ソードアート・オンラインをプレイしたらデスゲームだった件について 作:盗賊8
「..."はじまりの街"
久しぶりだがやっぱり凄いなぁこの世界は」
にしてもよくこんなに世界を作れたな。
と、そんなことよりも日課のトレーニングの時間まであと...4時間くらいか、あまりやり過ぎないようにはしないとな
でもまぁ、少し遅れるくらいなら良いだろ
そう思い、俺の視界の左上にあるβ時代に付けた名前と同じ"Aoi"という名前、それと俺の体力バーを確認してもう1度この世界に来たことを実感していた。
因みに俺の外見は
べ、別にいいだろ?!
「さてと、武器を買ってからモンスターを狩りに行くか」
そう呟くと武器屋に向かい、安い片手剣を購入してからフィールドに向かった
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「う〜ん...βテストが終わってから竹刀とか木刀振ってるから片手剣の感覚が鈍ってると思ってたけどリーチが短い程度で問題はないな」
モンスターを狩り始めて数時間。
色々試したいことがあるため、イノシシ型のモンスター《フレンジーボア》などを黙々と倒していた。そのせいか、いつの間にか始まりの街からかなり離れていた
「...おっと、夢中になりすぎたか。う〜ん、狩りながら戻るか...」
進もうか戻ろうか考えていると後ろから声が聞こえてきた
「おーい!そこのアンタ〜」
振り返るとそこにはバンダナを巻いた赤髪の男と、黒髪の男、そして可愛い少女がいた
「...あ、もしかして俺のことかな?」
自分の周囲を確認して誰もいないことを確認すると質問する
「お前以外に俺らしかいないぜ?てか俺らが一番乗りだと思ったんだけどお前さんの方が早くここで狩ってたんだな!」
「まぁ俺はβテスターだからな...そう言えばお前らってパーティなのか?」
そう質問すると黒髪の男は何か考えるようにじっとこっちを見ていて、もう1人の少女も俺のことをじっとみてきている。バンダナの男は笑顔を浮かべて返してきた
「いや違う違う、今このキリトにゲームを教わってたんだよ。こいつもあんたと同じで、ベータテスターだから上手いんだぜ!」
「へぇそうなのか...」
キリト...か
少し考えているとキリトがあっ!となにかに気づいたように声を上げる
「思い出した!貴方って誰よりも攻略を進めたっていう噂があるアオイさんですか?!」
俺のことを凄い睨んでるなぁと思ったら突然、詰め寄ってきて敬語で話し始めたキリト
「え、そんな噂があったの?」
「はい!βテスターなら知ってる人も多いと思いますよ!」
それを聞いていたバンダナを巻いた男は マジかそんな凄い奴だったのかよ?!と驚き、もう1人は俺の名前にビクッ! と、反応する
「なぁアオイ?だったか?」
「あ、あぁそうだけど...」
「もし良かったら俺たちと一緒に行動しないか?」
「く、クライン...そんな急に」
「別に大丈夫だぞ?急ぐ用事がある訳でもないし」
そう答えるとバンダナを巻いた男は
「マジかっ!俺はクラインだ、よろしくな」
「わ...俺はキリトだ!よろしくな」
「僕はユウキだよ!よろしくね!」
「...(ゆ、ユウキ?!ま、まさかな)改めて俺はアオイだ...少しの間だと思うがよろしく頼む」
自己紹介を済ませるとクラインが「アオイってレベルはどのぐらいなんだ?因みに俺は2だ」と聞いてきたので
「ん?俺は3だな...まぁあと少しで上がるけど」
するとキリトが、アオイの戦い方をクラインに見せてあげてと言ってきた。
「別にいいぞ〜」
と、軽く答えると丁度フレンジーボアが湧いた
「よし、やるか」
背中にあった剣を抜き、腰におくと、気付いていないフレンジーボアに低い姿勢で走って近づく(あと少しのところで気づかれてしまったが)と3〜4撃斬りつける。
何か行動を起こそうとしたので反対側に回り込み、また剣撃をくらわす。相手を囲うように全方向から滅多斬りにしていく
すると倒したようでガラスを割ったかのような音とともに、青いポリゴンの
「まぁこんなもんだな」
後ろを振り返り、笑いながらそう言うと3人とも引きつった顔で驚いており、キリトは苦笑していた
「は、速っ!?凄いなアオイ!」
「お、お兄さん強いんだね〜!」
「さ、流石だね...出来ればソードスキル使って欲しかったんだけどね」
「あ、悪い忘れてた...めんご」
その後はクラインとユウキに教えながらレベル上げをすることになった
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あれから数時間が経ち、クラインとユウキはソードスキルが使えるようになり、クラインは4、ユウキとキリトは5、俺は6レベとなった
「なあキリト...このくらいにしないか?日課のトレーニングがあるんだ」
「トレーニングなんてしてるんだ...あ、そうだね。いい?クライン、ユウキ」
「おう!ピザの宅配を頼んでおいたから俺もそろそろ終わんねぇとな!」
「僕も大丈夫だよ〜」
よし、終わるか...つーか
「準備万端だなぁクライン」
「おうよ!俺の計画に抜かりは無いぜ!あ、そうだ」
胸を張って言うと、続いて思いついたように自分の知り合いを紹介すると提案してきのだが
「え....うーん」
と、キリトが困っていたので断った
「そうか、わかった。お前らのおかげで助かったよ、もう時間だから落ちるけどこれからも宜しく頼むぜ」
「おう、こっちこそよろしく」
「うん、訊きたいことがあったらいつでも呼んでくれ」
「おう。そん時はよろしく頼むぜ」
クラインはメニューを開くとそのまま消え...ん?
「どうしたんだ?クライン」
「いや、どうしたもこうしたも
「ボタンがないって....そんな訳ないだろ、よくみてみろって」
「本当なんだよ!キリトとアオイとユウキも見てみろよ」
「《LOG OUT》がないなんてそんな訳が...は?」
半分冗談だと思いながらも嫌な予感がしたので俺もメニューを開き、ログアウトボタンを探すが...無い
「本当だ...ない」
「僕の方もないよ?」
「....ねぇだろ?ま、正式サービス開始初日だからこんなバグぐらいあるだろ」
「...だよな。運営のミスかバグかなにかだろ(もしくは元々こんな設定なのかだ...いや、ありえない。そんな事をして何になる。それにしてもどうすればいいんだ?他にログアウトする方法なんて無いぞ)」
「ねぇアオイ」
「ん?どうしたユウキ」
「他にログアウトする方法はないの?例えば、戻れ! ログアウト!
首を傾けてそう質問するユウキ...超可愛いんだけど
「ユウキ、言っても無駄だよ...というか最後のは違うからな?」
リンゴーン...リンゴーン...
すると突然、鐘のような大ボリュームなサウンドがなり。俺たちを青い光が包む
その瞬間、俺達は《始まりの街》へと強制転移された
「ど、どうなってる?」
辺りを見回すとキリト、ユウキ、クラインがおり、それ以外にもプレイヤーが続々と転移されてきている。
みんなが何がなんだか分からないという表情をしており、ざわざわと声が発生した。しかし徐々に苛立ち始めたようで「ふざけんな」や「
そんな時、不意に誰かが叫んだ
そちらに目を向ける。そこには2つの英文が交互に表示されており、「やっと帰れる」や「助かった」、「早くしろよ」と呟き声が漏れる。そんな声も無くなると同時に異変は起こった
巨大な泥のような何かが雫のようにどろりと垂れていくと、段々ローブをまとった巨大な人の姿になった。
「プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ」
と、低く落ち着いた。そしてよく通る男の声が聞こえた
「私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一人間だ」
隣にいるキリトが驚いている。いや、この場にいる人たちの殆どがそうだ。なにせ今まで茅場晶彦という人間はメディアへの露出を極力避け、ゲームマスターの役回りなども一度もしたことの無いはず―――――なぜこんな真似を?
この場にいる全員が聞きたい疑問を茅場晶彦は淡々と説明していく
簡単にまとめると
1、ログアウトボタンが消失しているのは不具合では無く、<ソードアート·オンライン>本来の仕様である
2、上の通りであるため、自発的にログアウト出来ない
3、自分のヒットポイントがゼロになったその時、現実の自分もナーヴギアによって脳を焼かれ、死亡する
4、ゲームを攻略しなければ現実には戻れない(百層すべて)
5、4以外の戻る方法は無く、外部の人間が無理やりナーヴギアを外そうとしたり、停止をした場合も脳を焼かれ、死亡。既に行った者たち、二百十三名のプレイヤーは全員死亡したらしい
6、テレビなどでこの事を報道されており、もう5の事は心配いらない。そして俺たちの本体
(現実の体)は病院やその他の介護施設に預けられているので心配はいらないらしい
7、これは、ゲームであっても遊びではない
「そして最期にこの世界が唯一の現実であるという証拠としてアイテムストレージにプレゼントをが用意してある。確認してくれ給え」
そう言われるとアイテム欄を開く。そこにあったのは《手鏡》というアイテムだった。
その名前をタップすると身体が光に包まれた
「な、何が...は?なんで俺の顔が?」
「え...義兄ちゃん?! やっぱりそうだったんだ」
俺は鏡から視線を外すと声の主に目を向ける
「ゆ、ユウキ?!やっぱりお前だったのか...というかなんでSAOを...」
「い、いや〜義兄ちゃんのお父さんとお母さんが一緒にやったら? って買ってくれたんだ」
「はあ、親父と母さんはユウキにも甘々だったなそう言えば」
2人で話しているとキリトとクラインも変わっていた。
クラインは山賊の様な顔で、キリトは女の子に...て、え?
「お前もしかしてキリトか?!てか女だったのか!」
「え、クライン?!というかユウキとアオイってにのみ...ムググッ」
キリトがリアルの名前を言おうとしたのでユウキと2人で口をふさぐ
「なっ!お前らアオイとユウキか!?」
「あぁ」
「う、うん」
「ユウキとアオイ...先輩もこのゲームやってたんだね」
「なんだお前らってリアルの知り合いだったのか?」
「あぁ、ユウキは俺の義理の妹で、キリトは家に剣道をしに行った時に知り合ったんだよ」
「そうだったのか...てかなんで俺達のリアルの顔が...」
「あれじゃないか?設定で自分の身体を触ったろ?」
「あー!そう言えばやったなそんなこと、てかなんで茅場はこんな事をしたんだよ!」
「おいクライン落ち着け、多分今から説明すると思うから」
そう言うと何か言いたげだったらしいがクラインは黙りこんだ
「諸君は今「なぜ」と思っているだろうなぜ«SAO»及び«ナーヴギア»開発者茅場晶彦はこんなことをしたのか···と」
「大規模なテロ、身代金目的の誘拐そのどちらでもない」
「今の私はすでに一切の目的も理由も持たない。なぜならこの状況こそが私にとって最終的な目的だからだ」
「この世界を造りだし鑑賞するためにのみ私は«ナーヴギア»を«SAO»を造った」
「以上で«SAO»正式サービスのチュートリアルを終了する
プレイヤー諸君の健闘を祈る」
そう言い終わって消えると同時に
「なんだよこれうそだろ!」や「ふざけるなよ出せ!ここから出せ!」と激怒する者
「どうすればいいのこれから!」と混乱して何をすればいいか分からない者
「誰か助けてくれ!」と他人だよりの者
「いやあぁ帰してよ」とひたすら言い泣き叫ぶ者
まさにパニック状態だ。こんな場所にいたらやがて周りに影響されてこの二人にも影響が出て、駄目になってしまう。
そう考え、人気のない場所に三人を連れて行こうとするとキリトも同じ考えだったようで二人でユウキとクラインを引っ張っていった
「私は今から次の村に行こうと思うんだけど一緒に行かない?」
「まぁお前が言いたい事はわかる。この世界で生きていくためにはひたすら自分を強化しなければ生き残れない」
「そしてこの«はじまりの町»はお前と同じ考えの奴らに狩り尽くされるし、今のうちにβテスターであるお前と一緒に安全な道を通り、次の村にいち速くたどり着けると言うわけだろ?」
「····うん」
「だが、クラインお前って俺たち以外に仲間がいるだろ?」
「あぁ他のゲームでダチだった奴らと一緒に徹夜で並んで買ったからな。そいつらもまだそこの広場にいるはずだ。置いていけねぇ」
「と言うことでお前には俺が着いていく...ユウキもそれでいいだろ?」
そう言うと下を向いていたキリトが顔を上げる
「···え?」
「何驚いてんだよ、良く考えろってこいつとその仲間と一緒に残ったとして、俺とユウキが入って気まずくなったり連携を壊しちまうかも知れねぇだろ?
だったら俺たちが組んで次の村に行くのが効率が良いって訳だ···それにβテスターが二人もいればユウキも超安全だしな! それで大丈夫か?クライン」
「あぁそれが良いと思うぜ」
そうクラインに同意されてキリトにも「相変わらずシスコンだね...よろしくねアオイ先輩!」と、了承を貰い、クラインと別れた
その別れ際、クラインに「両手に花で羨ましいぜこの野郎!ちゃんと2人を守ってやれよ!」
と言われたので
「分かった。また会おうクライン」
拳と拳を重ねた後に《始まりの街》を出発した
ユウキが義妹って...よくね?
キリト女体化...絶対可愛いよね?
私の好みです!
それでは
次話もお楽しみに!