Fate/どうでしょう?   作:頭が米騒動

10 / 13
明日からコラボだぁ、メルト当てるぞー。


誘拐と言っても過言じゃない

 ───How do you like fate?───

 

 

 

 

 

「そういや、新撰組で有名な池田屋ってどうなってるんだっけ?」

 

「確か、現在は料理屋になってるとのことですが………」

 

「池田屋ですか…………懐かしいですねぇ。

あの当時は土方さんといい、永倉さんといい、みんなヒャッハーしてましたから、討ち入りとなると全員人が変わってましたよ」

 

「なんという世紀末………いや、幕末じゃったか……ホントに何でお主ら負けたんじゃ…?」

 

「ホントにな………」

 

染々としているおき太に遠い目をするノッブと藤丸。

藤丸たちが地図を見ながら話し込んでいると、藤丸は誰かに見られているような気がして周りを見渡す。

 

「どうかしましたか?先輩」

 

「いや、なんか見られているような気がして………」

 

藤丸は気のせいかと地図を見直した時だった。

 

「ッ?!先輩っ?!」

 

「お、おぉっ?!」

 

藤丸の身体を何者かが奪い去った。

歴戦のサーヴァントたちは気が緩んでいたとはいえ、その速さに全員が反応出来なかった。

 

「小太郎さんっ!静謐さんっ!!」

 

「御意っ!!」

 

「お任せをっ!!」

 

辛うじて反応できたアサシン二人はその影を追おうとするが。

ニタァと笑うその影の()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「なッ?!」

 

「これはっ?!」

 

動けなくなった二人を尻目に謎の影は藤丸を拐って何処かに消えていく。

 

 

「せ、先輩ぃぃぃッ!!」

 

 

藤丸を呼ぶマシュの叫びが虚しく京都の町に響く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で?何で来たん?」

 

「お前が私を差し置いて、旅に出るのが気に食わんかったのでな。魔術師を脅して着いてきただけだ」

 

藤丸が拐われた位置から少しほど離れた、とある高層ビルの屋上に藤丸と誘拐犯の二人はいた。

誘拐犯こと藤丸を拐ったのはカルデアに居るはずのゴルゴーンだった。

 

「なるほど、寂しかったからついてきたと」

 

「ほう、そんなことを言うのはこの口か」

 

藤丸の言葉を聞いたゴルゴーンは藤丸の頬を引っ張る。

 

「いふぁい、いふぁい」

 

藤丸のゴムのように伸びる頬を引っ張りながら、フフフと笑うゴルゴーン。

そして藤丸をまるで人形のように蛇のような髪を使い、自らの膝に座らせた。

それには流石の藤丸も恥ずかしかったのか、抵抗しようとするがサーヴァント相手には流石に勝てなかった。

 

 

 

 

察しの良い方は分かるであろうが、敢えて言おう。

今、二人の体勢から藤丸の頭の位置にあるのは、まごうことなき豊満な『おっぱい』である。

 

もう一度言おう、『おっぱい』であると。

 

 

 

 

「あの、すいません、勘弁していただけませんか?」

 

「何を、だ?」

 

ゴルゴーンはまるでイタズラッ子のような笑みを浮かべ、顔を赤く染めた藤丸を弄ぶように身体に触れていく。

 

「わかっててやってるよな?」

 

「ふふふ」

 

端から見れば仲のいい、イチャイチャしているカップルに見えなくもない。

但し、うねる蛇のような髪と、長く黒い蛇の尻尾が無ければの話だが。

 

「では、マスター。今日は私のためにこの町のエスコートをお願いしよう」

 

「ちょっ………その格好で?」

 

藤丸はゴルゴーンの格好を見て思わず聞き返した。

心外なと言わんばかりにゴルゴーンは藤丸を睨む。

本気で睨むと藤丸が石になるので、そこは配慮はしていたが。

 

「私とて分別はある。この姿なら良いだろう?」

 

ゴルゴーンが光に包まれれば、そこにいたのは黒い服、ジーンズに魔眼封じの眼鏡をかけたメデューサが。

 

「こんな時のためにキャスターどもに姿を変えれるように頼んでおいた」

 

「ああ………そう……」

 

藤丸はカルデアで死屍累々のキャスターたちを幻視した。

 

「このような時にしか役に立たんのだ。使ってやればよかろう、特にパラケルススなどは」

 

「ひどい言い様だけど、パラケルススに関しては擁護出来ない………っ!」

 

パーティに入れても使い処がわからず、単なるおもしろイベントの黒幕要員になっている、パラケルスス。

そんなパラケルススにくっと顔を押さえる藤丸。

 

「ふ、そんな話はどうでもいいのだ。

今日のマスターの時間は私のもの。早く町へ行こうか」

 

急かすように腕を引っ張るメデューサことゴルゴーン。

 

「そんなに急がなくても……なんか急ぐ理由あるの?」

 

藤丸がそう言えば、何故かゴルゴーンはしょっぱい顔をする。

それには藤丸、嫌な予感がした。

 

「…………私だけではないのだ」

 

「はい?」

 

「京都に来ているのは私だけではないのだ」

 

そのゴルゴーンの言葉により、藤丸は固まった。

 

「……マーリンが連れてきたのってゴルゴーンだけじゃないの?」

 

「……お前はサーヴァントの性格と力を甘く見ているだろう?

あれらをお前以外の人間(カルデア)が簡単に止められると思うのか?」

 

「あー…………」

 

ゴルゴーンの言葉に遠い目をする藤丸。

確かにサーヴァントの性格と力に関して失念していた部分が藤丸にはあった。

 

「お前は公正に連れて行く人間を決めたのかもしれんが、納得のいく奴等ばかりではないということを知っておくといい」

 

「………うん」

 

「後は自由に抜け出して遊びに行く奴もいるのも覚えておけ…」

 

「マジでか……」

 

「ケツァルコアトルは新○本プロレス見てからこっちに来ると言ってたしな……」

 

「ホントに好きだな、あの人……」

 

呆れたような藤丸の声。

 

「まぁ、とにかくだ。

他の奴等が来る前に私のためにお前と……………っ!!」

 

突然、ゴルゴーンは藤丸の手を引っ張り、その場から離れれば炎を纏った剣が二人のいた場所に刺さった。

ゴルゴーンは藤丸を抱き締め、剣が飛んできた方を見ると。

 

「一人だけ抜け駆けとはいい度胸じゃない?泥棒猫、いえ蛇かしら?」

 

そこにはワイバーンに乗ったジャンヌダルクオルタ。

通称、邪ンヌがそこにいた。

 

「あ、邪ンヌちゃん、ちーっす」

 

「ちーっす。

ってか、ノリが相変わらず軽いわね。

助けに来たのになんというか………助けがいがないわ」

 

「そういわれましても……」

 

ゴルゴーンに抱き締められながら、藤丸は邪ンヌに声をかけるも、呆れた目で邪ンヌに見られてしまう。

 

「ふん、贋作風情が何しにきた?」

 

ゴルゴーンは邪魔なものが来たと邪ンヌを睨み付けている。

 

「はァ?私が召喚で呼ばれる以外で来る用事ったら一つしかないでしょ?

そこにいるマスターを返しなさい、ゴルゴーン。

そして、藤丸、後でデートよ」

 

藤丸にビシッと指を指す邪ンヌ。

 

「ほう…………」

 

その言葉にゴルゴーンの眉がピクリと動いた。

 

「ならば、私から奪いとって見せるがいいっ!」

 

「上等っ!!」

 

あ、二人共キレていらっしゃると気づいた藤丸は咄嗟にゴルゴーンから離れて横にダイブした。

案の定、藤丸の予測通り、炎が舞い踊り、ビルの屋上を燃やしていく。

 

「あっつ!あっつつ!!」

 

炎を払いながら二人の巻き添えを食らわないように離れていく。

ポケットからスマホを出すと、マシュの番号にかける。

 

「HQ、HQ」

 

『先輩っ!?ご無事でしたかっ?!』

 

「こっちは何とか。

そっちは何かあった?」

 

『………円卓の全員が来てました』

 

マシュの重い声に藤丸は溜め息を吐く。

 

「あー………今は合流しない方がいい?」

 

『アルトリアさんがいますので恐らくは……』

 

電話越しにガスッ、ゴスッという鈍い音がする。

それとどう聞いてもランスロットの声がするので、そこはスルーした。

 

「そっか、落ち着いたらそっちに合流するから」

 

『はい………』

 

落ち込んだマシュの声に藤丸も苦笑する。

 

「別に会えない訳じゃないからさ。

またゆっくり二人で歩こう。

じゃあ、また後でね」

 

『はいっ!!』

 

嬉しそうなマシュの声とその後ろから『マシュっ!やめっ』という声を聞いて苦笑しながら藤丸は電話をきる。

 

「さて、どうしようか………」

 

邪ンヌとゴルゴーンの戦いを遠い目で見る藤丸。

魔術協会からまた苦情来るんだろうな、と段々と憂鬱になっていく。

 

そんな時だった。

 

「お困りのようですね、マスター」

 

藤丸の後ろから声をかけたのはいつの間にか来ていた私服姿のマルタ。

 

「あ、世紀末覇者先輩、ちーっす」

 

「ぶっ飛ばすわよ?」

 

藤丸は舎弟のように頭を下げる。

マルタは青筋を浮かべ、グッと拳を握る

 

「冗談だって。

え、何?マルタ姐さんも来てたの?」

 

「はぁ、カルデアから何人か脱走したのよ。

下手人というか黒幕はわかってるんだけど……」

 

「ひょっとして、頭文字がMの人ですかねぇ?」

 

「お察しの通り、マーリンの野郎ね。

ああ、モリアーティ教授は名探偵が見張ってるから大丈夫よ。

あれが関わってたらどうなってたことやら」

 

「大惨事は確定だよなぁ…」

 

「まぁ、そういうことで連れ戻す為に何人か来ているの。

多分、脱走した何名かはマスター目指して来るだろうから、マスター探してたんだけど大当たりね……」

 

溜め息と共に戦っている二人を見るマルタ。

ん?と藤丸はマルタの姿に違和感を覚えた。

 

「ったく、アンタら、いい加減にしなさいよっ!!」

 

戦っている二人に叫ぶマルタ。

 

「うっさいのよ、ヤンキー聖女!」

 

「その通りだ、ベタニアの聖女。

そこで大人しく見ていろ」

 

二人のその言葉を聞いたマルタは青筋を浮かべニッコリ笑う。

ガチリと手甲を嵌め込み、ぐるんぐるんと腕を回していく。

あ、ルーラーで来てると藤丸は冷や汗をかく。

 

「マルタ姐さん、落ち着いて!

クラス相性が悪すぎる!!」

 

「あっはっは、クラス相性がなんぼのもんよ!!

来なさい!!タラスクっ!!」

 

マルタによってタラスクが召喚されれば、身の危険を感じた藤丸は何とビルの屋上からそのまま飛び降りた。

走って飛び降りる際にタラスクと目が合う藤丸。

 

(お互い、苦労してますねぇ……)

 

(ええ、ホントに………)

 

(ちくわ大明神)

 

((誰だ、今の))

 

 

藤丸が飛び降りた後、ビルの屋上全体を巻き込む程の大爆発が起こる。

飛び降りた藤丸はそのまま地面に向かい落ちていく。

 

 

 

「おおぉぉぉぉぉおっ!!??」

 

 

 

飛び降りた藤丸の命運や如何に。

 

次回へ続く。

 

 

 

 




次回予告。

「バベッジ、Show Time!!」

『承認した』

「ネゴシエイションに値しない相手にはこうするまでさ!」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。