城下町のダンデライオン 長男のドタバタ生活 作:てこの原理こそ最強
遅くなってすみません
今日は朝から朝礼があるため全校生徒が体育館に集まっている
なんか1、2年の方がざわざわしてるな
「そういえば生徒会長って見たことないな」
「1年生って噂だぜ?」
「1年で会長になれんのかよ」
あーそういうことね
この学校の生徒会長はオレのクラスのやつなんだが、少し体が弱くてよく体調悪くなって休むんだよな…そういえば今日まだ見てねぇな。大丈夫か?
そんなことを考えていると壇上に生徒会副会長である奏が上がった
「まずみなさんに報告があります。来週末全校生徒をあげて町内清掃を実施します。」
町内清掃か…茜は大丈夫か……?
てかこれって"あいつら"動くんじゃね…?うーん…ちょっと様子見に行くか
昼休みその団体の長の様子を見に1年生の教室を訪ねる
「えっと…」
『きゃー!!神様!!!』
「あー…こんにちわ…」
きたはいいがすぐに1年生に囲まれてしまった
「みんな落ち着け、とりあえず離れてくれ…あ、花蓮!」
囲んでくる1年生を落ち着かせ教室に戻らせると廊下をこっちに歩いてくる花蓮を見つける
オレに気づいた花蓮はなんかすっごい笑顔になってこっちに走ってきた。廊下を走ってはいけませんよ…
「神にぃ!」
「よっ」
「どうしたの?ここにくるなんて珍しいね。茜?」
「あーまぁそれもあるんだが…花蓮、福品ってやつ知ってるか?」
「うん、おんなじクラスだよ?」
「そいつどこにいるか知らないか?」
「うーん、教室にいないならちょっとわからないや」
「そっか(いないってことは…さては奏のとこか?)」
「ごめんね」
「いや、いないってわかっただけでも十分。助かったよ」
オレはそう言って花蓮の頭を撫でてやった
「〜///」
「おっとわりー、またやっちまった」
「えっ///ううん大丈夫///」
そうは言っているが頬が赤い
「そういえば茜からデートの話聞いた?」
「え、あー一応聞いたが…」
「行かないとかなしだからね?♪」
「わ、わかった…」
「日にちはまた連絡するから」
「お、おう…じゃあありがとな」
「バイバイ♪」
一方的な約束だが花蓮には日頃から茜が世話になってるし、断れるわけがない
とりあえず気をとりなおして2年の教室へ行くため階段を上ろうとすると上から
「冗談じゃない!」
でっかい声が聞こえてきた。この声は修か?
階段を駆け上がってみると
「…あいつのことは嫌いじゃないがそれとこれとは別だ!」
「冗談です」
「何があったんだ?」
「あ、兄さん」
「お兄様!」
奏はオレに駆け寄ろうとしたが、いきなり止まってまわりをキョロキョロ確認して
「お兄様!♪」
「うわっ!おい奏、離れろ!」
「誰もいないからいいじゃありませんか♪」
誰もいないのを確認して勢いよくオレに突進してきた
「とりあえずなにがあったんだ…?」
「かい…福品が茜を嫁にくれって言ってきたんだと」
「マジか…」
「冗談ですってば、今朝の町内清掃の件でした」
「そっか、ならいい」
修はそう言って教室に帰って行った
「ほら奏、お前も教室に戻りな。福品はもういないんだろ?」
「わかりました…」
奏は渋々戻って行った
オレは自分のクラスへ帰ろうとすると
「おやおや、珍しい人がいますね」
「ん?」
神は下級生に見つかった
「おーい櫻田のお兄さんだぞ〜」
下級生Aは仲間を呼んだ
「こ、こんにちはお義兄さん!あ、お義兄さんだって〜///」
「なになに〜どうしたんですか?」
『あー!神様よー!!!』
神は後輩に囲まれた
「君は…佐藤さんだったね」
「はい!いつも櫻田君…修君にはお世話になっております!あ、修君だって〜///」
「お、おう」
「それで、弟さんにご用ですか?それとも妹さんにですか?」
「あはは、修にってことはないでしょー」
「えっ!なんで!?」
「神様、せっかくなんで遊んで行きましょうよ!」
「え、えー…」
ダメだ、逃げられない。
オレは下級生に連行された…
やっとのこと逃れて自分の教室に戻ってくると、茜が静流達に遊ばれていた
「葵、これどういう状況だ…?」
「あ、神君。茜がここにきて見ての通りに…」
「あ!神ちゃん助けて!」
「つれないなー茜ちゃん」
「もうちょい遊んでこうよー」
「茜、頑張れ…」
茜は連れてかれた…南無……
「そういえば卯月きたんだな。大丈夫か?」
「はい大丈夫です!ありがとうございます神君!」
ー町内清掃の日ー
「それではみなさん、町内をピッカピカにしちゃいましょう〜」
『はーい』
お、今日は卯月大丈夫な日だったか
なんか1年生…あれは茜のクラスか、盛り上がってるな
先日に様子を見ようとしていた福品は"茜ファンクラブ"会長なのだ。そのためその会長が委員長やっている茜のクラスは熱気がすごい
ちなみに修が会員No.2らしい。
ー余談ー
町内清掃が終わり家では
「あーつかれたー」
「若いのに情けないわね」
茜がソファに仰向けで寝そべっていた
その茜の上にボルシチが飛び乗る
あ、ボルシチっていうのはこの前光が拾って飼うことになった猫だ
「ボルシチが茜以外の上に乗ってるのって見ないよな」
「いつもご飯あげてるの私だからねー」
「大方そのなだらかさがいいんだろうな」
「うっ!」
修に言われたのがショックなのか涙を流す茜
「なだらかさだったら私もなかなかだよ?ボルシチーおいでー」
光が呼ぶがボルシチは動かない
「こない…」
「茜の方がなだらかだと判断したか」
「えっ!?」
茜はボルシチを降ろし、光の胸を揉み始める
「いずれはくることだとわかってはいたがもう!?早すぎる!これが成長期というやつか…」
「やめてください…」
「茜、家族でも一応オレ達男もいるんだが…」
「揉んでみますか?お兄様?♪」
奏が変なことを言い出した
「やめなさい…」
「神にぃは私の方がいいよね♪」
岬まで悪ノリしてきた
「教育に悪いからやめろ。じゃないと明日から口利かないぞ?」
そう言うとすぐ悪ノリをやめる。まったく…