どうやらオレは巻き込まれ体質らしい   作:どらい

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金髪少女との出会い(それとガイコツさんとの出会い)

さて、昨日黒歴史を作ってしまったオレ、羽島カイ。恭也さんや忍さんがオレの格好を見て大笑いしててオレのMP(メンタルポイント)はガリガリと削れていった。最初心配してくれていたアリサとすずかも最後の方は笑ってたし・・・。結局皆はオレに心配の言葉をかけてくれたんだけどね。そして迎えた火曜日。今日は大人しく過ごそうと心に決め家を出た。

 

「行ってきます」

 

「行ってらっしゃい。もう女装なんてするんじゃないよ~」

 

「・・・・・」

 

昨日は泣きながら心配してくれたのにもうネタ化されてるんですが・・・。オレはバス停まで歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バス停に着くとそこにはすでになのはがいた。なのははオレに気が付くと走って近づいてきた。

 

「カイ君!昨日は大丈夫だった?」

 

「うん、心配してくれてありがとう。体の方は大丈夫だよ」

 

やはりなのはは天使かもしれない。本当に心配しているような様子で声をかけてくれる。そうだよね、ちょっと独特な格好をしてたからって笑うようなもんじゃないよね!

 

「よかった・・・。そういえばお兄ちゃんが昨日カイ君がアリサちゃんの格好をしてたって言ってたけどなんで?」

 

おのれ!!恭也さん!あなた絶対に面白がってますよね!確かに助けに来てくれたことは感謝してもしきれないほどだけど、絶対に面白がってますよね(2回目)!?

 

「えっとアリサを脅かそうと思って・・・」

 

「そうだったんだ。わざわざ道具を買いそろえるなんて凄い凝ってるね」

 

恭也さぁぁぁぁぁぁん!!なのはが可愛いからってなんでもしゃべりすぎでしょ!シスコンか!なんで朝からこんなに恥ずかしい気持ちにならなきゃならないんだ!確かにオレが悪いけど、なのはは純粋にほめてくるから余計につらい。

 

「バ、バスが来たぞ」

 

「あ、本当なの」

 

ちょうどその時バスが来たのでどうにか会話を終了させることができた。やれやれだぜ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バスの中や学校では特に変わったこともなく迎えた放課後。今日はなのはたちが塾で、前田も用があるらしく1人で家に帰っている。・・・別に寂しくなんてないぞ。

 

「今日は、海鳴公園でも寄ってみようかな」

 

オレは久しぶりに海鳴公園で海でも見ようかと考え、寄り道をすることにした。

 

「やっぱここは風が気持ちいいな~」

 

海鳴公園は海がよく見えて風も心地よい。しばらく来てなかったけどやはり良いところである。備え付けのベンチで休もうかとベンチに向かって歩いていると見覚えのあるような石を発見した。

 

「あれは・・・」

 

その石を拾い、しばらく眺めてみる。やっぱ、なのはの持ってた石と似てるな・・・。この石今ブームでも来てるんだろうか。確かに綺麗だもんなぁ。太陽に透かしてみたり振ってみたりしていると急に声が聞こえてきた。

 

「あの・・・」

 

「ん?」

 

そちらの方を向いてみると金髪の女の子が立っていた。・・・もしかしてベンチに座りたいのかな?

 

「ああ、ごめん。ずれるね」

 

そう言って女の子が座れる十分なスペースを開けたが女の子は不思議そうな顔をしている

。・・・あれ、違ったのかな?いや、もしかしたらオレに話しかけていないんじゃないか?そう思ってあたりを見渡してみるが誰もいない。やっぱオレに話しかけてるんだよね?

 

「えっと、座らないの?」

 

「え?」

 

「ベンチ、君が座ると思って空けたんだけどもしかして違った?」

 

「あ、じゃあ・・・」

 

女の子はオレの隣に座る。ちょ、ちょっと近くないかな?・・・モテない男は知らない女の子が近くにいると緊張してしまうのだ!・・・言ってて悲しくなってきた。

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

そのまま沈黙。どうやらオレの人見知りスキルEXが発動しているようだ。昔と比べると少しずつ改善されているがまだまだ治らないオレのこのスキル。・・・この子も人見知りかな?仲間だね!

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

5分経過。あれ~~?この子なんか用があるんじゃないの?お兄さんちょっと居心地が悪くなってきたぞ。しょうがない、オレから話しかけることにしよう。

 

「えっと、なんか用事があるんじゃないの?」

 

「え?君が座ってって言ったからなんか話があるのかと思ってた」

 

「あ、ごめん。オレは特に用事はないんだ。ベンチに座りたいのかなって思ってたんだ」

 

どうやらこの女の子、オレがなにか話すことがあると思って律儀に待ってたらしい。ごめんね、オレは君がベンチに座りたいのかと思ってたよ。

 

「その石を渡してもらえますか?」

 

「え?」

 

「その石がどうしても必要なんです」

 

「あ、ごめん!君のだったんだ」

 

どうやらこの石はこの子にとって大切な物だったらしい。オレのバカ!他人の大切な物ずっと持っててどうすんだ。この子が最初困ってた理由が分かった。オレは慌ててその子の手に石を載せる。

 

「え?いいの?」

 

「いいのってどういうこと?」

 

女の子に石を渡すと女の子は驚いたような顔をして疑問を投げかけてくる。

 

「この石って君も集めてるんじゃないの?」

 

「へ?」

 

どうやらオレは女の子の持ち物を集めているようなド変態野郎だと思われていたらしい。・・・悲しくなってきた。

 

「オレにそんな趣味ないから!」

 

「何言ってるの?」

 

「え?」

 

話がかみ合わずお互いに首をかしげる。どういうこと?

 

「その石って君が探してたんじゃないの?」

 

「そうだけど・・・。君は魔導師なのにそんな簡単に渡しちゃっていいのかなって」

 

魔導師!?オレはこの女の子にそんな風に見られてたの!?

 

「なんで魔導師!?そんな不思議な人に見える!?」

 

「だって、君のその魔力は・・・?」

 

魔力?・・・なるほどわかったぞ、この子天然さんだ!魔法使いとかがいると思っている純情な子なんだ!そうとわかったら、オレはこの女の子の夢を壊さないためにも話を合わせるとしよう。

 

「・・・そう、実はオレは魔導師なんだ」

 

「やっぱり・・・。ならこんなに簡単にジュエルシードを渡しちゃっていいの?」

 

ジュエルシード?・・・石のことかな?

 

「え~と、君が欲しいのなら別にあげてもいいけど・・・」

 

「ありがとう!優しいんだね」

 

そう言って笑顔を見せる女の子。よくわからないけどやっぱり女の子は笑顔が一番だよね!

 

「喜んでもらえたのならよかった。そうだ!せっかくだから名前を教えてもらってもいいかな?」

 

「大丈夫だよ。私の名前はフェイトだよ」

 

「フェイトか。オレの名前は羽島カイ、よろしく」

 

「うん、よろしく」

 

自己紹介をした後は色々雑談をして別れた。フェイトは魔法を使えるとか言ってたけど、オレは夢を壊さないためにも話を合わせておいた。オレも魔法が使えるという設定になっている。・・・本当に魔法が使えたらいいのになぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま」

 

「おかえり、フェイト。こっちは全然駄目だったよ」

 

「気にしないで、アルフ」

 

「フェイトの方はどうだったんだい?」

 

「1個手に入れることができたよ」

 

地球の拠点としているマンションに帰ってきた私を待っていたのはアルフだった。アルフはジュエルシードを見つけられなかったことを気にしていたようだったけど、ジュエルシードはそう簡単には見つからないと思っている。むしろ私が今日ジュエルシードを発見できたことは幸運だったと言える。

 

「凄いじゃないか!流石私のご主人様だね」

 

「まあ、譲ってもらったものなんだけどね」

 

そう言って封印処理をしてバルディッシュに収納していたジュエルシードを取り出しアルフに渡す。私たちは地球に来て日が浅くまだ実物を見たことがなかったのでアルフにも見てもらおうと思ったのだ。

 

「綺麗な石だね~」

 

「うん、そうだね」

 

部屋の光に透かしてジュエルシードを見ているアルフの言葉に賛同する。

 

「母さんのためにも早くジュエルシードを見つけないとね」

 

「だけどフェイト、無理はしちゃ駄目だよ」

 

「うん、ありがとう」

 

やっぱりアルフは優しいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家に帰ってから、お風呂に入って夕飯を食べてさあ寝ようと思ってベッドで横になった時にふと気が付いた。

 

(あれ?明日提出の宿題があった気がするんだが・・・)

 

マイペースな性格のオレは、宿題が出されても後回しにしてしまいいつも提出日の前日や1時間前に終わらせるということが多々ある。今思い出した宿題は先週の金曜日に出されていたもので確かプリント5枚分はあったと思うんだけど・・・。オレは眠りへの誘惑をし続けるベッドから跳ね起きて学校用のカバンをあさる。5分ほど探し続けてオレはある結論へと至った。

 

(宿題学校に忘れたんだけど・・・)

 

うおおおおおやっちまった!!確か先生が明日提出できない奴は居残りとか言ってたような気がする!居残りする奴なんていないだろ(笑)とか思って余裕ぶっこいてたあの時のオレをぶっとばしたい。こうしてはおれん、今すぐ取りに行かなくては!!待っててくれオレの宿題!!

 

「母さん、学校行ってくる」

 

そう言ってオレは家を出た。走る走る、風のように走る。・・・嘘です、すぐ疲れて休んでます。この前のポチ(仮称)との鬼ごっこの時にも思ったけどやっぱオレ体力無いな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなでオレは学校に着いた。つ・・・疲れた。冷静に考えたら母さんの車に乗せてもらった方が良かったんじゃないか?・・・なぜ思いつかなかったのだろうかオレの脳細胞よ。もうちょい早く活動してほしかった!それとなんで結界みたいなものに校舎が覆われているのか・・・まあ、気にしたら負けか。新手のライトアップか何かだろう。

 

「とりあえず、宿題取ってくるか」

 

オレは暗闇の学校へと足を踏み入れた。・・・こ、怖くないぞ!

 

≪スタスタスタ≫

 

速足で歩くオレの足音が廊下に響く。え、なんで速足なのかって?運動しているだけだよ?早く教室着かないかな~(汗)。しばらくすると教室に着いた。教室の鍵を開け自分の机の中を探す・・・良かったプリントがあった。念のため持ってきた懐中電灯で確認する・・・うん間違いない、ミッションコンプリートだ!大佐こちら羽島、ただいまより帰還する!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪スタスタスタ≫ ≪カタカタカタ≫

 

「・・・・・」

 

≪スタスタスタ≫ ≪カタカタカタ≫

 

「・・・・・」

 

≪スタスタスタ≫ ≪カタカタカタ≫

 

宿題を見つけて教室を出たのはいいけどさっきから聞こえちゃいけないような音が聞こえるんですけどどうしたらいいんですかね?

 

≪ダダダダダダ≫ ≪カタタタタタタ≫

 

走ると向こうも走ってくるみたいです。

 

≪スタスタスタ≫ ≪カタカタカタ≫

 

「誰ださっきから肩の痛みを訴えている奴は!!」

 

そう言ってオレは懐中電灯を背後に向ける。ライトが当たったところにいたのは・・・

 

ガイコツさん「やあ」

 

すぐに前を向く。・・・OK、クールになれオレ。あのガイコツさんは誰かが運んでいる途中に立てておいたやつなんだよな、なんか目が光ってるけど蛍光塗料でも塗ったんだよな?・・・なかなかお茶目な奴がいるじゃないか、廊下にガイコツさんを放置するなんて。思わずさっきから肩の痛みを訴えているのはガイコツさんなのかと思っちまったぜ。多分さっきから聞こえていたのは風が窓に当たる音だろう・・・うん。

 

≪トントン≫

 

考え事をしていたら誰かに肩をたたかれた。やっぱ先生か、ガイコツさんを運んでいる途中でトイレにでも行っていたんだろう。先生に夜学校に来た理由言わないとな~。オレは再び後ろを向いて懐中電灯で照らしながら言う。

 

「もう先生、びっくりしま・・・」

 

ガイコツさん「おっすおっす」

 

「いやああああああああああああ!!!!!」

 

オレはその場から逃げ出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユーノ君、学校のどこにジュエルシードがあるのかな?」

 

「わからないんだ、学校にあるってことだけはわかるんだけど」

 

ジュエルシードの反応を感じて学校に来たなのはたちは、校舎の中を探したのだがジュエルシードを発見できずまだ探してない屋上に来ていた。しかし屋上でもジュエルシードは発見できず2人は焦りを感じ始めていた。

 

「もしかして・・・」

 

「何かわかったの、なのは?」

 

「この学校自体が思念体さんになっているのかも・・・」

 

「確かに、それなら学校全体に反応があったのも頷ける・・・。なのは!」

 

「うん、任せて!レイジングハートお願い」

≪Stand by ready≫

 

「リリカルマジカルジュエルシードシリアル20封印!」

≪Sealing≫

 

学校全体がピンク色の光に包まれジュエルシードは無事封印された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあ・・・はあ・・・奴は撒けたか?」

 

オレは今廊下の曲がり角の付近に隠れている。ガイコツはポチ(仮称)よりも追ってくるのが遅くてギリギリではあるが引き離すことに成功したのだ。まあ、見た目的にはこちらの方が怖いんですけどね。曲がり角から顔を出しあたりを確認する。よし、いないようだ。今のうちに逃げよう!そう思ったオレは下駄箱へと向かった。下駄箱に近づいていくにつれて自然とオレは笑顔になっていく。このままいけばガイコツさんから逃げられるのだ。最近色々ありすぎて現実なのか非現実なのかわからなくなってしまうくらいである。

 

「よし、下駄箱に着いた・・・」

 

下駄箱に着いて懐中電灯を照らすとそこに奴はいた。ガイコツさんである。なぜかはわからないけど骨盤付近に手をついて下駄箱に寄りかかってオレを待っていた。・・・少女漫画の彼氏かお前は!!

 

「なんで少女漫画みたいな待ち方してるんだよおおお!!!」

 

思わず突っ込んでしまったオレは悪くないと思う。オレの声に気が付いたガイコツさんは手を振りながら走ってくる。マジで何なんですかアンタ!?少女漫画の再現でもしてんの!?

 

「うおっ!!」

 

逃げようと思ったその時、ピンクの光が視界を覆って気が付いたときにはガイコツさんはその場で倒れていた。軽くつついてみたが返事がない、ただの屍のようだ(当たり前だけど)。オレはいきなり倒れたガイコツさんに疑問を感じながら家に帰った。今日は怖かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カイ、どこ行ってたのよ!心配したじゃない!」

 

「ごめんなさい!・・・一応行く前に学校に行くって言ったんだけど・・・」

 

家に帰ったオレを待っていたのはカンカンに怒った母さんだった。ちなみに父さんはもう寝ているらしい。

 

「聞こえなかったわよ!・・・心配かけた罰として1週間ゲーム禁止!!」

 

「な・・・ん・・・だ・・・と・・・」

 

訂正。今日一番怖かったのは母さんだった。




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