仮面十二/五/二十一 三つの世界と九つの枢要大罪 聖と罪の戦い   作:OOSPH

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土を泳ぐ魚

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・・・・・・・ ・・・・・・・・・


3,Shark's desert

里の南側においては

 

悠と雪子、由奈

 

暁と杏と真、当夜

 

以上の七人は

向かっていく敵と対峙している

 

「意外に迫ってきてるな・・」

 

「なんだかまるで

 鮫さんみたいだね・・・

 

 砂の中を泳いで進んでるみたいに・・・」

 

悠と雪子がそんなことをつぶやくと

 

「なるほど・・

 

 もしかしたらそれは

 いい線を言ってるかもしれませんね・・」

 

由奈が言う

 

「ひょっとしてこのマモノは

 砂の中を掘り進んでるんじゃなくって・・・

 

 泳いでるってことか」

 

「とにかく

 

 引きずり出すよ!」

 

杏がそう言うと

暁と真も構える

 

するっと服装が変わり

顔にはそれぞれ形状の違う仮面がつけられる

 

「わっ

 

 服装が変わった・・・」

 

「ひょっとしてそれって・・

 

 君たちのペルソナの力なのか?」

 

「ああ、そういえば

 詳しく教えてなかったな・・・・」

 

「これは簡潔に言えば

 私たちの反逆の意思の表れってとこかしらね・・」

 

「まあ詳しい話は後にして

 とにかく敵を迎え撃つわよ!」

 

と七人は迎えていく

 

「(雪子さんの言う通り

  敵がもし地面を泳いでいるとするなら・・

 

  念のために私も控えておきましょうか・・)」

 

由奈はこっそりと

聖槍をゆっくりとおろしていく

 

そして砂煙はもう間近に迫ってきている

 

『先輩!

 

 そろそろ始めよう』

 

『ジョーカー

 

 頼りにしてるぜ』

 

ナビの二人が

それぞれのリーダーに声をかけると

 

一同はペルソナを出していく

 

「コノハナサクヤ!」

 

「カルメン!」

 

まずは雪子と杏のペルソナが前に出て

炎による攻撃を砂煙の方に放っていく

 

「ヨハンナ!」

 

真もペルソナにまたがって

熱を出して二人の攻撃に威力を引き出していく

 

すると砂の中から

巨大な突き出た頭部をもつ

 

鮫のような怪物が現れた

 

「土鮫か・・・

 

 まずい!」

 

「え?」

 

当夜の言葉にジョーカーは反応すると

土鮫と呼ばれたマモノはなんと

 

口から水のような攻撃を吐き出してきた

 

「あぶねえ!」

 

当夜は前に出て

羽織っている布のようなものを翻し

 

攻撃をはじいていく

 

「悪い!

 

 俺らの判断ミスだ・・・

 

 まさか土鮫を出してくるなんてな・・・」

 

「どういうこと・・・?」

 

真は当夜に聞くと代わりに

由奈が答えていく

 

「土鮫は土と水の二つの属性を持っているんです

 

 土には炎は効きますが

 炎が効きにくい水の属性が

 ダメージを軽減させてしまうんです」

 

「それじゃあ・・・

 

 私たちの攻撃は効いていないってこと!?」

 

「来るぞ!」

 

土鮫はうろたえる一同に

鋭い牙の並んだ巨大な口を開いて

 

一同に襲い掛かっていく

 

「おりゃあああ!!!」

 

当夜は剣をもって

土鮫の口の中に飛び込んでいく

 

その口の中から

剣を横一閃で切り裂く

 

土鮫は体を大きくのけぞらせて

砂の中へと引っ込んでいく

 

「やった!」

 

「いや、混乱してるだけだ

 

 すぐに出てくるぞ!」

 

当夜は急いで一同の方へと戻っていく

 

「(土鮫は音を察知して

  こっちの位置を探ってる・・

 

  逆にそれを利用すれば・・)」

 

由奈はそう言って

手のひらから風を起こし

 

それを何もない地面に放つ

 

「何を?」

 

「しっ・・」

 

するとその場所から

砂埃が上がると

 

そこから大口を開けて

土鮫が飛び出してきた

 

「当夜!」

 

「よっしゃ!

 

 てやあああ!!!」

 

当夜が勢いよく飛び出していき

土鮫に勢いよく切り込んでいく

 

土鮫は首を裂かれて

身体と頭部が切り離されて

地面に落ちていく

 

土鮫はその後も

しばらくのたうち回っていたが

 

徐々に動きが鈍くなっていき

 

動かなくなっていった

 

やがて土鮫の体から

黒い霧状の者が噴き出して

 

それが土鮫を包み込んでいき

 

黒い霧となって

その霧は霧散した

 

「やった・・・・のか・・!?」

 

「ふう・・・」

 

それぞれ体を落とす一同であった

 

「それにしても・・・・

 

 なんであのマモノは

 あんな何でもないところに?」

 

パンサーは聞いてきた

 

「音だよ」

 

「音・・・・?」

 

「そっか!」

 

「なるほど・・・」

 

当夜は返答するが

 

理解の追いつかないパンサーを差し置いて

雪子とクイーンは納得するようにうなづく

 

「なるほどな

 

 土鮫は地面の中から

 音を感知してこっちの様子を

 探っていたんだな・・・」

 

「だからあえて何もないところを攻撃して

 敵がそこに襲い掛かるように仕組んだわけだな」

 

「そういうこと

 

 土鮫は鮫だから

 

 聴覚に優れてるからな・・・」

 

それを聞いて納得する一同

 

「ですがどうにも腑に落ちませんね・・」

 

「確かにそうだよな・・・」

 

「何がだ?」

 

由奈と当夜のつぶやきに一同は

聞く耳を持つ面々

 

「どうしてここには

 土鮫が一匹しかいないのか・・・

 

 普通マモノを使って

 攻め滅ぼすんならもっとたくさん

 向かわせた方が効率がいいはずだろ

 

 なんだかまるでこっちの戦力を

 削っていくように・・・」

 

当夜がそこまで言うと

 

そこに通信が入ってきた

 

『先輩!

 

 大変!!

 

 里が襲われてる!!!』

 

その通信に一同は驚愕する

 

「なるほど・・

 

 これは戦力を分断させるための

 陽動作戦だったということか・・」

 

「急いで戻らないと・・

 

 状況を伝えられますか!?」

 

『それがなんか雰囲気が・・

 

 前に戦った命令の大総裁と

 似てるような感じで・・

 

 ひょっとしてあれって・・』

 

ナビの報告に

当夜は驚愕の表情を浮かべていく

 

「まさか・・・

 

 罪徒か!?」

 

「え!?」

 

当夜の言葉に

その場にいた一同が唖然とする

 

「急いで戻るぞ!

 

 今残ってるやつだと

 まずいかもしれねえ・・・」

 

「くっ・・・」

 

と七人は急いで里に戻っていくのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼らを待ち受けるものとは・・・・ ・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                   




真なる襲撃

・・・ ・・・・・・・・・

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