たとえ、全てに否定されようとも   作:Laziness

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投稿遅れました、本当に申し訳ありませんでした!!

少しリアルの方が忙しくなってしまいまして・・。

今後も、少し投稿ペースは落ちるかもしれませんがぜひともお付き合いください。


Ⅲ・第十二話

「天城様!東部制圧隊から連絡が入りました!」

 

「何!3人は無事か?」

 

「・・はい、無事なんですが・・。」

 

「なんですが?」

 

「ランズ様が、崩壊術式を展開したそうです。」

 

「「「・・・・」」」

 

「それによって、マジェアに多大な被害がでました。」

 

「「「知ってた」」」

 

「毎度の事ながら、性格が変わると取り返しのつかないことをしますね。」

 

「まあ、元帥の仕事が増えるだけだから、いいかな・・。」

 

「あれ、でも確かその国の支部長が、担当の国に報告書を出すはずでしたよ?」

 

「ロシアの東部は、あの女の子っすねぇ~。」

 

「随分と損な役回りだねぇ。」

 

「すまんな、俺の妹?のせいで。」

 

「妹ですか・・。まさか地球最後の兵器の繁殖方法が近親相姦だったなんて・・。」

 

「はっきり言うなよ、泣いちゃうぞ。」

 

「ディザ殿も、お縄かねぇ。」

 

「おいこら、そこちょっと待て。」

 

「ふふ、冗談だよ。」

 

 

 

 

 

 

 

「こんなに話題になるなんて、私も人気者ね。」

 

「厄介者の間違いだろ、我が妹よ。」

 

「「「え!?」」」

 

「あら、私は何もした覚えは無いわよ。」

 

「ところで、どうして姿を現したんだ?」

 

「いえ、あまりにも順調すぎて面白くな・・労ってあげようと思ったからよ。」

 

「おい、今不穏な言葉が聞こえたぞ」

 

「何かするつもりっすか!」

 

「だとしたら、放ってはおけないねぇ。」

 

「天城様の妹でも、容赦はしませんよ!(そう簡単に天城様を持っていかれたくは無いんで  す!)」

 

「・・兄さん、心配してくれる人がいて良かったわね。」

 

「で、ちなみに何かするつもりなのか?」

 

「ええ、何もしないのにわざわざ出てきませんよ?」

 

「「「「!!」」」」

 

「顕現せよ、[王室剣・一番]」

 

「顕現せよ、[原初神タルタロス・冥府]」

 

「行きます!」

 

 アズィーズは、大剣。ジョシュアは、槍。杏は二丁拳銃を装備した。

 

「兄さんの仲間は、強い人ばかりなのね。」

 

「まあ、これでもWN×WRの支部長勢だしな。」

 

「でも、一応私も地球最後の兵器なのよ。」

 

 そう言うと紫苑は、手を前に突き出した。

 

「[我が道を照らし照らせよ。冥の香は命を裂いた。僅かな灯を与え与えよ。]」

 

 一冊の本が現れた。だがその本は鎖に縛られている。

 

 紫苑は、指先を少し切り血を流した。その後、その血を本に垂らした。

 

「[応えよ、冥の香に、我が生血を捧げん。]」

 

 その瞬間、鎖が飛び散った。

 

「頁四拾八、[召喚術式]」

 

 紫苑がページを裂き、投げると、目の前に魔方陣が現れた。

 

「[解放]」

 

 その言葉が発せられた瞬間、大量のアンデットが出現した。

 

「「「・・!?」」」

 

「これが、3人を苦しめた召喚術式か!」

 

「あら、ばれっちゃったわね。」

 

 紫苑は、悪戯っぽい笑みを浮かべて、そう言った。

 

「[己の身が滅する時、剣は天を切り裂き、主に神の力を与える]」

 

 剣を心臓に刺し、力を解放する。

 

「流石、すばらしい特有魔術ね。」

 

「片手剣解放技・諸行無常の乱剣」

 

 俺は、高速でアンデッドを駆逐していく。

 

「仕方ない、魔術の方も解放するか。」

 

 俺は、刀へ亜素を注入していく。

 

「ナーグファ・オーブリアンション」

 

 解放術と魔術の混合技である。

 

「どうやら少し張り合いが無かったようね。では、私が直々に相手をするわ。」

 

「そうか、怪我はさせないでおいてやるよ。」

 

「頁壱拾五[風弾術式]」

 

 天城に、空気の銃弾が襲い掛かった。

 

「はっ!!」

 

 俺は、それを魔術を使わずに消した。否、吹き飛ばした。

 

「頁壱拾弐[放炎術式]、頁壱拾四[剣撃術式]、頁壱拾参[銃撃術式・壱番]」

 

 天城に、炎、無数の剣、銃弾が襲い掛かった。

 

「くっ!」

 

 弾いてはいるが、やはり数発は受けてしまう。

 

「天城様!」

 

「天城殿!」

 

「ディザ殿!」

 

「あら、今加勢されちゃ困るのよ。頁七拾[拘束術式・最高位]」

 

 3人は、何かに縛り付けられたように動かなくなった。

 

「重力か?」

 

「あら、喋れるなんて余裕なのね。その通りよ。」

 

「最高位は、重力操作による拘束なのか。」

 

「まあ、それを知ってどうするのかは知らないけど?」

 

「[アタミゼイシャン・アタミゼイシャン・タイ・アート]」

 

「ふふ、そう来ると思ったわ。」

 

「なに!?」

 

 拘束術式を霧散させる魔術を展開した。しかし、術式が崩壊したのだ。

 

「そう簡単に突破されるつもりは無いわ。」

 

「まじかよ、優秀だな我が妹よ。」

 

「そろそろ決着をつけましょう、兄さん。」

 

「・・分かった。」

 

「頁壱千五百八拾七[剣撃術式・超越位]」

 

 瞬間、ビル30階にも相当する大きさの剣が現れた。

 

「・・・・・」

 

 俺はその剣の前に何することもなく、斬られていった。

 

「ふふ、終わりね兄さん。」

 

 この少女は知る由も無かったのだ。

 

 

 

 

 

 

  本当に劣勢に在るのは、自分だと。(・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

 

 

 

 




妹ちゃんの本
[我が道を照らし照らせよ。冥の香は命を裂いた。僅かな灯を与え与えよ。]
      
「我道照照 冥香命裂 僅灯与与」

随分、仏教っぽい武器になりましたね。

次回もお楽しみください!!

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