逆に、何故今まで知らなかったのか。
UA数は・・特に変化なしです。
ちなみに、前話で記念すべき50話目でした。
皆様、今までどうもありがとうございました。
とりあえず、今回で一旦この章は終わりです。
「ここ・・は・・?」
どうも形容できない。表すとすれば、この世の『無』を全て詰め込んだような空間だった。
「でもこの景色・・・どこかで。」
俺は一度、この景色を見たことがある。確か、大規模内乱での紫苑との戦闘。その時にこの空間を使用した。この空間で、『天使の武装』を使用した記憶が微かに。
「いやまさか、寝ている状態で此処に来るとは思わなかった。」
俺には『天使の武装』・・・というかこの言葉を何故知っているのかもわからない。当然、あの時何故使用できたかも分からない。もう一度使えといわれれば、恐らくすぐには使えない。
「天使の武装・・・ちょっと待てなんだそれ。駄目だ・・記憶に靄が掛かってて。」
最早記憶も曖昧なこの武装は、かつて紫苑を玉砕した・・・らしい。
「しかもこれ夢だよな・・・。何でこんなに現実味があるんだ?」
嗅覚のそれも、触覚のそれも。全てが現実に近い。まるで夢ということを忘れそうだ。
もちろん、そんな夢が当然平凡なまま終わるわけも無く。
目前に、白銀の光に包まれた、なんとも美しい一つの伝説が顕現した。
「[己身滅時 剣天切裂 主神力与]か・・。」
『Ich denke..Name..lange..』
何故か、その暗号じみた言葉が、俺には理解できた。
今は、『自分でもその名前は長いと思う。』と言っている。
「いや、でも他の呼び方もないし。」
『Bitte..Anruf..【Engel Eine Schaukel】』
「天使の一振り・・やけに格好悪くなったねぇ。」
天使の一振りと呼んで欲しいと言っている。勿論従うが、正直センスは無い気がする。
「まさかこんな下らない話じゃないだろう。本題に入ってくれ。」
此処からは、日本語訳で記す。
『では本題に入る。貴様が【天使の武装】と呼んだものがあるだろう。あれは実は、2回限りのハイリスク・ハイリターン技だ。あれを2回使えば、貴様の大脳の亜素・対素処理器官の両方が破壊される。もうその時点で、魔道師としても、解放術師としても再起は不可能だ。これが貴様に伝えたかったこと。簡潔にまとめると、あの大技はあと2回しか使えない。よく覚えておくようにということだ。』
長い説明だったが、最期に簡潔にまとめてくれたため、俺でも理解できた。
「質問だ。亜素・対素処理器官が破壊されたらどうなる?」
『簡単なこと。恐らく1週間・・5日間も生きられないだろうな。なにせ、地球最後の兵器としての処理機能を完全に失うのだから。力のバランスがとれなくなる。だから気をつけな。』
「・・了解した。肝に銘じておく。」
『あと、1つ忠告だ。貴様の敵は・・・全員身近に潜んでいるぞ。』
唐突で、頭が追いついていかなかった。
「ちょ、ちょっと、あ、まって!!」
『では。またいつか。』
視界がぼやけて、俺はその世界から離れた。
「くっ・・はあっ!!はあ・・はあ・・・。」
なかなかに悪い目覚めである。疑問を抱えたまま目覚めるというのは、どうしてこんなに気持ちが悪いのだろうか。
「仕方ない、もう一度寝て!」
「なーに、阿呆なこと言ってるの?時計を見なさい、時計を。」
「だ!な・・なれだ!!」
「逆よ逆。というかいい加減起きて。後5分でしたくして頂戴。」
時計を見ると7:50。校門閉鎖が8:00。なんとも絶望的である。
「いや、こういうときは逆に落ち着くのが・・」
「頁壱拾参[銃撃術式・壱番]」
「ふむ・・っておい!!殺傷力考えろ!!」
まさか部屋で銃を放つとは。恐るべし。
「はいはい分かりました。じゃあ準備しますよ。」
俺は重い足取りで、ゆったりのったりドアに歩いていった。
(敵は身近にいる・・)
夢の記憶がフィードバックする。
(いやいや・・まさかな。)
「兄さん?・・早く準備しなさい!!」
内乱のこともある。しかも俺は、まだ彼女の正体を知らない。
何故教えてくれない?何故隠そうとする?
彼女は、いくら問いただしても教えてくれなかった。
(しかも、TATユナイテッドワークスはどうなったんだ?)
「いい加減に・・!!」
(まさか彼女がそれに関わってるとか・・)
「準備しなさい!!」
(一度元帥と詳しくはなs)
「I am the born of my sword..」
「ちょ!!著作権!!タグないよ、fa○eタグつけてないから!!」
「何回無視してるの!!いい加減準備しなさい!!」
妹の叱責を受け、いい加減に準備を始める。
それから1日中、俺の疑問が晴れることは無かった。
この疑問が真実に近づくのか否か。
この疑問が彼女の正体を暴くのか。
この疑問が全てを終わらせるのか。
終わらせる?何を?
それすらも、今の俺には分からない。
あの剣が、余計に混乱の材料となった。
俺は思う。こんな混乱、紐を解いてしまえばきっと簡単だと。
なのに俺は、一端も知らない。
じゃあ、知らなきゃいけない。
あの剣のお陰だ。ようやく真面目に問題にかかれる。
紫苑の笑顔を見ていると、なんだか逃げたくなってくる。
というか、実際今まで逃げていた。知りたくなかったんだ。
ようやく気付いた。俺は唯の甘えに満ちた阿呆だった。
真実を知ることで誰が救われるかなんて、俺にはわからない。
でも、知らなきゃいけない。
そんな気がした。
だから、ようやく行動を開始する。
いるかいらないのかも分からない
あてがあるかないかも分からない
救済か災厄かも分からない
分かることは一つ。
俺は知らなきゃいけない。
地球最後の兵器として。
彼女の兄として。
途中からの日本語は、完全な手抜き。
次回のプランもなし。
誰かスピンオフ書いて。
まあ、なかなか不安が多いですが、これからもよろしくお願いします。