たとえ、全てに否定されようとも   作:Laziness

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さて、この作品では珍しいちゃんとした伏線回収。

皆様の良い反応を期待しております。

というか・・・この人たちおぼえてますかね?




Ⅵ・第五話

 杏が敗北した同刻。他の制圧隊は・・。

 

「こちらジョシュア。敵を殲滅し、無事制圧が完了。」

 

 想像以上の敵の弱さに、私は驚いていた。

 

 WN×WRの支部を一つ乗っ取ったんだ。こんなに弱いわけは無い。

 

(ということは・・・主力は他に?)

 

「了解。エンテント支部からの連絡が途絶えた。状況確認のため、すぐに向かってくれ。」

 

 エンテント支部・・・。確か杏のところだった筈。

 

「杏が苦戦ねぇ・・・主力はそっちか!」

 

 当然、この程度の簡単な仕事で終わるとは思っていなかった。

 

 だが、あの内乱での戦闘を見るに、本気になった杏を止めるのは困難な筈だ。

 

「くっ・・よし、早く行くぞ、お前ら!!」

 

 私達の制圧隊は、なんと僅か1人も欠けていない状況だった。

 

 そう、それほどまでに敵が弱かったのだ。

 

 それは、雪のように脆く、花のように散りうる容易い軟弱たる敵であった。

 

 このような者達が、WN×WRの陣地を掌握したかと思うと、逆に自らの組織に怒りを感じた。

 

「油断大敵・・か。」

 

「支部長!参りましょう!」

 

「ああ、分かった。じゃあ行こうかねぇ。」

 

 私は何を見てもうろたえることは無いが、あの2人は・・。

 

 あの2人とは、当然ディザ殿と杏のこと。

 

「まだ・・・子供なんだよなぁ。」

 

 僅かな不安を胸に、支部を目指した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして同刻。

 

 

「こちらザーフ。制圧は至極簡単に終了しましたが・・」

 

 奥歯に物が挟まったような言い方である。

 

「こちらCHS。どうされましたか。」

 

「いえ・・・敵の中に日本人がいたもので。加えて、彼らは恐らく高校生だと思われます。そのため、日本国立高等学校の生徒ではないかと。写真もあります。情報部のほうに回して、調査をしていただければと。」

 

 反政府組織なんぞに、高校生がいるはずも無い。

 

 加えて、刃を交えたから分かる。彼らはなかなかの上級者だ。

 

 彼らと言うのは、男子1人、女子1人であったからだ。

 

「ザーフ様、エンテント支部へ向かえとの報告が。」

 

 代弁は、実動体では珍しい女性の兵士だった。

 

「苦戦でもしているのですか?」

 

「はい。杏様が。そのため、ジョシュア様と共に向かえと。」

 

「了解です。」

 

 こちらは、僅かに負傷者が出たものの、殉職者はいない。

 

 敵には僅かに苦戦はしたが、あまり卓越した強さは見られなかった。

 

 このような者達が私達の陣地を蹂躙したと考えると・・。

 

「些か・・・不思議でなりませんね。」

 

「・・・どうされました。」

 

「いえ、何でもありません。参りましょう。遅れるわけには行きません。」

 

 僅かな疑問と不信感を抱えつつ、支部へと向かった。

 

 

 

 

 

 おおよそ30分が経過した。

 

「ザーフ様、こちらを。」

 

 先程の彼女が、大変近未来的な自動計算機を見せてきた。

 

 ・・・俗世には、パソコンとして出回っている。

 

「情報部。もう既に判明しましたか。」

 

 先程情報部に調べさせた、日本人の正体が判明したらしい。

 

 

 

「ふむ、名前は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 清輝 壬(せいき じん)と、清美 魅宇(せいび みう)・・・?」

 

 

 

 

 

 

 




今回は短めです。

出来れば、感想にて皆様の良い反応を期待しております。


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