仮面十二/五/二十一 三つの世界と九つの枢要大罪 聖と罪の戦い   作:OOSPH

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説明

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23,Accidental event

当夜が戻って一同と

合流を果たしたのち

 

一同はある場所に集まっていた

 

「それではまず

 

 聖徒の基本的な戦いと

 罪徒に対する戦いについて

 

 説明していきます

 

 聖徒というのは前にも

 話したことがあるように

 

 世界を構築する力、エーテルの力を

 使う力を持った人間のことです

 

 聖徒の右腕には聖痕と呼ばれている

 この痕があってこの痕からエーテルを

 制御するすべを得られるんです

 

 その具体的な例が聖痕解放

 

 聖痕の力を解放することで

 その人間をエーテルの力を受ける

 

 或いは放つのにふさわしい姿へと変貌させることを言います」

 

由奈は説明していく

 

「ええっと・・・・

 

 つまり、戦闘モードに

 変身ってこと?」

 

順平は大雑把にそう解釈する

 

「私たちからしたら逆に

 そのほうがわからないけど・・・

 

 変身っていうのは私達でもわかります

 

 まあその表現でいいでしょう」

 

由奈は説明を続ける

 

「聖徒の戦い方は

 そのエーテルエネルギーを

 

 攻撃力に変えて放つのが基本です

 

 これが属性攻撃です

 

 属性攻撃は罪徒も使ってきますが

 罪徒の場合はラルヴァエネルギーを変換させています」

 

「私達ペルソナが使うのと同じってことね・・・」

 

ゆかりがつぶやく

 

「属性は私たちと罪徒が共通して扱う

 四代元素にそれぞれしか扱えない属性

 それを加えた合計五つ

 

 私たちは四大元素に光・・

 

 罪徒は四大元素に闇を加えます」

 

由奈は続けていく

 

「四大元素に光と闇

 

 この六つの元素が

 この世界を構成されているとされています」

 

「我々の世界においてもそうだ・・・

 

 かつて古代の錬金術師たちは

 世界は風、火、土、水に何らかの要素が

 加わって構成されていると伝わっていた

 

 これをうまく調合すれば黄金や不老不死の薬なども

 連れるなどという突拍子のない考え方を抱いたものも

 いたらしいが・・・」

 

美鶴が告げていく

 

「ちなみに我々の世界では

 光をエーテルに、闇をラルヴァに

 たとえています・・・

 

 前にも言ったと思いますが

 夜と暗闇は罪徒の領域といわれるのは

 

 ラルヴァは闇そのものであるとされているからです

 

 現に罪徒たちは夜などの時の方が活動が活発になっていきますからね・・」

 

「それはつまり

 

 逆を言えば昼間のように

 光に覆われている世界は

 

 君たち聖徒の領域ということか?」

 

明彦が聞いていく

 

「残念ながらそうではありません・・

 

 我々聖徒は生まれながらにして

 聖痕を持っているわけではありません

 

 聖痕は15~18歳の間のごく少数の者達に

 与えられるとされています

 

 罪徒の場合は生まれながらにして

 ラルヴァの力を制御する器官

 

 武器を持っているのですから・・」

 

「武器・・・?

 

 武器ってひょっとして

 さっきの試練の王が持っていた

 

 杖のようなものですか?

 

 つまりあれは・・・」

 

風花のみならずその場にいた一同も推測する

 

「そうです

 

 罪徒の持っている武器は

 単なる道具ではないということですよ」

 

由奈は告げる

 

「罪徒が手に持っていたり

 体に装備している武器は

 

 ラルヴァエネルギーを制御するための

 体の一部であって彼らの力の核でもあるんです

 

 武器の中にあるその力を解放することで

 その罪徒の本来の力を解放すること

 

 これが武器解放なんです」

 

「武器の中から出てくる

 あの翼のようなものは

 

 いうなれば解放された力ということですね

 

 なるほどなー」

 

感心するアイギス

 

「つまり武器は体の一部っていう

 ことなんですよね・・」

 

「武器だけじゃありません

 

 彼らが来ている服

 

 罪服と呼ばれている服装は

 魚や爬虫類などの体を覆っている

 鱗のようなものです

 

 つまり服も武器と同じように

 体の一部ということなんです」

 

「鱗・・

 

 それって確か

 さっき戦った罪徒

 

 攻撃が簡単に通らなかった・・」

 

天田はあの時

体に当たった攻撃が

 

金属に当たるようにはじかれた

ときのことを思い出した

 

「鱗というのは二種類あって

 

 表皮が角質化したものと

 真皮が高質化したもの

 

 この二つがあります」

 

由奈は言う

 

「罪徒でたとえるなら

 前者が奴らの来ている罪服

 

 後者は奴らの体そのもの

 

 大雑把に例えるなら

 こういうことになります」

 

「どういう生き物だよ・・・・・」

 

荒垣は頭を抱えていく

 

「でもさ

 

 罪徒って武器解放形態ってのになると

 手にあった武器がなくなるじゃん

 

 あれってどうなってんの?」

 

「詳しいメカニズムは

 わかりませんが・・

 

 おそらく角状に変化しているのかと・・」

 

「角・・・・

 

 そういや武器解放形態になると

 罪徒って角とかが付くよな・・・・」

 

陽介が思い返す

 

「罪徒の生態については

 残念ながら解明されていないというのが

 

 現時点での現状なのです

 

 罪徒は倒されてしまうと

 たいがいは消滅してしまうので

 

 遺体などを調べて生態を調べるということができないので・・・」

 

「そういえば罪徒って

 倒されると地面に何な残すじゃない

 

 あれって何なの?」

 

千枝が何気に聞いてくる

 

「あれは勲章

 

 私たちで言う

 聖痕のようなものです

 

 皆さんも知っての通り

 罪徒には爵位と呼ばれる階級で

 位が決まっています

 

 騎士クラスに始まって

 

 総裁

 

 伯爵

 

 公爵

 

 侯爵

 

 君主

 

 そしてこれらの頂点に

 君臨しているのが先ほど戦った

 

 試練の王をはじめとする王クラスで

 

 そのさらに頂点にいるのが皇帝の爵位の罪徒なのです・・

 

 これは最初の時に言いましたね」

 

由奈の言葉に一同は頷いた

 

「現在皇帝の爵位を持つ罪徒は六人

 

 各々が強大な力で

 罪徒たちを束ねています

 

 その皇帝たちが

 統制しているのは

 同じ数の六つのエリアで

 

 さらにその六つからそれぞれの傘下や

 独立して昇格された王の位の罪徒たちが

 

 それぞれのエリアにて罪徒たちの

 一部を従えて軍勢として統率しているのです・・

 

 試練の軍勢もまた独立して発生した一段の一つなんです」

 

「そういえば・・・

 

 罪徒の爵位って

 どういう風に決まっていくの?

 

 生まれたときから決まってるとか

 あるいは結果によって決まるとか・・・」

 

雪子はつぶやき気味に聞いた

 

「そうですね・・」

 

すると由奈は自分の右腕を見せる

 

「私達聖徒の聖痕は

 罪徒の罪を断罪するごとに

 

 その輝きを増していきます

 

 神社の巫女達はその輝きを見て

 そこに焼き付いた罪を見つめて換金する

 

 それが報奨金です

 

 同時に一定の条件を満たすことで

 私たちはさらに上にまで昇格していきます

 

 これが私たちのレベルです」

 

「なんかRPGみたいっすね・・・」

 

完二がたとえを出す

 

「でもそれが罪徒の爵位のそれと

 どう関係があるの?」

 

りせは知識が追い付かず思わず聞いた

 

「なるほど・・

 

 ようは罪徒たちは

 人間たちを苦しめて

 恐怖を与えていくことによって

 

 始めは騎士から始まって

 そこから総裁、伯爵と

 

 上の方へと上がっていくということですね・・・」

 

「そう・・

 

 いうなればシステムは

 似たようなものであると

 言えるでしょう・・」

 

直斗の推測に由奈はそう返すのだった

 

「しっかしそれにしても

 そんなのに意味があるとは思えねえけどな・・・

 

 ようは互いに競い合って上に上がってこうってことだろ?

 

 そんなのに何の意味があんだよ?」

 

竜司は聞いた

 

「そうよね

 

 そんなに上を目指して

 一体何か意味でもあるのかしら

 

 あいつのように人間を奴隷みたいに

 扱いたいのかしら?」

 

「それに関してはわかりません・・

 

 私たちに方でも

 情報が全部行き届いているわけでも

 ないですからね・・」

 

由奈はあやふやに言う

 

「まあそうだな

 

 奴らでもない限り

 奴らの目指しているものなんて

 わかるわけでもないか・・・・」

 

モルガナは言う

 

「とにかく

 

 俺たちが元の世界に戻るためのカギは

 きっとこの罪徒の事情最高位である

 

 六人の皇帝の爵位を持つ罪徒たちだな・・・・」

 

祐介が言う

 

「現在最高位である六人の皇帝の爵位を持つ罪徒

 

 通称六大皇帝

 

 王の爵位を持つ罪徒の中でも

 その強さは別格です

 

 あの時戦った試練の王など

 王の爵位を持つ罪徒の中では

 弱いほうでしょうしね・・」

 

由奈の言葉に

ほとんどの者が驚愕する

 

「試練の王でもあんなに苦労したのに・・・

 

 でもそうよね、罪徒の最高位にいるのが

 そう簡単にやられるとも思えないしね」

 

「ええ・・

 

 ですからはっきり言って

 皇帝に挑むのは無謀を超えて

 

 自殺行為と表してもまだましでしょう」

 

真のつぶやきに由奈はそう告げた

 

「でもそれでも行かないといけない・・・

 

 出ないと私たちは元の世界には戻れないからな」

 

「罪徒の皇帝を倒すことは

 この暗黒の楽園を終わらせる一番の近道だからな」

 

当夜は言う

 

「ええ・・

 

 そして私たちが

 これから向かうのは・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 色欲の皇帝のいる、エリアL2です・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                   






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