仮面十二/五/二十一 三つの世界と九つの枢要大罪 聖と罪の戦い   作:OOSPH

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王の御前

・・・ ・・・・ ・・・・・

・・・・・・・ ・・・・・・・・・


19、試練の迷宮 ~trials of Circle

試練の迷宮

 

王の間において

集まった一同は

 

ついにこの迷宮の王

 

試練の王と対峙するのであった

 

「人間よ

 

 我ら罪徒にここまで抗った報い

 

 じっくりとその命を持って償わせてやる」

 

そういって手に持った杖を

地面について向かっていく

 

「みんな・・・

 

 これが僕たちが

 この世界で最初に乗り越えるべき

 

 最後の試練だ!」

 

「そうだね・・・

 

 私たちがこの先の戦いのためにも

 乗り越えなくっちゃいけない・・・

 

 これがその戦いだよ!」

 

二人のリーダー、湊と真琴の言葉に

SEESの面々も息をのみつつ構えていく

 

「絶対に勝つぞ!」

 

悠のつぶやきに

捜査隊メンバーも力強くうなずく

 

「そのために俺たちが来たんだ!」

 

暁がそういうと

怪盗団の者達も身構える

 

「暗黒の楽園を・・・

 

 俺が、いや俺たちが終わらせて見せる!」

 

当夜はそう言って聖剣を両手に持ち

ほかの聖徒の二人もそれぞれの武器を持つ

 

「どうやらこの世界と運命を共にするよりも

 その前に滅びるのが望みであるということか

 

 ならばその望みをかなえてやろう・・・・・・・・・」

 

そういって王は杖を持ち直す

 

「来るぞ!

 

 みんな構えろ!!」

 

美鶴の声とともに

一同は戦闘態勢に入るが

 

「そんなに滅びたいのか?」

 

「っ!?」

 

そんな彼女の後ろに

一瞬で回り込んだ試練の王

 

すると試練の王は

手に持っている杖の先を

 

美鶴に勢いよく突きつける

 

「があっ!」

 

そのあまりの攻撃に

美鶴は激しく吐血し

 

さらに勢いよく飛ばされる

 

「美鶴!」

 

「くっ!」

 

それを見ていた明彦と荒垣は

二人で試練の王に向かっていくが

 

「愚か者め・・・・・・・」

 

杖をふるって

衝撃風を起こして

 

二人を吹っ飛ばしてしまった

 

「何よあの力・・・

 

 すっごくやばいんですけど!?」

 

「くそ、曲がりなりにも

 王様名乗ってるだけのことはあるってか!?」

 

「応戦します!」

 

アイギスはそう言って銃弾を放つが

それを何事もなく体に受けてもなおも

 

びくともしない試練の王

 

「作り物程度の力で

 この私の力に抗おうなんて

 

 本気で思っているのかしら?」

 

そういって手を大きく広げる

 

「罪徒には天然の鎧があると

 言っていましたがやはり強固であります・・・・」

 

「とにかく反撃しないと!」

 

そういってゆかりは

弓を弾いて矢を放つ

 

だがそれをゆかりのほうを見ずに

片手でその矢をつかみ取って見せた

 

試練の王はそうしたのち

紫のほうを見ると杖の先をゆかりに向ける

 

「その手の攻撃など

 

 蚊を箸でつかむようなものよ・・・・・・・・・

 

 この私にはもはや目視できる

 という程度では表せぬほどにたやすい」

 

「く・・・」

 

「不意打ちがだめってんなら

 強力なので決めてやるぜ!

 

 ヘルメス!!」

 

順平はヘルメスを召喚

 

ヘルメスは試練の王に向かっていく

 

だが

 

「んな!?」

 

試練の王はなんとその一撃を

なんと片手の指だけで止めて見せた

 

「協力?

 

 この程度がお前たち人間にとって?

 

 これで私たちに抗うつもりだというのなら

 まったくもって笑わせてくれるわ!」

 

ヘルメスを止めつつ

もう片方の手に持っている杖で

 

大きく叩き落としてしまう試練の王

 

「があ!」

 

「順平!」

 

ヘルメスの受けたダメージが

フィードバックし順平その場に倒れてしまう

 

ゆかりが駆け寄ると順平は気を失ってしまう

 

「ちょっ・・・

 

 何よこれ・・・」

 

その様子を見て底知れない恐怖を感じるゆかり

 

「やっぱり今までの敵とは違う・・」

 

天田もその様子を見て

改めて目の前に現れた敵が別格だと感じるようになる

 

「はあああ!!!!!!!!!」

 

すると試練の王は

背中から翅のようにオーラを広げ

 

それであたりを破壊していく

 

「「「「「「「うわあああああああ!!!!!!!」」」」」」」

 

その攻撃の衝撃によって受けた風を受ける一同

 

「く・・・

 

 っ!?」

 

見るとそこでは

一同の目の前と後ろ側の地面以外の場所が

 

見事なまでに破壊されつくしていた

 

「見たか

 

 これこそが私の力の

 ほんの一部だ

 

 その気になれば

 貴様らごときこの手で

 倒すことなどたやすいこと・・・・・・・・・」

 

「まさか・・・!?

 

 わざと僕たちに攻撃を

 当てなかったって言うの!?」

 

「その気になればいつでも私たちなんて倒せる

 

 余裕のつもりのようだね・・・」

 

リーダーの二人が試練の王の圧倒的な力を見て言う

 

「今更悔やんでも遅い

 

 このままお前たちに

 一足先に滅んでもらうことにしよう・・・・・・・・・」

 

と左手を伸ばしていく試練の王

 

そこに銃弾が放たれていく

 

「っ!?」

 

そこにいたのは

 

「あいにくですが

 今更悔やみなんてしません!」

 

「お前みたいなやつとなんて

 俺らはいつでも戦ってきた!

 

 今更引くつもりはねえよ!!」

 

捜査隊のメンバーも向かっていく

 

試練の王はそれを見て

左手を大きく振りかざす

 

「愚かな

 

 どうやらあくまで

 見苦しくも抗うつもりか」

 

「このままお前に見たいな奴に

 屈しちまうほうがよっぽど見苦しいぜ!」

 

「そうよ

 

 あんたみたいに

 身内のことを役立たず

 呼ばわりする奴なんかに・・」

 

「私たちは絶対に負けたりしない!」

 

二年生組が言う

 

「弱きものは死ぬ

 それが世の摂理

 

 奴らは私のために

 役に立ってくれれば

 

 あとはどうなろうと

 知ったことじゃないわ!

 

 どのみち死ぬ運命だった

 それだけのことよ!!」

 

と杖を大きくふるっていく試練の王

 

「俺たちはお互いの弱さを知った・・・・

 

 そのうえで得る強さだってあるんだ!」

 

「私たちはそのうえで

 その弱さを受け入れて

 

 強くなったの!」

 

「弱いからこそ生まれる強さだってあるの

 

 それが人間の強さの一つなのよ!」

 

と二年生組はそれぞれのペルソナを召喚する

 

ジライヤとトモエが向かっていき

コノハナサクヤがその後ろから炎を放っていく

 

試練の王はジライヤとトモエの攻撃を杖で受け止め

コノハナサクヤの炎を左手から広げたオーラで防いで見せた

 

「んな!?」

 

「アタシらの同時攻撃を・・」

 

「まさかここまで・・・」

 

「無駄だというのがまだわからんようだな!」

 

左手で炎をかき消して

その左手で杖の先にある金具を

 

ピンとはじいて見せた

 

するとジライヤとトモエの

体が勢いよくふるえる

 

「うお!?」

 

「やっば!」

 

嫌な予感を感じて

自分たちのペルソナを引き揚げさせる二人

 

「ふっふっふっ・・・・・・・・・」

 

すると

 

「な、なんか・・・・」

 

「体が重い・・」

 

二人は体の違和感に気付き

思わず地面に手をついた

 

「二人とも?」

 

雪子は二人の異変に気付く

 

「せ、先輩!?」

 

「完二・・・・

 

 気をつけろ・・・・

 

 何かわからねえけど

 体がどうにも重くなって」

 

陽介が言う

 

「人間風情がどうしてそこまで抗う・・・・・・・・・」

 

「っ!?」

 

試練の王はそこに

瞬く間に表れて見せるのであった

 

「なぜだ・・・・・・・・・

 

 なぜだ!」

 

「ぐおっぷ!?」

 

試練の王は柄尻で完二に殴り掛かった

 

「あってはならない!

 

 私たち罪徒はこの世界、いや

 すべてにおいて最強最高の存在でなくてはならない

 

 それをよもや貴様ら人間という下等動物に侮られるなど

 この上にない屈辱そのものだ!!

 

 絶対に認めなどしない!!!」

 

試練の王はいら立ちを含めた言葉遣いで言う

 

「確かに貴方達罪徒は強いし

 人間にはない能力も持っている

 

 でも僕たち人間には

 お前達にはない力がある・・・

 

 僕たちとお前たちの差はたったそれだけの差だ!」

 

直斗は言い放つ

 

「くだらん!

 

 その程度の差など

 我らの力の前には

 

 何の意味もないということを

 その死をもって味わえ!!」

 

と杖を勢いよくふるっていく

 

「ぐう・・・」

 

直斗はそれを受けて飛ばされてしまうが

 

「直斗!」

 

それを悠が受け止めたものの

その衝撃で壁にぶつかってしまう

 

「先輩!」

 

「俺のことはいい

 

 それよりも試練の王の方だ・・」

 

すると

 

「ゴー!

 

 キントキドウジ!!」

 

クマがペルソナを出して

攻撃を仕掛けていく

 

試練の王はそれを杖で受け止めて見せた

 

「クマたちは絶対に元の世界に戻るし

 この世界をお前たちから救う

 

 そう決めたんだクマ!

 

 クマとセンセー、みんなと一緒に!!」

 

「・・・・・・・・・」

 

すると試練の王は杖の先の金具を指ではじく

 

「っ!?」

 

するとクマは急に

力なく地面に手をついてしまう

 

「クマ!?」

 

悠がクマに駆け寄っていく

 

「せ、センセー・・

 

 体が・・重い・・クマ・・」

 

「なんだって!?」

 

悠はそれを聞いて

同じく体が重く感じる

 

陽介たちのほうを見る

 

「それ・・・・って・・

 

 私たちと・・・・おんな・・じ・・・・・・」

 

「だ・・・・よな・・・・

 

 あの杖・・・・で受け止められて・・・・そん時に・・・・・・・・」

 

こちらもまだ体の重さは治っていないようだ

 

「そうだ、それでいいのよ

 

 人間どもにはやはり

 この光景がふさわしいもの

 

 ゆっくりと貴様らに

 最期の時を与えてあげる」

 

とゆっくりと歩み寄っていく試練の王

 

とそこにキッドとカルメンが飛び込んでいく

 

「最期になんてされてたまるかよ!」

 

「黙って死んでいくなんて

 そんなのまっぴらごめんよ!」

 

スカルとパンサーが言い放つ

 

「では抗うというの?

 

 この王であるこの私に?

 

 そのせいで貴様らが

 この場にて滅びるというのにか?」

 

「滅びなんてしない!

 

 ワガハイ達はこの力を

 目覚めさせた時から最後まで

 抗って見せると決めたんだ

 

 そのためにここまで来たんだ!!」

 

モナがそういって

パチンコを放つ

 

だが試練の王は

それを難なく防いでしまう

 

「抗って何になるというのだ!

 

 人間がどの程度抗ったところで

 この世界がどうなるわけでもあるまい!!」

 

「確かに俺たち程度が

 抗ったところで世界に影響は

 与えることはないだろう

 

 だがそれでも俺たちは変わっていく!

 

 この世界に生きる俺たち自身は

 

 そんな小さな出来事でも

 この世界にもたらされた変化

 

 俺はそう考えている!」

 

フォックスはそう言って

ゴエモンを向かわせる

 

「どのような変化を

 もたらしたところで

 

 王であるこの私に勝てるわけもない!」

 

と杖を下から上に

ふるいあげていく

 

すると地面に沿って

とてつもない衝撃が走っていく

 

「そうかもしれないわね

 

 でもだからって

 それであきらめるわけないじゃない!」

 

クイーンはヨハンナに乗って

飛び上がって攻撃を仕掛けていく

 

見事その一撃は試練の王の体に炸裂

 

わずかだが試練の王を下がらせた

 

「私は決めたのよ!

 

 最後まで突っ走っていくって!!」

 

するとそのクイーンの腕を

左手でつかみかかる試練の王

 

「人間がどこまで・・・・・・・・・」

 

試練の王はそして

杖の先をクイーンの体に突き立てた

 

「があ!」

 

大きく吹っ飛ばされるクイーン

 

「まあどうでもいいわ

 

 貴方たち人間がいかに変わろうとも

 王である私の力の前には何の意味もない

 

 貴方たちにゆっくりとこの世界から人間が

 滅びゆくさまを見届けさせてやろうと思ったが気が変わったわ

 

 この世界の人間たちより先に

 貴方達を滅ぼしてあげる」

 

そういって両腕を横に伸ばして

円を描くように上げていく

 

すると背中からまた

翅のようにオーラが広がっていく

 

「気をつけろ!

 

 またさっきの攻撃だ!!」

 

モナが注意を呼び掛ける

 

「見苦しく生きていくくらい

 ならば美しく散っていくがいい!」

 

試練の王はそう言って

蝶の翅のように広げたそのオーラを

 

勢いよく一同にふるっていく

 

「みんな!」

 

そのオーラによる一撃を

受けて吹っ飛ばされていく地面

 

「ミラディ!」

 

だがそこにノワールの召喚した

ミラディが銃撃を放ってオーラに攻撃を仕掛けていく

 

「その程度の攻撃で

 この私の攻撃をしのげるか!」

 

確かにオーラによる攻撃は

まったく衰えている様子はない

 

だが

 

「相殺できるとは思っていませんけど・・・・

 

 それでも無駄ではありません!」

 

ノワールがそういうと同時に

攻撃が一同のほうに行く

 

「フフフ・・・・・・・・・」

 

試練の王はそれを

見て勝ちを確信する

 

「・・・っ!?」

 

すると爆発がやんで

そこから現れたのはややボロボロに

なりながらも無事にいる一同の姿であった

 

「まさか・・・・・・・・・

 

 さっきの攻撃で

 威力を削減させられたの!?」

 

「そうみたいね」

 

「人間を・・・

 

 なめるな!」

 

と有紀は銃を手に

試練の王に向かって放っていく

 

試練の王はそれを杖ではじいていく

 

するとそれに紛れて

由奈が槍を手に突っ込んでいき

 

「はああああ!!」

 

見事その体に

槍を突き立てていく

 

「があああ!!!!!!!!!」

 

それを受けて大きく吹っ飛ばされていく試練の王

 

さらにそこに

 

「てやあああ!!!」

 

当夜がそこに唐竹割りを食らわせていく

 

「おりゃあああ!!!」

 

「ふん!」

 

だが試練の王は

それを難なく受け止める

 

「何!?」

 

「王であるこの私を

 甘く見るなよ聖徒

 

 この私を簡単に倒せると

 本気で思うなあああ!!!!!!!!!」

 

とその杖をさらにふるって

当夜を後ろに吹っ飛ばしてみせる

 

「ぐう・・・」

 

どうにか着地する当夜

 

「見せてやろう・・・・・・・・・

 

 王であるこの私の真の力を」

 

そういって羽織っていたフードを

勢いよく脱ぎ捨てると杖を上に突き上げる

 

「はあああ・・・・・・・・・」

 

するとその杖から

蝶の翅のようにオーラが広がっていく

 

そのオーラは試練の王の体を包み込んでいき

 

どす黒いオーラが球体状に覆われていく

 

するとその球体から

先ほど広がった蝶の翅のように

 

オーラが広がっていく

 

そしてそのオーラの中から

解き放たれるように現れたのは

 

目元以外はマスクのように覆われ

 

その頭部には蝶の触角のような角が生え

口元には蝶の口吻のようなものが付いている

 

その背中には蝶の翅のような翼が大きく広がり

あたりに黒い粉上のものがあたりにふりそそいで行く

 

「見るがいい

 愚か者ども

 

 これこそがお前たちが挑む

 王の力を持つ者の力なのだ!」

 

と言い放つ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ついに最後の対決が始まる・・・ ・・・・ ・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                   




王との決戦

・・・ ・・・・・・・・・

・・・・ ・・・・・・・・

・・・・・ ・・・・・・・・

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