皆さん、ありがとうございます。
長らくお待たせいたしました。それでは、どうぞ!
Ⅳ・第一話
「え~っと、今日は実戦解放術についての授業をします!」
(実戦ねぇ・・。)
「まず、解放術の基礎についての復習をします。解放術は、脳に多大な情報を与えている箇所から、強化箇所に力の移行をすると、膨大な力が得られます。その例を、有里美さん。」
「はい、五感ですね。逆に、影響が少ないのが運動能力そのものの移行です。情報の提供源を一つ潰すのと、運動能力を僅かに減少させるのには、大きな差があります。ですが、得られる力の量と、身体への影響の大きさは比例しています。視覚や聴覚を失くしてしまうと、戦闘に大きな支障が出ます。そのため、実戦を視野に入れるのならば、相手の特性を理解した上で、自分に必要な力、相手が対応できない力を計算することが大切です。」
「はい、見事な説明でした。では、フルバーストとは何でしょう?紫苑さん。」
「フルバーストね・・。超過だったかしら?能力の完全移行。術式強度の完全化。」
「み、短い説明でしたね・・。まあ、その通りです。では、今の説明にあった、術式強度とは何でしょう?天城くん?」
「術式強度ねぇ・・。たしか、移行値だった筈。どれ程膨大な力を移行したか。」
「兄弟似てますね・・。何故どちらも短いんですか・・?」
「「必要なことは言った。それだけだ。」」
「・・そうですか、しかもその通りですから、性質が悪いですね。」
「先生、口調変わりましたね。」
「まあ、授業中ですし・・。って、そうじゃなくて!」
「いいから授業続けて頂戴?時間無くなっちゃうわよ?」
「はぁ、分かりました。続けます・・。」
大変だな、先生。
「では、座学はこれまでにして・・。実戦に移りたいと思います!ペアを作ってください。」
(あっ、これは不味い。非常に不味い!)
「さ、天城様!行きましょう。」
「あら、何勝手に話を進めているのかしら?兄さん、私と一緒に行きましょう?」
「ほら来たよ。ほんと、ペアってきついよな。」
「さあ、天城様!」
「さあ、兄さん!」
(打開策は・・これだ!)
「んじゃ、2人でペアな。」
「は!?兄さん、何でこんな女と!」
「その通りです!天城様!」
「いやぁ~、俺は素直な女の子は大好きだなぁー(汗)」
「さ、おとなしくやりましょう、クビになった支部長。」
「そうしましょう、自称妹。」
「よし、おk、じゃあ俺はしれっと休んで・・。」
「あ、あの、天城さん・・。」
「ん?ああ、鏡月。どうした?」
「あの、実は組んでくれる人がいなくて・・。一緒にお願いできますか?」
視線が痛い、後ろからの。
「えっと、体調がわr」
「だめ・・ですか?」
グフォア!!だ・・駄目だろ、これは・・。
「あ、うん。いいぞ・・。」
「あ、ありがとうございます!」
一応、後ろを確認・・。
(兄さん、ギルティ。)
(天城様、後でお話)
・・何も見なかった。何も居なかった。
「天城さん!行きましょう!」
「お、おう・・そうだな・・。」
俺、今日死ぬのかな・・。
こうして、実技は無事には終わらなかった。
そして、昼
「杏、日本支部長は誰に代わったんだ?」
「元・ロシア東部支部長です」
「ああ、あのロリっ子か。」
「お陰で、ランズ様の一件を背負わなくて良くなったそうです。」
「ほう、それはそれは。」
「会いに行ってみますか?」
「まあ、そうするかな・・。」
「了解しました!では、今週末にでも行きましょう!」
そういえば、ロシア東部は誰になったんだろうな・・?
今回は短め。章タイトルは、もう少し投稿してから決めます。
ありがとうございました。