たとえ、全てに否定されようとも   作:Laziness

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さて、明日のテストはどうしようか。

というか、実力テストなのに勉強したら実力じゃないでしょ。

という屁理屈のもと、勉強せずにいきます。


・・という私事で始まる本作、ぜひおたのしみください!


Ⅵ・第二話

 行き先は、日本支部。どうやら、そこでヘリに乗りインドへ向かうらしい。

 

 WN×WRの支部襲撃事件は、既にニュースで大々的に放送されている。

 

 こんな事をされてしまっては、俺の正体が学校で流れるのも目に見える。

 

「ふう・・・っと、ファリンは何処か。ヘリの場所も聞かなきゃな。」

 

 日本支部長、杏の代わりに務めている【李 花琳(リ・ファリン)】。

 俺のことを、唯一名前で呼ぶ珍しい支部長だ。

 

「翔!やっと来た!!」

 

「これでも急いだ。早急に案内してくれ!」

 

 お互い、焦りが一切隠れていない口調だった。

 俺も、冷静とは言え焦っていたのもまた事実。

 

「そういうわけにもいかないの。今各々出発させてしまったら、時差の関係で統率が取れなくなるの!だから、それぞれ移動時間が決められてるの!!だから待って、翔!!」

 

「そうか・・。よく考えればその通りだな。分かった、では待機させて貰おう。」

 

 やはり、冷静さを欠いてしまうと、当たり前のことも考えられなくなってしまう。

 自分では冷静になったと思っていても、やはり無意識に焦っている。

 

「杏ももう来てる、中で休んでて!」

 

 では、お言葉に甘えて休ませて貰う。

 今の状況では、まず心を落ち着かせることが先決だ。

 

 

 

 

 

「あ、天城様!」

 

「杏、大丈夫だったか?なかなか辛い事件だったが・・。」

 

 事件そのものは驚いたし、なによりチャブンの死は、大変辛いものだった。

 加えて、杏とチャブンはかなり仲が良かった気がする。

 記憶では、数少ない女性として、杏は所属した頃から仲が良かった筈。

 

「俺も焦ったが・・何とか落ち着けたさ。」

 

「天城様・・!」

 

 こうして、素直に抱きつかれるのも久しぶりだ。

 

(やはり、か。流石に・・。)

 

「…ん…うっ…ひっく…!」

 

 慰めの言葉も、この場では全てが安っぽく聞こえてしまう。

 そう確信した俺は、ただただ優しく頭を撫でた。最善かは不明だが。

 

 10分ほど経つと、彼女も泣き止んでくれた。

 

「もう安心したか?」

 

「はい・・ありがとうございます。でも・・」

 

 まだ何か至らぬことがあったろうか?

 

「天城様も、焦りが見えますよ?」

 

「なに!?やはり・・」

 

 自分では分からないが、無意識にということか。

 

「よーしよし、天城様、大丈夫ですよ~。」

 

「おい!はあ・・・まあなに、元気になってくれてよかった。」

 

 この場を和ませる能力も、彼女特有の力であると考える。

 

「あら、天城様も落ち着きましたか?」

 

「お前のお陰でな。」

 

 皮肉と本心が混じりあった感謝を、彼女に誠心誠意伝える。

 

 僅かに本心が強かったかも、ということは今は内緒に。

 

 

 

 

 

「翔、移動時間が発表されたよ!」

 

「よし、ようやく来たか。」

 

 現在12時、回復には十分な時間を貰った。

 

「翔は、これから2時間後に出発。杏は、これより1時間後に出発だよ!」

 

 

《出発時間》

 

【アフガニスタン自治区】

 

これより0時間後

 

【ハルツーム支部】

 

これより4時間後

 

【モスクワ支部】

 

これより3時間後

 

【エンテント支部】

 

これより1時間後

 

【インド帝国支部】

 

これより2時間後

 

 

 

「2時間・・!!いや駄目だ。せっかく冷静になったのに。」

 

「そうだよ、翔!落ち着いて、冷静に。」

 

 女の子2人に宥められる俺って・・。

 

「その間に最後の準備をしましょう、天城様!」

 

「ああ!チャブンの敵を・・な。」

 

 怒りを抱き、なおかつ慎重に。

 

 俺はそこで、何があっても驚かない決心をした。

 

 ようやく、決心が出来た。

 

 

 筈なのに・・

 

 

 あんなものは・・

 

 

 きっと嘘だ。

 

 

「あら、ようやく来たわね、兄さん」

 

「あ、天城さん、来てくれたんですね!・・なんてな!はっはっは!!実に愉快だ!!」

 

 

 俺はその日、『日常』に否定され、

 

 『最高の人生(ハッピーエンド)』を否定した。

 

 

 




もう、時間なんて消えてしまえ←阿呆

世界規模だと、時差とかなにやら面倒くさい。

という執筆裏話を最後に、後書きとします。

・・評価、1杯どうすか?とか言ってみる。


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