緋弾のアリア~イ・ウーの中の異端~   作:水戸 遥

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序章の始まり

緋弾のアリア〜イ・ウーの中の異端〜

第6話

 

機械ばかりの、長い廊下をコツコツと小気味のよい足音が響く。

そこにある機械と足音以外の、つまり普通ならあるはずの生活音と呼ばれるような音が一切しない。

 

なぜなら今彼女が歩いているのは、イ・ウーと呼ばれる巨大な

 

««潜水艦»»

 

だからだ。

 

 

さて、お父さんの部屋の前に来たのだがものすごく嫌な予感がする。

それも自分のことに関わるやつな気がする。

………

あれ、今私シャーロックのことを『お父さん』って思った?

いやいやそんな訳はない…はず……

そんなことをシャーロックの部屋の前で思ってると、

「結衣君、そんなところで立ち止まっていないで入ってきなさい」

はぁ、お呼びがかかったよ。

素直に、ノブを回して私は部屋の中に入る。

「やぁ結衣君、今日君を呼んだのは他でもない君に大事なことを伝える為だよ」

大事なこと…、さっき部屋の前で私が思案したことかな。

「うん、そのことであってるよ」

「はぁ、いい加減人の思考を読むのはやめてもらえないかな」

「それは無理な相談だよ。で本題に入るけど君は自分がどこで生まれて来たのか気にならないかい?あと本当の名前とか」

「ん…たしかに気になりはするけどなんで?てか本当の名前?」

「ああ、じゃあいきなりだが答えの一つを君に話そう

君の本当の名は平野・ホームズ・結衣、そして君は僕の娘だ。

つまり君はシャーロック・ホームズ二世だよ」

 

 

は…つまり私がこの部屋をお父さんの部屋と思ったのは勘違いじゃない?

「そういうことになるね。そしてもう一つ、これは重要なことだ。君の身体の中には緋弾つまり緋緋色金が埋め込んである。と言っても埋め込んだのは僕だがね」

 

「じゃあ私が超能力使うときに体が緋色に光るのはそのせい?」

「ああ」

「はぁ、んじゃもしかしてあの子ともこれから関係していくことになるのかな?そしてあの世界に関することも?」

「あぁ、概ねその通りだよ」

ん?けど、それって公にしても大丈夫なのかな?止めるような言動も無かったし…

 

「ふむ、結衣くんが今考えてる事についてなら、君の武偵手帳を見てみるといいよ。そこをしっかり見たことはないだろう?」

 

「は?」

ふとそんな声が漏れる。

っと、今ちょっと確認して見よ…う……

「既に書いてあったよ…」

「その様子ならもしかして受験の時も受験票確認してなかったのかい?僕が申請した時に、ホームズの記入もあったんだが?」

イラッ

「えー確認してませんでしたよこんちくしょう!」

「ははは、まぁこれから大変になるだろうけど、頑張ってくれ」

「わかりましたよ。(この狸親父…」

「結衣くん?聞こえてるよ?」

「あ〜、ごめんなさいねー。そいじゃっ」

 

「ふぅ、行ってしまったよ…まだ伝えることあったのに……」


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