家出なんて絶対しない 作:さんま
-------登校初日の朝
俺は、朝早く起こされ制服を着せられた。
形状は、セーラー服と学ランを合わせたような感じ。
その後、メリー姉さんとセラとともに朝食をとった。
メリー姉さんとセラは、昨日少ししゃべった感じだと、
とても接しやすい。
メリー姉さんは俺の体調を気にかけてくれた。
やはり優しい姉だなと思う。
俺は兄弟がいなかったから、姉と妹という存在は、
とても新鮮だ。
また妹は少し無口だが、13歳にしては、しっかりしていて
一応俺のことを兄さん呼ばわりしてくれている。嬉しいこと
この上ない。
いつの間にかに、俺シスコンになってんじゃね。
冗談はここくらいにして、内心、マジ安心。
最悪、家族扱いしてくれないと思ってたから。
「さて、メリー姉さん、セラ一応編入の手続きがあるから、
早めにでるね。」
「わかったわ、ケイ。行ってらっしゃい。」
「兄さんいってらっしゃい。」
優しい家族に囲まれてよかった。
体も軽い、足に力を入れて地面を蹴った。
◇◇◇◇
ミステルティン帝国魔術学園の門をくぐると、
教員らしき男がいた。身長は、俺と同じくらいの170センチで、
頭は薄らハゲどこにでもいる少し年取ったおっさんということだ。
「君が今日から編入するケイ・エインズワーク君ですよね?
私は、これから君の担任なるんだ。よろしく。
それと、属性のチェックをしたいから、ついてきてください。」
先生はそういうと、東棟の中等部に向かった、突き当りを曲がり
魔法計測室に入ると。そこに置いてあった水晶玉に手を置くように
促された。
俺は、水晶玉に手を置き数十秒待つと、水晶玉が黒くなった。
その瞬間、部屋に驚嘆の声が響いた。
「ケイ君、君は無属性だよ。嘘だろ、君は10億分の1の
確率で生まれたイレギュラーだよ。」
「その、、先生。ええっと、属性は5つだけと聞いてんですけど
無属性とは何ですか?」
「ガイル様から聞かなかったんですか?まず、無属性は
5つ全ての属性を習得し使うことができる。この帝国にも
一人しかいない。これは、外部に漏れると色々とマズイ。
このことは、内密に。それとあとで、ガイル様にも
報告しておきます。この学園にいるうちは、火属性を
使ってください。」
「わかりました。」
「それと、そろそろホームルームがあるので、
教室に向かいましょう。」
それから俺と先生は部屋を出た。
◇◇◇◇ 教室前
「出席終わり。今日は転入生を紹介する。ケイ君入ってきて。」
特有のざわざわ感が教室に漂う。
俺は教室のドアを開けた。
見たところそれは教室というよりも大学の講堂といったところだ。
「こんにちは、俺はケイ・エインズワークです。魔法のことは
まだあまりわかりません。教えてくれるとありがたいです。」
すると、「やっぱり名前だけかよー。」
「姉に似るんじゃないか。」と聞こえた。
学園中に伝わるほど、魔法が苦手なのか。
やっとガイルがいっていたことがわかった。
俺はこの学園についていけるのか?という不安が
大きく押し寄せた。