仮面十二/五/二十一 三つの世界と九つの枢要大罪 聖と罪の戦い   作:OOSPH

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王の間にて

・・・ ・・・・ ・・・・・

・・・・・・・ ・・・・・・・・・ 


14,A nightmare land

試練の迷宮

 

王の間

 

そこでは玉座に座った

一人の女性と二人の人物が

待ち構えていた

 

そこに駆け付けてきたある一団

 

「来たな

 

 われらに歯向かう

 異世界の人間たちよ」

 

そういって玉座に

座っている女性が話しかけてきた

 

「やっと会えたな

 

 試練の迷宮の王様」

 

「おうこらてめえ!

 

 お高く留まってんじゃねえぞ」

 

完二はややメンチを切っていく

 

「無礼者!

 

 王の御前であるぞ!!」

 

「まあまて侯爵

 

 こんなことで心とを乱すな

 

 私が恥をかくことになる」

 

女性に言われて左側の女性は

シュンっとおとなしくしていく

 

「さてと

 

 私のことはもう知っているようだが

 

 ここは礼儀としてあいさつをしておきましょう

 

 私こそがこの試練の迷宮を束ねし王

 

 貴方達を歓迎しよう」

 

そういってぱんっと手をたたく

 

「歓迎って言われてもね・・・」

 

「そんなこと言われても

 何とも思わないかんね

 

 こっちはあんたたちがどういう

 奴なのかをようく知ってるんだから」

 

千枝が激しく反論する

 

「あなたたちがどう思うと

 私たちの価値観なんてそれぞれ

 

 私の価値観は君たちが思っている

 ことで正解であるとだけ言っておきましょう」

 

王は静かにつぶやく

 

「あなたたちはどうして

 この世界の人間を苦しめているのですか?」

 

「どうして?

 

 理由なんてない

 

 貴方達人間が日常何気なく殺している

 蚊や蝿、ゴキブリなんかと同じよ

 

 そこにいるだけで不快

 

 だから殺す、それだけよ」

 

『なによそれ・・

 

 そんな理由で人の命を奪ってるっていうの!?』

 

りせがナビ越しに言い放つ

 

「逆に聞こう

 

 理由があれば

 人間を殺してもいいのか?」

 

試練の王はそうつぶやく

 

「よぉく分かったぜ

 

 おめえらがぜってぇに

 許せねえ奴らだってことがな」

 

完二が声を荒げて言う

 

「下等な人間の許しなどいるまい

 

 せっかくここまできたのなら

 せいぜい歓迎してあげよう

 

 侯爵共」

 

すると両側に控えていた

二人の人物が前に出ていく

 

「われらが王のご指名ね

 

 私たちが相手をしてあげる」

 

右側の女性が言葉を交わす

 

「私は無価値の大侯爵

 

 こっちは妹の無益の大侯爵・・・・・・・

 

 まあよろしくね」

 

左側の女性が

もう一人とともに自己紹介をしていく

 

「なんだかずいぶんと極端な名前だな・・・・」

 

『みんな気を付けて!

 

 この二人からとてつもないほど

 邪悪な力を感じるよ・・!!』

 

りせは忠告する

 

「何か言ってみるみたいね姉さん・・・・・・」

 

「そうね、まあ関係ないわ

 せっかく私たちの王様が

 

 ご指名をしてくれたんだから

 

 ゆっくり楽しませてもらうわね」

 

そういって姉妹はそれぞれ

武器を手に持って一同に仕掛けていこうとする

 

妹の無益の大侯爵は三又の剣を

姉の無価値の大侯爵は三又の槍

 

言うならば三叉戟を手に取る

 

「ようし

 

 当夜君や暁君達が

 主のほうにかまってる間に

 

 うちらは王のほうを倒すぞ!」

 

「うまく彼らが主を倒してくれたなら

 王の攻略は楽になるでしょう」

 

千枝と直斗の会話を聞いた

姉妹たちは高笑いを上げていく

 

「フフフ・・・・・・

 

 ハハハ・・・・・・

 

 あーっはっはっはっ!!!!!!

 

 やはりお前たちと別れたほうは

 主を目指していったようだな

 

 王が目指していた通りだ」

 

「はーっはっはっは!!!!!!

 

 貴方達に一つ忠告を言わせてもらうわ

 

 その主に向かっていったっていう

 その者たちが主の蛹を破壊することなんて不可能よ

 

 なぜなら貴方達と丁度入れ違いに

 主のもとに夢幻の大君主様が向かいましたのでね」

 

無価値の大侯爵が言う

 

「大君主・・

 

 王の次の高位に位置する爵位クラス・・」

 

「おいおいおい・・・・

 

 いくらなんでもまずいんじゃねえの

 

 王の次に強いってことは

 そりゃけっこう・・・・」

 

陽介はやや不安そうにつぶやく

 

「確かに心配ですが・・

 

 だからと言って

 こちらの人数を減らせば

 

 王はおろかこの二人の大侯爵への

 勝率は低くなってしまうでしょう

 

 ここで引いてしまえばそれこそ

 作戦が水の泡になってしまいますしね・・」

 

「仕方ない・・

 

 向こうは暁たちに任せて

 俺たちはこっちに集中するぞ!」

 

悠の言葉に一同は意を決する

 

「フフフ・・・・・・

 

 冷たい人間だな

 

 仲間を見捨てるとはな」

 

「見捨てたんじゃない・・

 

 託したんだ!」

 

無益の大侯爵の言葉に悠は答える

 

「託しただと?」

 

「俺たちは当夜と暁たちに

 主のことを託した

 

 それは俺たちもだ

 

 俺たちは全員で

 戻ってくると誓い合った

 

 だから俺たちはここに来た!

 

 お前たちを倒すために!!」

 

そういって両手剣を構える悠

 

「私は当夜と暁さんたちに

 主のほうを託しました

 

 ですから私たちも

 託されたその思いにこたえる

 

 だからここに来た!」

 

由奈も聖痕の力を解放し聖槍を構える

 

「面が白い

 

 その思いとやらが

 どれほどのものなのか

 

 我々に見せてもらおう」

 

試練の王はそうつぶやいて

二人の大侯爵に向かわせる

 

「フフフ・・・・・・

 

 せいぜい無駄な

 あがきをしていくのだな」

 

「その思いとやらで

 私たち罪徒に抗おうなどとは

 

 人間とは実に愚かしい生き物よな!」

 

大侯爵らはそれぞれの武器の切っ先を向けていく

 

「愚かで何が悪い!

 

 ここで逃げ出したら

 それこそ漢が廃るぜ」

 

「俺たちは絶対に元の世界に戻るんだ

 

 こんなところで躓いてたまるかよ」

 

完二と陽介がともに言う

 

「だったら見せてみるがいい

 

 お前たちのその託された何かというものをな!」

 

そういって無益の大侯爵は

武器である三又の剣をふるって

 

向かっていく

 

陽介は手に持った

二刀の刀を振るっていく

 

激しくぶつかっていく

 

「ぐうううう・・・・」

 

だが敵の力の差は歴然で

陽介はだんだんと押されていく

 

「これはまずいかもしれねえ・・・・」

 

すると

 

「アチョオオオオ!!」

 

そこに強いけりを繰り出して

無益の大侯爵を下がらせるのは

 

「へっへー

 

 うちらのことも

 忘れちゃ困るね」

 

「た、助かった・・・・」

 

さらに

 

「コノハナサクヤ!」

 

炎が現れて

無益の大侯爵へと放たれる

 

無益の大侯爵はそのまま

その攻撃を見た目に似合わない身体能力で

 

かわしていく

 

「私たちはまだ

 やらないといけないことがある

 

 だからここであきらめるわけにはいかないの!」

 

雪子は扇を構えて言う

 

「なるほど

 

 それが先生の言っていた

 未知の能力、ペルソナね

 

 確かにすごいわね・・・・・・

 

 でも」

 

雪子の後ろに一つの影が回り込んでいく

 

「自分のことがおろそかになるのは

 いただけないわね!」

 

無価値の大侯爵はそう言って

武器の三叉戟を雪子にふるっていく

 

「そらあああ!!!」

 

完二がそこに激しい一撃を決めていこうとすると

 

無価値の大侯爵は背中から

天使のような翼を広げて

 

その一撃を止めてしまう

 

「わたー!?」

 

「そおらあ!」

 

渾身の一撃を受けられて

変な叫び声をあげる完二に

 

容赦なく槍の一撃が振るわれていくが

 

そこに由奈が入って

その一撃を止めて見せる

 

由奈は突きを連続してはなっていくが

無価値の大侯爵はその攻撃を次々といなしていく

 

「イザナギ!」

 

悠はそのすきに後ろから

イザナギを向かわせるものの

 

翼に払われてしまい

さらには後ろからそのまま

 

翼による一撃が迫っていく

 

「ぐう・・」

 

それを受けて押されていく一同

 

「さすがにつよいな・・」

 

悠のつぶやきに

無価値の大侯爵は由奈を槍をふるって吹っ飛ばし

 

悠に向かって言う

 

「お前たち人間という下等生物と

 私たち罪徒とは強さの次元が違うのよ

 

 思い知らせてあげるわ

 

 貴方達の思いなど力の前では無価値であると」

 

そういって迫っていく大侯爵姉妹

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この決着は彼らにかかっている・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                   




託された思い

・・・ ・・・・・・・・・

・・・・ ・・・・・・・・

・・・・・ ・・・・・・・・

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