『十一日目 曇り
今日の朝、夜に王の寝室へ行き、奇襲(ラーのかがみに顔を写す)をしかけるということを決めた。なんだか盗賊みたいな行動だが、勇者曰く、"俺たちは正義ではないからOK"とのことだった。それでいいのか勇者よ。
で、各自夜までは自由行動ということになった。そのため俺は商店街へ行き、様々な旅の道具が売られている店にて、フードつきのマントを買った。結構いい素材を使っていたらしく、高い値段に見合うだけの性能だった。耐熱、耐寒はばっちりで、破れにくく、銃弾をはじくという魔法で強化して、限界突破させたのかとでもいいたくなるようなマントだった。便利。
マントを買った後も店内を見ていたのだが、その時一際俺の目を引いたのが、何故か売られている"ほしふるうでわ"。
ここって確かこんなん売ってなかった気もするが、現実とゲームでは色々違うところもあるし気にしないでおこう。そう判断した。
その後、"ふしふるうでわ"を試してみたら変な笑い声が出た。いや、なんか凄いんだよ。一瞬で距離を詰められるんだよ、しかもその速度に体が適応できてるのか普通に戦えるんだよ。
流石に速度二倍はだてじゃないな。
いやあ、これさ、もう一個買って両腕に"ほしふるうでわ"着けたらどうなるんだろうな。単純に速度四倍か?はたまた重複無しかな?それとも謎の力に阻まれて装備できなかったり?やる気はないが。だってこれ以上早くなったら脳が追いつかないんだ。
さて、そんなことをしていたら気づけば日が傾き始めていたため、宿屋へ戻り作戦会議を行った。
その内容はいたって簡単。全員で城の右奥にある勝手口から城内へ、そして王の寝室へと侵入。そして、"ラーのかがみ"を使い王の正体を暴きだし、二人で倒す。いとも簡単な作戦だ。
結論から書くとその作戦は見事成功に終わった。入り口の警備は多いのに、城内の警備は全くいない。いたとしても居眠りをしている奴らがほとんどだった。
恐らく、入ってはこれまいと踏んでいたのだろうが、それにしてもお前ら職務中だろうと突っ込みたくなるような光景だった。
王はボストロールへと姿を変え、襲いかかってきたが、とりあえず両手両足を撃ち抜いて使えなくし、勇者たちが
地下牢へと入った後は、牢屋を一つ一つ確認していき、王を探した。結局、王は地下二階に居た。その姿は少しやせ細っていたが元気ではあったので平気だろう。
その後は俺たちは英雄として讃えられた。悪い気はしなかったが、良い気分にはなれない。不思議な感覚だった。
そのあとは飲んで食ってと言ったところだ。そして今は、王に計らってもらい豪華な客間にてこの日記をつけている。
そろそろ深夜なので寝る。おやすみ。
memo
・エルフの里については教えず、例の爺さんの家に直行させようと思う。』
♦
『十二日目 快晴ときどき曇り
現代料理が恋しくなってきた今日この頃。別にこちらの料理が不味いというわけではないのだが、懐かしく思ってしまうんだ。
なぜ唐突にこの話を書いたかというと、昨日王城で食った料理に焼きそばに似た料理が出てきたため、思い出してしまった。
そんなことはどうでもいいか。それでは、今日の報告を書き記します。
"サマンオサ"の王城で一夜を明かし、次なる目的地の老人の家へ向かった。
その道のりは"旅人の教会"から"旅の扉のほこら"まで行き、その後、待たせていた船で北へ向かう。それだけだったので、半日もかからずに"変化の老人の家"についた。
家に着いたらまず杖を渡し、老人がはしゃぎ、こちらにお礼にと"ふなのりのほね"を渡してきた。これでシルバーオーブへ一歩前進した。
その後、多少会話をしたのち船へと戻り"幽霊船"へと向かった。
道のりとしてはまず"ふなのりのほね"で方角を確認し、西から向かった方が近いということで西へと航路を決め、船を進めた。
しばらくして、もう深夜の時間帯という時に、俺たちは"幽霊船"を目視した。とりあえず言えるのはでかかったね。ついでに深夜ということもあって恐怖の度合いは倍増だ。いやはやビックリ。
どうするかと話し合った結果、朝になったら消えている。なんてことも有り得るので、さっさと攻略してしまおうという結果になった。
幸いなことに賢者ばかりなパーティーなため、アンデットや死霊系のモンスターとは相性がよく、パパっと攻略できた。具体的には、アンデット系の敵が出てきたら俺と勇者で物理で殴り、死霊系の敵が出てきたら賢者三人の浄化魔法とかで一瞬で消し去る。といったところだ。
最終的には船上でミニデーモンと戦闘になっただけで、後のモンスターはすべて掃討し、キーアイテムの"あいのおもいで"とその他アイテムを入手し、自分たちの船に戻った。
戻ってきたときにはすでに夜は明けていて、朝になっていた。そして、幽霊船は消えていた。とんでもなく非科学的だったが、そもそも俺自体が非科学的なものだということを思い出し、少し笑ったことを記しておく。では、そろそろ寝る。御休み。
memo
・確か次は"ガイアの剣"だったか……?』
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『十三日目 雲ひとつない快晴
いきなりだが、勇者って流石神に選ばれただけあるよな。って思った今日。
なんでそう思ったのかっていうと、"あいのおもいで"を入手してどうしようかって話になったわけだ。そしたらいきなり勇者が、「オリビアの岬に恋愛の問題で海に身を投げて死んでしまったっていう話しがあったよな」って言いだして、そこに行こうって話になった。そんでもってオリビアの岬に行った。
これを読んでいる奴の中に、もし俺と同じ世界。もしくは近しい世界線の奴がいるなら分かるだろうが、完全に攻略チャート通りの無駄ない動きだ。別にプレイヤーが
つまり、直感だ。もし英霊として召喚されたらスキルに 直感:A⁺ とかつきそうだ。冗談だが。
話を戻すが、そんなこんなでオリビアの岬に行った。当然、何かあるのかと警戒態勢を取り続ける勇者たち。何もないことを知っているので、船を進ませ、戻され、"あいのおもいで"を使って無事突破した。
んで、突破した先に何かあるかと船を進めながら探す(といってもほぼ一直線だが)と、ほこらの牢獄が見つかり、探索を始めた。
とにかく探しまくった結果、先に"ガイアのつるぎ"をGETしてしまい、サイモンの魂と話す頃には既に入試した後だった。ちょっと笑った。
サイモンさんには、ネクロゴンドの洞窟に行くと良い。と言われ、次の目的地はそこに決定した。
その後探索が終わり、船に戻ったのだがあたりは真っ暗だったため、一度夜を明かすことに。
さて、今日はそろそろ終いにする。御休み。
あと思うのだが、
memo
・特になし』
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『十四日目 曇り
ネクロゴンドの洞窟に向かう途中、一番気になったのが呪文のルーラだ。なぜあれは船ごと飛ばせるのだろうか?
そんなことは置いておいて、船長からネクロゴンドの洞窟に行くならアッサラームから向かった方が早い。と聞いたので即座に勇者がルーラで船ごとアッサラームへ。そこから南へ下り、勇者の直感で火山に"ガイアのつるぎ"を投げ入れ、噴火により川が固まり、ネクロゴンドの洞窟へと歩を進めた。
ネクロゴンドの洞窟についてだが、書ききれない量のトラップと大量のモンスターが出てきた。階段を上がっていったと思ったら床が抜けて戻されるわ、ようやく戻ったらモンスターに囲まれるわ、進めば進むほど落とし穴や床の亀裂。果てにはそんな床がある迷路になっているわ、そこに追加で見えない床だ。ストレスが極端にたまった。というか勇者よ、ドジすぎるぞ。なんでよけられる亀裂に六回ほど落ちるのだ?なぜ橋の上で激しい戦闘をしようとするのだ?
苦節折々あったが、ようやっと山頂にたどり着いた。んで、ネクロゴンドの洞窟を抜けて、少し進むと祠が見えてきた。
慎重に侵入して、中に居た男性に話しかけると、ご褒美に。とシルバーオーブを貰った。ゲームでも思ったがこいつこんなところで結界?を張っているのに余裕そうだよなと思った。
その後は勇者のルーラで火山まで戻り、船に乗ってイエローオーブの情報めざし商人の町へとルーラで向かった。
商人の町のすぐ近くの浜辺に船が到着し、そこで一度降り、商人の町へと入る。が、そこでは特には何もなかったため、一度休むことに。んで、「夜に牢獄近くで何か聞こえる」と住民から苦情があったので向かってみると、なんだか誰かが密談をしていたので盗聴しようとしたのだが、残念ながら聞こえなかったため、安全性を考慮し一旦見張るだけに。
しかし、特に何か行動を起こすことなく帰って行ったため、勇者たちと相談したところ、「明日、何か起きた場合すぐに対応できるように」とのことだった。
なので明日に備えようと思う。
memo
・イエローオーブはもうGETしたも同然だと思う。
・次はバラモス戦』
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『十五日目 晴れ
朝起きると、町が発展していた。一夜のうちに何故だか発展していた。訳がわからない。
しかしそんなことを考えているうちに勇者の幼馴染の商人が来て、屋敷へと案内してくれ、かつイエローオーブを渡してくれた。あと豪華な食事も頂いた。
まぁ結果がすべてなので良しとする。
食事の後、商人に教えられて次に向かったのはレイアムランドのほこらだ。どうやら勇者は行ったことはないようでルーラが出来なかったので商人に教えてもらった通り南南東に向かって船を進めた。
レイアムランドのほこらには日が沈みかけたころに到着した。船内で念入りに準備をし、大地へと降り立ち祠へ歩く。およそ十分程歩いたところで祠へ到着した。
祠内には二人の巫女さんと六つの
巫女の案内の元、台座にオーブを設置した。するとどうだ、なんか真ん中の空間が歪み始めたではないか。ラーミア復活って生で見ると結構重圧あるんだな。
ちょっとするとラーミアさん完全復活。どこにでも連れて行ってくれるという。すると、「よし、バラモス城に行こう」となり、そのまま背中に乗ってバラモス城へとひとっ飛び。ちょっとスピードは遅かった。そんで、ついたら着いたで何と待っていてくれるという。有り難い。
ラーミアから降りて、バラモス城に足を踏み入れるとこれまた結構な圧がかかる。ラーミアほどではなかったが。
少しばかり探索したところで、BとCが疲れたようで少し休むことに。疲れた原因はこの圧力と城の広さみたいだ。流石に城の半分ほどを休みなく、更にはモンスターと戦いながら探索するのは精神的にも、肉体的にも疲れるだろう。
今は、"せいすい"を振りまいて、Aに清めてもらった部屋で休んでいる。後これを書いている。ただ、効果の持続時間はあまり期待できないのであと少し休んだらまた探索を再開する予定だ。
memo
・寝ずの番はちょっと辛い』