また投稿すると思いますので、よろしくお願いします。
9年後くらい。昼寝しようと思ったんだけど、なかなか寝付けなくてゴロゴロと何度も寝返りをうってると、部屋のドアが開いた。
「おう、ルイ」
夜一さんだ。つーか、この人ここに来過ぎでしょ。隊長職って暇なの?や、遊びに来てくれるのは嬉しいんだけど、仕事をサボってまできてもらうのは申し訳ない。
「あの、大丈夫なの?」
「何がじゃ?」
「や、なんでもない」
ま、俺が言ったところで聞くとは思えないし、いっか。
「そういえば、面白い話があるぞ」
「ん?」
「なんでも、最近流魂街で変死事件が多発しておるらしい」
「変死?」
「ああ。服だけ残して、消滅してるらしい」
「ふーん……」
「それを九番隊が調べることになっとる。そこから連絡があって、喜助ん所から副隊長が出張るそうじゃ」
「変死ねぇ……」
それ原作通りなんかな。それとも、俺がいるから時空が曲がったのか……。原作通りなら俺が出る必要はないだろうけど、違ったら俺が行かなきゃならない。………面倒だから行きたくないなぁ。
ま、あまり考えないようにしよう。考えても分からんし。
「で、九番隊って誰がいんの?」
「お主は……。アレじゃよ、六車とか白とかじゃ」
ああ、仮面の軍勢の二人か。懐かし。そういや、この時ってこの人達は虚化とか出来んのかな。
「隊長がわざわざ出るって、意外とアレ?大事なん?」
「まぁ、そうじゃろうな。蒸発なら良くあることじゃが、服、足袋、草履のみ残して消えたらしいからのう」
蒸発って何よ。その現象知らないんだけど。
「もしかすると………」
夜一さんは呟いたが、その先は言わなかった。なんだ、この人心当たりでもあるのか。
「………いや、なんでもない」
なんだ、夜一さんの歯切れが悪いなんて珍しいな。
「ね、俺も見に行きたいんだけど」
「無理じゃな」
ですよねー。知ってた。まぁ、そこまで気になるわけじゃないし、大人しく諦めるか。
「ね、アレやろ。トランプ」
「構わんぞ。ポーカーか?」
「それで」
シャッフルして、トランプを配った。
☆
夜中。俺が部屋で寝てると、部屋の扉が開く音がした。割と寝が浅い俺はそれですぐに目が覚めた。扉を見ると、夜一さんが俺の方を見ているのが見えた。
「………ルイ、いるか?ルイ」
「……んっ………夜一さん……?」
どうしたのこんな時間に、と思ってると、夜一さんは俺の真横に降りて来た。
「ここを出るぞ」
「へっ?」
「説明はあとじゃ。早くしなければ、喜助が死ぬ」
「…………えっ?」
「荷物を持て。早くしろ」
「………は、はぁ」
とりあえず、斬魄刀を持って俺は夜一さんと姿を消した。二番隊隊舎を出て、建物の前で待たされたと思ったら、喜助と鉄裁さんを連れて双極の真下の地下部屋に連れて来られた。
「ちょっ、何?何なの?」
「………すまん、ルイス。巻き込むつもりはなかったが、お主の場合は残しておく方が危険と判断し、連れて来た」
「……………?」
いや、良いから説明を頼みたいんだけど………。いや、何となく想像はつく。これは多分、喜助達が人間界に移動するはめになったきっかけの話だろう。
だが、気になるのは、原作でいう仮面の軍勢と呼ばれる連中がその辺に転がっている事だ。何があった?まさか、仮面の軍勢と喜助達に何か関係があったって事か?
俺が考えている間に、喜助は真面目な顔で夜一さんに言った。
「あ、ありがとっス……。夜一サン」
「礼なんぞいらん。昨夜、何故儂にも一声かけんかったと、蹴り飛ばすのも後にしておいてやる。八人も新しい義骸の試作品もここに置いてある」
そう言う通り、平子隊長達の他になんかよくわからない箱も置いてあった。
喜助は暫く考えた後、鉄裁さんに声を掛けた。
「……鉄裁サン。平子サン達に時間停止をかけて下さい。そしてそのまま、この場所に二、三層の結界を」
えっ……?じ、時間停止?そんな技出来たんだあの人………。ていうか、俺の時折の立場は………。
「今から20時間で、ボク達二人と平子サン達8人、計10体の霊圧遮断型義骸を作ります」
すると、鉄裁さんが心配そうな表情で、俺と夜一さんを見た。
「………夜一殿と、ルイス殿は」
「儂達の事は気にするな。どうとでも逃げ果せる。……ルイス、行けるな?」
「え?う、うん」
「その時に、今回の事も話してやる」
BLEACH界で最強クラスの自信はあるしね。そう返事をすると、喜助は頷いて言った。
「現世に身を潜め、時間をかけて解き明かします、必ず。この虚化を、解除する方法を」
………ああ、なんか今回の話は大体理解できて来た。
つまり、仮面の軍勢とは藍染に嵌められて、虚化させられそうになり、その解除方法を知った連中の集まりだったと言うことか。喜助と鉄裁さんが捕まっていた理由は分からないが、それはこれから夜一さんに聞けるだろう。
喜助は夜一さんを見て言った。
「………では、夜一サン。ルーたんを頼みます」
「…………ああ」
それを最期に、俺は夜一さんと共にそこから消えた。