城下町のダンデライオン 長男のドタバタ生活 作:てこの原理こそ最強
これはアニメが終わった場面で完結にしようと考えています
今は商店街を散歩している。そこらには選挙ポスターがたくさんある。国王選挙までいよいよ1ヶ月を過ぎたと実感できるな、とあれは奏か?買い物か
「奏ー」
「あ、お兄様♪」
奏はオレのことを見つけるやいなや飛びついてきて腕を組まれた
「なに買うんだ?」
「これです」
「じゃあ手伝うよ。一緒に行くか」
「ありがとうございます!ふふっ、デートですね♪」
「ただの買い物だ」
そして全ての買い物を終え帰宅している
「奏は王様になってどうしたいんだ?」
「いきなりどうしたんですか?」
「国王選挙まであとちょっとだからな」
「えっと…きゃっ!」
奏が何か言おうとした瞬間強風が吹いた。するとなにか音がすると思って上を見ると鉄骨が落ちてきた
「奏!」
「お兄…様…?」
「大丈夫か…?」
オレはとっさに奏の腕を掴み風で体を浮かせ回避した。今はお姫様抱っこ状態だ
「お兄ちゃん…」
「よかった」
「なんで、なんでお兄ちゃんは昔も今もそんなに…」
「なんだ?」
「もう少し自分の体のことも考えてよ!」
「なに言ってるんだ。オレはなにがあろうとお前達を守ってやる」
「それでお兄ちゃんが怪我しちゃったら私は…」
「あー、そんときは看病頼むよ(ニコッ)」
「お兄ちゃん…ひぐっ!」
思い出したのか奏はオレの胸に顔を埋めて泣いてしまう
その後奏をおぶって帰宅した。お姫様抱っこのままがいいと言われたが丁重にお断りした
ー帰宅後ー
みんながリビングに揃ってサクラダファミリーニュースを見ている
『それでは最後に今週の世論調査の結果です』
『トップと2位はは不動の神様と葵様。これを僅差で追いかける茜様。』
「はぁ…すごいなー神にぃと葵ねぇは。演説や選挙活動一切やってないのにトップと2位だもんね。やっぱ人望なのかなー」
『3位の茜様は先日、100回目の演説を行われました』
画面に出てきた茜はまた噛んでいた。茜は100回もやってるのにまだ噛むのか
『4位は返りざきの奏様。ここへきて再び支持率を伸ばしもう追撃です。続く5位は岬様…』
「あー!かなねぇに逆転されたー」
その後それぞれの順位が発表された
「逆転って言っても大して変わらないじゃない」
「逆転は逆転だよー」
「岬、最近あまり演説やってないからかな」
「どうして?」
「演説行った先々や通りがかりですぐに助っ人引き受けちゃうから」
「今日も公園でお掃除してたね」
「昨日は通りがかりの引越しの手伝い。一昨日の朝は魚市場で荷上げの手伝い。先週なんかティッシュ配りの助っ人なんてやっちゃってさ」
「だって大変そうだったんだもん」
「まぁそれが岬のいいところだよな。誰にでも優しくできるし手伝えるってことはみんなができることじゃない。オレはすごいことだと思うぞ?」
「神にぃ…嬉しい!」
「うわっ!だから抱きつきくなって!」
「神にぃ♪神にぃ♪」
「こらー!岬ー!あなたはいつもいつも!」
「いいじゃん。かなねぇはさっきまで神にぃにおんぶされてたじゃん!」
「あれは…いいから離れなさい!」
「いーや!」
「ただいまー」
いつもの奏と岬の口喧嘩が始まりそうなときに修が帰ってきた
「おかえりー、食事どうする?」
「いい、食べてきた」
「遅かったね」
「花を送ってきたからな…って大丈夫か兄さん?」
「…助けて」
「がんばれ…」
この野郎!見捨てやがった!
「スケジュール管理から演説の仕切りまで全部佐藤さん任せにして、修ちゃん楽してるよねー」
「おまけに支持率も上がってるしな」
「だよねー」
「くっ!なぜなんだ!?兄上や姉上達はどんどん支持率が上がっているのに、どうして僕は…僕は…なぜ、この1ヶ月で1ポイントしか伸びないんだー!」
「1ポイント伸びてるじゃん」
「うん、立派だよー」
「やったね輝ー」
岬、茜、光から嫌味ともとれる言葉でダメージを食らう輝
「それは、上にいるという余裕ですか!?それとも僕に対する哀れみですか!?僕は王様になって大切なものを守りたいのに…まだまだ強さが足りないのか!?」
「輝お兄ちゃんはいつでもトップ」
おお!栞から暖かい言葉が…
「やる気だけは」
「栞、それが結果を伴わない現実…残酷だ」
栞、フォローになってないぞ
「なぁ輝。多くの票を集めることも大切だが、1票の重みを知る方がもっと大切だと思うぞ?」
「兄上」
「自分に入れてくれる1票に感謝することが次の得票へ繋がるんだ。それが何年も積み重なって何万票に繋がるかもしれないぞ?」
「輝お兄ちゃんすごい!」
「さすが神にぃ♪いいこと言う♪」
「だーかーら!岬はお兄様に引っ付きすぎ!」
また始まってしまった
「神ちゃん!私にも何かアドバイスちょうだい!」
「いい加減出だしで噛むのやめた方がいいんじゃないか?」
「ですよねー」
国王選挙まで残り1ヶ月。果たして誰が次期国王になるのやら
ー余談ー
突然葵の携帯が鳴り出した
「もしもし、えっ!?お父さんが!?」