その名は『切り裂きジャック』
「アハハッ」
そんな声が聞こえた。
どこから?そう思ったが、その声の主は目の前にいる女の子以外にはいないのを確信していた。
なぜかというと俺は今から殺されるからである、目の前の、女の子に。
『
誰しもがその名を聞いたことはあるであろう殺人鬼。
その名を冠し子孫である女の子は、イ・ウーに所属している。
だがあの『シャーロック・ホームズ』でさえ、手出しができないほどの
――『異端』――
そう呼ばれている。
これはそんな少女の物語である。
早朝、と言っても潜水艦の中なので、朝日などはまったくもって見えることはない。そんな時間に艦内用の電話が鳴った。
『平野君、シャーロックだ。依頼があるので部屋に来てくれないか』
シャーロック――シャーロック・ホームズ。100年以上生きている人。
そんな認識だけしか私は持っていない。
ただ一応養父である。
「分かった。すぐに行く」
そうして電話を切ると、すぐにシャーロックの部屋まで超能力を使い飛んだ。
「やはり、超能力を使って来るのか。君はそこがわかりやすいが同時にわかりにくい」
「イヤミだけなら帰るよ、シャーロック」
「ははは、依頼をしたいといっただろう」
そう言いながら、書類を渡してきた。
「そいつを、暗殺してほしい。そいつはこの『イ・ウー』について知りすぎた」
「分かった。すぐに殺ってくる」
「気を付けて」
そうして部屋に戻ると、準備をして、すぐに飛んだ。
対象の居る街の裏通りに私は飛んで表通りに出ると対象はすぐに見つかった。いつもやっている通りに後ろから近づき
「すいません。ちょっと道をおたずねしたいのですが」
「はい?いいですよ」
対象が振り向いた瞬間に右手で触れ、別荘(世界中にあるうちの一つ)の拷問部屋に共々飛ぶ。
「さあ、楽しいショーの始まりだよ」
そんなふうに言いながら私は、拷問部屋の隣にある監視室まで下がり、狼の居る檻を開け放つ。
「さあ、あなたはどんな風に哭いてくれるかな?」
男の絶叫が響いた。
しばらくして、隣の部屋が静かになったのを確認すると、対象は、ほとんど骨の状態になっていた。
狼たちは私が部屋に入ると檻に戻ったためすぐに、それを片付け、部屋を掃除してシャーロックに報告するためにイ・ウーまで飛んだ。
「お疲れ様、平野君」
「終わった。つまらなかった」
「ははは、そういうだろうと思ったよ。一つお願いがあるんだが、聞いてもらえるかい?」
「面白くないと嫌だよ」
「遠山金一君は知ってるだろう?それの弟のキンジ君と同じところに行ってもらいたい。
一応、キンジ君にあった後は君の自由にしてくれて構わないが、殺すことだけはしないように」
「いつから?」
「そうだね。今が3月だから始業式と同時がいいかな。書類とかはもう出してあるよ」
「分かった」
そして部屋に戻って、住むことになる日本の別荘まで移動した。もちろん超能力で飛んで。
「遠山キンジか。なかなかに面白そうではあるかな。退屈はしなさそう」
そう呟きながら、
そうしてこの物語が始まるのであった。
前川晃です。すいません。
なぜか……新作が出来ました。
なので、とりあえずこの一本に縛って更新していこうかと思いますので
――よろしくお願いいたします。――