少年/戦姫絶唱フェイト・シンフォギア   作:にゃはっふー

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 新たなアスカのシンフォギアスーツ候補。

 1・ジャック・ザ・リッパーちゃんとほぼ同じ

 2・Yシャツ一枚

 3・アストルフォをベースに、いくつもの宝石が埋め込まれ、薄くなった衣類で敏捷を上げた蒼と銀色のスカートのスーツ

アスカ「3しかねぇぇぇぇぇぇよっ!! 2はなんなんだよ作者ぁぁぁぁぁぁ」
響「スカートは認めるんだねアスカ♪」
奏「わたしゃ嬉しいよ~」
クリス「違うだろっ、もうヤケになってるだけだろッ」
翼「奏を止めるべきか、手を貸すべきだろうか………」


フロンティア事変
12話・新たな事件と異物の戦慄


 それはとある空間であった。

 

「やあ」

「………」

 

 それにとって、はた迷惑な存在が話しかけてきた。おそらく、今回の仕事にも手を出さないし、何もしないだろう。唯一、出歩く切っ掛けになってくれたなとしか思わないだろう。

 

 だから静かに剣を振るう。当たらない、斬れたのは、魔術のみ。

 

「おおっ、さすがだ。術式まで斬られてるよ」

 

「………」

 

 それを無視して、静かに歩く。

 

 その様子を見ながら、やれやれと思う。

 

 彼の思うとおり、何もしない。せいぜい、繋がりぐらいは強めてあげようとしか思わないし、自分はまだそこまで彼に思い入れがない。

 

 それに、彼で無くなった方がいいのかも知れない。彼の為に、彼の物語のために。

 

 そしてのぞき込む世界を、美しき、血の歌を歌う、歌姫が住まう世界を。

 

「だけど、私はハッピーエンドが好きなんだよな………」

 

 そう静かに呟いた。

 

 

 

 ――龍崎アスカ

 

 ルナ・アタックと呼ばれる事件から三ヶ月後、自分は検査を受けていた。

 

 いまは出たデータ全てを見直している。それもそうだ。自分についても、話さないといけない。

 

「はあ、前世の記憶、Fate/シリーズと言う空想上の英霊達の力か」

 

 話をするのは風鳴弦十郎司令官。一応司令だけには話しておいた。

 

 自分が振るう、二本の剣や、アストルフォと言う存在。色々話し終えて、少し考え込む。

 

「話しても、オレがなんでアストルフォの姿に似ているか分からないけどね」

 

 だけどと、付け加えて、

 

「アストルフォと信頼していたり、友達、仲間、縁がある者達である武器は使える。宝具。英霊が英霊としての証である、逸話の結晶」

 

 ジークフリートの竜殺しの魔剣、モードレットが父、アーサー王の宝物庫から持っていった銀の剣、フランケンシュタインの雷、アストルフォの宝具。

 

 自分はそれらを使える。もしかすれば、

 

「アキレウスの恩恵もあるし、下手をすれば関わった英霊だと、アタランテ、ジャック・ザ・リッパーや、ケイローン。貸してくれそうなのはな………」

 

 そう考えるが、司令が少しだけ顔を歪ませる。

 

「欠片の聖遺物の中に、アタランテの関する物があったが」

「うわっ………」

 

 それ連動するとジャックの宝具にも目覚めるだろうか? そう言えばアタランテにも会ってみたいな。

 

 現実逃避はここまでだ。

 

「ともかく、オレに関することは話したよ」

「ああ、これで氷解した。前世の記憶か………」

 

 コーヒーを飲みながら、連絡が入る。どうやら検査結果が出たようだ。もう動いたりしても問題ない。装者として連携特訓は出ていたが、やはり負担が多い。

 

「君は月まで全力を越えて出向いて戻ったからな。むしろ、三ヶ月で装者として本調子になったのは早いだろう。話しによれば、一度致命傷で死んだんだろ?」

「そう言えば、悪竜化が関係あるのかな? 傷は無かったし、ジークフリートの身体の恩恵も発動したのかな?」

「それも調査中だ。仮説では、バルムンクの刃についた、悪竜の血による絶唱の恩恵だろうが………」

 

 そう言い、部屋から出て、話しながら別れるところまで話す。

 

「あの、このことは」

「響くんを始めとした装者には内緒か? それは心の整理か?」

「オレ、これでも大学生ですよ。酒は飲んでましたし………正直、また人生スタートは戸惑いました。壁は出来ないと思いますが、やっぱり色々と………」

 

 いやまさかとは思う。だけど………

 

『お願いお願いお願い~これ着てくださいっ♪』

 

『わーーーいーーお年玉くださーーーい♪』

 

 は、無いだろうが、勉学に泣き付かれる可能性は高くなるだろう。ただでさえ高いのだ、嫌だ。

 

 そんなことで、このことは司令官にだけ伝え、風鳴翼のコンサートに出向く。

 

「響とクリスは、ソロモンの杖の輸送か。間に合えばいいが」

 

 そう思いながら、すでに司令とは別れていた。

 

 

 

「こんちは」

「あっ、アスカ」

「未来、と、えっと………響の友人の人達ですね」

「はいっ」

「えっわ~ほんと」

「女の子みたいっ!?!!?!!!」

 

 現在リディアン女子服です、慣れている自分が怖い。いま特別席の部屋に集まり、様子を見に来た奏さんが入る。

 

「おっ、アスカ。ついに女になると決めたか」

「違うよっ、翼さんの関係者で男性は困ると思ったし、この場でオレだけ男だと浮くからだよっ」

 

 そう言いながら、あっははははと笑う。もう嫌だ。

 

 ニーソックスの替えの替えとか、色々と気を遣うんだ。もう嫌だ、思考が女子になりつつある。

 

 そう考えていると、そっと後ろからはい上がるように現れ、肩を叩き耳元で、

 

「このまま肌つやのケアもしようかアスカ?」

「未来っ、未来は敵だね!? 信じてたのにっ 最後まで信じているのにっ」

 

 微笑む幼なじみに、それでケアしてないのと三人の女の子が驚き、ほっぺとかさわり出す。

 

 奏さんも触ったあと、翼さんの様子見に出向く。さすがに一曲歌いたくても、いまは限界が先に来るらしい。

 

 元々は装者としての副業だが、副業として見ていない翼さんのため、いつでもサポートできる位置にいたいと言う本音と、一緒に歌いたいと言う本音がある。これは黙っているべきか、しゃしゃり出るべきか。

 

(これは緒川さんと相談だな………)

「ま、マジでこの肌つやは天然物!?」

「アニメなの、男の娘は天然物はアニメなの!? この世界はアニメでできていたッ!!」

「本当にぷにぷにです………」

「ホント、これだけはずるいよ………」

 

 すいません、現実逃避してます。いまだ変わらないですはい。

 

 変なところ以外は無視しつつ、海外のアーティストと歌うらしいので、携帯でその情報を見る。

 

「マリア・カデンツァヴナ・イヴか」

 

 そしてコンサートが始まる。

 

 

 

 響達から連絡無し、司令官から連絡無し、いま現在の現状は、

 

「………アイドルって、テロ宣言? しかもあれは」

「アスカ………」

 

 二人の歌が終わった後、マリア・カデンツァヴナ・イヴはテロ宣言と共に、操られるノイズを取り出した。

 

「マリア・カデンツァヴナ・イヴが装者!? しかもガングニールの欠片からの」

 

 纏うギアはガングニール。響と違い、マントを羽織っていて、槍も持つ。

 

 要求内容も滅茶苦茶であり、何故か観客も離してくれた。翼さんを除いて………

 

「向こうはどうも、翼さんが装者と知っている。中継はまだされているから、装者として翼さんは戦えない」

「ど、どうするんですか!?」

「ともかく君らと共に、観客を外に出すのがオレの役目だ、後はどうとでもなる。ってか、向こうは装者の力だけは警戒してるから、緒川さんに任せるしかない」

 

 緒川さんなら思いついていることを実行するだろう。ならそれを待つだけ、いま響達は向かっているだろう。

 

 ソロモンの杖、ノイズを操ってるのは十中八九それしか無い以上、輸送している響達に何かあったのだろうが、緊急事態になっていないだろう。

 

 なら響達は無事だが、ソロモンの杖は奪われている。そして響達のことだ、いま全力で向かっている。

 

「それに、翼さんは生身でも強いよ」

 

 ここ最近、剣道で勝てないからって、よく稽古つけてるからねとは言わず、観客達と共に、一旦は外れる。

 

 

 

 ――???

 

「………向こう側は動いたか」

 

 それは静かに暗闇から這い出る。

 

 静かに、誰にも気づかれずに………

 

「ならば我もまた、動くとしよう………」

 

 そしてまた暗闇へと消え、機を待つ。

 

 

 

 ――龍崎アスカ

 

 緒川さんが電気を止め、中継を止めたことにより、動けるようになる。

 

 急いで乱入するが、乱入者は自分だけじゃない。響、クリスもいる。

 

 そして、他にも装者がいた。

 

「響っ」

 

 何故か呆けている響に、丸鋸のような物が迫る。時折思うが、シンフォギアってなんだ!? 女性しかいないのか!? 昔の人は何を考えている!!?

 

「ヒポグリフっ」

 

 ヒポグリフが持つ盾を取りだし、ヒポグリフ事態で防ぐ中、響の方を見る。

 

「アスカ………」

「? 響どうした? まあいい、ともかく話聞くためにも、いまは戦うしかない。悪いが手を貸してくれ、あの子達は本気だ。本気の子を無傷で捕まえるには、戦力が無きゃ無理だ」

 

 そう言ったとき、丸鋸の子がこちらを睨む。黒いツインテールのような、ピンクの装者だった。

 

「貴方もそこの人と一緒で偽善者なんだね………そんなこと、平然と」

「偽善? 悪いが響と違ってオレは偽善だ」

「!?」

 

 平然と肯定すると、もの凄く睨まれた。仕方ない、こればかりは、

 

「オレはやりたくないからやらない、やりたいからやるって人間だ。だから、無傷とは言わないが、三人ともここで捕まえるっ。この力は、争うために使いたくないんでね」

「アスカ………」

 

 後ろからその言葉を聞く響。クリスと翼さんは呆れながら、側に来る。

 

 観客席から見下ろす三人組。うち二人は睨んでいるが、気にも止めない。

 

「二人とも冷静になりなさい」

「デス」

「分かったよマリア」

 

「君達は………」

 

「イガリマ装者、暁切歌!!」

「シュルシャガマ装者、月読調ッ」

 

 こうしてフィーネを名乗る組織が、目の前に現れた。

 

 だが、

 

「翼さん、クリス、こっちは事実上5人だ。ノイズはヒポグリフに任せて、彼女達を」

「心得た」

「任せな」

「響………頼む」

「………うん」

 

 全員が戦闘態勢に入った。

 

 

 

 その瞬間、死を感じた。

 

 

 

 無様でも何でも良かった、その場から勢いよくオレだけが飛んだ。オレだけに放たれた攻撃を避け、振り返る。

 

「? テメ、なにし」

 

 その瞬間、ヒポグリフが止まった。

 

「えっ」

 

「デス?」

「?」

「これは」

 

 ヒポグリフはその瞬間、首が切り落とされ、その場で壊れた。

 

 だけならばいいが、アスカ、自分がいた場所も斬られていた。

 

 ヒポグリフに斬撃が最初に当たって、少しでも後れていなかったに、死んでいた。

 

「………だれだ」

 

 三人なぞ無視して、それを見た。

 

 がしゃん………がしゃん………と、暗闇からそれが現れた。

 

「な………んだ、あれ………」

「!? 全員気を引き締めろッ」

「!!!」

 

「デデス!?」

「マリア!?」

「二人も気を抜かないッ」

 

 それは死だった。それこそ、死と言うモノだった。

 

「…………………なんで」

 

 それは大剣を持って、静かに現れた。

 

 それは静かに、死と言う福音を鳴らしながら現れた。

 

 それは、静かにこちらを見た。

 

「なんでグランド・アサシンがここにいるんだよッ!!?」

 

 その言葉に肯定するように、骸骨から青い瞳がのぞき込む。

 

「龍崎アスカ………首を出せ」

 

 そう言って、一人の偉大なる暗殺者が、一人の装者へ死を向けた………




お読みいただきありがとうございます。

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