たとえ、全てに否定されようとも   作:Laziness

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エクラ・サン・ペルデュ 完全終了!!

これにて、第三章は終了となります。長かった、此処まで。

次回からは、本格的に学校回が始まります。

という訳で、戦争事後回収、お楽しみください!

・・少し長めに出来ております。


Ⅲ・第十七話

6月1日 WN×WR NSA本部

 

「皆、ロシアの大規模内乱の鎮圧、ご苦労だった。」

 

 5月31日、WN×WRによって大規模内乱は終焉を迎えた。

 

「結果は、ファイズ・アリベルトの死亡であった。」

 

「質問よろしいでしょうか?元帥。」

 

「許可する。」

 

「ファイズ・アリベルト殺害は、元帥のご意向だったのでしょうか?」

 

「ああ、その通りだ。大人数で攻めるわけにもいかないからな。天城1人に行かせた。」

 

「・・返答いただき、誠に感謝致します。」

 

 そう言って、杏は下がっていった。

 

(申し訳ございません、元帥)

 

「他に質問がある者は居ないか?」

 

「よろしいですか?元帥。」

 

「許可する。」

 

「もう一人の地球最後の兵器については、どうなさるおつもりですか?」

 

「それは・・楽しみにしておけ。とだけ言っておく。」

 

「楽しみに・・ですか?了解いたしました。」

 

 俺も下がっていった。僅かな疑問を抱きながら・・。

 

「他に質問がある者は居ないな?それでは、各自自分の職に戻ってくれ。」

 

「「「「「「「YES,Marshal」」」」」」」

 

 ・・やっと、普通の日々が戻ってくるのか・・。

 

 

 

 

数日後・・

 

6月3日 Genesis Kingdom

 

「はあ、ようやく終わりましたね・・。」

 

「お疲れ様でした、ザーフ様。」

 

「ああ、ただいま。」

 

 ニュースには、ファイズ・アリベルトの死亡と、次期皇帝の決定についてが大きく取り上げられていた。

 

「見つかっていないようですね・・。」

 

 恐らく、ファイズ・アリベルトを殺した者のことを指しているのだろう。

 

「見つかりませんよ。未来永劫・・ね。」

 

 ザーフは、小さな声でそう呟いた。

 

「え?今なんと?」

 

「いいえ、何でもありません。」

 

 また、日常が戻ってきたのであった。

 

 

 

 

 

6月3日 India Empire

 

「お帰りなさいませ、チャブン様。」

 

「・・うん。」

 

「えっと、大変でしたか・・?」

 

「・・つか・・れた。」

 

「え、あ、はい。ゆっくり休んでください。」

 

「・・うん。」

 

「・・地球最後の兵器に会えて、うれしかったですか?」

 

 この地球最後の兵器というのは、天城のことを指している。

 

「・・うん!」

 

「はは、相変わらずですね・・。」

 

 この後、チャブンは天城のことについて、長々と語るのであった・・。

 

 

 

 

 

6月3日 Neo Strong Aggregation

 

「おつかれ、ランズ。」

 

「はい、ありがとうございます、元帥。」

 

「君達は本当に良い働きをしてくれた。」

 

「あの、元帥のご意向というのは本当なんですか?」

 

「・・さあ、どうだろうね?」

 

「え?ということは・・。」

 

「ランズ、その先は駄目・・だよ?」

 

「__っ!ふぁ・・はひっ//!!」

 

 ・・此方も、日常が帰ってきたようだ。

 

 

 

 

6月3日 Arabia Coalition

 

「さあ、今日から仕事再開っすよ~!」

 

「え!?サウード様!今日の朝戻られたばかりですよ!」

 

「結構溜まったすねぇ~、さあ、いっきましょう!!」

 

「え!?少しお休みになられては・・。」

 

「ほら!早くやるっすよ!!」

 

「・・ワーカーホリック・・。」

 

「ん?何か言ったすか?」

 

「・・いいえ、何でもありません。」

 

 此方も、いつもの日常が帰ってきた・・。

 

 

 

 

 

6月3日 Australia

 

「ジョシュア様~、いつになったら戻ってくるんですか~!!」

 

「おっ、ただいま~。」

 

「ジョシュア様~、帰国早々どこ行ってたんですか~!」

 

「ん?いろんな人にお土産を届けに行ってたねぇ~」

 

「え?ジョシュア様、戦争に行ってたんですよね?」

 

「ほら!マトリョーシカだよぉ~」

 

「へ!?あ、ありがとうございます・・。・・ってそうじゃなくて!」

 

「あ、これから連中と酒の約束してたんだよねぇ~。」

 

「は!?ちょ、ちょっと~!!」

 

「んじゃ、後はよろしくねぇ~」

 

 アズィーズとは、対照的なのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6月3日 日本

 

「ふぁあ・・。ん、朝か。」

 

 また、いつもどおりの日常が帰ってきたのか・・。

 

「はぁ・・学校か・・。」

 

 何故だろう、体が重い。ダルイ。ツライ。

 

「はぁ、【アルナミンA+】どこにやったかな?」

 

 さあ、学校に行こうか・・。

 

(結局、楽しみにしてろ。ってなんだったんだ?)

 

 俺は、そんなことを考えながら、教室に入っていく。

 

 

 ・・教室を静寂が支配した。

 

「お、おはよう?」

 

「天城さん!!」

 

 1人の少女が駆け寄ってきた。

 

「おう、おはよう。鏡月」

 

「天城さん・・どこに行ってたんですか・・?」

 

「まあ、なんというか、野暮用でな。」

 

「・・5・・」

 

「5?」

 

「天城さんの通知表に書かれるであろう、欠席日数の数です。」

 

「うぐ・・いやその、野暮用でな・・?」

 

「良かった・・。天城さん、肩身が狭くて居辛くなって、不登校になったかと思いました。」

 

「いや、その程度で不登校になるんだったら、そもそも此処に入ろうと思ってないわ。」

 

「あ・・そうですね。でも、ちゃんとまた来てくれて、嬉しかったです・・。」

 

「ああ、心配掛けたな。これからは毎日来ると思うぞ・・多分。」

 

「はい!ちゃんと毎日、私に『おはよう』って言ってくださいね?」

 

「あ、ああ、分かった」

 

 教室は、気付けばまた騒がしくなっていた。

 

「ところで天城さん。転校生が来るそうですよ?」

 

「ほう、そうなのか。」

 

「どうやら2人で、どちらも女の子らしいです。」

 

「ほう、そうなのか。」

 

「もう!天城さん、ちゃんと聞いてますか?」

 

「いや、大して興味ないし・・。」

 

「あ、そうですか。でも、かわいい子がいいですね。」

 

「そうだなー。」

 

「ま、まあ楽しみにしましょうか・・。」

 

(楽しみにしておけ・・)

 

 元帥に言われた言葉が、頭をよぎった。

 

(まさか・・な。)

 

「は~い、皆さん、席に戻ってください~。」

 

 懐かしいな、この声を聞くのは。

 

「今日は~転校生を紹介します!」

 

 その直後、2人の少女が教室に入ってきた。

 

 

 

 ・・まじかよ。

 

「紹介します!では、2人とも自己紹介をお願いします!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は、天城 紫苑。よろしく。」

 

 平民の烙印を押された厄介者と・・

 

「私は、有里美 杏です!よろしくお願いします!」

 

 随分と見慣れた、美少女と呼ぶに相応しい、日本支部長が立っていた。

 

 教室がざわついた。

 

「ねえ、2人とも可愛くない?」「まさか平民・・。」「しかも今、天城って」

 

 可愛さに騒ぐもの。烙印に騒ぐ者。様々である。

 

「ちなみに私は、天城 翔の妹よ。」

 

「ちなみに私は、天城さm・・天城君の永遠の妻で・・。」

 

「ちょっと待てい!!」

 

「え・・?何かおかしな所が?」

 

「はぁ、とりあえず後は何も言うな、杏。」

 

「はい、分かりました!」

 

「というわけだ。皆、仲良くしてやってくれ。」

 

 俺は、自分の席へ戻っていった。

 

「楽しみに・・ってこういうことだったのか!」

 

「どうしたの?兄さん。」

 

「どうされました?天城様?」

 

「杏、日本支部長はどうなった?」

 

「はい、一時的にクビになりました。ブリードと地球最後の兵器は一緒に居た方が良いだとかなんだとか・・。」

 

「そ、そうか。紫苑、何故此処に?」

 

「元帥にお願いしたからね。」

 

「・・Why?」

 

「それはもう・・兄さんと一緒に居たかったからよ?」

 

 そう言って、紫苑は俺の腕に抱きついてきた。

 

「なっ//お、おい!」

 

「ふふ・・。」

 

「貴様・・天城様にナニヲシテイル!!」

 

「あ、杏さん落ち着いて・・。」

 

「あら、今度こそは剣で貫いてあげようかしら?」

 

「ああ、ヤレルモノナラ、ヤッテミナ!!」

 

「ふ、二人とも、落ち着いて・・。」

 

「ふふ、冗談ですよ、天城様。」

 

「ふふ、冗談ですよ、兄さん。」

 

「は、はぁ・・。【アルナミンA+】はどこだ!」

 

「に、兄さん何処へ?」

 

「あ、天城様、何処へ?」

 

 騒がしい日常が帰ってきたのであった・・・・・・。

 

「はぁ、全く、嬉しい限りだよ。」

 

 俺は、誰にも聞かれること無く、そう呟いた・・・・・・。

 

 

 

 

 

 




はぁ、これにて完全終了。

いまだに読んでくださっている数少ない視聴者様、ありがとうございます。

次回からは本格的な学校回が始まりますので、ぜひご覧ください!

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