たとえ、全てに否定されようとも   作:Laziness

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最近、小説を書くのが楽しくて仕方ない。
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サブタイトルの大幅改定を行いました。


Ⅳ・第二話

「皆さ~ん、実は明日、国防軍のほうから特別講師さんが来て下さるそうです!」

 

 突然の先生の発言に、クラス中がざわついた。

 

「・・国防軍か。」

 

「レベルⅢに来るっていうことは・・。」

 

「もしかしなくても、対専でしょうね。」

 

 対専というのは、対魔道師専門部隊の略称である。

 

「その通りですよぉ~、紫苑さん!なんと、対専の大尉さんが来てくれるらしいです!」

 

「ま、まじか・・」「大尉・・ってどこだっけ?」「流石っす、レベルⅢ・・。」

 

「あぁ~、対専か。」

 

「兄さん、対専との関係は?」

 

「・・あるっちゃある。」

 

「地球最後の兵器として?それとも、WN×WR大将として?」

 

「後者だ。3年前位に中華民国が核兵器相当術式を日本にぶつけて来たろ?その時に対専で動いたんだよ。」

 

「・・その時、私中華民国だったわ。」

 

「・・うん。」

 

「魔道師25人近くで打ったわね。」

 

「・・・・うん。」

 

「大規模術式・[パーマネント・ディサピアランス]。凄い威力だったわね。」

 

「・・・・何が言いたい?」

 

「流石の私も、あれを打ったときは疲れたわ。何で10人しか用意しなかったのかしら?」

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

「「あれ打ったのお前か!!」」

 

「ええ、傭兵だもの。言われた事はやるわ。」

 

「あれ、結局日本ではAMM使って迎撃したんだぞ!?」

 

「・・よく魔術を物理的に殺そうと思ったわね・・。」

 

「全く、貴方は余計なことしかしませんね・・。」

 

「はあ、でも今更過去のことを掘り返しても仕方ないだろ・・。」

 

「そうよ、兄さんの言う通りよ。いい加減にしなさい、クビ支部長。」

 

「え!?何で私が怒られて・・ってその名前で呼ぶの止めてください!」

 

「はぁ、ちょっと黙ってなさい。ところで、AMM使ったのに、対専の出番あったのかしら?」

 

「ああ、AMMで威力は消したんだけど、爆発っていう第二波があるんだよ。」

 

「まあ、そうね。」

 

「それを、対素の対外放出技・アブソリュートシールドの強化版。ワイドリチュアルで防いだんだ。」

 

「あ、ちなみに私も参加しました!」

 

「って、AMM本当に役に立ったのね・・。」

 

「まあ、唯のミサイル迎撃ミサイルじゃないからな・・。」

 

「ふぅ~ん、まあそこは深くは聞かないわ。」

 

「では天城様!そろそろ帰りましょう!」

 

「ああ、帰るか・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IN AMAGI's HOUSE

 

「ねえ兄さん。」

 

「どうした?」

 

「月が綺麗ね・・。」

 

「ほう、まあ、唯の石だけどな。」

 

「な、なかなか斬新な返し方ね・・。」

 

「お前はどう返して欲しかったんだ?」

 

「あら、私は[私もそう思います]とか返してくれても、全然良かったのよ?」

 

「・・からかうな。」

 

「ふふ・・。まさか殺し合いをした相手と、こんな会話が出来るとは思わなかったわ。」

 

「ああ、本当に生きてて良かったよ・・。」

 

「貴方、死なないんじゃなかった?」

 

「まあ、その通りだな。」

 

「全く・・本当に死ぬかと思ったのはこっちよ。」

 

「いやちょっと・・自業自得でしょうに。」

 

「もう、私は勝つつもりで戦ったのに・・。」

 

「まあ、兄貴もそう簡単に負けるわけにもいかんのよ。」

 

「・・私が妹だって・・信じられる?」

 

「・・その話はしないようにしようぜ。」

 

「ん・・私も、逃げてちゃいけないのにね・・。」

 

「でも、《日常》を壊したくないっていう、お前の配慮なんだろ?」

 

「確かに、それが一番の理由ね・・。」

 

「なら俺は、いつまでも待ってやるぞ?」

 

「うん・・ありがとう、兄さん!」

 

 その時の笑顔は、年相応の可愛らしいものであった。

 

「じゃあ、もうそろそろ寝るか・・。」

 

「うn・・ええ、そうしましょうか・・。」

 

「いや、口調そのままで良かったろ。」

 

 その声は、届くことは無かった・・。

 

 朝起きて、横に誰かが居たのは気のせいだ。うん、何も居ない何も見てない・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校

 

「は~い、皆さん!この方が、特別講師さんです!」

 

「この度、特別講師として参上いたしました。

 日本国防軍対魔道師専門部隊・大尉【弧普 蒼真(こふ そうま)】だ。」

 

「皆さん、この方は解放術のプロフェッショナルですからねぇ~。沢山学んでください!」

 

「一限目は、座学から入る、準備しておけ。」

 

 彼は部屋から出て行く・・ところで、俺に目で合図した。

 

(外、出ろ)

 

 俺は教室の外に出る。

 

「・・中庭。」

 

 俺は頷いた。彼も解放術で中庭へ向かった。

 

「・・行くか。」

 

 俺も続いた。

 

 

 

 

「さて、久しぶりだな。」

 

「ああ、久しぶりだ。」

 

「・・ふふ、貴様の前でこんな態度で居る必要は無いか!」

 

「ふふ、いや相変わらず壮健そうで何よりだぜ、ソーマ。」

 

「そんな神様みたいな名前じゃないんだがな。ショー。」

 

「どっちもどっちだろ。ところで、対専はどうだ?」

 

「ああ、相変わらず酷い職場だよ。そっちは?」

 

「こっちはガチホワイト企業だからな。」

 

「はあ、軍ってのは残業手当でないしな・・。きついんだよ・・。」

 

「こっちは軍じゃないし。しかも働きに応じて給料が変わる制度だからな。」

 

「・・何でこんな生々しい話になったんだよ・・。」

 

「お前が始めたんだろ?自分で悲しい話に発展させやがって・・。」

 

「はぁ、しかもこんな教員の真似事だなんて・・。面倒くさい・・。」

 

「おいこら、それクラスが聞いたら泣くからな。」

 

「まぁ、精々頑張るさ。」

 

「おう、今日のことは後で対専の笑い話にしてやるからな!」

 

「ん・・?っておーーい!!ちょ、まって、それだけはーーー!!!」

 

「んじゃ、頑張れよ。ソーマ。」

 

「ジョー!!ジョー!!!!ジョジョーーー!!」

 

「勝手に人間止めてろ。」

 

 まあ、楽しみにしとくか・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一限目

 

「ではまず、実戦的な解放術というものについて学習しよう。」

 

 生徒全員が好奇心に満ち溢れた目で彼を見ている。・・3人を除いて。

 

(ふふ、どこまで教える?た・い・い?)

 

(蒼真さん・・結構無理してますね・・。)

 

(・・写真でも撮っておいてやろうかな?)

 

「まず、実戦で一番大切なことは、割り振りを工夫すること。

 

 

 

 ・・ではないのだ。」

 

「なっ!?」「そうなの!?」

 

(ふぅ~ん、どうせフルバーストの効率的な運用とでも言うんでしょうね?)

 

「一番大切なことは、フルバーストの効率的な運用だ。」

 

(((ほらね。)))

 

「ちびちび全部のスキルに割り振って、大した効果が得られると思うか?」

 

 教室が静まり返る・・。

 

「そうだな・・防御力を完全に無視した脳筋になる。攻撃力を完全に無視した風になれ。速さなんて完全に無視した壁になれ。とまあ、そういう極端な強化が大切だ。」

 

「大尉、質問いいですか?」

 

「どうぞ。」

 

 清輝美麗が質問をする。

 

「フルバーストをすると、ノーマルもしくは、他箇所の強化には時間が掛かると存じています。その戦法ならば、即座に攻撃タイプを転換させることが不可能になると思うのですが・・。」

 

「あくまでこれは、実戦的な話だ。本物の戦場で魔道師と1対1になったら、勝てる確実は限りなく0に近い。」

 

(いや、お前は勝てるだろ)

 

「戦場では、基本的に2人1組で行動する、防御力をフルバーストした者と、攻撃力をフルバーストした者だ。そのように、役職を固定することで、効率的に立ち回ることが出来るんだ。」

 

「本物の戦場・・。」

 

「お前ら、元寇は習ったろ?戦場では、1対1なんてのは自殺行為なんだよ。」

 

「集団戦法・・?」

 

「その通りだ。これは戦争の基本だぞ。・・ってこれはあまり今とは結びつかないな。では今度は、1対1の必勝法を教えてやろう。」

 

 またもや、生徒達の目は好奇心に溢れた。

 

「まず1対1の基本だが、相手に隙を作らせることだ。えーっと、しょー・・じゃなかった天城くん!」

 

「はい?どうされました?」

 

「相手に右手で殴って、ダメージを与えたい。どうする?」

 

「はい、左手で殴ります(・・・・・・・)。」

 

 それを聞いた生徒は、笑いに包まれた。

 

「あ、天城くん、今は右手でダメージを与えるんだよww」

 

「ふふ・・先生の話聞いてたww?」

 

「はぁ、お前らこそ聞いてたのか?今は隙を作る話をしてるんだぜ。」

 

 生徒の笑い声が止まった。

 

「右手で殴ったら、確実に防がれるだろ?隙を作るには、意識を他のところに向ける・・ってことが大切なんだ。」

 

 生徒達は、真剣に聞く体制に入っている。

 

「だから、左手で殴ることによって、意識をそちらに向ける。後は、僅かな時差で右手で敵を打つ。・・まあ、単純な回答だが、これしか思いつきませんでした。どうでしょう大尉?」

 

「うむ、及第点だ。意識を他に向けさせるか・・。なかなかいい回答だぞ、少年。」

 

「ありがとうございます・・。」

 

 大尉の授業は、素晴らしい物だった。・・らしいぞ。他から見れば。

 

 やはりソーマのあのキャラは滑稽だな。よし、対専の笑い話にしよう・・。

 

「2限目は実技だ、遅れないように運動場へ来い。」

 

 1限目は、無事に終了したのであった・・。

 

 

 




初の3000文字越え!
なんだか、キーボードを打つ指が止まりませんでした。

再度申し上げますが、アンケートへのご協力、よろしくお願い致します。

ありがとうございました。

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