どこかおかしなヒューマンの異世界譚   作:ユーソロ

1 / 3
初めましてくれないEXと申します。
小説初挑戦と言うことでよろしくお願い致します!
恐らく文章もめっちゃくちゃだと思うのですがそのへんは温かい目で見守ってくれると嬉しいです(*⌒▽⌒*)

PS.加筆修正しました!


ハローハロー異世界編
その男、、、


ここはとある街の市街地。

その路地裏ではある光景が広がっていた。

5.6人の柄の悪い人達俗に言う不良達、彼らは皆倒れ蹲っている中で彼らの中の一人の頭を踏みつける頭の白い男が一人。

 

「オイオイオイオイこんだけしか持ってないのかよ?」

 

彼の手には恐らく男のであろう財布が握られ

踏みつけられた男は答えられずに呻き声をあげていたが、白髪の男が蹴りを一発頭に入れると男は意識を手放しだらしなくコンクリートで固められた地面に横たわたった。

 

「あ〜あ伸びちまったか。根性のねぇ奴らだぜ。まだのび太君でも根性あるぞ」

 

仕方がねぇなと言いつつ足を退けてぶんどった財布をその辺に置いてある自分の鞄にしまうと、倒れている不良達を一瞥し、路地裏を後にしてそのまま自宅への道を歩いていく。

 

「あ〜あ退屈だねぇ」

 

零した言葉は誰にも聞かれなかったが、その言葉は真剣味を帯び、悲哀に満ちていた。

 

 

 

 

 

翌日、今日は華の金曜日と呼ばれる日付だ。

今日で今週の学校登校という名の出勤が終わりを告げる日でもある。

学生はみな、こぞって今日はカラオケへ行くだの、やれ買い物行くだの、週末の予定を立てワイワイ盛り上がる。

それを尻目に白髪の男、虹岬 雅は椅子の背もたれに目いっぱい寄りかかって教室の天井を仰ぐ。その目には退屈だと大きく書かれている程には濁っている。

 

「おーいそろってんな〜?んじゃHR始めるぞ〜席つけ〜」

 

ガラッと教室の扉を開け教師が入って来ると、席を移動していた生徒達は自分の席へと戻って行った。

それから雅はHRと午前中の授業は全て寝て過ごした。

気づくと時間はお昼休みへと移行していた。

 

「ふぃ〜あ〜よく寝た〜。あれ?昼?まじか」

 

寝ていた机から立ちいつもご飯を食べている屋上へと向かう。

通常どこの学校も屋上への立ち入りは禁じられている無論、この学校も例に漏れずその対象になっているが、ドアの施錠を壊してあるので外へ出られるようにはなっているが、誰も屋上へは行こうとしないのでここにはいつも雅一人だけが居る。

 

「いい天気だ。こんな日はものすごく眠くなる」

 

弁当も食べ終え、屋上の床に横たわる。季節は初夏。比較的高所に位置する屋上は近くの海から潮風が流れて来るのでこの時期にはとても涼しく感じる。

そのせいだろうか横たわっている雅を眠気がゆっくりと押し寄せてくる。

気持ちいい潮風に当てられながら雅は抗うまでもなく眠気にその意識を委ねた。

 

 

 

ココ最近、妙な夢を見るんだ。

その夢の中で、誰かが俺を呼んでる。

こっち、こっち、って手招きして呼んでる。

普段の俺なら絶対付いてかないし、うるせーよバーカってそいつにケツバットぶちかますと思う。でも不思議とそんな気は起きない。

毎回毎回その声の主の姿は黒い霧がかかったみたいで鮮明に見えないが、何故だか嫌な気分はしないんだ。

またあの影が俺に近づいてくる…

今度こそは…

 

そこで夢が終わり目が覚めた。

はっきりと覚醒した意識。やがて雅は目を開ける。

その先には全く見たこともない景色が広がっていた。

空は一点の曇りもなく男が煌々と太陽が煌めき、優しいそよ風に程よい丈の草は揺れ、豊かな自然の匂いが鼻をくすぐる。

 

これはどういう訳だ。

さっきまでは屋上で寝ていた筈が、起きたら全く違うところにいる。

全く状況が掴めない。

 

「どうしてこうなった。寝て起きたら全く違う所でしたなんてライトノベルの世界だけだっつの…ん?ラノベ?…異世界…?もしかして…」

 

もし、もし、ここが夢の中、或いは全く違う世界つまり異世界だとしたら俺にとっては最高な世界なんじゃないか?自由に生きられるんじゃないか?

 

そんな疑問が雅の中で生まれる。

そこまで考えたところで、足音が聞こえてくる。

それは徐々に雅のいる方へ近づいている。

 

「こんなところで何してやがるんですかー!!!!そんなに死にたいんですかー!?」

 

〝死〟と言うなんとも物騒な言葉が聞こえる。聞き間違いか?

なにはともあれ人が居た。

まずは情報を得るしかないか。

振り向くと雅は思わず絶句した。

ピンク色の肩まで伸びた髪の毛は上質な絹のような艶を放ち、やや小柄で赤いドレスのような物を身につけ、スレンダーで美しい体つきで、そこから伸びるスラリとした脚はなんとも言えない色気を放っている。さらに、若干ツリ目で強気な雰囲気を放つ少女。

そして、最も目を引くのが頭に付いた猫と犬どっちとも取れないような髪の毛の色と対応した白ピンクの獣耳と背中に背負われた背丈程もある大剣。

 

これを見て言葉に詰まらない者はいないだろう。それもそのはず、普通に生きていたらまず現物は見たことないし、絵や本の中の空想上のものだからだろう。

 

「てゆーかぁ、話聞いてますかぁ!?なーに固まっちゃってんですか!?あと、そんな初めて見ましたみたいな目しないでもらえますか?別に物珍しいものでもないじゃないですか」

 

「おい、女。ここは何処だ?説明しろ」

 

暫くフリーズしていた雅は再起動し、少女に問いかける。

 

「はぁ??さっきまで固まってた癖に何言っちゃってるんですか??それに、それが人にものを頼む態度ですか??」

 

「2度は言わない。状況を、説明、しろ」

 

飛びっきりの笑顔を浮かべる。有無を言わせない物言いに加えて笑顔とは相反したドス黒い空気を漂わせて、説明しろ。と促す。

その顔に威圧感を感じ、たじろぐ少女。

 

 

「わ、わかりましたよ。ここはウェイク草原です。もう少し北に行くとアレットラ王国っていう国に出ます。で、私はそこの初等魔法使いのスピカリオンです。歳は先月で15になりました。今度は私から質問です。貴方の種族はなんですか??見たところ獣人ではないようですが…」

 

「ご苦労。俺は虹岬 雅。歳は17、人間だ。」

 

「にん、げん、?人間!?ヒューマン!?マジ!?」

 

「うるさい。さっさとそのアレットラなんちゃらに案内しろよ。」

 

「痛っ!!何すんのよ!?」

 

スピカリオンの後ろから雅がケツキックをかました。

 

「とりあえずお前の住んでるとこ行くんだよ早くしろ1.2.3…」

 

「わ、わかったわよ!連れてってあげるわ!!いい?丸腰なんだから私の後ろからちゃんとついて来なさいよ?」

 

強引に決めつけた雅にスピカリオンはハァとため息を吐きながらアレットラ王国へ連れていくことを決めた。

 

「おい、敬語抜けてるぞ。くそがき。」

 

「ムッキィィィィ!!!」

 

スピカリオンはキィキィ喚くがそれを華麗にスルーして雅は進み始め、ブツブツと文句を垂れながらも先頭に立って雅は先導するスピカリオン。

 

人間と異世界人。奇天烈な組み合わせは出会う。出会ってしまった。

 

それは物語の歯車をゆっくりゆっくりと動かす出会い。

 

ただ言えるとすれば

 

彼、虹岬 雅(にじみさき みやび)。は

 

ド畜生かつ空前絶後の自己敬愛者。

 

人呼んで俺様魔王ミヤビ。

 

生粋の自分至上主義である。

 

普通の人間ではない。




拝読ありがとうございます。
また次回も読んで頂けると嬉しいです(*⌒▽⌒*)

感想、評価等々お待ちしております故にどしどし下さい♪

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。