たとえ、全てに否定されようとも   作:Laziness

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2000字が当たり前になってきた本作。

UA数が減少している傾向にある本作。未だ読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。

そろそろ戦争も完結させたいと思います。

では、どうぞ!!




Ⅲ・第十四話

天城視点 23:00:00

 

「ん・・。ふぁあ・・。」

 

 知らない天井だ。・・もちろんそんなわけは無い。恐らく此処は医務室だろう。

 

「あぁ、結構寝た気がするな・・。」

 

 立てかけられていた時計は5時を指していた。

 

「5時か・・。UTCは11時くらいか?」

 

(はあ、かなりの時間無駄にしたな・・。)

 

 俺が横を向くと、2人の少女が横になっていた。

 

「はぁ、良かった無事だったんだな・・。」

 

「んんっ・・。」

 

 そう思っていると、隣の少女が目を覚ました。

 

「ふぁあ・・。あ、天城様、おはようございます・・。」

 

「ああ、おはよう、杏。」

 

「天城様!無事で・・良かったです!」

 

 杏が、俺の胸に飛び込んできた。ああ・・至福だ・・。

 

 ・・聞かなかったことにしてくれ。

 

「・・天城様、どうかされました?」

 

「い、いやなんでもないぞ!」

 

 そうだ、なんでもないぞ。

 

「ところで、どうやって拘束から逃れてたんだ?」

 

「う~ん、それがその辺の記憶が無いんですよね。」

 

「まあ、俺も実際に見たわけじゃないから分からんが・・。」

 

「まあ、この人が全部知ってるんでしょうね・・。」

 

 そう言って杏は、紫苑を指差す。

 

「出来れば、今此処で頭部に穴を開けてやりたい気分ですが・・。」

 

「ま、まあ一旦落ち着こうな!」

 

「ええ、聞きたいこともありますし・・。」

 

(最近ちょっと恐いよ、杏さん!)

 

「ところで天城様、どうやってコイツを倒したんですか?」

 

「ああ、全力を出した(、、、、、、)。」

 

「・・はい?」

 

「まあ、生まれて此の方出したことの無い、全力を出したんだよ。」

 

「というか天城様、全力出したこと無かったんですね・・。」

 

「ああ、出して耐えられる相手がいなかったからな。」

 

「えぇ~!天城様、私に本気出してくれてなかったんですか!?」

 

「ああ、女の子に怪我させるわけにはいかないからな。」

 

「一応、コイツも女ですよ?」

 

「まあ、そこは気にしたら負けだ。」

 

(こんな会話がまた出来るなんてな・・。本当に無事でよかった。)

 

「んんっ・・。」

 

「・・チート魔法使いがお目覚めのようだぞ。」

 

「・・漸くですか。」

 

(杏さん!視線に殺気込めないで!!)

 

「んんっ・・。ふぁあ・・。」

 

「ようやく起きたな、紫苑。」

 

「ええ、死んでなくて良かったわ。」

 

「いえ、私としてはそのまま死んでくれても・・」

 

「杏!一旦落ち着こうか!!」

 

「・・すみません、天城様。」

 

「あら、嫌われたみたいね。」

 

「ああ、そりゃ自分が殺されかけたんだから怒るだろ。」

 

「・・そっちじゃないと思うけど・・。」

 

「ん?何か言ったか?」

 

「いえ、特に何も。ところで、これから私はどうなるのかしら?」

 

「まず、お前が何なのか教えて貰わないとな。」

 

「話した通りよ。地球最後の兵器の1人よ。」

 

「そっちじゃない。妹の事だ。」

 

「それは・・今は話せないわね。」

 

「はあ!?貴様、天城様にあんな事をしておきながら!!」

 

「まあ落ち着け、杏。」

 

「す、すみません。」

 

「分かった、じゃあそれは話さなくてもいい。」

 

「じゃあ、これは話すわね。有里美さん、貴方についてよ。」

 

「私ですか?」

 

(機嫌悪いよ、杏さん。)

 

「ええ、貴方は唯の解放術師じゃないわ。」

 

「・・!?」

 

「貴方は、容認体(ブリード)と呼ばれる人よ。」

 

「「ブリード?」」

 

「そう、2人は見てないかもしれないけど、私を死亡寸前まで追い詰めたのは、容認体の力よ」

 

「死亡寸前まで、地球最後の兵器を追い詰めたのか・・。」

 

「・・そこで殺してしまえば良かったです・・。」

 

「杏、君はちょっと黙ってよう。」

 

「ジョシュアとアズィーズなら見たかもな。」

 

 それに応えるように、ドアが開いた。

 

「天城殿!杏殿!!」

 

「ディザ殿!杏!!」

 

「やあ、久しぶりだな。」

 

「ご心配おかけしました。」

 

「はあ、無事でよかったっす・・。」

 

「生きて帰ってきてくれてよかったよ・・。」

 

「そう簡単には死なないぜ?」

 

「ところで2人とも、質問いいですか?」

 

「はい、どうぞっす!」

 

「おお、いいよ。」

 

「2人とも、杏が紫苑を追い詰めたところは見てたか?」

 

「・・はい、見てたっす。」

 

「・・ああ、確かに覚えてるよ。」

 

「・・じゃあ本当なんだな・・。」

 

「ええ、見た事も無い術式を展開してたっす。」

 

「見た事も無い術式?」

 

「そう、それが容認体の力よ。」

 

「「ブリード?」」

 

「大丈夫だ、後で説明する。」

 

「それで、何なんですか?ブリードっていうのは。」

 

「今は詳しくは言えないわ。でも、地球最後の兵器に匹敵する力を持った戦士とだけ言っておきましょう。」

 

「分かった。だがいつかは全てを話して貰うぞ。」

 

「私にとっては心底どうでもいいですが、貴方これからどうするんですか?」

 

「そうね、貴方達・・。いえ、兄さんと一緒にいるわ。」

 

「な!?コイツ、殺しに来た挙句、天城様の隣まで奪おうとするなんて!!」

 

「いや、でも聞きたい事もあるしな・・。杏、許してやってくれないか?」

 

「・・わ、分かりました。仕方な~~く、許してあげましょう。」

 

「ありがとうな、杏。物分りが良い子は好きだぞ。」

 

 俺は、杏の頭を撫でてやった。

 

「ふぇ!?ふふ・・えへへ~。」

 

 満足してくれたようで何よりだ。

 

「兄さん、リア充オーラ全開は止めてくれないかしら。」

 

「はい、すみません。」

 

「という訳で、少しの間世話になるわね、支部長の皆さん?」

 

 厄介者が、西部制圧隊に加わったのであった・・。

 

 




作品も進展してきて、うれしい限りです。

戦争終わったら、どうしようかしら?

まあ、何か平和な感じの展開にしたいですね。戦闘描写疲れたんですよ、本当。

戦争を終わらせてしまいたい今日この頃です。

次回もお楽しみください!!

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