たとえ、全てに否定されようとも   作:Laziness

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テスト終了です。

そして今回、知人に挿絵を書いて貰いました。天城くんです。


【挿絵表示】


彼女は、カクヨムで活動中の方です。
https://kakuyomu.jp/users/Luna1213
彼女の書く小説は、1文1文がとても綺麗で、大変視聴者様を惹きつけてくれます。どうぞ、1度お読みください。

では、TATユナイテッドワークスではありませんが、どうぞ!


Ⅴ・第四話

 

 その日、彼女は彼女が最も嫌う人物と話していた。

 

「貴女!貴女には次期当主としての自覚は無いのですか!!」

 

 母は会話するといつもこうだ。

 

 有里美家は政権を委ねられている家でもあり、他の評価をかなり気にする家なのだ。

 しかも、この家の考え方なのか知らないが、飛び道具を使う兵士を酷く嫌うのだ。

 そのため、銃しか使えない私は昔から家の恥として扱われていた。

 

「私は次期当主になることを承認したつもりは毛頭ありません。追い出したいのならば、家から追い出してください。貴女方の口癖だったでしょう?」

 

 そんな家が、私に対する態度を変えたのはWN×WRに入団したのが原因だった。

 7歳の頃に、政権分割家の間で会議が開かれたのだ。(と言っても唯のお茶会)

 その時になんと、WN×WR元帥が出席していたのだ。

 

 もうそうなったら、全ての家は自らの家を認めさせようと躍起になった。

 しかし、元帥は「考えておきます」の一点張り。

 

 時間も経ち、やっと忌々しい会議が終わると思った・・。その時・・

 

 

 

 

 

 

 

 元帥が、私の前に居たんだ。

 

 

 

「また減らず口を!貴女はもう昔とは立場が違うのですよ!!」

 

 回想に入るのも許されない。

 

「確かに。現在はWN×WR支部長(しかし休止中)です。それがどうかされましたか?」

 

「今、有里美家で他に誇れるのは貴女しかいないのです!!どこへ行こうが貴女は家のもの。逃げるのは許されません!」

 

 昔は『貴女なんて有里美家の恥です!』としか言われなかったのに。

 

「申し訳ございません。支部長の仕事がございますので(嘘だけど)。」

 

「貴女には沢山やることがあるのですよ!!結婚相手だっt」

 

「そうですか。私より強ければ誰でも。」

 

 その話になったら、私はすぐに電話を切る。

 

 天城様のことも話せないし、どう答えてよいのか分からないのだ。

 

 天城様は様付けで、元帥のことを様付けしないことに関しては、目を瞑って欲しい。

 

 

 また私は、救われた日のことを思い出す。

 

 

 

 

 私のところに来ていた元帥は、私にこう言ったんだ。

 

「君・・全力を出したことはあるかい?」

 

 謎の質問だった。全力・・・それ以前に、まともに戦った試しすらない。

 

「・・・・ありま、せん。」

 

 人と話させてもらったことも無いので、返答にも一苦労だ。

 

「そうか。よし、天城くん。」

 

 そう言うと彼は、知らない男の人の名前を呼んだ。

 虚無から出てきたのは、私と同じくらいの男の子だった。

 男の子って呼ぶ理由は、天城様がこの頃は私より背が低かったから。

 

「・・誰?」

 

「天城くん、この子と戦ってみてくれ。」

 

「了解しました、全力は出してはいけませんよね?」

 

「ああ。全力は止めておけ。」

 

 その会話に、私は若干の苛立ちを感じた。

 腐っても有里美家の血を引いている者だ。こんな男の子に負けるわけが無い。

 

「君は、銃が得意だな。」

 

「な・・分かった、の?」

 

「ああ、見れば分かる。ではこれを使うんだ。」

 

 そう言って彼が差し出してきたものは【デザートイーグル】だった。

 ・・まあ、その当時は銃なんだろうな~程度にしか分からなかったが。

 

「銃・・ほんもの?」

 

「ああ、本物だ。」

 

 なぜかそれをもった瞬間、使い方が完全に分かった。私はリロードを済ませる。

 

「やはり・・彼女の血が。」

 

「かの、じょ?」

 

「元帥、もう開始しても?」

 

 やはりこの男の子はどこか冷静だ。

 

「では、始めるぞ。」

 

 こんな男の子に負ける筈がない!!そう思って臨んだんだ。

 

「始め!!」

 

 私は始まった瞬間、彼に標準を合わせた。そしてすかさず打つ!!

 

 しかし、彼は軽く避けてしまったのだ。彼の武器はナイフ一本。

 

 彼にぎりぎりまで接近を許してしまう。

 

「ふっ!」

 

 彼がナイフを一閃したのを、なぜか私は避けれたのだ。体が勝手に動いていた。

 

「はっ!」

 

 そこからは、自分の体が自分のものではないようだった。

 

 狙いを避けている最中に彼にあわせ、ためらわずに放ったのだ。

 

 

 

 なんと、銃弾が彼の肩を打ち抜いた。

 

「え・・。」

 

 私は動けなくなった。人を傷つけたのは初めてだったからだ。

 

 男の子も驚いたような顔をしていた。

 

 私は動けなかったが、彼は打たれたのにもかかわらず既に動いていた。

 

 

 首に感じた、冷たい感触。

 

「終了!!」

 

「はあ、はあ・・。」

 

「まさか、傷を負うとは思いませんでした。生まれて初めてです。彼女は一体?」

 

「有里美さん・・だよね?」

 

「はい・・。」

 

 私はその苗字で呼ばれるのが好きではないのだが・・。

 

「彼のことを教えてあげようか?」

 

 私は、すぐに頷いた。

 

「彼はな、世界最強の存在だ。詳しいことは教えられないが。」

 

「世界最強・・?」

 

「ああ、その通りだ。」

 

 そんな人に傷を負わせたと思うと、自らの強さを錯覚しそうになった。

 

「そんな人が・・なんで?」

 

「そうだな。君、WN×WRに入らないかい?というか入って(切実)」

 

「え・・?」

 

 WN×WRの噂は聞いていた。なにやら凄い組織で、絶対に入ることが出来ない組織だとか。

 

「なんで・・私が・・?」

 

「君には大切な役割があるんだ。君が、世界の中心となるんだ。」

 

 その頃の私には意味が分からなかった。

 

「ようするに、私達と一緒に世界を見ませんか?頂点で。」

 

「ちょう、てん?」

 

 こんな酷い環境で育った私にはなじみ無い単語だった。

 

「私達に・・力を貸してください。アン・アリミ。」

 

「な、なんでわたしのなまえを・・?」

 

「貴女のかばん。しっかり書いていますよ?」

 

 そう言って、彼は微笑んだ。

 

 この子の笑っているところを見たのは、これが初めてだ。

 

「わた、し・・。」

 

 初めて触れたやさしさに、私の頬を涙が伝った。

 

 しかし、私の支配者がそれを許さなかった。

 

「杏!!何をしているのですか!!早く帰りますよ!!」

 

 怒気を孕んだ女王の声が鳴り響いた。

 

「え、ご、ごめんなさい!」

 

「全く、よりにもよってWN×WRの元帥殿に迷惑を掛けるなんて!」

 

 まただ。また、私は命令されるがままだ。

 

 

 

 

 出来ることなら・・

 

 

 

 

 救って欲しかったなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待ちを。アン・アリミ。」

 

 私の中の、英雄が生まれたんだ。

 

「WN×WRは、目の前の優秀な人材は引き入れるまで逃がさないのですよ?」

 

「え・・?」

 

 彼は少し強引に私の手を引いてきた。

 

「杏!何をしているのですか!!早くしなさい!!」

 

「え・・え・・??」

 

 私は、ただ困惑するしかありませんでした。

 

「アン・アリミ!私達と来てはくれませんか!!」

 

「杏!!」

 

「アン・アリミ!!」

 

 私は、困惑し決断を迫られた。無意識に掴んだ手は・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私を・・助けてください!!!」

 

 それは、私の渾身の叫びだった。

 

 同時に、鳥篭は壊された。

 

 

「有里美家当主。アン・アリミは現時点を持って、WN×WRの支部長とします。」

 

「な!?」

 

「文句があるならば・・全力で奪いにいくまでです。」

 

 当然、相手側に文句なんてあるわけが無い。WN×WRに入れるのだから。

 

「え、ええ!もちろんよ!!許可するわ・・だけど、なんでこの子なのかしら?」

 

「それは当然・・

 

 

 

 

 

 世界最強が望んだからですよ。」

 

「世界・・最強・・?」

 

「おっと、話しすぎてしまいました。では私はこれで。」

 

「いきましょう、アン・アリミ。」

 

 私は、男の子に手をつかまれ、新たな世界へと踏み出した。

 

 

 

 

 これが、私と英雄の物語だ。

 

 

 

 

 

 

 

 英雄だからさ・・

 

 

「おう、おはよう。杏。」

 

 

 失いたくないんだ。

 

 

「はい!おはようございます、天城様!」

 

 

 

 鳥篭を壊してくれた彼を・・・・

 

 

 

 




なんかシリアス。

さて、泣けるような小説を書きたかった結果がこれだ。笑ってくれ。

ああ、もう。がんばった方なので、出来れば心温まる感想をお願いします。

では、次回もお楽しみください。

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