脱出を試みる為に行動する涼子。その目の前に1人の男が立ちはだかる。涼子がそこで見たのは捕らえられた幽紀。涼子はその男と交戦を試みることに。しかし、あの涼子ですら敗れてしまい、気を失ってしまった…
そんなことを知らない荒士達はさらに奥へと進む。そこで様々な生物兵器と交戦。無事に生存した荒士と奈々はなんと巨大生物の体内へと入って行くのだった…
飲み込まれた二人はそのまま下へと落ちて行き、着地する。
「本当に生物の体内だったのか…。」
そういい荒士は辺りを見渡す。
「みたいですね…。」
壁はピンク色でウネウネしている。少し先を見ると少し黄色じみた液体の溜まり場があった。
「あれは…酸か…?」
そういい近づいて見てみる。かなり強烈な臭いだ。
「うう…この臭いは間違いない、酸だ。」
「入ったらおしまいですね。」
そういい二人は先を進むことにする。途中上に何やら窪みがあることに気がつく。
「ん?」
その窪みからは液体がポタポタと零れ落ちてる。おそらくこれも酸だろう。
「うん?」
先の方に底の深い酸が溜まっている部分があった。こんな中に落ちたらおしまいだろう。
「気をつけないとな…よっと!」
そういい飛び越える。引き続き奈々も飛び越えた。
そのまま少し上に登ると、崖に直面する。
「俺が先に行こう。」
そういい荒士は飛び降りる。しばらく落ちていくと下が見える。するとそこには下に酸が溜まっていることに気がついた。
「やべっ!」
とっさに大剣を取り出し、壁に突き刺す。酸溜まりはそんなに深くはないが、あの勢いで入ると跳ねた酸がかかったら大変だ。そこで大きな声で叫ぶ。
「奈々ちゃん!下に酸が溜まってる!俺が壁に大剣を突き刺してるからその上に降りてくれ。」
「わかりました!」
奈々の声が聞こえた。
「ふう…。」
無事に伝わってよかったとホッとする。すると少しして奈々が大剣の上に着地した。
「荒士さん?大丈夫ですか?」
先程から荒士は大剣はぶら下がったままだった。
「ああ、とりあえずあの先に…奈々ちゃん!上!」
そういい荒士は大剣の下側に体を隠す。奈々の壁側に身を引いた。すると酸が上から降ってきたのだ。
「マジかよ…心臓に悪いな…。」
「助かりました…。」
奈々はホッと胸をなでおろした。気を取り直して奈々は酸が落ちたその直後に跳び、向かい側の足場に着地した。
「今から行くね!」
そういい荒士は大剣を引き抜く、そしてそのまま壁を蹴り、回転しながら奈々のいる場所へ着地した。
荒士と奈々は先を見渡す。どうやら上に登らなければならないらしい。下にはかなり深い酸溜まりがあった。しかも、足場はかなり少ない。
「これは…」
「一歩でも踏み外せば死にますね…。」
そういい奈々は先に足場へ跳び、乗っかる。
「荒士さん、私が先に行きます。私が跳んだあとに荒士さんもその場所に来てください。」
「わかった!」
そういい荒士は奈々のいる足場まで跳ぶ。
「さて、次だな。」
「はい。」
そういい奈々が跳ぼうとしたその瞬間だった。酸の雫が上から垂れてきた。
「きゃっ!」
その場で倒れそうになり、荒士が後ろから支える。
「大丈夫?」
「はい、平気です。」
そういい奈々は気を取り直してタイミングを見計らい、ジャンプした。足場に無事に着地する。しかし、そこからまた酸の雫が落ちてきた。
「⁉︎」
避ける余裕など殆どない足場だった。
「奈々ちゃん!」
そういい荒士は慌てて飛び跳ねる。そして着地し、奈々を抱き寄せ、庇う。
「ぐあっ!」
「荒士さん⁉︎」
そのまま奈々を抱きかかえ、次の足場へと跳んだ。着地後、奈々は荒士から離れ、荒士に気遣う。
「ごめんなさい!大丈夫ですか?」
すると荒士は首元をおさえながら言う。
「ああ、やられたのは首筋ぐらい。後の分は大剣の鞘が盾になってくれた。」
そういい荒士は見せると大剣の鞘の一部が少し溶けていた。しかし、それでも大剣本体は無事だった。
「さて、気を取り直して登ろう。」
「はい。」
そういい二人は足場を順調に登りきった。
少し進んでからまた下に降りる場所がある。下に酸溜まりはない。
「何も…いないか…?」
もう少し見ていると何やら奇妙な物体が通って行ったのを確認した。
「私に任せてください。」
そういい奈々は下に降りる。
「あ、ちょっと奈々ちゃん!」
そういい荒士も飛び降りた。すると下には
「何あれ…」
「…」
そこにいたのは巨大なナマコのようなものに足が沢山付いている奇妙な生き物だった。
しかしその生き物はここに人がいるにもかかわらず、足を止めない。
「奈々ちゃん!」
「はい!」
そういい奈々はサブマシンガンを連射する。すると少し速度が緩まっていることがわかる。その隙に荒士はマグナムを撃ち込んだ。するとその生物はバラバラになり、消し飛んだ。
「あれもクリーチャーなのか?」
「わかりません。」
そういい下に降りて行く。すると今度は下のエリアにあの生物が二体いることに気がついた。
「やばっ!」
そういい慌てて荒士は大剣を取り出し、迫ってきた生物に対して大剣を突き刺す。すると動きを止め、消し飛ぶ。続くもう一体と行ったところだったが、奈々がちょうど倒していた。
「ふう…」
「心臓に悪かったですね。」
そういい奈々はサブマシンガンをリロードする。荒士は大剣を鞘に納めた。
「にしてもかなり体力を使うな….登ったり降りたり…。」
「大丈夫ですか?」
かなり汗だくの荒士に奈々は気遣う。かなりの疲労が溜まってるのだろう。
「大丈夫だ…。行こう、先はまだある。」
そういい二人は下に降りる。降りた先には浅い酸溜まりがある。さらにそれは遠くまで続いていた。
「足場を跳んでいけと…?」
そういい荒士は上にある足場を見た。
「荒士さん、行けますか?」
「大丈夫、いけるさ!」
そういい足場へ向かってジャンプする。無事足場に着地し、そのまま次の足場へと跳び、最終的に奥までたどり着いた。
「奈々ちゃん!ここで待ってるから!」
「はーい!」
そういい奈々も慎重に足場を跳んでいく。あと少しで荒士の元へたどり着く。
「あと少し…」
そういい跳ぼうとした瞬間だった。
「ひゃっ!」
足を滑らせてしまい、酸の中に落ちそうになる。
「奈々ちゃん!」
パシッ!
なんとか落ちる寸前で手を掴んだ。
「荒士さん。」
「大丈夫、大剣刺してるから。今引き上げるね。」
そういいなんとか引き上げた。
「ごめんなさい…いつも、足引っ張ってばかりですね。」
「そんなことないよ、奈々ちゃんに何度救われたことか…。それに」
「それに?」
奈々は首を傾げて言った。少しドキッとしながらもその言葉を口にする。
「な、奈々ちゃんのことが…す、好きだから…///」
すると奈々は顔を真っ赤にして何やら口をもごもごと動かした。
「奈々ちゃん?」
「あ、い、いえ!なんでもないです!早く進みましょう!」
そういい奈々は手を引き、先へと進む。
「ちょ、ちょっと!奈々ちゃん⁉︎」
結局何を言ったのかもわからないまま先に進むことになった。
下に降りると何やら黄銅色の奇妙な球体がある。
「ん?なんだこれ?」
そういい荒士が近づく。何やら先端には無数の棘が…
その瞬間、奈々の声とその見た目から察した。
「荒士さん!下がってください!」
「っ!」
そういい即座に後ろに下がるとその球体からは無数の針が伸びた。
「マジかよ…あぶねえ…。奈々ちゃん今回も勘?」
「はい、なんだか嫌な予感がしたので。」
会話していると少しずつコロコロと転がり、こっちに球体は接近してきた。
『ウニックス』
黄銅色の球体で、先端はハリネズミのように細かな棘がいくつもある。敵が近づくとその針の一部を巨大化させ、伸ばすことで敵を刺し殺す。
「離れて戦えば問題ない!」
そういいマグナムでウニックスを撃ち抜いた。するとウニックスは粉々に消し飛んだ。
「こんなやばいやついたのか…。」
「そうですね、この先でも見るかもしれませんから気をつけましょう。」
そういい二人は敵を警戒しつつ先に進むことにした。
バン!バン!
次々に迫るウニックスを的確に倒していき、先へと進んで行く。
「ここからは上に登れって訳か…」
そういい上へと続いていることに気がつく。
「行けますか?」
「うん、行こうか」
そういい上へと登ることにする。途中でウニックスが道を塞ぐ。
「またこいつか」
そういいマグナムで吹き飛ばす。
「よし、行こうか。」
そういい上にある程度進んだ時だった。
グラグラグラ…
何やら揺れだした。
「地震?」
「わかりません、しかし嫌な予感が…。」
するとしたから徐々に酸が登ってきてることがわかった。
「これってもしや…」
「はい!逃げましょう!」
そういい二人はどんどん上へと跳んで移動して行く。酸の迫る速度に比べると早く、このまま行けば間違いなく間に合う。
しかし、二人の行く手にウニックスが一匹いた。
「またこいつか!」
そういい荒士がマグナムを撃とうとしたその時だった。ウニックスは転がり、荒士の左腕に針を展開。左腕を突き刺した。
「あがっ!」
慌てて荒士はサバイバルナイフを取り出し、ウニックスに突き刺す。するとウニックスは針を収め、消し飛んだ。
「荒士さん!」
奈々が声をかける。そんな中でも酸は迫ってくる。
「気にしないで!早く上に行くんだ!」
「でも…」
「いいから早く!」
すると奈々は躊躇いつつも上へと登っていった。酸は荒士の元へ徐々に迫ってきた。
「くっ…」
左腕をぶら下げながらもなんとか立ち上がり、上へと登る事にする。
「何としても…生きるんだ…」
そろそろ足に届きそうなほど近くまで酸が来ていた。
「よっと!」
慌てて上に跳び上がる。無事着地し、次のから次へと足場へ移動する。
「間に合え!間に合ってくれ!」
その頃奈々は次々に敵を除去し、なんとか先へと進むことが出来た。
「荒士さん…」
途中でダメージを受けた荒士が心配でたまらなかった。しかし、そんなことで止まるわけにもいかない。きっと後を追って来てくれる。そう信じて。
さらに先へと進んで行くと、なにやら広い部屋のような場所へとたどり着く。
「ここは…?」
あたりには沢山の目のようなものがある。正直気持ち悪い。しかし、奈々はそんな事に反応するのがいちいち面倒くさい。
すると上の方からなにやら鞭のような無数の触手がびろんの垂れて来た。
「?」
そしてその触手とともに無数の目が開く。それと同時に触手が動き出した。
「⁉︎」
奈々は慌てて後ろに退がる。
「なんなのこいつ…」
そういいハンドガンを構える。こっちにめがけて触手が襲いかかる。奈々は回避して、ハンドガンで上を狙い撃つ。しかし効いてる様子は全くない。
「そんな…」
その間も触手は容赦なく襲いかかる。そして、奈々は足を掴まれる。
「きゃっ!」
そのまま拘束しようと触手は試みる。だが、奈々は必死に振りほどこうともがく。
「もう、なんなの!」
そういいもがいた時に手に力が入り、引き金を引く。すると弾はたまたま赤い目直撃する。すると怯んだのか触手は拘束を解除する。
奈々は理解した。こいつの弱点は目、さらに赤いところだと。
だが、弱点はわかったところで相手は触手で絶え間無く攻撃をしてくるだろう。
「少しでも動かずに…。」
そういいリロードする。また触手が迫る。
攻撃をかわしつつ赤くなった目の部分を狙う。移動しながらなので狙いにくいが、それでも正確に、狙いを定め、射撃する。
「いい感じ…」
順調だった、いい感じに目を狙い撃ち、その度に怯むので怯む隙にリロードをする。
「このまま…」
しかし、触手がフェイントを仕掛け奈々の腕を掴む。
「⁉︎」
そのまま触手が奈々の全身を拘束する。
「やだ、離して…!」
奈々は藻がくがかなり力強く拘束されているため触手はなかなか離れない。すると触手の先端は硬化し、奈々の胸元を狙う。そのまま串刺しにする気だ。
「やだ…」
奈々は恐怖心で体が硬直する。
「助け…て…」
そして、触手はそのまま奈々の元へ降ろされた…。
今回も読んでいただき誠にありがとうございます!光陽です!
私の大好きな…大好きな遊戯王がぁぁぁ!
はい、リンク召喚のせいで大半のデッキが死んでしまいました。
でも、辞めるわけにはいきません!
なお、身内間ではマスタールール3でする予定です。
どうでもいい話はさておき、今回は荒士君も奈々ちゃんもピンチです!今の多くのデュエリスト達と同じ状況、果たして2人の運命は⁉︎
次回「作者死す!」デュエルスタンバイ!
「やったぜ!」