どうやらオレは巻き込まれ体質らしい   作:どらい

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フェイトとなのはの邂逅

「にゃお~ん」

 

「うおおおおおお!!危ねええええ!!」

 

ちょ、ちょ、ちょっと待って!!なんでいきなり猫の頭に乗っかっているのオレ!?しかもこの猫さっきまでオレの膝の上に乗せていたやつじゃないか!?

 

「にゃにゃにゃ~」

 

しかもめちゃくちゃ機嫌がよさそうに尻尾振っているんだけど。そのおかげでオレは落下しそうなんだけどね!!

 

「落ち着け!!Just a minutes!!」

 

「にゃ~ん!」

 

オレの願いはどうやら聞き入れてもらえないようだ。真面目に生命の危機を感じている。

 

「誰かーーーー!降ろしてくれーーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジュエルシードが発動した場所にたどり着いたなのはたちは驚いていた。目の前には巨大化した猫が尻尾を振りながら走っている情景が映し出されている。

 

「あ・・・あれは?」

 

「多分あの猫の大きくなりたいっていう願いが叶えられたんだと思う」

 

「そ・・・そっか」

 

その時なのはの目がカイの姿をとらえた。猫の頭に必死にしがみついている。

 

「!!・・・カイ君!?」

 

「え!?どこに?」

 

「あそこ!猫さんの頭の上!」

 

「本当だ!早く助けないと!」

 

「にゃにゃにゃにゃにゃ~~!!」

 

「ぎゃああああああああああ」

 

なのはがレイジングハートを手にして変身しようとしたその時違う方向から黄色い光が飛んできた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「猫おおおおお、頼むから止まってくれ」

 

「にゃにゃにゃ」

 

どうやらこの猫オレを降ろすつもりはないようだ。こいつさてはオレを頭の上に乗せたくて急成長を遂げたのか!?猫から降りる方法を模索していると横から黄色い光が飛んでくるのが見えた。

 

「タマ(仮称)かわすんだ!!」

 

「にゃ!」

 

オレが命令したらタマ(仮称)は驚くべき速度で光をかわした。・・・何こいつ凄くね!?安心しているうちにさらに光が飛んできた。

 

「タマ(仮称)高速移動!!」

 

「にゃー!」

≪シュンシュン≫

 

こいつこんなにスペック高かったのか!全ての攻撃をかわしたタマ(仮称)。おかげですさまじい速さで揺さぶられたオレは吐きそうです。

 

「うぷ・・・よくやったぞ」

 

「にゃ~ん」

 

尻尾をぶんぶん振って喜んでいる。最近この手の生物に言葉が通じると思うのはオレだけだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「かわされた!?」

 

森の中で攻撃をした張本人であるフェイトは驚愕していた。それもそのはずである、完全に死角から放ったはずの攻撃もあの猫は全て避けたのだから。

 

「しょうがない、こうなったら直接行くしか」

 

そう言いフェイトは猫のもとへと接近していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今の攻撃は・・・?」

 

「なのは、今のうちに!」

 

「そうだね、早くカイ君も助けないと!レイジングハートセットアーップ!」

≪Stand by ready. Set up≫

 

なのはも変身して猫のもとに近づいていく。

 

「今のは魔法の光・・・?」

 

ユーノの呟きは誰にも聞こえることなく空気と混ざっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カイ君!」

 

「へ?なのは?」

 

吐き気がやっと落ち着いて来た頃になのはが話しかけてきた。・・・この子飛んでない?

 

「良かった無事で」

 

「いや待て、どういうこと?」

 

「それは・・・!!」

≪Wide area protection≫

 

言葉を途中で切ったなのはが振り向いて黄色い光をシールドのような物で防いだ。なにコレ、ハリウッド映画か何かですか?

 

「同系統の魔導師・・・ロストロギアの探索者か・・・」

 

「あなたは・・・?」

 

木に降り立った誰かとなのはが話している。オレはそれどころではない、パニックに陥っている。なんで飛んでいるんだなのはは!?

 

「ロストロギア、ジュエルシード・・・バルディッシュ」

≪Scythe form≫

 

「え・・・」

 

「申し訳ないけど頂いていきます」

 

「くっ」

≪Flier fin≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の目でいきなり戦いが始まってしまった。タマ(仮称)が大人しくしている頭の上でぼんやりと戦いを眺めている。・・・うん、早すぎて何やってるのか見えないね。さっきから目の前が閃光で満たされていて目が痛いです。これは・・・夢かな?そんな感じで現実逃避をしていると2人が鍔迫り合いの形で空中で停止した。・・・あれ?あの金髪は・・・まさかねそんなはずないね。目を擦ってもう一度確認する。金髪であの美少女といえるあの横顔は・・・

 

「なんでフェイトさんがおるんですか?」

 

思わず関西弁になってしまったオレは悪くないと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんでこんなことするの?」

 

「答えても多分意味ないから・・・」

 

「なんでフェイトさんがおるんですか?」

 

目の前の女の子が喋っている途中で聞こえてきたカイ君の声に思わず2人でそちらの方を向く。すると目の前の女の子がひどく驚いた様子で言葉を口にした。

 

「カイ・・・?なんで?」

 

え!?カイ君知り合いなの!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「2人で特撮ごっこでもやってんの?」

 

「「違うよ!!」」

 

オレが口にした疑問に対して2人そろって否定の言葉が返される。仲いいのか?・・・まあ自主製作映画を一緒に撮影しているくらいだから仲いいはずか。

 

「2人で映画撮影してるんじゃないの?その恰好で」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

2人はオレの言葉を受けて無言でそれぞれの格好を見て無言でこちらに視線を向けてくる。

 

「特にフェイト!お父さんはそんな恰好をするような娘に育てた覚えはありません!」

 

「この格好どこか変かな?」

 

「カイ君お父さんだったの!?」

 

オレのボケを真に受けたなのはが聞き返してくる。フェイトも真剣な様子で返してくる。

 

「いや、ごめん冗談。フェイトは少し露出が多いと思います!」

 

「あ、そうなんだ・・・」

 

「そうかな?少し変えようかな・・・」

 

なのはが安心したようにため息をつく。九歳で子持ちとか笑えんわ。フェイトは自分のマントをつまみながら悩んでいる。いくら春といってもまだ少し肌寒いから風邪ひくと思う。

 

「それで2人とも何やってんの?」

 

「「!!」」

 

オレの言葉を受け2人ははっとしたように向き合う。

 

「ジュエルシードは渡してもらいます」

 

「あれは危険な物なんだよ!?」

 

いきなりミュージカルみたいなものが始まった。本当に何やっているのかがわからない。この状況もいまいちわからない。オレとタマ(仮称)vsなのはvsフェイトみたいな構図になっていることはわかる・・・なんでこうなったのかはわからないけど。そういえばポケモンの映画にディアルガvsパルキアvsダークライという題名の三つ巴の映画があったな~なんて少しの間現実逃避。

 

「なのはーー!!」

 

誰かの声が聞こえて現実に戻ってきたオレが見たのはなのはが緑色の魔法陣みたいなものの上で寝ている様子だった。わずか数瞬の間になにがあったの!?そして目の前にいるフェイトは何故かこちらに杖のようなものを向けてきているし。

 

「ごめんカイ、どうしてもジュエルシードが必要なんだ」

 

そう言って迫ってくるフェイト。気のせいか周りに電気の塊みたいなやつが浮いている。とりあえず・・・

 

「逃げるぞタマ(仮称)」

 

「にゃ!」

 

合点招致というような感じで返事をしてきたタマと共に逃走することにした。ごめんフェイト、ジュエルシードというものはよくわからないけどその電気の塊みたいなやつに当たったら無事じゃすまないような感じがするんだ!

 

「え・・・ちょっと待って!」

 

「ごめんフェイト。さよならバイバイ、オレはこいつと旅に出る!」

 

「にゃお~ん」

 

フェイトの静止の言葉を背後に聞きながらオレとタマ(仮称)は走り出した。

 

「くっ、バルディッシュ!」

≪Arc saber≫

 

後ろから風を切る音と共に光刃が飛んでくる。

 

「タマ(仮称)全力を出せ!死ぬぞ!!」

 

「にゃ!」

 

しかしこの猫高スペックのため左右に避けながら足元に飛んできた光刃もジャンプして避ける。

 

「あの猫は一体・・・?このままじゃ駄目だ!全力で行くよバルディッシュ!」

≪Yes sir. Photon lancer≫

 

「フォトンランサー・フルオートファイア!!」

 

「うおおおおお!」

 

後ろからの攻撃に思わず叫んでしまう。威力が違いすぎると思うんですがそれは。

 

「にゃー」

 

「タマ(仮称)!」

 

オレが後ろに気を取られていた間に足元にフェイトの攻撃が命中し、オレとタマ(仮称)は倒れてしまった。オレ?タマ(仮称)に一生懸命しがみついていたから落下することは無かったよ。

 

「やっと追いついた・・・」

 

ひどく疲れた様子でフェイトがオレの目の前に立っている。

 

「フェイト!この猫をどうするつもりだ!」

 

「大丈夫だよカイ。この猫の大きさを元通りにするだけだから。ダメージも残らない」

 

「そうなの?」

 

「うん」

 

オレの逃げた意味は一体何だったのか。フェイト普通にいいやつじゃないか。なのはと喧嘩してた理由はわからないけど。

 

「じゃあ、頼む」

 

オレはタマ(仮称)から降りフェイトの近くに行く。

 

「うん、任せて」

≪Sealing form set up≫

 

「ロストロギア、ジュエルシードシリアル14封印!」

≪Sealing≫

 

フェイトが見覚えのある石を封印すると猫の大きさは元通りになった。

 

「ありがとうフェイト」

 

「いや、私は・・・」

 

「この猫を助けてくれたじゃないか」

 

「それはそうだけど・・・あの子に謝っておいてほしいんだ」

 

「わかったよ。なのはと喧嘩している理由はわからないけどちゃんと伝えとく」

 

「この猫のこともお願い・・・じゃあ私はこれで」

 

「うん、じゃあまたね」

 

「じゃあねカイ」

 

そう言い残しフェイトは去っていった。それにしても最近の女子の喧嘩って怖いな・・・凄いスケールで行われてたんだけど。ユーノの近くで眠っていたなのはの様子を確認する・・・良かったただ眠っているだけのようだ。

さて、早くなのはたちを運んでいかないと・・・とそこでオレの意識は途絶えた。




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