【トリスタンダクーニャ諸島】地球儀で探してみてください。
おっと、趣旨が変わった。ではどうぞ!!
「天城くん。君は現在活動中のテロリストを幾つ知っているかね?」
唐突な常識クイズである。そうだな・・
「中東の組織は【インペル・ミッション】【アローン・オリジン・ターン】【ハーメルン】
NSAの方は、【ホーリー・ラスティン】【ヘル・ボーン】ですね。他にもサイバー系も含めれば、相当な量が存在します。」
「ああ、その通りだ。」
・・一体なんだったんだ?
「その中でも、一切その存在を世に知らせていないものがいる。」
「世に知らせていない・・?」
「ああ。その名は【TATユナイテッドワークス】」
・・確かに聴いたことの無い名だ。
「世に知られていないのに、元帥はどこでその情報を?」
「情報部。またまた面白い情報を掴んでくれてね。」
・・最早優秀を通り越して恐ろしいわ。
「それで、自分にその情報を提供してどうするのですか?」
「どうやらその組織は、相当こちらが不利になるように動いているようでね。君に被害が及ぶかもしれない。警戒を怠らないようにしてくれ。」
「了解いたしました。」
「ちなみにこちらは、本部も構成員も規模も一切情報をつかめていない。」
おや、家の情報部でも出来ないことはあったのか。
「名前だけ流れてきたということですか・・。」
「その通りだね。おっと、もうこんな時間か。では、警戒を怠らないようにね。」
「はっ!了解いたしました!」
その言葉を最後に、通信は終了した。
「TATユナイテッドワークスか・・。」
聞いたことも無い名に、警戒を強めることを強いられた。
「あの馬鹿情報部が!!何情報漏らしてんのよ!!」
「申し訳ございません。しかし名前だけです。問題ありません。」
少しいい訳じみている気がする。
「貴方・・ダムに小さな穴が開いたらどうなると思う?」
「管理人が修理業者を呼ぶことになります。」
「そういうことじゃないのよ!!」
彼の滑稽ともとれるその返答に、彼女はつい大声を出してしまった。
「冗談でございます。大きな穴になり、決壊致しますね。」
「その通りよ。あの情報部はその僅かな情報から全てを暴き出すのよ。」
「もしもの時はこの本部ごと爆破してしまいますか?」
その落ち着いた口調とは裏腹に、恐ろしいことを考える物だ。
「まあ、もしもの時はそうするわ。どこに引っ越すつもり?」
「本当に実行するのであれば、トリスタンダクーニャに引っ越します。」
「・・ふざけているのかしら?」
「いえいえ、本気でございますよ?」
彼の『いえいえ、本気ですよ』が、煽っているようにしか聞こえない。
「まあ、そうなる頃にはもう終わっていて欲しいわね。」
「それは貴女様の努力次第でございます。」
「人任せなのね。」
「この組織は貴女様のために作られたものですので。」
「そう・・努力はするわ。」
「では、ご健勝をお祈りしております。」
「はいはい。じゃあね。」
「ふ~ん。TATユナイテッドワークスねぇ。」
暗い部屋で、1人男は笑う。
「いいよ、潰してあげるよ。そっちは天城くんが欲しいらしいけど・・。こちらも全力で奪いにいかせてもらうよ。」
彼の手には、1本の注射器が握られていた。
「さて、コイツを使うことはあるかな?・・信用してるよ。天城くん。」
実はこの作品。終わり方は完全に決まってるんですよね。
でもそこにたどり着くまでが長い・・!!
まあ、あと100話ぐらいしたら終わると思います。
皆様、これからもよろしくお願い致します。