Devil of a child   作:神崎 真由

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第一話 ハジマリのその後

「では、新しい人が増えたことですし、自己紹介してはどうですの」

 

真砂子のその言葉でその場にいた面々は自己紹介した。

 

「私達、あなたのことなんて呼べばいい?」

 

と麻衣が訊ねる。

 

「最年少ですし、真夜と呼んでいただければ」

 

「了解!私のことは麻衣ってよんで」

 

「……いや、谷山さんは先輩ですので、さすがに呼び捨てというわけには」

 

「う~ん」

 

麻衣が難しい顔をする。

 

「麻衣さん、でどうでしょう?」

 

「そうだね、そうしよう!」

 

「麻衣さん、所長さんはどう呼べば……」

 

「ナル!ナルって呼んで。由来はナルシストのナル」

 

それを聞いたナルが麻衣を睨む。

 

麻衣はそれを見てあっかんべーをする。

 

「お二人は仲がいいんですね」

 

「ありえません」「そんなことないやい」

 

二人が同時に真夜にツッコミを入れる。

 

皆がどっと笑った。

 

そんな時、滝川の携帯が鳴る。

 

少し話しただけで、切ったようだ。

 

「ぼーさん、どしたの?」

 

麻衣の問に「またスタジオに出たんだってよ」と滝川が答えた。

 

「ならわたくしも同行いたしますわ」

 

「いや俺だけで大丈夫だけど」

 

「違いますわ、真夜さんの霊視の実力を見せてもらうのです」

 

真砂子に滝川も賛成する。

 

「では、行くとしますか」

 

滝川は真砂子と真夜を連れてオフィスを出た。

 

 

 

オフィスside

 

「普通に話聞くなんてホント珍しいよね、ナル」

 

「そうだな」

 

「真夜が、美人だから?」

 

少しニヤリとして麻衣が言う。

 

「姿勢、服装に隙がなかった。だから、少なくとも冷やかし遊びの類では無いだろうと思ったからだ」

 

そう言って、ナルは麻衣に軽蔑の視線を向ける。

 

「へええ~ナルもちゃんと人の事見てるんだねえ」

 

ナルは麻衣には返事せず、リンを呼んで所長室に入った。

 

「リン、真夜はアンチサイコメトリだ」

 

リンは机を隔てた前にいる白皙の美貌を見つめる。

 

言葉の意味をはかりかねた。

 

「といいますと?」

 

「僕は真夜をサイコメトリできない」

 

まだ詳しく調べたわけじゃないから詳しくは分からないが、と付け加えた。

 

「ナルは、真夜さんのPKや透視は本物だと思いますか」

 

「PKは本物だろう。ジーンのように僕にエネルギーのトスが出来る。彼女自身もPKの能力者だから、僕が力を送らなくても増幅された力が送られてくる」

 

「ジーンの代わりができる、ということですか?」

 

「ああ、トスに関してはな。僕もようやくPK解禁だ」

 

「良かったですね、しかし無理だけは「分かってる」

 

「透視は、今のところ白とも黒とも言えない。彼女にはサイコメトリが使えないから、嘘を見抜くこともできない」

 

まあ、平気で嘘をつくタイプにも見えないが、といいナルはリンを見つめる。

 

「リンはどう思う」

 

「今のところは何とも。目を光らせておきます」

 

 

 

 

 


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