仮面十二/五/二十一 三つの世界と九つの枢要大罪 聖と罪の戦い   作:OOSPH

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思わぬ苦戦

・・・ ・・・・ ・・・・・

・・・・・・・ ・・・・・・・・・


8,The large governor's residence of orders

碑が少し傾いた時間帯

 

その道を中心に

光と影、陰と陽

 

その二つの境界線とも言うように

その道は大きく変わっていく

 

「きれい・・・」

 

その様子を見てそっとつぶやくゆかり

 

「確かに見事なものだ」

 

「うーん

 

 なんか目が

 ちかちかすんなー」

 

この景色を見ての感想は

まあ面々それぞれである

 

すると

 

「見えてきたわ・・・

 

 あれがこのあたりで

 勢力を広げている罪徒

 

 命令の大総裁の居城よ・・・」

 

有紀がそう言って指をさすと

そこに建物のようなものが見えてきた

 

「これが敵の居城か・・・」

 

「もともと人間が作ったものを

 拠点として使っているらしいわ

 

 今は使っていないところを

 利用しているみたいね・・・」

 

「へえ・・・

 

 立派な建物だね・・・」

 

湊と真琴が建物を見て

そう静かにつぶやく

 

「まずは侵入できる場所を探すぞ・・・・」

 

「山岸はここに残ってサポートを頼む」

 

『わかりました』

 

「それじゃあ私も残る

 

 風花を一人にはしておけないし・・・」

 

「そういうことなら

 

 俺っちも」

 

と言うことで探索に行くのは

 

「僕と桐条先輩、真田先輩、荒垣先輩

 真琴と天田、アイギス、コロマル

 

 この面々に有紀を加えた面々で行く」

 

「中に入ったら

 二手に入って突撃していこう

 

 それでいいよね」

 

「そうだな・・・

 

 まず最初に

 さらわれた人々を救出する・・・」

 

「そうしたら次はいよいよ親玉をたたく!」

 

「馬鹿!

 

 お前は何でそういう考えしか出来ねえんだよ」

 

「まあ、真田さんらしいですけどね・・」

 

「とにかく

 

 まずは敵に気づかれないように

 敵の裏から通っていくであります」

 

突撃メンバーは張り切っている

 

『正門に敵を確認・・・

 

 門番のようです・・・

 

 その中でも強いのが二体

 ほかにも十数体・・・

 

 かなりの数です』

 

「だとすると正門から

 通っていくのは得策じゃないわね・・・

 

 ここは裏から回りましょう

 

 確か裏からも城に入れる

 入口があったはずよ」

 

「そうだな・・・

 

 万が一的に見つかったときのために

 できるだけ体力を消耗するのはさけたい

 

 ここは有紀の言う通り

 裏から回っていこう」

 

そう言って裏に回っていく

 

『気を付けてください・・・』

 

「大丈夫かな・・・」

 

「大丈夫だって

 先輩らだっているし

 無茶とかはしないって」

 

「それはわかってるわよ

 

 心配なのは敵がどう仕掛けてくるのかってこと」

 

ゆかりはそう胸の内に抱えていた心配事を

つぶやくのであった

 

・・・ ・・・・ ・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・・ ・・・

 

居城内

 

「中は水浸しですね・・」

 

「おそらく波紋で敵の侵入を探るためだろう

 

 忍者除けの一つだ・・・」

 

「でもうまく潜入できたね」

 

一同は順調に進んでいく

 

すると

 

「いよいよここからが

 本番だね・・・

 

 ここから二手に分かれよう」

 

「そうだね

 

 山岸さん、ナビのほうお願い」

 

『了解です、リーダー』

 

内部に潜入し早速二手に分かれていく

 

有紀は湊のほうについていく

 

湊のほうには三年組が付いている

 

「どこに町の人が

 とらわれているのか・・・」

 

「普通だったら牢屋とか

 そんなところだけれど・・・

 

 そこは真琴達の方に任せましょう

 

 確か地図によると

 彼女たちの行った方に牢屋があるはず

 

 私たちはほかにだれかとらわれていないのか

 見ていきましょう・・・」

 

「ようし・・・

 

 小野さんの言うとおりにしよう

 

 山岸さん、真琴の方にそこに向かうように

 誘導してあげて」

 

『わかりました』

 

と湊達は先のほうに向かっていく

 

・・・ ・・・・ ・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・・ ・・・

 

ある牢屋のある地下についた達

 

「やけに静かだね・・」

 

琴音は長刀を抜いて

いざというときの状況に備えていく

 

牢屋の方を順番に見ていく

 

一番奥の方から

人の声が聞こえた

 

「奥の方から

 声が聞こえるであります・・・・」

 

「もしかしたら・・」

 

一同は急いで

声のした牢屋の方に行く

 

するとそこには

 

「あ、あんたたちは・・・・」

 

さらわれた人々が

そこにいた

 

すると人々はコロマルを見ると

 

「ひ、ひぃ!

 

 い、犬だぁ!!」

 

「落ち着いてください!

 

 私たちは皆さんを助けに来たんです!!」

 

琴音は優しく語り掛ける

 

「あ、あんたたちは?

 

 見たところ聖徒じゃないみたいだが・・・」

 

「とにかく急いで出てください

 

 敵に見つかる前に・・」

 

すると

 

後ろから足音が聞こえる

 

コロマルはそれに気づき

その足音の聞こえる方に向かって

 

低くうなり始める

 

「コロマル・・?」

 

『琴音ちゃん気を付けて!

 

 そこに敵が・・・

 

 それも今まで感じたことがないほどの

 大きな力を持った敵です』

 

風花が伝える

 

それを聞いてその場にいた一同は身構えていく

 

足音はだんだんと近付いていく

 

そこに現れたのは

 

「なんだ、先生が

 面が白い人間がいると聞いてきたから

 

 やってきてみたが・・・

 

 思ったよりもガキのようだな・・・」

 

見た目高校生の自分たちと

何も変わらない普通の少年に見えた

 

だがここにいる面々は

そんな疑問などつゆほどにも感じないほどに

思っていた

 

なぜなら目の前にいるこの人物から

伝わる威圧感が一同を襲う

 

「・・・・確かほかにも仲間がいるはずだが

 

 ほかのやつは恐れをなして逃げ出したのか

 それとも別行動でこの城の中にいるのか・・・

 

 まあそれは後でいいや・・・」

 

だがそれでも一同は

再び身構えていく

 

「あなたが・・・

 

 命令の大総裁・・・?」

 

真琴が聞いていく

 

「確かにそうだけど?

 

 それがいま関係ある疑問か?」

 

そう言ってゆっくりと近付いていく

 

「まさかいきなり見つかってしまうとは・・・・」

 

「最悪だ・・

 

 どうして・・」

 

「フフフフ・・・

 

 安心しなよ

 偶然じゃねえ・・・

 

 俺がお前らを

 ここに来るように仕向けたんだよ・・・

 

 お前らのことは先生から聞いてるぜ?

 

 何でも見たことのねえ力を

 使って戦うことができる見てぇじゃねえか

 

 それでちょっと興味がわいてな・・・

 

 お前らがいるっていうあの里を

 マモノに襲わせて

 

 お前らがここに来るように導いてやったのさ・・・

 

 つ・ま・り・・・

 

 最初っからお前らは俺に誘い込まれてたってわけさ」

 

「まさか・・・

 

 そのためにこの人たちを!?」

 

真琴は驚愕する

 

「そういうことさ・・・

 

 まんまと俺のところに

 来てくれてご苦労さんだぜ・・・

 

 さあ、どこまで楽しませて

 もらえるのかな・・・?」

 

そう言ってゆっくりと迫る

 

「許さない・・・

 

 あなたのようなやつは・・・

 

 ここで絶対に倒す!」

 

と薙刀を構えて

振るっていくが

 

片手で止められる

 

「ぐう・・・」

 

「ほおら!」

 

そのまま薙刀を持った手をひねって

真琴のバランスを崩す

 

「この・・・」

 

召喚器に手を伸ばす真琴だが

その手を踏みつけられてしまう

 

「ああ!」

 

すると

 

「真琴さん!」

 

「お助けするであります!」

 

と向かっていく天田とアイギス

 

だが

 

「フフフフ・・・」

 

その時、天田とアイギスの身に起こった出来事に

 

真琴は驚愕するように目を見開くのであった

 

・・・ ・・・・ ・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・・ ・・・

 

「っ!」

 

城内を探索している湊組

 

「どうした湊・・・・?」

 

「いえ・・・

 

 いやな感じがして・・・」

 

「ひょっとして

 

 真琴のほうに何かが!?」

 

すると

 

『実は先ほど

 真琴ちゃんたちのもとに

 何か大きな力を持った何かが

 

 迫ってきていたんです・・・

 

 とてつもない強力な何かが・・・』

 

「なんだと・・・・!?」

 

「くっ・・・

 

 まさか気づかれるとは・・・」

 

「いいえ違うわ・・・

 

 おそらくわざとここに誘い込まれたのよ・・・

 

 私たちをこの城に誘い込んで

 一網打尽にすることが敵の狙いだったのよ!」

 

「じゃあ

 

 里から人間をさらったのは・・・・・」

 

荒垣は聞く

 

「おそらく私を誘い込むために

 わざとあの里に人々を誘ったのね・・・

 

 多くの人々を傷つけてまでも!」

 

「許せない・・・

 

 先輩方!

 

 すぐに真琴の方に行きましょう!!

 

 どっちみちこのまま

 放ってはおけません」

 

湊は言う

 

「山岸!

 

 真琴たちの様子は?」

 

『反応はありません・・・

 

 大きな力にさえぎられているようです

 

 罪徒らしき反応の方は

 そのまま奥の方へと行きました・・・』

 

「まさか・・・・

 

 琴音はもう」

 

「くそが・・・・・」

 

そこで湊は言う

 

「山岸さん・・・

 

 その大きな力は

 どのあたりにあるのか

 

 ナビゲートしてくれ」

 

「ちょっと待って・・・」

 

湊の言葉にもしやと思い

有紀が話しかける

 

「まさかと思うけど・・・

 

 罪徒と戦うつもりじゃ

 ないでしょうね・・・」

 

「ああ・・・」

 

湊は答える

 

「先に言っておくけど

 

 罪徒の力は強大よ

 

 今の私たちではとてもかなわない・・・

 

 今行けば全滅は必須よ・・・

 

 それでも行くつもりなの?」

 

「もちろん・・・

 

 琴音たちの身に

 何かが起こったなら・・・

 

 放ってはおけない!」

 

「ああ・・・・

 

 かなわないからって

 このまま放っておけるか!」

 

湊に続き明彦も言う

 

「無謀ね・・・

 

 そこまでして

 仲間に命を懸けるなんてね・・・

 

 分かったわ

 

 私もできるだけ力になるわ

 

 どのみち命令の大総裁を

 倒さないとこのあたりの人たちは

 

 平穏に過ごせないもの」

 

「リーダーの君が言うのなら

 それに従おう・・・

 

 ただし、無茶はするなよ

 あくまで救出が一番の目的だからな・・・」

 

「しゃあねー

 

 俺も付き合ってやる」

 

有紀と美鶴、荒垣も湊の判断に従う

 

「行こう!

 

 山岸の話によると

 敵はここからそう遠いところじゃない

 

 もしかしたらそこに琴音たちはいるのかもしれない」

 

と一同は向かっていくのであった

 

・・・ ・・・・ ・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・・ ・・・

 

湊達は急いで

向かっていく

 

するとある通路の曲がり角の

ところからうめき声が聞こえてきた

 

「誰かいる・・・」

 

チームは武器を手に

恐る恐る近づいていく

 

そして

 

「はあ!」

 

と剣を向ける湊

 

そこにいたのは

 

「きゃっ!?」

 

「え・・・・真琴・・・!?」

 

真琴であった

 

「無事だったか真琴・・・・」

 

「湊、真田先輩にみんな・・・

 

 よかった・・・」

 

湊達のもとに走り寄る真琴

 

「無事だったようだな・・・

 

 ほかのみんなは!?」

 

「ごめんなさい・・・

 

 敵に見つかってしまって・・・

 

 私も何とか脱出したんだけれど

 無事に逃げ出せたのは私だけだったみたいで・・・」

 

「そうか・・・・・

 

 それでそっちの方は?」

 

荒垣は聞く

 

「牢屋の中には確かに

 さらわれた人たちがいた・・・

 

 でも多分もう・・・」

 

「そんな・・・・」

 

「山岸さん!

 

 大きな力の動きの方は!?」

 

湊は言う

 

『奥の部屋に入ったまま

 そこに動く気配がありません・・・

 

 まるで待ち構えているようで・・・』

 

「たぶんさらった人たちも

 天田君たちも殺されてはいないわ

 

 あえて殺さずに私たちを奥の方に

 誘い出そうとしているのよ・・・」

 

有紀はそう分析する

 

「つまり・・・

 

 向こうは俺達を

 自分たちのもとに誘い出そうと

 

 天田やさらった人達を餌にしているというわけか・・・」

 

「卑怯な・・・・

 

 そこまで力があるのなら

 そんな卑怯なことをせずに

 

 直接かかってくればいいものを・・・・」

 

「逆に力があるものの余裕ってこったろうな

 

 だが、おかげでさらった人々の居場所も

 天田達の居場所もわかってる・・・・・

 

 どっちみち行かなきゃ

 助けることも出来ねえ・・・・・

 

 どうするリーダー・・・・・」

 

湊は言う

 

「行きましょう・・・

 

 天田達をほおってほおっておけません

 

 それにさらわれた人たちの居場所が分かっている今なら・・・

 

 今がきっと救出の好機です」

 

と判断する

 

「まったく・・・

 

 でもそうね

 もともと救出が目的だからね・・・

 

 あなたの判断に従うわ」

 

「ようし!

 

 いよいよ親玉のもとに

 突撃だな・・・・

 

 腕が鳴る」

 

「明彦・・・

 

 くどいようだが

 あくまで目的は救出だぞ?」

 

「まあ最悪戦闘は避けられないだろうけどな・・・・・」

 

と一同も了承する

 

「行きましょう・・・」

 

と急いで向かっていくのであった

 

・・・ ・・・・ ・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・・ ・・・

 

「頑張ってください・・・」

 

外の方でバックアップに入っている風花

 

「ね、ねえ・・・

 

 さっきの話からすると

 真琴たち、まずいんじゃ・・・」

 

「大丈夫なのかよ・・・・?」

 

風花の護衛に努めているゆかりと順平は

不安げに答えていく

 

「有里君が向かっています・・・

 

 ですが・・・」

 

「「・・・・・・・・・・・・・」」

 

風花はやや不安そうに

言葉を詰まらせていくのであった

 

・・・ ・・・・ ・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・・ ・・・

 

「ここが一番奥か・・・・」

 

扉の前まで来た一同

 

「きっと待ち構えてると思う・・・

 

 気を引き締めていこう!」

 

真琴の言葉に

一同は一気に突入する

 

するとそこには

 

古くも凝っている内装に包まれた

大広間があった

 

一同は個々のどこかに敵が潜んでいると

考えてあたりを見回す

 

すると

 

そこには二体のマモノにとらえられている

人々の姿があった

 

「あれは!?」

 

「さらわれた人たちだよ!」

 

急いで向かおうとする一同だが

そこに水の弾丸が放たれて

 

一同を阻んでいく

 

そのさきには

 

「よう・・

 

 どうやら来たようだな」

 

一人の少年が

笑みを浮かべて玉座に座り込んでいた

 

「あれは・・・?」

 

「命令の大総統・・・

 

 やっぱり罠だったのね」

 

その人物は立ち上がって

ゆっくりと湊達の方に向かっていく

 

「これでネズミは勢ぞろい・・

 

 いや、外にあと三匹いるんだったか?

 

 お前らもさっきの奴らとおんなじように

 妙な力を使えるんだろ?

 

 お前らのことは

 ここに来るまでにはなった俺のしもべどもが

 

 ようく調べてくれたからな」

 

「どういうことだ・・・・」

 

「なるほど・・・

 

 最初から私たちをおびき出すために

 ここに誘ったっというわけか・・・」

 

「クソが・・・・・」

 

一同は身構えていく

 

「まったく・・

 

 罠とわかって

 ここまでくる度胸は

 褒めてやるが・・

 

 残念ながらそれだけで

 てめえらは終わりだ・・」

 

そう言って羽織っている布を

ごそごそと左手でまさぐっていく

 

「そうはさせん!」

 

「一気に蹴りをつける!」

 

と一同は向かっていこうとするが

 

突然何か巨大な手につかまれる

 

「ぐう・・・」

 

「なんだ・・・・」

 

二人はその伸びている方に目をやる

残りの三人もその方を見ると

 

そこに立っていたのは

 

「・・・・・・」

 

真琴だった

 

「真琴!?」

 

「お前一体何を!」

 

驚愕する二人

 

「・・・・いや違う!

 

 お前はなんだ!?」

 

「・・・エケッ・・・

 

 エケケケ!!!」

 

すると真琴は口元を

三日月のようにして口角を上げる

 

すると真琴は腕から段々と

変化していき

 

やがて巨大な仮面をかぶった

カメレオンのような怪物になった

 

「仮面レオン!?

 

 しまった・・・」

 

「マモノか・・・・・」

 

身構える一同

 

「気を付けて

 

 こいつは前に戦った

 大顎蜥蜴なんかよりも格上のマモノよ・・・」

 

「わかった・・・」

 

「にしても

 どうしてこいつが真琴に・・・・・」

 

すると後ろの方から

笑い声が響き渡る

 

「気が付かなかったのか?

 

 お前らが捜している

 本物の仲間は・・

 

 ちゃんとここにいるぜ!」

 

そう言ってマント翻して

ある場所を指さす

 

そこには

 

「う、ううう・・・」

 

真琴がいた

 

真琴だけではない

アイギスと天田の姿もあった

 

「天田!?

 

 真琴!」

 

「いつの間に・・・!?」

 

すると

 

「湊、みんな・・・

 

 ごめん・・・」

 

真琴は弱弱しく答える

 

「ずうっとここにいたぜ

 

 ただこいつに

 お前らに姿を見せるなと

 俺が命令したのさ・・・」

 

敵はそう答える

 

「命令・・・

 

 まさかそれが

 あなたの能力!?」

 

有紀は驚愕する

 

「そうさ

 

 俺の能力は

 対象に命じることで

 

 どんなことでも言うことを

 聞かせることができるのさ

 

 それがたとえ同じ罪徒でもな」

 

「なんだと・・・・・!?」

 

「なんて能力だ・・・」

 

残された三人は

それぞれの武器を手に

 

命令の大総裁と仮面レオンらマモノたち

 

両方に構えていく

 

だが圧倒的に数が多い

 

「ぐう・・・」

 

「ああ・・・・」

 

美鶴と明彦も

仮面レオンの巨大な腕につかまれてしまい

 

身動きが取れない

 

おまけに強く握られているので

足元の召喚器を取り出すこともできない

 

真琴たちも

負傷しているようで

 

動ける様子がない

 

「今はまずは

 確実に倒せるほうから行くわ

 

 仮面レオンをまずは

 倒して二人を救出する!」

 

「わかった!」

 

「ああ・・・・・」

 

三人は武器と召喚器を

ともに構えていく

 

「こいつは一体・・・

 

 勝てないことはない!

 

 全力で行かせてもらうわ!!」

 

すると

 

「ダメ・・・!

 

 一体じゃない・・・!!

 

 そいつは・・・!!!」

 

琴音は弱弱しくも

大きな声で呼びかける

 

すると

 

三人にまた

巨大な腕や赤い触手のようなものが

伸びてくる

 

「きゃ!」

 

「うお!?」

 

「おお!」

 

そこにいたのは

なんとさらわれた人々だった

 

すると

 

「へへへへ・・・・」

 

その人々の姿もまた

仮面レオンの姿になっていく

 

「一体じゃねえのか・・・・・」

 

「それじゃあ・・・

 

 さらわれた人たちは・・・」

 

湊は問いかける

 

仮面レオンのうち一体が

口から何かを吐き出す

 

それは

 

頭蓋骨だった

 

「・・あなたがやったの・・・

 

 そういうことなの!?」

 

「てめえらががここに来るまでに

 人質の命奪うのに、時間なんざ必要ねえ・・

 

 虫一匹の命を踏みつぶすのなんざ

 わけもねえからな・・

 

 お前ら人間だって

 その辺飛び回ってる虫を

 

 理由もなく殺すだろ?

 

 俺からすれば

 お前らなんかその程度の価値ってことなんだよ・・」

 

怒りを見せて問いかける有紀に

罪徒は嘲笑いながら答える

 

「ふざけるな!

 

 聖痕・・・

 

 解放!」

 

有紀は聖痕を解放させて

仮面レオンの拘束を破り

 

地面に着地すると

 

「罪徒・・・

 

 思い知れええ!!!」

 

そう言って有紀は

銃を取り出しそこから

 

弾丸をいくつも繰り出して

攻撃していくが

 

罪徒はそれを見て

右腕にはめてある手甲から

 

突状の刃を伸ばして

弾丸をはじいていく

 

「はああああ!!」

 

そのまま突っ込んでいき

 

罪徒の額に銃口を突きつけ

引き金を引く

 

すると罪徒は

土埃に包まれる

 

有紀はその衝撃で後ろに吹っ飛ばされてしまうものの

空中で一回転して、見事に着地する

 

だが

 

「俺に一撃を与えるとはな・・

 

 だがこの俺を倒すには

 百発くらいは撃たないとならねえ見てぇだな」

 

土煙が晴れたそこには

罪徒が笑みを浮かべながら

 

平然と立っていた

 

「そんな・・・」

 

有紀はそれを見て

着地した体制のまま

 

呆然と見つめる

 

「今度はこっちから

 行かせてもらおうかい?」

 

そう言って突き出した突型の刃を

 

有紀に向ける

 

「くそ・・・・

 

 ペルソナがあれば」

 

「ぐう・・・」

 

拘束された面々は

必死にもがくが身動きが取れない

 

「まあそこで待ってなよ

 

 この聖徒を始末したら

 お前らも一緒に送ってやるよ

 

 外で待ってるお前らの仲間もろともな」

 

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

 

それを聞いて驚愕する面々

 

「くくくく・・

 

 もう外の方にも

 俺のしもべを送ってる・・

 

 きっと今頃は、フフフフ・・」

 

「ぐう・・・」

 

「ううう・・・」

 

罪徒の言葉に怒りを覚える一同

 

・・・ ・・・・ ・・・・・ ・・・・・・・・・‣・・・・・・・ ・・・・・ ・・・・ ・・・

 

そのころ

 

外ではマモノの群れに

襲われているゆかり達

 

ゆかりは矢を打って

順平は両手剣をもって応戦していく

 

向かってくる敵自体は

たいしたことはないが

 

いかんせん数が多く

体力を消耗していく

 

「くそ・・・・

 

 きりがねえ・・・・」

 

「回復も・・・

 

 追いつかない」

 

すると迫ってくる

二体の甲冑のような鎧をまとった

 

節足動物のような二体のマモノが

 

ゆっくりと迫っていく

 

『ゆかりちゃん、順平君

 

 気を付けて!

 

 その二体は

 今戦ったこのマモノよりも

 

 強力です』

 

「まじかよ・・・・」

 

「く・・・」

 

ただでさえ圧倒されているのに

そこに強敵が登場

 

もうだめかもしれない

 

二人がそう思ったその時

 

「ジライヤ!」

 

「風よ切り裂け!」

 

そこに声があらわれ

二体の甲冑の節足生物に

 

攻撃が入っていく

 

一体は楯で風を振りぬくが

もう一体は風で切り裂かれて

 

バラバラにされる

 

「な、なんだあ!?」

 

突然の攻撃に三人はその方を向くと

 

「うあっち!

 

 うまく決まらなかった・・・・」

 

「当てるだけでもいいですよ

 

 風を操るのは簡単にはいかないものですから・・」

 

そこにいたのはなんと

 

謎の一団だった

 

「え・・・」

 

「な、なんなんだよ・・・・」

 

「あなた方は・・・?」

 

三人はそれぞれを声をかけていく

 

すると一人の人物が前に出てつぶやく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫・・

 

 俺達は敵じゃない・・

 

 助けに来た・・」

 

ただそうつぶやくのであった・・・ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           




交わる運命

・・・ ・・・・・・・・・

・・・・ ・・・・・・・・

・・・・・ ・・・・・・・・

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