんになったアスカくん。

姿もアストルフォウくん+短パンです。短パンはどこから、アスカの気合いです。

本体は元の世界で寝てます。そしてモニターでみんなが見守ってます、この様子もしっかり見てますよ。響達、アストルフォウくんの写真手に入れられるか?

………前の物語の温度差が酷いなこれ。

それでは、お読みいただきありがとうございます。

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