わんわんおを待ち望んでる皆様申し訳ありませぬ。
では、ドゾー(っ´∀`)っ
そう、何を隠そう私は超石頭なのである。
恐らく、そこらの今なら簡単に破壊することができるだろう。もしかすると、鉄とかでも壊せるかもしれない。まったく、自分の頭なのに恐ろしいことだ。くわばらくわばら。
それなのにも関わらず、花妖怪の腕は軽く折れただけであり、逆にこちらの心が折れてしまいそうだ。って言うか、あの花妖怪、強すぎるでしょ。まだ頭がガンガンしている。
「ふぅん...。結構やるのね。それじゃあ、ちょっと本気を出そうかしらね。」
あっもう止めて下さい。それ以上やられれば塵一つ残らない可能性が高いです。私が賭けで負ける確率ぐらい高いです。
だからほら、そのオーラみたいなの出すの止めて下さい。遠くで見ている妹紅でも汗が止まってないから。足もガクガクしてるし。
...あ、オーラが腕にまとわりついた。
「『
へァっ!?何で!?何で妹紅の技使えんの!?
しかも腕!せっかく折ったのに治されちゃったよ!ここで振り出しに戻った、なんて言えたらいいけどね!こっちは満身創痍なのに、あっちはピンピンしてるからね!もう、どうしようも無いね!勝負は見えたね!(泣&諦め)
ああ、これはまずいな。どんどん相手の力が湧いてきてるのがわかる。こんな状態でさっきの妖力弾なんか撃たれたrーーー。
シュゥゥン、ドォーーン......!!
妖力弾が耳元をすり抜け、私の髪を
「どうしたのかしら?私はまだ全力じゃないわよ?ほらほら、かかって来なさいな。」
どうせ逃げても捕まって殺されるだけだ。ふう、と覚悟を決め、花妖怪の方へと走り始める。先ほどよりも数倍は速いであろう妖力弾が飛んでくるが、紙一重で躱す。
「そんなので逃げ腰になってたら一生私の元には辿り着けないわよ!」
その通りです。勝つ気ないし。実力が違いすぎる。
といっても結局は勝たなければ先へは進めないのだ。ましてや、妹紅を戦わせるわけにはいかない。つまり、私は絶対に勝たないといけない訳だ。世知辛い運命ですな。
......呼吸を整える。
思い出せ、初めて暴走したあの夜のことを。あんな状態になってしまえば私はただただ攻撃し続けるだけだ。負けは見えている。ならばどうするか。あの力を操るしかない。
落ち着け、私。何を焦る必要がある。大丈夫だ。きっと成功する。今までも色んな困難を乗り越えて来ただろう?今からするのは、とても簡単な事。
「......、『
「......っ!」
わたしから、力が溢れる。
この技は、霊力、魔力、妖力、神力のどれにも当てはまらない、私が編み出した力。『精神力』。
種類的には気力とよく似ている。自分の精神力が強ければ強く、不安などが胸の内を蝕んだりすれば弱くなる。全ては自分の心次第という訳だ。...私、豆腐メンタルですけど。
すっ、と歩みを進めるように1歩踏み出す。しかしそれは肉眼では捕えられず、花妖怪には瞬間移動したかのように見えるはずだ。
「くっ...どこへ!?」
「後ろですよ、後ろ。」
「!」
咄嗟の反応で、花妖怪は傘を後ろに振る。その威力は急な場合であっても減衰はせず、極度の風圧が巻き起こる。それに当たれば、吹き飛ぶだけでは済まないだろう。...当たれば、だが。
さっきの言葉はもちろん
上へ跳ぶと、軽く空中で一回転し、かかと落としを決める。しっかりと脳天へと命中し、決まったと思ったが、大妖怪の名は伊達ではないようだ。よろめきながらも再び立ち上がる。そろそろこっちの
「...ふぅっ...。...あと少し、などとでも思ってるのでしょう?」
「......!?」
「残念ね。私はもう一つ、強力な隠し玉を残しているのよ。」
「......それ、ばらしちゃっても良いんですか?」
「ええ。だって、
えらい自信だ。
避けられないほどの広範囲攻撃か。はたまた、私が気付かない程の速さで攻撃して来るのか。どう来るのかは分からないが、防御するしかない。
「あなたが防御を選択した瞬間、あなたの負けは決まっているのよ。」
「......くっ!?」
気付くと花妖怪は目の前に居る。
まだ
「こっ...これは!」
「ふふっ。言ったでしょう?あなたの負けは決まっているのよ。」
足に蔦が絡みついている。そうだ。戦闘力ばかりに気を取られて忘れていた。この花妖怪は植物を操るのだった。
「それじゃあ、さようなら。『マスタースパーク』。」
刹那、私の体は白に包まれる。
その中で身に染みて感じたのは、自分の弱さだった。
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ーーーやーいやーい。角なし鬼さーん。
ーーーくくっ、ちょっと、止めなさいよ。可哀想でしょ?...くくっ。
ーーー角の無い奴なんて、仲間に入れてやーらなーい。
ーーー鬼もどきは人里に帰れー!
ああ、これは昔の記憶。あの忌々しい記憶。私は今、夢を見ているのだ。
あの頃、私は角がないというだけで誰にも相手にしてもらえなかった。親も顔を覚えないうちに何処かへ行ってしまった。そうする内に、いつの間にか私は里の外へ放り出されていた。
私は、頼みの綱の、人里へ向かった。ボロボロの体で行ったものだから、稗田家の皆さんには良くしてもらったものだ。
ーーーもう、人として生きようーーー
そんな考えが心の隅に巣食った。
私は人として、ただひたすら自由奔放に生きた。
鬼なんて肩書きは捨てた。妖力が無かったのもちょうど良かった。
ーーー意識が、呼び戻される。
#####
「...う、ゆ...!」
「うっ...!?」
「優!よかった!目を覚ましたのね!幽香さーん!優が起きました!」
知らない天井。ここはどこだ?さっきまで私はあの恐ろしい花妖怪と1戦交えて...
...ズキッ、と頭が痛む。頭だけではない。体の節々が痛む。これは
極限まで精神力を高めるのと引き換えに、使い終わってからきっかり2時間後。体が痛み始めるのだ。これがまた痛いどころではない。しばらくはまた、使用を控えなければならない。
そう言えば、『幽香』とは誰だ?知り合いにそんな人は居ない。だとすると、妹紅の知り合いか?
ふと、偶然そこにあった窓から外を見やる。そこに広がる一面の向日畑。ついさっきの死闘が思い起こされる。
「幽香ってまさか......!」
「あら、随分と遅いお目覚めね。」
そこに居たのは他でもない、先ほどの花妖怪だ。
ってことはここは...!
「早く起きなさい。もうお茶を始めてるわよ。」
...どうしたらそうなるのか。さっぱりだ。
「さて、単刀直入に言うわ。」
「何でしょう?」
妹紅が答える。私の方を向いているのに妹紅が身を乗り出して答えているのは何故だろう?
「貴女達、お友達になってくれないかしら?」
「...はい?「いいですよ!喜んで!」...ちょっと。」
いきなりつい先程まで全力で殺しあっていたやつに対する言葉ではない。そうだ、きっとこれは妹紅に言っているのだ。それならば妹紅が答えるのにも納得がいく。そうだ。きっとそうに違いない。うん。私は信じている。
幽香の話によると、これまでにもこういうこと(友達になってくれないかと言う事)は何回かやって来たそうだが、どれも不発。まあそれもそうだ。あの風見幽香が友達になってくれないかと言ってくるのだ。逃げ出すのも無理はないだろう。
はぁ。また厄介な友人が増えた。今のところ他には輝夜しかいないのだが。何時か友人が多すぎて困る、とか言ってみたいものである。
▼.風見 幽香が 友人に なった!
ゆうかりんが友人第2号とは凄い主人公補正。
それにしても、やっとまともな戦闘描写を入れた気がします。何分苦手なんで、あんまり入れたく無いんですよね…。
では、気長にお待ち下さい〜。