虚に転生したけど二番隊に入りました。   作:フル・フロンタル

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ルイスと初単独任務

夜中。俺は任務で森まできた。なんでも、最近単独で調査に出ていた二番隊の隊員が何人かやられたらしい。

おそらく、厄介な虚が出現したと思われるため選ばれたのが、同じく厄介者の俺、というわけだ。多分、何処かで監視するつもりなんだろうな。俺が死んでも死んだのは虚だけ、監視してれば情報は手に入る、ということなんだろう。ノーリスクハイリターンというわけだ。

夜一さんがプンプン怒ってたが、正直素晴らしいにも程があるという感じの作戦なので、こっちも何も言えない。

 

「はぁ……気が重い」

 

ボヤきながらも、森の中を移動する。あー、暗いよう。暗いところ好きじゃないんだよう。いや隠密機動隊なのにその言い様はどうかと思うけど、怖いものは怖いのだから仕方ない。

そんな事を思いながら森の中を移動。大体、この辺りだった気がする場所で止まると、探査神経を全開にした。

 

「うわっ……いたよ……」

 

ここから少し離れた場所に霊圧がある。喧嘩売らないといけないのかぁ。霊圧の大きさ的に大虚だろうなアレ。

 

「さて、やりますか」

 

口を開くと、探査神経頼りに虚閃をぶっ放した。水色の閃光が口から飛び出し、何本もの木を倒して大虚に向かう。

それが直撃し、大虚の上半身を消しとばした。

 

「………は?」

 

わ、ワンパン?俺の虚閃ってそんな強かったの……?

 

「あ、あらら……終わっちゃった……」

 

本来なら、もう少し俺の実力を試そうと思ってたんだけど……どうしよ。

まぁいいか。俺の虚閃がこれだけの威力を持ってたことがわかっただけでもいいか。

 

「さーて、任務完了っと……、」

 

帰ろうとした直後、さらに大虚が湧いて出た。ザッと5匹ほど。

どういう事だ?何故こんなに大虚がこんな所にいる?BLEACHについてそんな詳しくない俺でも不自然だと分かる。

と、なると、この大虚の出現は故意的なものだ。何のためか、俺を仕留めるため?いや、虚閃一発で大虚を仕留められる俺を仕留めるには5匹じゃ足らんだろ。

つまり、何者かが俺の力を見るために監視してることになるな。それが正しいとすると、大虚を自由に操れる人物が俺を監視してる事になる。

 

「って、考えても分からんか」

 

さらに大虚が襲い掛かってきたのを機に、俺は斬魄刀を構えた。良い機会だ。俺も自分にどれほどの力があるか知っておきたい。

そういうわけで、一人目の一撃目を響転で回避して背後を取ると斬った。続いて、二人目の攻撃を瞬歩で躱して背中を斬る。

………なんか俺、超強くね?瞬歩は達人どころではない夜一さんに教わったし、響転はなんか最初からできた。

そう思ってると、斬ったはずの大虚の傷口が塞がり始めた。

 

「っと、超速再生……!」

 

5匹の大虚の攻撃を、身体をムチャクチャに捻って無理矢理回避した。

 

「危ね危ね」

 

危ない、と言った割に相手の動きが随分とゆっくりに見えた。修行の時、夜一さんに相手してもらってたからか、俺が普通に最初から強かったからか。いずれにせよ、5対1程度じゃ勝負にもならない。

響転で一気に5匹から距離を取ると、虚閃をぶっ放した。直後、ズボボボボッと音を立てて大虚の上半身をまとめて吹き飛ばした。が、一匹残っている。

その一匹に向かってジャンプした。途中で吹き飛ばした虚の残った下半身を掴み、口にかっ込んだ。くぅー、大虚なんて食ったの久々だわマジで。あとで最初の一匹もちゃんと食わないと。

 

「あと1匹……!破道の三十一『赤火砲』」

 

火の塊を手から出した。大虚に直撃し、爆発した。足止めはこれで十分。響転で一気に距離を詰めて、後ろから大虚を叩き斬った。

 

「ふぅ、おわり」

 

任務完了。さて、食べて帰ろう。はは、見たか護廷十三隊ども!俺は生き残ってやったぜ!ザマーミロ!

 

 

 

 

「バッカモン‼︎」

 

部長のような台詞で、俺は夜一さんにゲンコツされた。

 

「な、ななな何しやがんだ⁉︎」

 

「あんな強力な虚閃をぽんぽんと撃つんじゃない‼︎瀞霊廷内がパニックになっておったぞ‼︎」

 

「え、あ、す、すみません……」

 

そ、そっか……。つい虚閃馬鹿みたいに撃ってたけど、そりゃ怒られるか。みんな霊圧とか感知できるんだもんな。大虚ワンパン虚閃連射したらそうなるよな。

 

「はぁ……ごめんなさい……」

 

「まったくお主は……!まぁ、初めて一人での戦闘じゃし、総隊長も大目に見るそうじゃが、これからは気を付けろよ」

 

「はーい……」

 

「それで、大丈夫じゃったか?」

 

「?」

 

何が?

 

「け、怪我はなかったか……?」

 

目を逸らして何故か顔を赤らめて言う夜一さん。ははーん、さてはこの人、俺のこと心配してたんだな。そう自覚した時、なんとなく俺の顔がにやけるのが分かった。

 

「むっ、貴様なんじゃその顔は」

 

「いや、心配してくれてたんだなぁって」

 

「ち、違う!」

 

「やーい、ツンデレ夜い」

 

ゴンッ‼︎

 

「すいませんでした」

 

「アホめ。………まぁ、その、なんじゃ。怪我がなければそれで良い」

 

そう言うと、夜一さんは部屋から出て行った。さて、お風呂入って寝るか。

 

 





俺強えーみたいにするつもりなかったんですが、どう足掻いてもこの時点ではチートクラスなのでなってしまった。
ツライ。


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