城下町のダンデライオン 長男のドタバタ生活 作:てこの原理こそ最強
岬についてです
学校を終えオレは今岬と遥の中学校へ向かっている。なんでそんなところに行くかというと、なんかインタビューがあってそれにオレと岬が答えることになっている。ほんとはこういうインタビューには長男長女が答えるのだが葵は生徒会の手伝い、奏も生徒会、茜はあれだから…ということで岬が担当することが多い
中学に着くと外ではいろんな部活がやってる
ん?あそこで野球やってるのって
「うぉーりゃ!」
岬の能力の分身の1人、[憤怒の化身]ユニコがいた
「よっしゃー!」
「ユニコナイスバッティー」
「おー神にぃ!サンキュー!」
はたまたサッカーしてるのは[傲慢の化身]ライオだ
「ごめんあそばせ!」
「ライオナイスシュート」
「あら神兄様、ありがとうですわ!」
ユニコとライオがいるってことは他もいるのか?まだ時間あるし見て回ってみるか。そう思って校内へ入る
「さてどこにいるか一番わかりやすいのは…ブブだな」
あいつなら食事に関するとこに行けばいるだろ。と思い料理部に言ってみると案の定いた
「はむっ」
そこで[暴食の化身]ブブが作ってあるものを片っ端に食っていた。あんなに食って岬自身の体重は増えねーのかな
次に体育館に言ってみるとそこに[嫉妬の化身]レヴィがいた
「シンデレラ、許せない」
流石嫉妬の化身。嫉妬役は完璧だな
他には全く見当がつかなかったため校内をうろうろしてみることにした。そしたらある教室から
「王手!」
「ま、まいりました」
聞き覚えがある声がすると思ってのぞいてみると[強欲の化身]イナリが将棋を指していた
また歩いていると今度は美術室のドアが開けっぱなしになっていたので中を見てみると[怠慢の化身]ベルが寝てた。あーあ、よだれ垂らしてだらしがない…てかなんでそんなんでデッサンのモデルなんてしてんだ…?
その後も歩いていると今度は茶道部から
「おひとつどうぞ」
中からなにやら色っぽい声が聞こえてくる。どうやら[色欲の化身]シャウラはここにいるらしい。覗くのもあれだからそのまま素通りする
全員見つけたことだしさっき岬から連絡があった視聴覚室に行くか…視聴覚室ってどこだっけ……
コンコン
「失礼します」
「あ、神にぃ」
「神様!この度はありがとうございます!」
「いえ。すみません、もう始まっちゃってました?」
「まだだよ」
「ならよかった」
少し迷ったから遅れたと思ったがまだ始まってなくてよかった。そしてインタビューが始まって少しすると
「葵姉さんと奏姉さんは家でもしっかり者ですけど、茜姉さんは家だと癒されるっていうかムードメーカーですね」
「なるほど、では次にお姉様方は大変優秀な方々ですが…」
「岬〜」
「ん?」
「部活の助っ人終わったよー」
分身達が戻ってきた
「お疲れー」
「ちょっと押すなよ」
「痛っ!今足踏んだでしょ」
一気に入ってきたのかひっちゃかめっちゃかになっている
分身は岬の感情を分裂したものでそれぞれ特技があるからよく部活の助っ人をやってるらしい
「よーお前ら…ちっとは落ち着け」
「あ、ちょっと」
「なんですの?くだらない質問ばかりですわね」
「こら、返しなさい」
「もっと他に聞きたいことはありませんの?例えば今日の下着のい…ビシッ」
「言わんでいい」
「し・ん・に・ぃ〜♪」
「ん?シャウラ、茶道部の助っ人お疲れ」
「あら、なんで知ってるのかしら?」
「さっき通ったら声がしたからな」
「声でわかるなんて、流石神にぃね♡」
「やめなさい!」
「や〜ん」
ソファの後ろからオレの首に腕を回しているシャウラを引き離す岬
分身を戻し引き続きインタビューを受ける
インタビューも終わり岬と一緒に帰る。遥は先に帰ったのか?下校しようとするとさっき分身が助っ人をやっていた部活の面々から感謝の言葉をもらっていた。だが、その中で少し思う言葉があった…岬は少し悲しい顔をしている
「ただいまー」
「ただいま」
「あ、おかえり。ちょうどよかった、あとで間島さんくるって…またお願いできる?」
「インタビュー?」
「うん、葵お姉ちゃんもかなちゃんもまだ帰ってなくて…お願い!」
「そう…わかった」
帰ってもインタビューがあるらしい。茜から頼まれてまた岬がやることになった
お互い自分の部屋に戻って少ししたらベルが入ってきてオレのベッドで寝始めた
「おい、何やってんの…」
「寝る」
「てかなんで分身してんだ?」
「zzz」
「てもう寝てんのかよ…はぁ、仕方ねぇ」
オレはベルをお姫様抱っこして岬と遥の部屋に行く
「岬ー遥ー入っていいか?」
「兄さん?いいよ」
「てか開けてくれ」
そう言うと遥がドアを開けてくれた
『あー!』
「兄さん…」
「し、仕方ねぇだろ、寝ちゃったんだから」
「神にぃ〜、私もお姫様抱っこされた〜い」
「あーもう!全員座れ!あたしの愚痴を聞いてもらうために呼んだんだから聞きなさいよ!」
自分の愚痴を聞かせるために能力使ったのか!?
「自分に自分の愚痴を聞かせても仕方ないと思うのですが」
「どうせしょうもないことなんでしょ。贅沢の極みね」
「そうそう、もっと気楽に行きましょうよ♪」
「座れっつてんでしょ!」
まだオレに抱きついていたシャウラに岬が叫ぶ
「もういいですー!わかりましたー!みなさんどうぞご勝手にー!」
「ごめ〜ん、悪かったわよ。話聞くから」
「一旦落ち着きなさいよ」
「食べる?」
「うるさい!どうせいつも頼られるのは分身のあんた達で、私は誰からも必要とされてないんだ!」
「おいおい、一体なにがあったんだ?」
なぜか機嫌の悪い岬はどうしたんだ…
「唐突にどうしたんだよ?今日も学校でモテモテだったじゃん」
「だから!それはあたしじゃなくてあんた達でしょ!あたしはあんた達のおまけかっつーの!」
あーそういうことか…そう思っていると
コンコン
「岬、間島さんきたんでお願いね」
「やだ」
「うん、じゃあ下で待って……えっ!!」
岬の反応に驚く茜
「は、反抗期キター!!!」
茜はいつも間が悪いな…
「あたしじゃなくてもいいじゃん、あかねぇか神にぃやってきてよ」
「む、無理だよ!こういうのは岬が…」
「まままま茜ちゃん、今日のところは私がやるから〜」
「え、でもー」
「いいからいいから〜さ、行こ〜」
「え、ちょっ…」
バタン
とりあえずシャウラがやるようだ
「あのさー、必要とされてないって言うけど…」
「ごめん、それあたしのわがまま。あたしって運動も頭もスタイルも全部平均で、なんでもできるお姉ちゃん達やあんた達が羨ましかった。もういいんだー普通のあたしがあんた達みたいになれる訳ないんだもんねー」
おいおい、普通の人間が分裂とかするかよ……
「なーに言ってんだ。自分はおまけとかほざいてるけど、私達みんな岬の一部なんだぞ!」
ユニコ、いいこと言うじゃん!
「今の何が嫌なんだ?岬、普通のなにが悪い?オレは今の岬が大好きなんだぞ?岬が今の岬じゃなくなったらオレは困る。それに要は…」
「岬!やっぱダメ!この子ったら…え、エッチなことばっか言うんだもん…!岬なら社交性あるし、客観的にみんなのこと表現できるし、エッチなことも言わないし!岬じゃないとダメんなんだよー!」
要は適材適所なんだよ
「神にぃ〜、茜ちゃんにめちゃくちゃ怒られちゃった。慰めて♪」
「そこ!どさくさに紛れてなにやってんの!」
「ふふっあなたがしたいと思っていることをしているまでよ〜」
「神にぃに抱きつくのはあたしだけでいいの!だからあんたはやんなくていいの!!離れなさい!」
「や〜ん」
オレに抱きついていたシャウラを引っぺがす岬
「あー行けばいいんでしょ!行けば!あたしがいないとみんなダメダメなんだから」
「岬ー!」
「はいはい自由時間終わり!全員中に戻れ…ん?」
部屋には分身が6人しかいない
「あいつどこ行ったー!!!」
いつもの岬に戻ったようでよかった
ー余談ー
「神にぃ、さっきはありがと」
「おう、インタビューはもう終わったのか?」
「うん、さっき」
インタビューを終えた岬がさっきのお礼を言ってきた。お礼なんていいのにな
「それで神にぃ、さっきのってほんと…?」
「さっきのって?」
「あたしが好きって…」
「あー」
オレは一呼吸置く。そして岬の頭に手をのせ
「当たり前だろ。お前のことは大好きだぞ(家族として)」
岬は下を向いているがいきなり
チュッ
「へへっ///あたしも神にぃだーい好き!♡(男女の意味)」
岬はオレの頬にキスしてきた
「おい…いくら家族でも……」
言い終わる前に岬は部屋に入ってしまった…まぁ元気になったならいいか……
ー岬の部屋ー
「ー!/// あたし大変なことしちゃった!/// 明日からどんな顔してあったらいいのかわかんない!!!///」
岬は顔を真っ赤にして布団に包まっていた
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ましまさんの漢字がわかんなかったので勝手につけちゃいました
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