どうやらオレは巻き込まれ体質らしい 作:どらい
ありがとうございます!
昼休みになのはの優しさによる勘違いにより撃沈していたオレだったが、体育の時間の後に何故か仲良く話している3人を発見した。いつの間にか仲直りしてるように見えるんだけど。ひょっとしてオレ必要なかったパターンなのか?
とりあえず仲直りしたのか気になったので聞いてみることにした。
「あ~今日も仲良しだね!(どうやって仲直りしたの?)」
「そんなの当たり前じゃない。ね?なのは、すずか?」
「「うん!」」
あらいい笑顔。遠回しに聞いたつもりだったのだが、普通に返されてしまった。体育の時間に何があったのか。
「えっと・・・仲直りできたんだな」
「うん、カイ君のおかげだよ!」
諦めて直接聞いたところ、すずかからオレのおかげだと言われた。どうやら体育の時間に仲直りしたようだ。・・・何故?昼休みは普通に失敗したし・・・。まさか、オレが体育の時のサッカーで顔面ブロックで鼻血が出たことをネタに仲直りしたのか!?でもあの時は3人とも別のコートで試合中だったから見られてないはず・・・見られてないよね?あれはオレの数ある中の黒歴史行きだ。
「カイ君のおかげで2人に話してみようって思えたんだ。詳しいことは言えないけど・・・」
「その話を聞いて、私たちはなのはのことを信じて待つってことにしたの」
「だからカイ君のおかげだよ」
勘違いで悶えていたオレの耳にそんな言葉が聞こえてくる。お、おう・・・昼休みのは効果があったんだな。感謝してるのはわかったから3人とも満面の笑みでこっちを見るのはやめてくれ、照れるじゃないか。
「それは良かった。今は何の話してたんだ?すごい楽しそうだったけど」
ずっとこっちを見てくるので話題を変えることにした。ちょっと露骨すぎたか?
「カイの顔面ブロックの迫力が凄かったって話してたの」
「ごめんね、カイ君。なのはもあの吹っ飛び方は笑っちゃったの」
「ふべらって言ってたもんね」
「・・・・・」
この子たちマジでオレの顔面ブロックのことネタにしてたよ。見てたんかい。
なのはがボランティアでしばらく学校を休むことがわかったので、その日の放課後はアリサの家で壮行会みたいなものをやった。なのはは少し不安そうにしてたが、会が終わるころには笑顔で「頑張ってくるの!」と言っていたから良かった。大成功である。
今はその帰り道。オレとなのはは2人で歩いている。
「今日は楽しかったの。ありがとうカイ君」
「いや、あれを企画したのはアリサたちだし、オレは大したことしてないよ。しいて言うなら、ゲームに負けた罰ゲームで女装をしたことくらいか」
「女装することを何でもないことのように言うのは凄いの・・・」
この前もう女装はしない!って誓ったはずなのにすぐその誓いは破られました。しかもアリサたちノリノリでメイクまでしやがって・・・。その後3人ともブツブツ「女として・・・」とか「かわいい・・・」とか言ってたけど何か怖くなったから考えるのをやめた。最近色々なことがありすぎて(人外フラグ設立とかおじさんとの運命の出会いとか)、オレの感覚がくるっているようだ。
「ま、まあそれは置いといてさ。ボランティア頑張れよ、なのは」
「うん、頑張る。私、自分でやりたいって思ったんだ」
「そっか。やりたいことが見つからないって言ってたから、見つかって良かったな」
「ありがとう」
それきり会話が途切れる。でもこの時間は別に気まずいという訳ではない。
しばらく歩いてなのはの家が見えてきたところで、なのはが何かを思い出したかのように話し始めた。
「あ、そう言えば・・・」
「ん?どうしたの?」
「いや、お父さんとお兄ちゃんが最近楽しそうだな~と思って。この前も2人で何か書きながら、これであいつも一流の剣士に・・・とか言ってたの。お父さんたちが楽しそうで、私も嬉しいの」
「・・・・・」
聞きたくなかった。オレ、死ぬんじゃないか?
「なのは・・・オレがもし死んだら骨は拾ってくれ・・・」
「え!?カイ君いきなりどうしたの!?」
家に着いたオレは、母さんから買い物を頼まれたため特売をやっているスーパーに向かうことになった。スーパーに着いたオレは、入り口に貼られている大型チラシを眺める。なんと今日はたい焼きとトマトが大特価だそうだ。まあ、頼まれたのはニンジンと玉ねぎとジャガイモと肉なんですけどね。今日の夕食のメニューはカレーのようだ。
「・・・たい焼きも買うか」
母さんに何か好きな物1つ買ってきていいと言われたので、ついでにたい焼きを買うことにした。たい焼き売り場にいくと色々な味のたい焼きが売られているのが見えた。どうするか?ここは無難にこしあんにしとくか。味を決めて、オレと両親の分のたい焼きを3つ手に取り、かごに入れた瞬間。どこからか声が聞こえてきた。
「あ、あの時の子や!」
どうやらここで運命の再開を果たした人がいるらしい。たい焼き売り場だぞ、ココ。どんな確率だよ、凄いな。今日買うものは全てかごの中に入れたので、その声をバックにレジに向かうことにする。
「あれ?聞こえてないんか?」
今日の夕食は楽しみだ。何て言ったってカレーだぞ?老若男女問わず人気のあるものだ。当然オレもカレーが好きなのだ。
「ちょ、待って」
最近やっと中辛に慣れてきたんだ。最初は甘口以外邪道だと思っていたが、それは早計だった。オレの舌がお子ちゃまだっただけで、慣れてくると中辛も美味しいのだ。
「何で無視するん?」
いつかは辛口にも挑戦したいものだ。カレーは奥が深い(9歳の意見)。
「こうなったら・・・」
というかさっきからオレの後方からずっと声が聞こえてくるんだが。まだ運命の再開を果たしてないのか?早くラブコメってくださいよ。オレは帰るんで。
「無視するなやー!!」
「うげっ!?」
後頭部から衝撃を感じて思わず変な声が出てしまった。最近オレ変な声出しすぎじゃね?自分で自分が心配になるよ。
それはともかくオレは後方にいる人物を確認するために振り向く。どうやらオレが運命の再開を果たした人物らしい。全く心当たりがないが。
オレにチョップをした人物の姿を目に収めて、オレは瞬きをした。車いすに乗った少女がいた。目の前の少女は嬉しそうに微笑んでいる。目をこすってもう一度確認してみる。その少女は変わらずに微笑んだままだった。そこでオレも微笑み口を開く。
「人違いじゃないですか?」
「何でや!?」
鋭いツッコミをいただいた。いや、マジで誰だかわからん。
家で今日の夕食を作ろうと思った私は、冷蔵庫に食材が少ししかないのを見て近所のスーパーに買い物に来ていた。トマトとたい焼きという組み合わせを大特価にした理由に疑問を持ったが、久しぶりにたい焼きを食べてみようと思い、夕食の食材をかごに入れた後、たい焼き売り場に行くことにした。
「あれ?」
するとそこに先日図書館で会った男の子がいるのに気が付いた。だから、私はその男の子に話しかけることにした。
「あ、あの時の子や!」
少しわざとらしかっただろうか。でもこれでこちらに気が付いて・・・くれなかった。男の子はたい焼きをかごに入れて移動しようとしていた。
「あれ?聞こえてないんか?」
もしかしたら声が小さくて聞こえなかったかもしれないと思い、確認の意味も込めてもう一度話しかける。
「・・・・・」
しかし男の子はそのまま歩き続ける。何でや!?
「ちょ、待って」
慌てて静止の声をかけるが止まってくれない。わざと無視してるんやない?
「何で無視するん?」
再び声をかけるがその足が止まることはない。ぐぬぬ・・・こいつ。
「こうなったら・・・」
私は急いで男の子の背後に行き手刀を構える。そして・・・
「無視するなやー!!」
「うげっ!?」
全力のチョップを食らわせた。何か変な声が聞こえたけど気にしない。こいつが無視するのがいけないんや。
男の子はやっとこっちを向いてくれた。それが嬉しくて微笑む。しかし私の顔を見た男の子は瞬きをしたり、目を擦ったりしてる。どうしたんやろか?・・・はっ!ひょっとして私のあまりの美しさに直視できないとか?私も罪な女やなあ。まあ、冗談やけど。そしてその男の子は微笑んで口を開き・・・
「人違いじゃないですか?」
「何でや!?」
私のことを覚えていないようだった。思わず突っ込んでしまった。なんか私だけあの子のことを覚えていて、あの子は私のことを忘れているとか凄い恥ずかしいんやけど。顔が熱くなってくる。何か悔しくて意地悪な口調で思い出してもらえるように言った。
「私の目の前でおじさんとラブコメしてたやん」
「ぐはっ!?」
心にダメージを受けたようで膝から崩れ落ちる。
「私のために本を取ろうとしてくれたんやろ?それなのに忘れるなんて酷いなあ。そんなにおじさんが印象深いんか」
「やめて!オレのMP(メンタルポイント)はもうゼロよ!!」
「ちょっと期待してるような顔だったもんなあ」
「思い出した!思い出したから!図書館にいたよね!?」
「フフッ、思い出してくれて嬉しいわ」
「オレはトラウマが思い起こされたんだけど・・・」
そこで周囲が騒がしいことに気が付いた。皆こっちを見てひそひそ話をしている。客観的にこの状況を見てみる。車いすに乗った少女に向かって土下座しているように見える少年・・・・・・アウトやあああああ!?私たちは互いに顔を赤くしながら会計を終わらせ急いでスーパーを出た。その際、車いすを押してもらった。ホントごめんな。
お互いに息を切らせて近くの公園へと移動する。ひどい目にあった。最近黒歴史増やしすぎじゃないですかね?本日2つ目だよ?
「さっきはごめんな」
「いや気にしないで、さっきの土下座事件は記憶から消去されたんだ」
「そ、そうやね」
「うん」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「そ、それでオレに何か用があったの?」
そのまま沈黙してしまったのでオレから話しかける。コミュ障は辛いよ。
「図書館でのこと、改めてお礼したくて話しかけたんよ。あの時はありがとう」
「どういたしまして。別に気にしなくてよかったのに」
「ちゃんと言いたかったんよ」
「じゃあ、ありがたく受け取っておくよ」
それを聞いた少女は何か考え込んでいるようだった。その数秒後に意を決したように少女が口を開く。
「私の名前は八神はやていいます。あなたは?」
「!?」
その時オレの脳髄に雷が走った。夜神・・・だと?
「私はLです」
「やがみ違いや!誰がデスノートの持ち主やねん!数字の八と神様の神で八神や!」
「すまない、バザガベルグ
「誰がスピードアタッカーのWブレイカーや!最早種族すら変わっとるやんけ!?」
その後も似たような問答を繰り返す。ネタを分かってくれるっていいよね。向こうも同士を見つけたような顔してるもん。
お互い目を見ながらガシッと握手する。
「同士と分かったところで、改めて自己紹介しようか」
「オレの名前は羽島カイ。そういう君はジョナサン・ジョースター」
「誰が波紋使いや!八神はやて言うとるやろ!」
しばかれました。
この問答一度やってみたかったんだッ!!
なお彼は高町家にロックオンされた模様。もう逃げられない!!