蒼が導く幻想の旅路~東方蒼幻録~   作:wingurd

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更新完了しました。

やはり遅くなってしまい申し訳ありません。
更新間隔が長くなるのは仕事の都合もあり諦めている部分もありますが、文章構成力が上がれば多少はましになるかもしれません。

やっぱり、活字や小説等を読み込んで勉強すべきですかね?

尚、異変パート中も後日覚醒能力の他に新技や新スペルも登場予定です。
また、フラン戦では遂に、オリ主のアストラルヒートが解禁される予定です。
一撃必殺の技にふさわしい性能にするつもりですが、やり過ぎないようによく考えて作るよう気を付けます。
資料集更新は異変パート後になりますのでご了承ください。

では、本編をお楽しみください。


幻蒼異変 第一章 《conviction resonance》part2

フランの剣を受け止めていた二人は、呼吸を合わせてフランを弾き飛ばし距離をとる。

距離が離れたことを確認したショウはレミリアに話しかけた。

 

ショウ

「レミリア、手段は問わない。フランの動きをどちらかが止めて、もう一人が最大火力でフランの剣を破壊するんだ。剣を破壊すれば魔素の供給は止まる。そうすれば最悪の状況だけは回避できるはずだ。」

 

レミリア

「わかったわ。破壊すれば、とりあえず変異してしまう事は避けられるわけね?」

 

ショウ

「そうだ。ただ、生半可な攻撃では破壊できないぞ。供給される魔素により剣自体がかなり強化されているはずだ。あの剣もレミリアの槍と同じく魔力を内包した魔導兵装だろ?魔素の影響で剣の特性も変化している可能性もある。俺の時みたいに油断や慢心はするなよ?」

 

レミリア

「な!?バ、バカ言わないで!時と場合くらい弁えてるわよ!」

 

ショウ

「なら結構だ。行くぞ!レミリア!」

 

レミリア

「足を引っ張らないでよ!ショウ!」

 

ショウの作戦を聞きレミリアが了承、フランとの戦闘を開始しようとした時、メインホールの扉が開いた。

 

魔理沙

「ショウ!一体何事だ!?・・・って!?」

 

パチュリー

「レミィ!馬鹿な真似はやめなさ・・・!?」

 

入ってきたのは魔理沙と知らない女性だったが、レミリアの名前を略称で呼んだことを考えれば、紅魔館の住人だと分かる。

ホール内に入ってきた二人の目に飛び込んできたのは、上空で狂気の笑みを浮かべる鬼と、それと相対しているショウとレミリアの姿、そして、二人の後ろで血を流しながら横たわるアリスの姿だった。

 

魔理沙

「ア、アリス!?どうしたんだぜ!その怪我!?重症じゃないか!?おい、ショウ!どういう事なんだぜ!?」

 

パチュリー

「これは一体・・・?レミィ!何があったのよ!?」

 

フラン

「何って、私がアリスを刺したんだよ?だって、お姉様すごく楽しそうに遊んでたんだもん。フランだって遊びたい!楽しく楽しく・・・殺し合いしたかったんだよ。アリスはすぐ壊れちゃったけどね?お姉様は本気で遊んでくれないし。誰でもいいから遊ぼうよ?誰でも・・・イイカラサァ!」

 

現状を理解出来ない二人はショウとレミリアに荒い口調で質問したが、回答したのはどちらでもなく、上空にいた張本人だった。

事の説明をした後、翼を広げて魔理沙達に襲いかかるフランだったが、直前に割り込んだショウ達に止められた。

フランの攻撃を受け止めたショウ達は、魔理沙達に背中越しに叫ぶ。

 

ショウ

「魔理沙!訳は後で話す!直ぐにアリスを治療してくれ!アリス自身が治癒魔法で治療しているが、今にも気絶しそうだ。気絶したら治癒魔法も止まってしまう。時間がないんだ!頼む!」

 

レミリア

「パチェは魔理沙を手伝いなさい!急所は外してるみたいだけど出血がひどいわ。魔理沙一人じゃ手に負えないはずよ。直ぐにここから連れ出して治療を施しなさい!」

 

魔理沙

「わ、わかったぜ!」

 

パチュリー

「訳は後で教えなさいよ、レミィ!魔理沙!アリスを担いで図書館へ!私は咲夜に永琳を呼びに行かせるわ!今アリスを飛行でつれていくのはリスクが高すぎる!図書館のベッドに寝かせておきなさい!」

 

魔理沙

「ああ!咲夜は門の前で休んでるはずたぜ!直ぐに向かってくれ!」

 

魔理沙達にアリスの治療を依頼し、魔理沙達は直ぐに行動を開始した。

魔理沙はアリスを担いでメインホールを出て図書館へ。

パチュリーは咲夜のいる門の前へと飛行していった。

 

フラン

「邪魔しないでよお姉様。私はただ遊びたいだけだよ?はやく、早く誰か遊んでよ!」

 

ショウ

「お前の相手は俺達だろ?ちゃんと遊んでやるから他人を巻き込むな。俺達との遊びに集中しろよ。でないと・・・せっかくの遊びが、直ぐに終わりになるぜ?」

 

レミリア

「フラン!今度は全力でやるわ!必ず貴方を止めて見せる!だから、私達の相手に集中しなさい!」

 

フランを再び弾き飛ばし、フランに啖呵を切るショウとレミリア。

ショウは左手の指先に傷をつけ、レミリアは右手を前に持っていき、それぞれ叫んだ。

 

ショウ

「罪の聖櫃『クライムアーク』・・・起動!!」

 

レミリア

「真名解放・・・神葬『スピア・ザ・グングニル』!!」

 

ショウ

「さあ、遊ぼうぜ!フランドール・スカーレット!!」

 

レミリア

「必ず助けて見せる!行くわよ!フラン!!」

 

二人は自らを鼓舞するように叫び、フランに向かって跳躍した。

対するフランは狂ったように笑いながら声をあげる。

 

フラン

「アハハハハハハハ!そうだよ!それを待ってたんだよ!ようやく遊ぶ気になってくれたんだね!さあ、たっぷり遊ぼう?たくさんたくさん、コロシアオウヨ!!」

 

翼を広げて一直線にこちらに向かってくるフラン。

上段から力任せに紫色の剣を振り下ろす。

対するショウ達は左右に別れて回避し、フランに向かって弾幕を放った。

しかし、フランは避ける動作を取らず、周囲に向かって横薙ぎに剣を振り抜き、弾幕を切り払った。

 

フラン

「ダメだよ。通常弾幕なんてつまんない。殺す気で来てくれなきゃ。」

 

ショウ

「簡単に言ってくれやがって。なら、お望み通りに全力だ!レミリア!俺に続け!」

 

レミリア

「わかったわ!」

 

スペルカードを取り出したショウの掛け声に合わせてレミリアもカードを掲げる。

 

ショウ

「喰いちぎれ!闇牙『キリングラッシュファング』!」

 

レミリア

「行け!紅符『スカーレットシュート』!」

 

ショウ達はスペルカードを発動。

それぞれのスペル弾幕がフランに迫る。

しかし、それでもフランは動かず不適に笑いながら言い放った。

 

フラン

「フフフ・・・そうこなくちゃね。でも、まだ足りないかな?禁忌『クランベリートラップ』」

 

フランもカードを取り出しスペルを発動。

二人が放ったスペル弾幕を相殺するつもりかと思っていたが、結果は予想を越えていた。

フランのスペルは二人の弾幕を打ち消して尚健在で、二人に迫ってきた。

 

ショウ

「そ、そんな馬鹿な!?ぐあ!?」

 

レミリア

「嘘でしょ!?きゃあ!?」

 

信じられない結果に反応が遅れ被弾してしまう二人。

被弾した二人を見下すようにフランが声を発した。

 

フラン

「全然足りないよ。殺す気がない弾幕じゃ遊びにもならない。ねえ?真面目に遊んでくれるって言ったよね?この程度なの?これで本当に全力なら、もう殺しちゃうよ?」

 

ショウ

(くそ・・・出来る限り傷をつけたくはない。しかし、このままじゃ俺もレミリアもじり貧だ。仕方ない・・・ある程度のダメージは覚悟するしかないか・・・。)

 

ショウ

「・・・・・・後悔するなよ?」

 

フラン

「?」

 

フランはショウの呟いた言葉が聞き取れず、疑問符を浮かべていた。

そして・・・

 

ショウ

「―――シッ!」

 

フラン

「!?」

 

一瞬凄まじい殺気が放たれると同時にフランの視界からショウが消える。

次の瞬間、フランの右腕に浅く切り傷がつき、背後にはショウが立っていた。

 

ショウ

「出来れば君を傷つけたくなかったが、これ以上は許容できない。殺しはしないが、多少の怪我は覚悟してもらうぞ・・・。」

 

肩越しにフランを睨み付け強烈な殺気をフランに向けるショウ。

その殺気を見たレミリアは戦慄し、フランは狂気に満ちた笑顔を浮かべた。

 

フラン

「アハハハハハハハ!凄い殺気!これこれ!これだよ!やっぱりお兄ちゃんを選んでよかった。お兄ちゃんとなら、本当に楽しく遊べそうだね!!」

 

ショウの殺気を受けたフランから更に強烈なプレッシャーが放たれる。

 

ショウ

「・・・レミリア。」

 

レミリア

「!?な、何?」

 

放心状態のレミリアに声をかけ正気に戻す。

戻ったのを確認したショウは続けて言った。

 

ショウ

「これ以上長引けばじり貧だ。悪いけど、フランを無傷で救うのは難しい。多少なりとも怪我をさせることになりそうだ。すまないが、最悪の結果も覚悟してくれ。」

 

レミリア

「ショウ・・・わかったわ。好きにしなさい。フランも吸血鬼よ。そう簡単には死なないわ。とりあえず助けることだけに集中してちょうだい。」

 

ショウ

「わかった。ならまずはフランの体力を削るぞ。拘束しやすいように動きを鈍らせるんだ。行くぞ!!」

 

レミリア

「了解よ!」

 

ショウとレミリアは同時に突っ込む。

しかし、フランも二人を迎撃しようとしていた。

フランが槍を構えて突撃してきたレミリアに剣を振り下ろす。

 

ショウ

「させねえよ。」

 

ショウの言葉と同時に、フランの足元から魔素が放出され、衝撃によりフランを後方へ弾き飛ばす。

 

レミリア

「そこ!」

 

そして、空中に飛び退いたフランめがけレミリアは槍を投擲、唸りをあげて槍がフランに向かう。

 

フラン

「まだまだ!」

 

フランは向かってくる槍を剣で打ち落とそうと上段から力任せに剣を振り下ろした。

激しい炸裂音と共に暫く拮抗したが、やがて槍が弾かれ地面に落ちる。

 

フラン

「やっとお姉様も本気になってくれたね。アハハ!楽しくなってき―――」

 

ショウ

「邪影槍『イビルゲイトランス』!!」

 

槍を弾いて笑いながら話すフランが言葉を言い終わる前に、フランの背後にいたショウがカードを掲げてスペルカードを発動した。

発動した瞬間、ショウの周囲に黒いオーラを纏った槍が複数出現し、フランに向かって行った。

 

フラン

「黒い槍?でも、軌道は直線的だね。こんなの簡単によけらるよ。」

 

槍は直線的な軌道のためフランは横に動きあっさりと回避した。

だが、ショウはかわされたにも関わらず全く表情を崩していない。

そして、ショウが口を開いた。

 

ショウ

「安心するのはちょっと早いな、ガキんちょ!」

 

フラン

「え?何?・・・きゃあ!?」

 

ショウの言葉に疑問を抱いたフランだったが、直後に背後から衝撃を受け体勢を崩した。

 

フラン

「いたた・・・。何?何が起こったの?」

 

予想していなかったダメージを受けたフランは周りを見渡す。

周囲を確認したフランの目には、空間に空いた穴のようなものが複数、自分を取り囲むように浮かんでいるのが見えた。

そして、その穴から無数の黒い槍が出現し、フランめがけて飛来する。

 

フラン

「空間転移型の弾幕!?すぐ地面に降りないと!」

 

ショウ

「逃がすか!レミリア!広範囲タイプのスペルを頼む!」

 

レミリア

「了解よ!天罰『スターオブタビデ』!」

 

ショウ

「爆ぜろ!混沌『カオスゲヘナ』!」

 

槍を回避するため地面に降りて行こうとするフラン。

対して、ショウは空中から逃がさないようにレミリアにスペルカードの発動を頼み、自身もスペルを発動。

レミリアからレーザーが複数放たれると同時に球体とリング状の弾幕が発射される。

ショウのスペルが発動すると、フランの周囲にゆっくりと動く黒い球体と素早く直線的軌道でフランへと向かっていく白い球体がそれぞれ複数出現した。

 

フラン

「白と黒の球体・・・?」

 

飛来する黒い槍とレミリアのスペルを回避しながら、フランはショウが発動した新しいスペルカードを観察していた。

黒い球体はフランの周りをゆっくりと旋回しているのみで向かってくる事はなく、白い球体も直線的な軌道のため回避は容易であった。

しかし、白い球体がフランに回避されフランの背後に漂っていた黒い球体に衝突した時、黒い球体が白い球体を吸収し、黒と白の斑模様の巨大な球体に変化した球体は直後に爆発、周囲に対して無差別に大量の弾幕をばらまいた。

 

フラン

「うそ!?危なっ!?って、きゃあ!?」

 

フランは球体の変化に驚愕したが、瞬時に反応し背後からばらまかれた弾幕を咄嗟に回避したものの、回避した先でレミリアの弾幕に被弾、休む間もなく黒い槍がフランの直近まで迫っていた。

 

フラン

「この!邪魔だよ!」

 

フランは持っていた剣を横薙ぎに振り抜き槍を吹き飛ばしたが、吹き飛ばした後のフランの視界には、目の前で巨大化している3つの斑模様の球体が写っていた。

 

フラン

「な!?嘘でしょ!?」

 

フランが認識した正にその瞬間、3つの球体は爆発し弾幕をばらまく。

至近距離で広範囲にばらまかれた弾幕をかわせるわけもなく、まともに被弾したフランは後方に弾き飛ばされ壁に激突した。

 

フラン

「かはっ!」

 

衝突した衝撃で肺の空気が押し出され、苦しさからフランの動きが止まる。

 

ショウ

「今だ!やるぞ!」

 

レミリア

「このチャンス、逃しはしないわ!」

 

動きが止まったのを確認した二人は瞬時に最大級の技を放とうと力を集中させる。

 

ショウ

「貫け!『バニッシュゲイザー』!!」

 

レミリア

「行け!神殺しの槍!!」

 

ショウとレミリアは同時に最大火力を解き放った。

レミリアが投げた槍を覆うようにショウの黒い波動が放たれ、一つの巨大な波動になり、真っ直ぐフランが右手に持っている元凶の剣に迫る。

 

レミリア

「これで!!」

 

ショウ

「終わりだ!!」

 

直撃を確信し咆哮する二人。

二人の放った波動が直撃する正にその時だった・・・

 

フラン

「・・・・・・・・・・・・・・・魔剣―」

 

衝突の瞬間、フランが何かを呟く。

そして―

 

フラン

「『ダーインスレイブ』!!」

 

フランの咆哮が響き、紫色の鈍い光が放たれた。

一瞬目が眩んだ二人がフランを見ると、そこには、傷一つない紫色の《巨大》な剣を振り下ろしたフランが、こちらを睨み付けていた。

 

ショウ

「ば、馬鹿な・・・。無傷だと!?」

 

レミリア

「そ、そんな・・・。」

 

信じられない結果に驚愕する二人。

そして、フランが凄まじい殺気を放ちながら口を開く。

 

フラン

「お兄ちゃん、お姉様・・・」

 

口を開いたフランの顔は、正に《悪鬼》そのものだった。

 

フラン

「あまり調子に乗らないでよ・・・。勢い余って・・・コロシチャウジャナイ!!」

 

狂気に歪んだ顔のフランが剣を掲げ、言葉と共に振り下ろした。

剣はショウとレミリアの間を通過し、紅魔館の床にぶつかると、まるでバターのように床が抵抗なく抉り取られた。

 

二人

「な!?」

 

その事実に驚きを隠せない二人。

その二人を狂気に歪んだ顔で見つめるフラン。

そして、恐怖に屈しかけていたレミリアの頭には、ある光景が写り込む。

それは、自身の能力『運命を操る程度の能力』により写し出された未来の光景。

 

血にまみれたフランの前に横たわる男、そして、涙を流しながら天を見上げる自身の姿だった・・・

 

to be continue

 




異変パート第二部終了しました。

今回はオリ主の新スペルカードが2枚登場しましたが、基本はオリ主の必殺技から似たようなニュアンスの単語をチョイスしています。
(シャドウファング→キリングラッシュファング等)
フラン戦では、未だ全部の技は出しきれないと思いますが、異変パート終了までにはオリ主の必殺技を全て出す予定です。

次回更新は出張があるので未定ですが、概ね一月辺りを目処にちょこちょこ仕上げていきますのでご了承ください。

では、次回更新までしばらくお待ちください。
ありがとうございました。

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