たとえ、全てに否定されようとも   作:Laziness

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さて皆様。今回の課題です。

【トリスタンダクーニャ諸島】地球儀で探してみてください。

おっと、趣旨が変わった。ではどうぞ!!


Ⅴ・第二話

 

「天城くん。君は現在活動中のテロリストを幾つ知っているかね?」

 

 唐突な常識クイズである。そうだな・・

 

「中東の組織は【インペル・ミッション】【アローン・オリジン・ターン】【ハーメルン】

 NSAの方は、【ホーリー・ラスティン】【ヘル・ボーン】ですね。他にもサイバー系も含めれば、相当な量が存在します。」

 

「ああ、その通りだ。」

 

 ・・一体なんだったんだ?

 

「その中でも、一切その存在を世に知らせていないものがいる。」

 

「世に知らせていない・・?」

 

「ああ。その名は【TATユナイテッドワークス】」

 

 ・・確かに聴いたことの無い名だ。

 

「世に知られていないのに、元帥はどこでその情報を?」

 

「情報部。またまた面白い情報を掴んでくれてね。」

 

 ・・最早優秀を通り越して恐ろしいわ。

 

「それで、自分にその情報を提供してどうするのですか?」

 

「どうやらその組織は、相当こちらが不利になるように動いているようでね。君に被害が及ぶかもしれない。警戒を怠らないようにしてくれ。」

 

「了解いたしました。」

 

「ちなみにこちらは、本部も構成員も規模も一切情報をつかめていない。」

 

 おや、家の情報部でも出来ないことはあったのか。

 

「名前だけ流れてきたということですか・・。」

 

「その通りだね。おっと、もうこんな時間か。では、警戒を怠らないようにね。」

 

「はっ!了解いたしました!」

 

 その言葉を最後に、通信は終了した。

 

「TATユナイテッドワークスか・・。」

 

 聞いたことも無い名に、警戒を強めることを強いられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの馬鹿情報部が!!何情報漏らしてんのよ!!」

 

「申し訳ございません。しかし名前だけです。問題ありません。」

 

 少しいい訳じみている気がする。

 

「貴方・・ダムに小さな穴が開いたらどうなると思う?」

 

「管理人が修理業者を呼ぶことになります。」

 

「そういうことじゃないのよ!!」

 

 彼の滑稽ともとれるその返答に、彼女はつい大声を出してしまった。

 

「冗談でございます。大きな穴になり、決壊致しますね。」

 

「その通りよ。あの情報部はその僅かな情報から全てを暴き出すのよ。」

 

「もしもの時はこの本部ごと爆破してしまいますか?」

 

 その落ち着いた口調とは裏腹に、恐ろしいことを考える物だ。

 

「まあ、もしもの時はそうするわ。どこに引っ越すつもり?」

 

「本当に実行するのであれば、トリスタンダクーニャに引っ越します。」

 

「・・ふざけているのかしら?」

 

「いえいえ、本気でございますよ?」

 

 彼の『いえいえ、本気ですよ』が、煽っているようにしか聞こえない。

 

「まあ、そうなる頃にはもう終わっていて欲しいわね。」

 

「それは貴女様の努力次第でございます。」

 

「人任せなのね。」

 

「この組織は貴女様のために作られたものですので。」

 

「そう・・努力はするわ。」

 

「では、ご健勝をお祈りしております。」

 

「はいはい。じゃあね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふ~ん。TATユナイテッドワークスねぇ。」

 

 暗い部屋で、1人男は笑う。

 

「いいよ、潰してあげるよ。そっちは天城くんが欲しいらしいけど・・。こちらも全力で奪いにいかせてもらうよ。」

 

 彼の手には、1本の注射器が握られていた。

 

「さて、コイツを使うことはあるかな?・・信用してるよ。天城くん。」

 

 

 

 




実はこの作品。終わり方は完全に決まってるんですよね。

でもそこにたどり着くまでが長い・・!!

まあ、あと100話ぐらいしたら終わると思います。

皆様、これからもよろしくお願い致します。

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