青年の異世界道中~Re:ゼロから始める異世界生活~ 作:カイト
久々にリゼロのアニメを見てたら書きたくなって書いただけです。 まぁ、息抜き程度なので更新は割と遅めになるかもです。
「さてさて・・・今度の世界はどんな世界かな?」
真っ白な世界の中で青年は呟くと足元に魔法陣を展開して白の世界から消える。
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「・・・此処が今回の世界か。」
青年の目の前には獣や爬虫類が人の姿をし、翼の無い竜が荷車を曳く姿が映る。 そして周りの風景は中世の様な趣の建物が立ち並び露天などもあり客寄せの為に声を出す人などで溢れていた。
《今回の世界は割とファンタジーな所だね》
「そうだな。 色々な世界を回って来たが今回の世界はほのぼのライフを満喫できればいいけど」
青年は辺りを見回すと街を走り回る二人の男女を見かける。 一人は今の場所では非常に目立つ上下が黒のジャージ姿の男の子でもう一人もまた珍しい美しい銀髪を靡かせローブの様なものを羽織った少女が青年の目に留まる。
「・・・あれは少年の方は日本人か?」
《もう一人は・・・ハーフエルフみたいだね》
「この世界で混血の扱いがどうなっているか気になるが・・・あの少年はこの世界では遺物になり・・・いや、違うな。 あの少年を取り巻く微弱な瘴気が気になるな。 ナハト追うぞ」
《はぁ、分かったよ。 しょうがないマスターだね。》
ナハトと呼ばれたのは青年の首に下げられた龍の顔がモチーフになっており喋る度に目にあたる部分が僅かに明滅する。
青年は橋の上で二人が来るのを待っていると目的の二人が歩いて来るのを見つけて
「どうも、御二人さん・・・何かお困りごとですかな?」
「あ、誰だあんた?」
「え、えっと」
「まぁ、そんなに警戒すんなって少年・・・いや、ジャパニーズって言えば分かるか?」
青年の言葉に少年は目を見開く。その隣の少女は何を言っているのか分からずに首を傾げる。
「ちょっと待て!」
言うや否や少年は青年に近づくと少女に聞かれない様に小声で話し掛けて来る。
「アンタも俺と同じで召喚されたのか?」
「召喚? いや、俺は自分自身の力で転移したらこの世界に来たってだけだ。」
「そ、そうなのか?」
青年の答えに少年は何処か落胆した様に見えて青年は首を傾げる。
「・・・それで御二人は何か困りごとかな先程から町中を走り回って探している様だが?」
「えっと、見ず知らずの方にお願いするような事では無いので」
青年の言葉に少女は毅然とした態度でそう告げる。
「そうか・・・なにやら大切なものと思うのだが、人手はいらないと?」
「ええ、知らない者の親切さの裏には何があるか分かりませんので」
「ふふ、気に入った。 ならば証拠を見せようじゃないか」
青年は苦笑しながら空に手を伸ばせば手を伸ばした先の空間にホロウィンドウが展開される。
「これはッ!?」
「SFものか?」
空中に投影された物に少女は驚愕し少年は別の意味で驚きを上げる。
「これはこの街を上空から映した光景で、至る所に点在する光点はこの街に住まう人達の生体反応を示すものだ。 さて、これを見れば分かる通り現在進行形で住人達の動きが分かるが、注目するのはコレだ。」
青年が手元に出現させた半透明な板で何やら操作するとウィンドウに映されていた街の全体図が拡大されると
「この他の住人に比べてやけに早い光点がキミ達の探し物になるのかな?」
青年が示したのは街の端にあるスラム街の様な場所で点々とある光点の中を非常に速い速度で走る光点が存在していた。
「これが・・・」
「居場所が分かったんなら早く行こうぜ! ありがとよ! SFのお兄さん!」
少年は街の地図を把握したのか少女の手を取り足早に目的地へと走る。
「・・・SFのお兄さんか」
《中々に面白いネーミングだね?》
「ふ、知るか・・・それよりも俺達も追うとしようか。 1人は魔術師の様だがもう一人は完全な一般人だし戦闘になどなれば彼女1人では下手すれば殺されるかもしれんからな」
そう言って青年は少年達が走って行った方角へと向かう。