蒼が導く幻想の旅路~東方蒼幻録~   作:wingurd

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第3話パート1です。
導入部になりますのでまだ館内には入りません。
今回の攻略は、オリ主に加え魔理沙、アリスが同行します。

第3話は紅魔館攻略ですが、異変の舞台になる場所でもあるので紅魔館内は厳戒体制になっており、全く友好的ではありません。
むしろ、敵意剥き出しです。

攻略の後異変パートですが、正確には攻略途中から異変パートになりますのでご了承ください。

では、第3話パート1お楽しみください。


幻の旅路 第3話 緋色の狂気 part1

アリス

「いい?動かないで・・・」

 

ショウ

「ア、アリス・・・」

 

アリスはショウに静かな口調で語りかけつつ、ショウの体に手を伸ばす。

ショウは、上着を脱ぎ、上半身は裸だった。

 

アリス

「じゃあ・・・やるわよ?」

 

ショウ

「・・・いや、やっぱり・・・」

 

アリス

「もう・・・あとには引けないの。諦めなさい。こうしなきゃ私の気が済まないのよ。じゃあ、いくわよ・・・」

 

アリスの手がショウの体に触れる。

そして・・・

 

アリス

「ふん!」

 

ゴキッ

 

鈍い音がした・・・

 

ショウ

「あだだだだだだ!?」

 

ショウが悲鳴をあげる。

アリスにより身動きが出来ない状態になっており、アリスからの若干(?)荒っぽい治療を受けていた。

 

今いる場所はアリスの家。

アリスは、ショウを傷つけたお詫びがしたいと言い、治療のためショウを自分の家に招待していた。

 

一通りショウの治療(?)を終えたアリスは、ショウに対して話しかける。

 

アリス

「はい、終わりよ。体の調子はどう?」

 

ショウ

「途中ものすごく痛かったんだが・・・不思議だ。なにも問題ない。むしろ、調子が良いくらいだ。」

 

アリス

「なら良かったわ。今から昼食作るからちょっとここで休んでいて。一応シャンハイを待機させとくから、何かあったらシャンハイに言って。言ってくれれば私を呼びに行ってくれるから。」

 

ショウ

「すまないな。治療の上に食事まで世話になってしまって。」

 

アリス

「傷の大半は私のせいよ。治療するのは当然。食事についてはお詫びの代わりよ。それじゃあ、待っててちょうだい。」

 

そう言ってアリスは部屋を出ていった。

ふと、周りを見回してみると、部屋の至るところに人形が置かれており、部屋の見た目は非常におしゃれだ。

改めて、女性の部屋に招かれた事を実感している。

その時だった。

 

???

「おーい!アリスいるかー!?」

 

ショウ

「ん?どうやら来客らしいな。シャンハイ、ご主人様を呼んで来てやってくれ。」

 

「シャンハーイ」

 

シャンハイから承諾ととれる返事が返ってくる。

意思が伝わることに改めて、かなりの完成度の人形だと感服している。

シャンハイが部屋から出ていった後暫くして、何やら騒がしい声が耳に届いた。

どうやら言い争いらしい。

流石に心配になり部屋の外に出ると、そこにいたのは・・・

 

魔理沙

「めっちゃ探したのに結局見付からなかったぜ!?ホントにちゃんと見たのかよアリス!」

 

あからさまに腹を立てている魔理沙だった。

アリスがついた嘘を真に受けて、ずっとキノコを探していたようだ。

そして、魔理沙の前で困ったような顔をしているアリス。

仕方ない、と呟きながら魔理沙とアリスの元へ歩いていった。

密かにドライブを起動し、魔素をある形にしながら・・・

 

ショウ

「すまないな魔理沙。多分アリスが見たのはこいつだよ。」

 

そう言って魔理沙に、先程の形を変化させた魔素を見せる。

それはキノコの形になっており、見た目はかなりどす黒く、触りたくない外見だった。

 

魔理沙

「あれ?ショウ?何でアリスの家にいるんだぜ?ていうか今、ショウが持ってるのがアリスが見たキノコって言ったのか?」

 

ショウ

「ああ、多分な。かなり強い毒性がありそうだったから、危険だと思って回収したんだが、実際ヤバい代物だ。俺は毒性に対して高い耐性があるから持っていられるけど、他の奴だったら瞬く間に毒にやられかねない。」

 

魔理沙

「マジかよ・・・初めて見るキノコだから持って帰りたいんだがなー。触れないんじゃお手上げだぜ・・・。そっか。ショウが先に回収してたんじゃ見付からないわけだぜ。悪かったなアリス。怒鳴っちまって。」

 

ショウの話を聞き、怒りは収まったようで、アリスに対して謝罪する魔理沙。

対して、予想していない所からのフォローに反応仕切れず困惑しているアリスは、テンパりながらも魔理沙に言葉を返した。

 

アリス

「え!?あ、いや・・・い、良いわよ、別に。仕方なかったんだし。魔理沙が疲れたのは間違いないんだから。あと、タイミング良いわね魔理沙。丁度お昼にしようと思ってたの。良かったら食べてく?」

 

魔理沙

「お!良いね!お腹すいてたんだよ。そういう事なら有り難くご馳走になるぜ!」

 

アリス

「それじゃあ、先にリビングで待っててちょうだい。後から料理持っていくわ。」

 

魔理沙は嬉しそうに頷き、リビングへと歩いていった。

ショウも後を追おうとしたが、後ろからアリスに袖を引かれその場に止まる。

 

ショウ

「アリス?どうした?」

 

アリス

「ごめんなさい。助かったわ。でも良かったの?わざわざ嘘までついて。」

 

ショウ

「何だ、そんな事か。別に構わないよ。アリスと魔理沙は友達だろ?ちょっとした事で関係に傷が入る可能性もあるからな。俺の一言で場が収まるならその方が良い。」

 

アリス

「ショウ・・・ふふ・・・貴方ってバカな上にお節介なのね。」

 

ショウ

「ほっとけ。性分だよ。」

 

先の魔理沙とのやり取りについてアリスと笑いながら談笑していた。

 

魔理沙

「おーい。まだかー?待ちくたびれたぜー?」

 

魔理沙からの呼び掛けに気付き、会話を中断、二人で顔を見合わせる。

 

アリス

「魔理沙ったら、一応女の子なのに。まあいいわ。行きましょうか?」

 

ショウ

「ああ、そうだな。」

 

この後、魔理沙も合わせて三人で昼食を食べた。

思えば、ショウにとっては初めての団欒の時であった。

 

三人

「ごちそうさまでした。」

 

食事を終えた三人は、出掛ける準備をして外に出る。

当初の予定通り、紅魔館に向かう為だ。

 

ショウ

「そろそろ出発しようか。アリス、魔理沙、すまないが案内を頼む。」

 

アリス

「分かったわ。魔理沙、行きましょう。」

 

魔理沙

「おう!それじゃあ、はぐれないようにしっかり着いてこいよ?」

 

そう言ってアリス、魔理沙は飛翔、ショウはドライブを起動し身体能力を強化、走ってアリスたちに着いていく。

アリスとの件で時間がたってしまい、当初の予定より少し遅れている為だ。

 

最初は歩いて向かっていたが、今回はスピード重視、その上アリスの家から紅魔館まではそれほど離れていないので、出発してすぐに視界の中に赤色の館が映る。

あれが目的地のようだ。

 

ショウ

「あれが、紅魔館か・・・」

 

ショウ達三人が館に近付いた丁度その時、上空の二人に向かって弾幕が飛来した。

 

二人

「!?」

 

ショウ

「!?させるか!行け!」

 

予想していない攻撃に二人の反応は遅れたが、身体能力を強化しているショウはいち早く反応しており、二人に飛来した弾幕に対して迎撃の弾幕を放つ。

二つの弾幕は互いに相殺し、周囲に噴煙が舞う。

アリスと魔理沙はその間に、下にいるショウの元へ降り、三人は合流しつつ弾幕が飛来してきた赤色の館へ向かって進むと、そこには・・・

 

???

「あら?魔理沙にアリスじゃない。ごめんなさいね。わからなかったわ。でも残念だけど、今は誰も紅魔館内に入れるなとお嬢様から命令されてるの。お引き取り頂ける?」

 

???

「聞けないと言うならすみませんが実力行使させていただきます。弾幕ごっこじゃなく、本気の実力行使ですので、すみませんがお引き取りください。」

 

二人の女性が門の前に立ち、こちらに敵意を向けていた・・・

 

to be continue




第3話パート1終了です。
次回は最後に登場した、「完全で瀟洒な従者」の誰かと「中国と呼ばれる門番」の誰かとの戦闘パートです。(殆ど名前言ってるのと同じじゃねーか!?)

戦闘は本編でも言われましたが、ガチバトルになります。
魔理沙、アリスが不利になりますが都合上仕方ないので悪しからず。

あと、この二人との出会いもショウの能力覚醒の条件に当てはまります。(初回覚醒の条件ではありませんが)

では、次回更新までしばらくお待ち下さい。
ありがとうございました。

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