たとえ、全てに否定されようとも   作:Laziness

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今回はちょっと長めです。
そして大方予想ついている人が多いとは思いますが、
[???]の正体に天城君が気づきます。
では、どうぞ!


Ⅱ・第四話

三回戦 天城翔vs美芳養舞子

 

「あなたが今日の対戦相手ね」

 

「ああ、君は舞子さんだな」

 

「ええ、そうよ」

 

 なんだろう。衣服メーカーとだけあって、この方もなかなかの美人さん。おっと、なんか日本支部のほうから怨念が飛んできてるわ。

 

「それなりにがんばろうぜ」

 

「そうするわ。ところで君、すごい噂になってるよ」

 

「……どんな噂だ?」

 

「えーっと、対戦相手を高速で狩る平民。とかかな」

 

「そうか。まあ、あながち間違ってはいないな」

 

「でも私は、そう簡単にはいかないわよ」

 

「そうかい」

 

「ええ、あなたの快進撃はここまでよ」

 

「まあお手柔らかに頼む」

 

 そして試合

 

「それではこれより、天城翔vs美芳養舞子の試合を開始する」

 

 ……心なしか観客が増えている気がする。

 

「では両者前に出て! PAPを必要とあらば起動せよ!」

 

「…………」

 

「…………」

 

 さすがにここまでくるとPAPを使う雑魚はいないか。

 

 

 ・・雑魚とか言っちゃった。すまん、今までの皆。

 

「それでは、コールを開始する!」

 

 3……2……1……START!

 

「あなたの戦法は読めているわ!

 速度解放を150%、攻撃耐性を50%まで減少!」

 

 舞子が駆け出した。いつもの天城の戦法である。

 

「…………」

 

 だが天城は何もしない。武器すらも構えない。

 

「なにっ! ふざけてるわ! 分かった、一気に決めてあげるわ!」

 

 一気に接近する。すると、天城が構えた。

 

「顕現せよ、大虐殺の刀(カルネージ)

 

 天城の腰に一本の刀が現れる。

 

「ふーん今度は刀? 面白いじゃない!」

 

 そして、舞子がレイピアを構える。

 

「攻撃速度フルバースト」

 

 一気に天城の懐へ飛び込み……

 

「細剣解放技・華瞬」

 

 高速の一撃を繰り出した。 

 

「天照抜刀術・幻」

 

 天城よりも舞子のほうがはやい!

 もらった!

 

「はっっ!」

 

 だがしかし、舞子の攻撃は空振りだった。

 

「なんで!!」

 

 その瞬間、うしろで殺気が生じた。

 

「まさk……」

 

 気づいたときにはもう遅かった。

 

「勝者・天城翔!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ~驚いた」

 

「まさか刀まで使ってみせるとは」

 

「しかもあれは、たぶん僕にもできない」

 

「天照ですか……初耳です」

 

「あれは体重移動によるものなのかな?」

 

「攻撃がされた後と、移動したタイミングのずれは僅か0.15秒でした」

 

「攻撃がされる直前に幻影を残すぐらいの高速移動をすると……」

 

「まさに神業ですね」

 

「いやぁ、ますます興味が出てきたよ」

 

「そろそろお時間です」

 

「ああ、わかった」

 

四回戦(天城にとって)

    天城翔vs鏡月里祢

 

「うわぁ、まじかよ」

 

「あ、あのがんばりましょう!」

 

 うん、かわい……ちょちょ怨念が! 怨念が凄い!!

 

「そうだな」

 

「天城さんとはお友達ですが、手加減はしませんよ!」

 

「ああ、わかった」

 

 

「これより、天城翔vs鏡月里祢の試合を開始する!」

 

 一気に歓声が巻き起こる。余談だが鏡月は校内でも屈指の美女らしい。

 

「……だからこんなに観客がいるんだな」

 

「何か言いました?」

 

「いいや、何も」

 

「では両者、前に出て。PAPを必要とあらば起動せよ」

 

「…………」

 

「…………」

 

「それではコールを開始する!」

 

 3……2……1……START!

 

……ん? これは!

 

「くそっ、どこだ!」

 

 天城は誰にも聞こえないよう言った。

 天城に使用されたのは、感知術昌。

 これは、亜素の移動を感知し、魔術が使われているかどうかを確認するための魔術を簡略化したものだ。

 

「まずい! かけている魔術を強制的に解除!」

 

 天城には剣のことなど、あらかじめ術式展開されている。

 その全てを強制終了した。

 

「危なかった、感知は……よかった、されてないな」

 

 だが安心している暇はない。

 

「ぼさっとしていてはだめですよ!」

 

 いつのまにか接近していた鏡月の細剣の攻撃が繰り出される!

 

「くっ!」

 

 天城は大きく後退した。

 

「チャンス!」

 

 体勢を大きく崩した天城へ……

 

「攻撃力フルバースト」

 

「細剣解放技・顎瞬」

 

 鏡月の重くそして鋭い一撃が天城を襲う。

 

「片手剣防御技・護惨剣」

 

 それをなんとか剣で防御した。

 鏡月が体勢を崩す。

 

「片手剣解放技・諸行無常の乱剣」

 

 防御から神速で高威力の剣撃を叩き込む。

 

「きゃあっ!」

 

「勝者・天城翔!」

 

「はぁはぁ、なんだったんだ」

 

 天城翔、久しぶりの苦戦。

 

「ははは! おもしろかったな~」

 

「悪質です」

 

「いやぁ、たかが感知術昌なのにあの反応ねぇ」

 

「やはり、何か隠していますね」

 

「うん、観察を続けようか」

 

 本人達は気付かないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 彼は既に気付いているということに。

 

「とでも思ってるんだろうなー、観察者は。だが……」

 

 彼は、競技場上部に視線を送る。

 

「見つけたぞ、ストーカー」

 

 そして天城は、残り僅かになった試合を処理していった。

 遂に……!

 

 決勝戦 天城翔vs清輝美麗

 

 

 

    

 




とうとう、次回は決勝戦です。
そして、???の正体も明かされます。
では、次回の全否もよろしくお願いします。

※修正祭にて、修正完了。

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