どうやらオレは巻き込まれ体質らしい   作:どらい

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UA100000を突破しました!ありがとうございます!

ポチ(仮称)以来の鬼ごっこ。やったね、カイ君(棒)。


伝説の武器!

「うおおおおおおおおおおおおお!?」≪バチッ!!≫

 

「ちっ・・・外したか。待ちなさいッ!!」

 

ジュエルシードをフェイトに渡したと思ったら、目の前に金髪少女と紫髪女性が現れ、何故かこんな状況になっている今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。・・・いや、本当になんで!?

急な展開についていけなくて、静かに見守ってたのがいけなかったのだろうか。訳がわからない≪チッ≫よ・・・って

 

「カスッた!!今オレの頭頂部カスりましたよ!?」

 

さっきから後ろから電撃みたいのが飛んでくるんですが。何なのコレ、スタンガンなの?遂に電撃が飛ぶようになったの?最近のスタンガンは進化してるんだなあ(遠い目)。

というか「外したか・・・」とか言わないでください、怖いです。オレの頭大丈夫かな(頭頂部的な意味で)?禿げてないよね?

 

「次は仕留めるわ」

 

死刑宣告いただいたんですが。なんで死亡フラグ建っているんですかね。

・・・こんなこと考えている場合じゃない!!このままだといつかジ・エンドを迎えてしまうぞ!!なんか対抗策は・・・

 

「あ・・・・・」

 

そこでオレは、先ほどスーパーで購入したネギを握っていることに気が付いた。包装された状態で新品である。

・・・ネギでどうやって戦えっていうんだ。こんなのじゃ・・・

 

「・・・!?」

 

オレの頭にある閃きが浮かぶ。

オレは立ち止まって、すぐさまネギの包装を剝がす。

 

「やっと逃げるのをやめたようね。大丈夫よ、記憶を消去するだけだから。安心しなさい」

 

むしろ安心できないんですがそれは。そんな電撃でやられたらそのまま天に召されちゃうよ。

・・・集中しろ、イメージするのは常に最強の自分だ。

オレは目をつむって右手と左手にそれぞれネギを握る。今、伝説の武器がこの世に召喚された!!

オレは目を開き、その武器の名を呼ぶ!!

 

「出でよ!!ドンパッチソード!!ドンパッチハンマー!!」

 

「・・・馬鹿なの?」

 

なんか冷たい目で見られた。やめてくれ、オレにそんな趣味はないんだ。

ちなみに左手にドンパッチソードで、右手にドンパッチハンマーの二刀流である。

2つの武器をフェイトの母さんの方に向ける。これで勝つる(確信)。

 

≪ふにゃり≫

 

「・・・ふにゃり?」

 

・・・ってふにゃついてるッ!?・・・これ青ネギじゃねーか!?白ネギじゃなかったよ!?

おおおおおお落ち着け。・・・いや、落ち着け。ひっひっふー。ひっひっふー。・・・これラマーズ呼吸法だった。

ポジティブに考えるんだ。たとえ色が違ってもネギはネギだ。つまり伝説の武器を手にした自分に負けはない。

ということで、いざ、尋常に勝負!!

 

「何やってるのかしら・・・フォトンランサー」

 

「甘いぜッ!!」

 

オレは自分に迫ってくる電撃を、左手の青ネギで受け流そうとして・・・

 

≪ボシュッ≫

 

一瞬で燃え尽きた。

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「・・・ちょっと待ってください」

 

「・・・え、ええ」

 

どうすんだよ、思わずフェイトの母さんの方も狼狽えちゃってんじゃないか。

青ネギは1パックに何本も入っているためストックはある。まるで赤い弓兵の使っていた武器のようにな。・・・ごめんなさい、調子乗りました。

青ネギを補充して・・・

 

「待 た せ た な」

 

「食らいなさい」

 

フェイトの母さんの方からまた電撃が放たれる。

オレは青ネギ――ドンパッチソードとドンパッチハンマーに念ずる。硬くなれ!!トランセルもビックリの強度になるんだ!!

 

「!!」

 

願いが通じたのかわからないけど、2つとも真っ直ぐになり硬くなったように感じる。これでッ!!

 

「うおおおおおお!!」

 

2つを重ねて使用し電撃に備える。

そして電撃を何とかそらすことに成功した。

 

「なっ!?」

 

向こうも新型のスタンガンが外れたことに驚いてるようだ。うん、オレも驚いてる。

ドンパッチソードはやっぱり伝説の武器だったんだ!

勢いづいた俺は両手の武器を構え、フェイトの母さんに特攻する。これで気絶させれば逃げられるかもしれない!!

 

「覚悟ッ!!」

 

「・・・やっぱり手を抜くのは失敗だったようね」

 

顔を俯かせて何か言ってるが気にしてられない。ここで落とさ(気絶させ)なければ落とさ(殺さ)れるッ!!

フェイトの母さんに左手の青ネギが当たるタイミングで・・・

 

「ん?」

 

消し飛んだ。

・・・気を取り直して右手の青ネギで・・・

 

≪ボシュッ≫

 

あれれ~おかしいぞ~(コナン風)。伝説の武器が一瞬で消えちゃったよ?

 

「そうよ、アリシアの裸を見たやつになんで手加減なんてしてたのかしら。ええ、そうよね」

 

なんかフェイトの母さんの雰囲気が変わったんですが。

今のうちに青ネギの補充を・・・

 

「・・・フォトンランサー」

 

電撃がポケットに入れていた青ネギに命中する。

ぎゃー!?燃え尽きたッ!?伝説の武器が燃え尽きちゃったよッ!?

フェイトの母さんが俯いていた顔を上げる。目のハイライトが消えてるんですがそれは。

 

「私のフォトンランサーを弾いたことは褒めてあげるわ。やるじゃない」

 

いや、そんな表情でアインさんみたいに褒められても嬉しくないんですが。

気のせいか、フェイトの母さんの後ろに帯電した球体が多数浮かんでいるように見える。

すごーい、ぼうはんたいさくはばっちりだね。

 

「・・・じゃ、そういうことで」

 

オレはここら辺で退散することにしよう。なんかまずい気がする。冷や汗が止まらないぜ。

じりじりと後ろに下がり、くるっと反転する。

さて・・・逃げるか。

 

「あばよ、とっつぁ~ん」

 

「逃がさないわよ。食らいなさい!!フォトンランサー・ファランクスシフトッ!!」

 

ぎゃあああああ!!状況が悪化した!?一撃一撃が確実に命を刈り取りに来てるんですけど!?

スタンガンって永遠の眠りに至らせるものだったっけ!?

 

「あはははは!!体が軽いわ、まるで綿のように!!」

 

「そんな詩人満ちた表現なんて聞いてない!!」

 

危なっ!?さっきまで体があった場所に寸分違わず命中する。精度がさっきよりも上がってるし!!

その場所には、衝撃によって穴が開いている。・・・穴から煙が出てるんだけど。

 

「待ちなさい!!」

 

「炭になるわ!!」

 

再び始まった鬼ごっこ()はフェイトとフェイトの姉さんが止めに来るまで続いた。なんで2人とも微笑ましいものを見るような目をしていたんですかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい、少し暴走していたようだわ」

 

「・・・・・」

 

暴走の度合いが違うんじゃないかというツッコミは喉でとどめておく。誰が好んで炭になるというのか。

・・・今思ったけど、ここはどこなのか。

 

「でも、アリシアの裸は価値のあるものよ。忘れないでね」

 

「アッハイ」

 

「もう、ママ!!」

 

「ふふっ、ごめんなさい」

 

なんか知らないけど、とりあえず窮地は脱したようだ。アリシアノハダカハカチノアルモノ、アリシアノハダカハカチノアルモノ(洗脳)。

 

「私にはもうジュエルシードはいらないから管理局の方に渡そうと思うの」

 

「でも、母さん!!」

 

「大丈夫よ、フェイト。ちゃんとその辺のことは考えてあるから」

 

「そうなの?」

 

「ええ。・・・カイ君のことは管理局には伝えないことにするわ。ジュエルシードに干渉できるような人物がいるなんて知られたらホルマリン漬けになる可能性が高いし」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「やっぱカイのおかげだったんだ。・・・それってレアスキルなの?」

 

「いや、詳しいことはわからないけれど・・・」

 

オレの目の前で話し合いが行われている。フェイトの母さん――プレシアさんというらしい――もフェイトの設定に付き合ってあげてるんですね。なんかよくわからない単語が飛び交っていて、話の内容はわからないけど、どうやらオレはホルマリン漬けを免れたらしい。・・・なんでホルマリン漬けが出てきたんだ。

 

「カイ君、改めてありがとう。カイ君はなにか言いたいことはある?」

 

おおっと、トリップしている間に話し合いが終わっていたようだ。その聞き方だと遺言聞いてるみたいで怖い。「言い残すことはあるか?」みたいな。プレシアさんに似合う言葉だなと思ってしまったオレは悪くないと思う。

言いたいことか・・・言いたいことっていうか心配事なんだけど・・・

 

「オレ、ちゃんと元(の場所)に戻れるか心配で・・・」

 

オレの言葉を聞いたプレシアさんは、はっとしたような顔になり、その後に決意を固めたような顔になった。

 

「大丈夫、ちゃんと元(の家族という関係)に戻る・・・いいや、精一杯努力(してより良い関係に)すると貴方に誓うわ。心配してくれてありがとう。」

 

「・・・・・?」

 

なんか誓われたんだけど。どういうことだってばよ。精一杯努力するって、ちゃんと元の場所に戻れるんですよね!?

 

「そういえば、まだ貴方にお礼の品をあげてなかったわ。何か欲しいものはあるかしら?」

 

「えっ、いやそんなことまでしていただかなくても・・・」

 

ただフェイトの家族の話し合いを見て、プレシアさんに追いかけられただけだと思うんだけど。それって褒賞が発生するものなの?元の場所に戻らせてくれるだけでオレは満足なんですが。

 

「私があげたいのよ。お金でも私の研究成果でもいいのよ」

 

なんかますます罪悪感がこみ上げてくるんだが。オレ、何もしてないよ?

でも、しいて言うなら・・・

 

「1つだけいただきたいものがあるんですが・・・」

 

「別に1つだけじゃなくてもいいのだけれど・・・。それでカイ君の欲しいものは?」

 

オレが欲しいものっていったら・・・ねえ?

 

「・・・ネギを」

 

「は?」

 

燃え尽きてしまったネギだよね。あれ、一応お金払ったものだからね。

 

「ネギをください」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

時が止まったような気がした。なんでだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつの間にか元の場所の見覚えのある道路に戻っていて、その後はプレシアさんたちとスーパーに行った。そこでなんと2000円の高級白ネギを買っていただいたのだ。やったね、120円が2000円になったよ。

ついでに大根も買っていただいた。正しいドンパッチソードだけでなく魔剣大根ブレードも入手しました。




最後に大根ブレードをぶっこんでいくスタイル。
多分、あと1、2話で無印が終わると思います。

追記:青ネギの値段を変更しました。140円→120円

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