仮面十二/五/二十一 三つの世界と九つの枢要大罪 聖と罪の戦い   作:OOSPH

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強敵に備えて

・・・ ・・・・ ・・・・・

・・・・・・・ ・・・・・・・・・


6、仮面推測中

「有紀・・・

 

 一つ確かめて

 おきたいことがある・・・」

 

美鶴が有紀に聞いていく

 

「確かめておきたいことと言うと

 

 それは何なのかしら?」

 

「罪徒のことだ・・・

 

 罪徒はいったい何の目的で

 人々を苦しめていくのか

 

 今回の罪徒はいったいどう奴なのか・・・

 

 君は確証があるんだろう?

 

 だからこそこうして

 敵のもとに向かっている

 

 君ほど戦闘経験豊富な人間が

 ただやみくもに向かっていくとはとても

 思えなくてな・・・」

 

美鶴の問いに有紀は重々しく答えた

 

「ちょっとだけ闇雲だよ・・・

 

 教会において罪徒の手配書見て

 大体どんな奴らがいるのかが

 分かっていたから・・・

 

 でもそれでもはっきり言って

 このまま勝てるのかわからない・・・

 

 情報はある程度頭に入れておいたから

 どうにでもなれって感じかな」

 

「何よそれ・・・」

 

「有紀ちゃんも案外向こう見ずなのな・・・・」

 

ゆかりと順平はそれぞれ呆れとやや驚きの反応を見せる

 

「だが今回は人間がさらわれているんだ・・・・

 

 突っ走っていく気持ちはわからなくもないが・・・・」

 

『そういえば確かに

 あの協会の壁には

 

 いくつか文字とかが書いてあった

 紙がたくさん貼られてたけど・・・

 

 あれがそうなの?』

 

「そうだよ

 

 でもここのところ

 手配書が増えてきてる・・・

 

 敵の力が上がってきてるということかもしれない・・・」

 

有紀は言う

 

「なるほど

 

 敵の情報が

 増えてきたということは

 

 それほどに敵の動きが活発に

 なっている

 

 そういうことでありますね」

 

「と言うことは

 

 この先どんな敵が現れても

 一筋縄ではいかないということですね・・」

 

「だがどっちみち

 さらわれた人たちもその

 敵の懐にいるんだ

 

 飛び込まねえと話にならねえ

 

 それに俺らもこの世界で

 戦う力が使えるっていうのも分かったし

 

 少なくとも俺らも戦力には入れられる

 

 違うか?」

 

荒垣の言葉に

有紀はうなずく

 

「そうだね・・・

 

 少なくとも

 皆さんと一緒なら

 それは心強いと思うよ

 

 でも油断しないでね・・・

 

 この先に控えている罪徒は

 マモノなんかよりもはるかに強い・・・

 

 さっきの大顎蜥蜴だって

 強さで言うなら下から数えた方が早いし・・・

 

 気を付けてね・・・」

 

「わかった・・・」

 

「ありがと、気を使ってくれて・・・

 

 とにかく目的地に着くまで

 極力戦闘は避けていこう」

 

リーダー二人は

そのように返した

 

有紀はそれに対し

うん、と声を上げる

 

「それと有紀・・・

 

 君は教会にあった情報から

 敵の予測はある程度ついていると聞いた・・・

 

 よかったら聞かせてもらえないか」

 

美鶴は言う

 

「この先にいる

 光と闇が交じり合うことから

 

 陰陽路っていうところがあって

 

 そこに居城を構えて

 マモノを放って勢力を拡大させている

 罪徒がいるの

 

 そいつの異名は、命令の大総裁」

 

「大総裁・・・

 

 と言うことは」

 

「下から二番目か・・・・」

 

年長組は話を聞いて

冷静に分析していく

 

「正確には三番目になるけどね・・・」

 

 確かに低い地位ではあるけど

 それでも強いよ」

 

有紀は一同に言う

 

「とにかく

 

 油断しないように・・・

 

 そういうことだね」

 

「それに最優先事項はあくまで

 さらわれた人たちの救出だからね

 

 戦闘もあくまで最小限に済ませておかないと・・・」

 

湊と琴音はそう結論する

 

「それにしても・・・・

 

 まだその敵の居城につかねえのかよ」

 

「確かにずいぶん歩いてるような気がする・・・」

 

「陰陽路の奥深くに

 敵の居城があるよ

 

 多分もうそろそろ

 陰陽路に入ると思うけど・・・」

 

すると

 

『皆さん

 

 この先ですが・・・

 

 反応が至る所に出ています

 

 何やらあわただしく動いて

 いるみたいですけれど・・・』

 

バックにいる風花が

一同にそう伝えると

 

「いよいよ陰陽路ね・・・」

 

と有紀はつぶやいたので

一同は意を決して向かっていくのであった

 

・・・ ・・・・ ・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・・ ・・・

 

陰陽路

 

この場所は

日が暮れ始めと日の出初めに

 

日の光と夜の闇が混ざり合うような

光景が見られることからそう呼ばれている

 

どのような光景に見えるのかと言うと

 

この路を中心に

日の出の時は西が光に包まれ

日の入りは東が光に包まれるという

 

実に幻想的な風景であるとされる

 

だが

 

こんな場所に

そのような風景を見たさに

ここに来るものなど誰もいないだろう

 

なぜならこの場所はそれほどに

マモノの行きかいが激しい場所なのだから

 

「ここが陰陽路ってとこか・・・・」

 

「見た感じ普通だけど・・・」

 

「日の入りと日の出の時に

 この路の名前の意味がよくわかるわ

 

 でもあいにく今はそんなのに

 見とれている場合じゃない

 

 この路の先に敵の居城がある・・・

 

 おそらくそこにさらわれた人たちがいる・・・」

 

と路の先の方を指さしていく

 

「このあたりが敵の領域と言うことか・・・」

 

「どんな相手が出てくるのか・・・・

 

 今からでも楽しみになってきたな」

 

明彦の発言に美鶴はあきれたように

ため息をついた

 

『でも確かに

 有紀さんの言う通りかも

 しれませんね・・・

 

 この奥から

 確かに大きな力を感じます・・・

 

 シャドウや

 さっきのマモノとも

 

 取れない・・・

 

 大きくて悪意に満ちた力が・・・』

 

風花がこの先において

その力を大きく感じていく

 

「この先にいるのは

 私たちにとって

 

 未知の相手・・・・

 

 情報もある程度しかありません・・・・」

 

アイギスも警戒を強めていく

 

「それにしても罪徒っていうのは

 どんな怪物なんでしょうか・・

 

 あの時出てきた

 大きな蜥蜴なんかと

 

 比べ物にならない怪物であることは

 よくわかりますけど・・」

 

「どんなのかはこの際関係ねえよ

 

 問題は敵がどんな力を

 使ってくるのか・・・・・

 

 そのことだろう」

 

荒垣は進言する

 

「命令の大総統は

 マモノに命令して

 

 的確な作戦をもって

 勢力を拡大していってる・・・

 

 情報ではそう書いてあったけれども・・・」

 

「なんか聞いてる感じだと

 強そうに聞こえねえよな・・・・」

 

「確かに・・・」

 

「でもそれでここまで

 勢力を拡大しているんだから

 

 少なくともただものじゃないよね・・・」

 

「その命令の大総統自身の戦闘力云々はともかく

 

 彼のその的確なまでの策謀は

 厄介だと思うね・・・

 

 もしかしたら・・・

 

 敵はもう策を練っている可能性も

 あるわけなんだし・・・」

 

湊の言葉に順平とゆかりはたじろく

 

「だがそうだな・・・

 

 敵は的確に

 あの里の人々を

 

 マモノにさらわせた・・・

 

 さらにはこの道中に

 我々が来ることを想定して

 あの大顎蜥蜴をここに仕掛けてきた・・・

 

 少なくともただものではない・・・」

 

美鶴もそれに合わせていう

 

「そうかもね

 

 あの大顎蜥蜴も

 見たところ何の強化も

 施されていなかったし・・・

 

 あれはもしかしたら陽動なのかも

 しれないわ・・・

 

 とにかく今は

 敵の城のぎりぎりまで行きましょう」

 

有紀は言う

 

「ぎりぎり?

 

 突入はしないのか?」

 

明彦が尋ねる

 

「正面から向かっていくっていうのは

 はっきり言って自殺行為よ

 

 こういうのは裏に回るか

 一番相手が油断をしたときを

 狙うのがベストなのよ

 

 ましてや強敵のもとに挑んでいくのなら

 猶更ね・・・」

 

「え-っとそれってつまり

 

 すぐには突入しないってことなのか?」

 

「今はそれがいいと思う

 

 僕たちの最優先は今は

 さらわれた人たちの救出だからね・・・

 

 それにきっと敵はもう

 僕たちがここにきていることに

 

 気が付いているはず・・・」

 

「そうだね・・・

 

 でも敵に襲撃を

 気づかれないようにするには

 

 いつ頃くらいに行った方がいいの?」

 

真琴は聞く

 

「そうね・・・

 

 もう少しお日様が

 傾いた方がいいかもね・・・

 

 敵の力が上がり始めて

 しまうけれども

 

 それゆえに最も慢心し始めていくくらいだから・・・」

 

有紀はそう答えた

 

「さあて・・・

 

 それじゃあそこまで行って

 時間が余ったら少し休もう」

 

「そうだね・・・

 

 ここに来るまで

 結構マモノとか歩いてとかで

 体力使ったし・・・

 

 休めるなら休んだ方がいいかもしれないもんね・・・」

 

リーダー二人がそう言うと

一同もうなづくのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この先に待ち受ける強大な敵との闘いに備えて・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            




強敵に備えて

・・・ ・・・・・・・・・

・・・・ ・・・・・・・・

・・・・・ ・・・・・・・・

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