蒼が導く幻想の旅路~東方蒼幻録~   作:wingurd

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やっと更新が終わりました。
すいません、二ヶ月近くもかかってしまいました。

仕事の都合もそうですが、新しく出たモンハンワールドやドラゴンボールのゲームが楽しすぎてついついやり込んでしまいました。

異変パート3話目です。
今回の更新で、遂にオリ主の記憶が甦ります。
しかし、まだほんの一部のみなので、新能力覚醒までには至りません。
覚醒の為には、少なくともあと一人記憶を取り戻す必要があります。
尚、今回及び次回の話の中には新能力覚醒に必要となる絶対的な要素が含まれています。

では、異変パート第3話お楽しみください。


幻蒼異変 第一章 《conviction resonance》part3

レミリア達の最大火力を持ってしても傷一つつかないフランの剣、そして、その凄まじい力を目の当たりにしたレミリアは恐怖に屈しかけた。

その恐怖はレミリアの能力に干渉し、未来の光景を写し出す。

それは、レミリアにとっての絶望を表した光景であった。

 

レミリア

(い、今のは・・・未来の光景・・・?倒れていたのはショウ、フランは血まみれ・・・そんな・・・。私達には、フランを・・・救えない・・・?)

 

絶望の光景を見てしまったレミリアは呆然と立ち尽くしてしまう。

しかし、隣からかけられた声により正気を取り戻した。

 

ショウ

「レミリア!しっかりしろ!お前が諦めてどうするんだ!絶望的な状況だが、諦める理由にはならない!前を見ろ!」

 

レミリア

「!?シ、ショウ・・・。」

 

ショウ

「お前が諦めたら誰がフランを止めるんだ?大切な家族なんだろ?お前が・・・レミリアがやらなきゃならないことなんだ。俺も出来る限りの事はする。だから、お前だけは諦めるな!」

 

ショウの言葉を受け、足に力を込め立ち上がるレミリア。

その目には闘志が戻っていた。

 

レミリア

「・・・ただの人間のくせに偉そうに言わないで。誰が諦めるもんですか!フランは、必ず助ける!」

 

ショウ

「やれば出来るじゃないか。その調子で頼むぜ?」

 

レミリア

「・・・・・・・・・・・・ありがとう。」

 

ショウ

「・・・礼は後だ。行くぞ!!」

 

レミリア

「ええ!行きましょう!!」

 

闘志が戻った二人は再びフランへと向き直る。

 

フラン

「お話は終わったかな?じゃあ、続きをしましょう?お兄ちゃん、お姉様。でも、さっきのは少し痛かったから、本気で行くよ?すぐ壊れないでね?」

 

様子を見ていたフランは二人の話し合いが終わったのを確認してから口を開き、同時にカードを取り出した。

そして、言葉の終わりと共にカードが光る。

 

フラン

「禁忌『フォーオブアカインド』」

 

フランのスペルカード宣言を受け、警戒するショウ。

スペル弾幕が来るものとばかり思っていたが、フランのスペルはショウを絶望させて尚余りある程の最悪な物であった。

 

ショウ

「嘘だろ・・・おい・・・。」

 

フランはショウの目の前で4人に分身してみせたのだ。

そして、その分身達もオリジナルと同じく巨大化した剣を所持している。

 

ショウ

「レミリア!あれは一体何なんだ!?幻か?」

 

レミリア

「・・・いいえ。本体は当然一人だけど、他の奴も普通に攻撃してくるわ。単純に2対1が4対2になったってことよ。」

 

ショウ

「・・・・・・ハハ・・・ったく。呆れるほど無理ゲーだな・・・。しゃーねえ!此方もなりふり構っちゃいられねえか!後の事なんか考えない・・・。全力だ!術式解放!黒獣解放『リベレイト・ザ・ビースト』!!」

 

絶望的な事実がレミリアから告げられたが、ショウはあろうことか笑ってみせたのだ。

それを見たレミリアは驚きを隠せない。

更に、ショウはレミリア戦でも見せたオーバードライブを起動したが、魔素の放出量はレミリア戦の時よりも遥かに多かった。

 

レミリア

(これは、私との戦いで使った・・・?でも、あの時とは全く別の力と言っても良いくらいに・・・強い!?)

 

ショウ

「・・・まあ、そう思うよな。自分と戦った時より強いって思ってるだろ?誤解が無いように言っておくが、あの時も全力だった。ただ、ドライブってのは魂の力だ。本人の気の持ち様、テンションで出力が変わったりするんだよ。今はただ、フランを助けることだけに集中してるからな。所謂、一意専心ってやつだよ。」

 

ショウの体から迸る魔素はレミリアの時とは雲泥の差であった。

そして、オーバードライブにより魔素が獣の頭のように変化していく。

 

ショウ

「やることは変わらない。ターゲットが増えただけだ。見た目で判別できない以上、全部の剣を破壊するしかない。かなりきついが・・・やるしか、ないよな!行くぞフラン!」

 

ショウは獣の頭に変化した魔素を剣に纏わせ、4人になったフランへと突っ込んでいく。

レミリアもショウに続き、フラン達と衝突、戦闘が開始された。

 

■■■■■■■■■■■■■■■■

 

~時は戻り、紅魔館大図書館へ~

 

魔理沙

「くそ!血が止まらない・・・。咲夜、急いでくれ・・・!」

 

アリスに応急処置を施す魔理沙だったが、すでにアリスは気を失っており、自ら治療が出来ない状態だった。

組織閉鎖が失われ出血が多くなっており、危険な状態だ。

魔理沙とパチュリーは交互に治癒魔法を施しているが、容態は徐々に悪化していく。

余り猶予は残されていなかった。

 

パチュリー

「まずいわね・・・。これ以上血を失えば、いくら人外の魔女とはいえ、生命維持はきつくなる・・・。まだなの?咲夜!」

 

その時、勢いよく扉が開く。

 

咲夜

「パチュリー様!」

 

二人

「!?咲夜!」

 

二人の耳に咲夜の声が届く。

そして、咲夜の声が届くのとほぼ同時に別の女性の声がした。

 

???

「これは・・・。ひどいわね・・・あと数分遅れていたら危なかったけど、これならなんとかなりそうね。取り敢えず最優先な止血から行うから、そこを退いてくれる?」

 

そこには、赤と青のコントラストの服を着た女性が立っていた。

その女性を見た魔理沙とパチュリーはほっと胸を撫で下ろし、続けて言った。

 

魔理沙

「本当か!?アリスの容態は大丈夫なんだな!?なら、私はすぐに霊夢を呼んでくる。ショウとレミリアだけじゃ、あいつがスペルカードを使ったら手が足りなくなるからな。ここは任せるぜパチュリー!」

 

パチュリー

「わかったわ。なら私は、門にいた美鈴に加勢を頼んでくる。終わったらこっちに手伝いに来るから、それまではアリスを頼むわよ。永琳。」

 

パチュリーの言葉に先程の女性が答える。

 

永琳

「安心しなさい。私が来た以上、絶対に助けるわ。」

 

魔理沙

「よろしく頼むぜ。じゃあ、私は霊夢を超特急で呼んでくる!ショウ、無事でいろよ・・・。」

 

永琳の言葉を受け、箒に跨がりながら答える魔理沙。

図書館の窓から猛スピードで空を飛んでいった。

 

パチュリー

「私も美鈴を呼んでくるから、ここは任せたわ。すぐに戻るけど、それまでアリスを頼むわよ。」

 

パチュリーも図書館を出て未だ休んでいる美鈴を呼びに行った。

永琳と一緒に来た咲夜は、強行軍であったのかソファーに横になり体を休めていた。

そして、治療を始める永琳。

持っていた荷物からたくさんの瓶を取りだし、手早く治療を済ませていく。

 

永琳

「ああやって啖呵を切った以上、責任は取らないとね。医者の名にかけて必ず救ってみせる。死なせはしないわ。」

 

額に汗を滲ませながら、永琳による治療は進んでいく・・・

 

■■■■■■■■■■■■■■■■

 

~場面は戻り、紅魔館メインホール~

 

ショウ、レミリアの二人は、四人に分身したフラン達と戦闘している。

しかし・・・

 

フランA

「アハハハハ!動きが鈍くなってるよ?お姉様!」

 

フランB

「そんな動きじゃかわせないよ!」

 

レミリア

「クッ!?こう、多角から攻撃されちゃ・・・」

 

フランA

「隙見っけ。そこだよ!」

 

レミリア

「!?しまっ――きゃあ!?」

 

攻撃を受けた際の僅かな硬直を狙われ弾幕の直撃をうけてしまう。

衝撃により紅魔館の床に叩きつけられたレミリア。

 

ショウ

「レミリア!?くそ!」

 

直撃を受けたレミリアを助けようとレミリアの元へ向かおうとするショウだが――

 

フランC

「余所見しちゃダメだよお兄ちゃん。」

 

フランD

「お兄ちゃんの相手は私達でしょ?」

 

ショウの前に残り二人のフランが立ち塞がる。

 

ショウ

「邪魔だ!どけ!」

 

魔素を解放しフラン達に向けて剣を振り抜くショウ。

しかし、ここでショウは、自身の身に起きていた異変に気付いた。

 

ショウ

(な!?こ、これは・・・?何が起こったんだ?)

 

ショウが振り抜いた剣をあっさりと受け止め、反撃により地面にショウを叩きつけたフラン。

かろうじて受け身を取り衝突は避けたが、ダメージ全ては受け流せず膝をつき、フランを見上げるショウ。

その顔は、困惑の表情を浮かべていた。

 

ショウ

(どういう事だ・・・?魔素が・・・、魔素の出力が、明らかに落ちている!?)

 

先程フラン達へ振り抜いた剣には、自身の感覚的にかなりの魔素を込めて振ったつもりだった。

しかし実際は、ほとんど込めることができなかった。

更に、改めて冷静に考えれば、自身の体から放出されていた魔素の勢いも先程に比べて格段に弱くなっている。

つまり・・・

 

ショウ

「体から・・・魔素が減っている・・・だと。」

 

ショウの体から放出される筈の魔素が、『減っていた』のだ。

その事に疑問を抱いたショウはフラン達を見る。

そして、フラン達にも明らかな異常が起きていた。

フラン達が持っていた剣の紫色の光が、先程に比べても明らかに輝きを増していた。

その結果から、ショウは直ぐ様異常の原因を見抜く。

 

ショウ

「まさか・・・お前ら。俺の魔素を、吸収・・・しているのか・・・?」

 

フラン達

「あれ?ばれちゃった?案外早かったね?そうだよ。これが、魔剣『ダーインスレイブ』の特性。つまりは・・・対象の『捕食』・・・だよ。」

 

ショウ

「『捕食』・・・だと?」

 

フラン達

「うん。相手の力を奪い取り、自分の力に変える能力。つい最近、この剣を手に入れてから出来るようになったんだ。」

 

フラン達四人は同時に話す。

この異常事態は自分の剣が持っている力だと。

ショウは改めて考える。

フランが元凶の剣を使いはじめてから、レミリアの動きが鈍くなり、自分の魔素が減ってしまったこと。

そして、それとは逆にフラン達の力は徐々に増していること。

その事実は、思考していたショウの頭の中から、一つの記憶を呼び覚ました・・・

 

ショウ

(・・・何故だ・・・)

 

頭の中から沸き上がる感情。

それは・・・疑惑。

眼前にある事象は、絶対にあり得ない筈なのに。

 

ショウ

(・・・どういう事だ・・・)

 

心の奥から溢れ出す感情。

それは・・・憤怒。

身を焦がす程の・・・怒り。

 

二つの感情が二重螺旋を描き、やがて心の中で一つになる。

ゆっくりとショウは口を開いた。

そして・・・心の中では、甦った記憶が沸き上がるように、ある『人物』の言葉が紡ぎ出される。

 

ショウ

「何故だ・・・!・・・そいつは・・・!」

 

???

《辛くて、悲しくて、もう誰も・・・》

 

ショウ

「その力は・・・アイツの!」

 

???

《失いたくねえから・・・大事な物を、守りたいから!》

 

そして遂に、ショウはその人物の『名前』を口にした。

 

ラグナ

《俺は、力を求めたんだ!!!》

 

ショウ

「『ラグナ』が求めた・・・守るための力!『ソウルイーター』じゃねえか!!!」

 

ショウの眠っていた記憶が、遂に甦った。

止まっていた時計の針は動きだし、ショウの内に眠る新たなる力の胎動が始まる・・・

 

to be continue




異変パート第3話終了です。

ご覧の通り、オリ主が取り戻したのは、死神『ラグナ・ザ・ブラッドエッジ』の記憶です。
そして、話中に出てきたラグナの台詞は、ラグナが力を求めた理由を自覚した時に喋った台詞を採用しました。

次回で対フラン戦は終了し、第2戦の導入部を書いてから第2戦を書く予定です。
異変パートの後は、日常パートと紅魔館訪問及びレミリア再戦、そして、一つ目のギャグシナリオを投稿します。
尚、ギャグシナリオの投稿時には少しばかりの遊び心で、元のゲームであった選択肢システムを採用します。
内容は、本編進行の話とギャグシナリオの話をそれぞれ作り、前の話の最後で選択肢を設けます。
そして、本編進行の話とギャグシナリオの話を同日の同じ時間に投稿し、タイトルに選んだ選択肢を貼っておけば、閲覧した方が選んだ選択肢がどちらの話なのかが楽しめると思いますので上手く出来るかはわかりませんが、試してみようと思います。
ただ、同時投稿の関係上、更新がかなり遅くなるのは確実ですので、その点はご了承ください。

では、次回更新までしばらくお待ちください。
ありがとうございました。

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