よし、これであと1ヶ月遊んでもいいよね!
ってのは冗談です。今回は気分なので、1日二話は当分やりません。
では、どうぞ。
Ⅵ・第一話
人は何か行動を起こそうとしたとき、えてして何か事件が起こるものだ。
「外務総統、大変です!!」
就寝の準備に取り掛かった頃、切羽詰まった様子で、幹部が電話を掛けてきた。
「どうした!こんな遅くに!!」
「WN×WRの支部5つが・・・」
どうやら本当に深刻、それでいて緊急の報告だったようだ。
俺は覚悟を決める・・何を言われても冷静に対処する覚悟を。
「TATユナイテッドワークスにより、襲撃・制圧されました!!」
・・は?
言葉の意味が理解できない。
支部が・・?WN×WRの・・?ありえない。
自分の所属先を自慢するつもりは無いが、WN×WRの強大さには、俺は誇りを持っている。
「詳しく教えろ!!時間・場所・人数・被害・漏洩情報..etc全てだ!!」
「落ち着いてください!存命支部に、これより元帥より一斉報告があります!」
落ち着いた筈だったのに・・逆に落ち着かされてしまった。
「すまない。君に当たっても仕様が無いな。想定外の事態で驚いた。」
「では、元帥に繋ぎます。」
まさか・・まさか。想定の範囲を超えていた。
「皆、聞こえているな。では説明する。今回襲撃されたのは
【アフガニスタン自治区支部】【ハルツーム支部(スーダン支部)】
【ロシア帝国西部支部(モスクワ支部)】【エンテント支部】・・。」
何故か、5つと言ったのに、元帥は4つしか言わない。
あれ、そういえばチャブンのすがたg・・
「【インド帝国支部】だ。」
な!?インド帝国の支部は、確かチャブンが担当していた筈。
「支部長ランクの中でも特に優秀な6人。そのうちの1人【チャブン・マハラーシュトラ】
が担当していたインド帝国支部が、敵の手に落ちてしまった。襲撃された支部の支部長は、 全員殉職した。当然・・含めてな。」
僅かに言葉を濁したのは、元帥の優しさなのかどうなのか。
でも、まさか・・!!
チャブンが負ける・・?殉職・・!?
「げ・・元帥!!」
「質問は許していない!!口を慎め!!天城翔!!」
「はっ・申し訳ありません!」
此処であえて強く叱責したのも、元帥の優しさということも俺には理解できた。
此処で自由な質問を許してしまっては、きっと誰も冷静ではいられなくなる。
「我々は早急に対応へ向かう!!オーダーはすぐに送る。それぞれ指定された箇所へ行くように!!くれぐれも、安全第一!パートナーとの連携をとり、全員無事帰還するように!!我々の目的は、襲撃された支部より、敵を駆逐すること。WN×WRの支部長の力、とくと見せ付けろ!!」
『はっ!!』
彼らは、憎しみと怒りに燃えていた。
訳が無い。
彼らはとても冷静な目をしている。
それは狩猟民族。幾度の戦場を駆けた、本物の戦士だ。
ならば『総統』の俺が、刃を鈍らせてはならない。
《オーダー》
作戦名・【Re:friedlich】
【アフガニスタン自治区】
◎ザーフ・スノードロップ
・第一実動体
・第八実動体
【ハルツーム支部】
◎アズィーズ・ラフマーン・サウード
・第三実動体
・第五実動体
【モスクワ支部】
◎ジョシュア・モールドフィッジ
・第九実動体
・第十三実動体
【エンテント支部】
◎有里美 杏
・第十四実動体
・第十八実動体
【インド帝国支部】
◎天城翔
・番外実動体
二十の実動体の内、八の実動体を対処に向かわせる。
残りの十の実動体を、支部長のかけた支部に向かわせる。
残りの二と他支部長は、NSA本部の警護。
番外実動体は、実動体に属さない成績優秀者を集めている。
インド帝国支部・・まさか此処に当てられるとは。
「チャブン・・我々の勝利を、君への手向けとする。だから・・
安心して待っててくれ。」
微かに涙でぬれた頬を拭い、ドアを開け放つ。
「さて、始めよう。始まるのは、唯の殺戮だ。単純明快。」
静かな怒りを抱いて、なおかつ冷静に。
俺は確かに感じていた。
これを行く先に、真実があると。
「兄さん・・行ったわね。はい、ご苦労様。あっちも有力な支部長を失った負担は大きいでしょう。やっぱり最大戦力投下して、殺しといて良かったわね。」
「その通りでございます。それと、転移先の設置が終わりました。いつでもどうぞ。」
「了解。じゃあ行くわ、さて・・・
兄さんはどんな顔を見せてくれるのかしらねぇ。」
彼女のその顔は、期待と無邪気さに溢れていた。
最も、そんな可愛い・生ぬるいものではないが。
「わざわざあの子も投下したんだからねぇ。期待してるわよ、兄さん?」
「それを私に言われましても。お楽しみのようで何よりです。」
「貴方も本気出せて楽しかったでしょうに、っと・・。転移・・開始!!」
床に現れた魔法陣が、眩い光を放ち、彼女はその場から消え去った。
「全く・・実動部じゃないのに。まあ、彼の顔が見れればそれはそれでいいけどね!!ははっ!楽しみだ・・楽しみだよ!!んん゛・・
あ、あの、天城さん!私、待ってますから。
なんてね。はっはっは!!愉快だ、実に愉快だ!!」
崩落したインド支部を眺め、嘲笑う彼女の笑い声は、途切れることが無かった。
ふむ。としか言えないね、これ見たら。
皆様、コメントお願いします。
評価も。
・・こういう風にせがむのは、多分良くないんでしょうけど。