そして今回、知人に挿絵を書いて貰いました。天城くんです。
【挿絵表示】
彼女は、カクヨムで活動中の方です。
https://kakuyomu.jp/users/Luna1213
彼女の書く小説は、1文1文がとても綺麗で、大変視聴者様を惹きつけてくれます。どうぞ、1度お読みください。
では、TATユナイテッドワークスではありませんが、どうぞ!
その日、彼女は彼女が最も嫌う人物と話していた。
「貴女!貴女には次期当主としての自覚は無いのですか!!」
母は会話するといつもこうだ。
有里美家は政権を委ねられている家でもあり、他の評価をかなり気にする家なのだ。
しかも、この家の考え方なのか知らないが、飛び道具を使う兵士を酷く嫌うのだ。
そのため、銃しか使えない私は昔から家の恥として扱われていた。
「私は次期当主になることを承認したつもりは毛頭ありません。追い出したいのならば、家から追い出してください。貴女方の口癖だったでしょう?」
そんな家が、私に対する態度を変えたのはWN×WRに入団したのが原因だった。
7歳の頃に、政権分割家の間で会議が開かれたのだ。(と言っても唯のお茶会)
その時になんと、WN×WR元帥が出席していたのだ。
もうそうなったら、全ての家は自らの家を認めさせようと躍起になった。
しかし、元帥は「考えておきます」の一点張り。
時間も経ち、やっと忌々しい会議が終わると思った・・。その時・・
元帥が、私の前に居たんだ。
「また減らず口を!貴女はもう昔とは立場が違うのですよ!!」
回想に入るのも許されない。
「確かに。現在はWN×WR支部長(しかし休止中)です。それがどうかされましたか?」
「今、有里美家で他に誇れるのは貴女しかいないのです!!どこへ行こうが貴女は家のもの。逃げるのは許されません!」
昔は『貴女なんて有里美家の恥です!』としか言われなかったのに。
「申し訳ございません。支部長の仕事がございますので(嘘だけど)。」
「貴女には沢山やることがあるのですよ!!結婚相手だっt」
「そうですか。私より強ければ誰でも。」
その話になったら、私はすぐに電話を切る。
天城様のことも話せないし、どう答えてよいのか分からないのだ。
天城様は様付けで、元帥のことを様付けしないことに関しては、目を瞑って欲しい。
また私は、救われた日のことを思い出す。
私のところに来ていた元帥は、私にこう言ったんだ。
「君・・全力を出したことはあるかい?」
謎の質問だった。全力・・・それ以前に、まともに戦った試しすらない。
「・・・・ありま、せん。」
人と話させてもらったことも無いので、返答にも一苦労だ。
「そうか。よし、天城くん。」
そう言うと彼は、知らない男の人の名前を呼んだ。
虚無から出てきたのは、私と同じくらいの男の子だった。
男の子って呼ぶ理由は、天城様がこの頃は私より背が低かったから。
「・・誰?」
「天城くん、この子と戦ってみてくれ。」
「了解しました、全力は出してはいけませんよね?」
「ああ。全力は止めておけ。」
その会話に、私は若干の苛立ちを感じた。
腐っても有里美家の血を引いている者だ。こんな男の子に負けるわけが無い。
「君は、銃が得意だな。」
「な・・分かった、の?」
「ああ、見れば分かる。ではこれを使うんだ。」
そう言って彼が差し出してきたものは【デザートイーグル】だった。
・・まあ、その当時は銃なんだろうな~程度にしか分からなかったが。
「銃・・ほんもの?」
「ああ、本物だ。」
なぜかそれをもった瞬間、使い方が完全に分かった。私はリロードを済ませる。
「やはり・・彼女の血が。」
「かの、じょ?」
「元帥、もう開始しても?」
やはりこの男の子はどこか冷静だ。
「では、始めるぞ。」
こんな男の子に負ける筈がない!!そう思って臨んだんだ。
「始め!!」
私は始まった瞬間、彼に標準を合わせた。そしてすかさず打つ!!
しかし、彼は軽く避けてしまったのだ。彼の武器はナイフ一本。
彼にぎりぎりまで接近を許してしまう。
「ふっ!」
彼がナイフを一閃したのを、なぜか私は避けれたのだ。体が勝手に動いていた。
「はっ!」
そこからは、自分の体が自分のものではないようだった。
狙いを避けている最中に彼にあわせ、ためらわずに放ったのだ。
なんと、銃弾が彼の肩を打ち抜いた。
「え・・。」
私は動けなくなった。人を傷つけたのは初めてだったからだ。
男の子も驚いたような顔をしていた。
私は動けなかったが、彼は打たれたのにもかかわらず既に動いていた。
首に感じた、冷たい感触。
「終了!!」
「はあ、はあ・・。」
「まさか、傷を負うとは思いませんでした。生まれて初めてです。彼女は一体?」
「有里美さん・・だよね?」
「はい・・。」
私はその苗字で呼ばれるのが好きではないのだが・・。
「彼のことを教えてあげようか?」
私は、すぐに頷いた。
「彼はな、世界最強の存在だ。詳しいことは教えられないが。」
「世界最強・・?」
「ああ、その通りだ。」
そんな人に傷を負わせたと思うと、自らの強さを錯覚しそうになった。
「そんな人が・・なんで?」
「そうだな。君、WN×WRに入らないかい?というか入って(切実)」
「え・・?」
WN×WRの噂は聞いていた。なにやら凄い組織で、絶対に入ることが出来ない組織だとか。
「なんで・・私が・・?」
「君には大切な役割があるんだ。君が、世界の中心となるんだ。」
その頃の私には意味が分からなかった。
「ようするに、私達と一緒に世界を見ませんか?頂点で。」
「ちょう、てん?」
こんな酷い環境で育った私にはなじみ無い単語だった。
「私達に・・力を貸してください。アン・アリミ。」
「な、なんでわたしのなまえを・・?」
「貴女のかばん。しっかり書いていますよ?」
そう言って、彼は微笑んだ。
この子の笑っているところを見たのは、これが初めてだ。
「わた、し・・。」
初めて触れたやさしさに、私の頬を涙が伝った。
しかし、私の支配者がそれを許さなかった。
「杏!!何をしているのですか!!早く帰りますよ!!」
怒気を孕んだ女王の声が鳴り響いた。
「え、ご、ごめんなさい!」
「全く、よりにもよってWN×WRの元帥殿に迷惑を掛けるなんて!」
まただ。また、私は命令されるがままだ。
出来ることなら・・
救って欲しかったなぁ。
「お待ちを。アン・アリミ。」
私の中の、英雄が生まれたんだ。
「WN×WRは、目の前の優秀な人材は引き入れるまで逃がさないのですよ?」
「え・・?」
彼は少し強引に私の手を引いてきた。
「杏!何をしているのですか!!早くしなさい!!」
「え・・え・・??」
私は、ただ困惑するしかありませんでした。
「アン・アリミ!私達と来てはくれませんか!!」
「杏!!」
「アン・アリミ!!」
私は、困惑し決断を迫られた。無意識に掴んだ手は・・
「私を・・助けてください!!!」
それは、私の渾身の叫びだった。
同時に、鳥篭は壊された。
「有里美家当主。アン・アリミは現時点を持って、WN×WRの支部長とします。」
「な!?」
「文句があるならば・・全力で奪いにいくまでです。」
当然、相手側に文句なんてあるわけが無い。WN×WRに入れるのだから。
「え、ええ!もちろんよ!!許可するわ・・だけど、なんでこの子なのかしら?」
「それは当然・・
世界最強が望んだからですよ。」
「世界・・最強・・?」
「おっと、話しすぎてしまいました。では私はこれで。」
「いきましょう、アン・アリミ。」
私は、男の子に手をつかまれ、新たな世界へと踏み出した。
これが、私と英雄の物語だ。
英雄だからさ・・
「おう、おはよう。杏。」
失いたくないんだ。
「はい!おはようございます、天城様!」
鳥篭を壊してくれた彼を・・・・
なんかシリアス。
さて、泣けるような小説を書きたかった結果がこれだ。笑ってくれ。
ああ、もう。がんばった方なので、出来れば心温まる感想をお願いします。
では、次回もお楽しみください。