七月下旬、夏休みの季節。
そして、ホラーの季節。
調査の一番入りやすい季節でもある。
SPRの扉の前に学生服男子と女性がいた。
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「失礼します」
男子生徒と女性が入ってきた。
「どうぞ」
座るよう勧める。
「こちらは、心霊などの調査をされていると聞いて本日は参りました」
冷やかしではなさそうだ。
麻衣さんが紅茶を用意しに給湯室へ、安原さんが紙とペンを持って私の隣に腰掛けた。
「はい、どういったご用件でしょうか」
「私は光ヶ丘第一高校の教師で演劇部の顧問をしている
花燈先生が隣の男子を手で示す。
「僕が部長の
麻衣さんが紅茶を置く。
「依頼内容は分かりました。依頼者は花燈先生ということで構いませんか?また、今回の件は学校長の許可をとれているのでしょうか」
「依頼者は私で大丈夫です。学校長の許可はとっていません。私の高校は顧問の許可があれば他校と合同の部活練習が出来るのでその制度を使おうと思っています」
安原さんと顔を見合わせる。
「所長に聞いてきます」
安原さんが所長室へ行った。
「所長の許可が出たら調査させて頂きます」
「許可が降りなかったら?」
新城くんが聞いてきた。
「その時は依頼をお受けすることはできません」
所長室からナルと安原さんが出てきた。
「いくつか条件をつけても良いのなら依頼者をお受けします」
ナルはそう言って、私の隣に座った。
「条件とは……?」
「学校との仲介役は全て花燈さんにお願いします。またいかなる揉め事がSPRと学校とあったときも責任者は花燈さんということでお願いします。それが条件です」
「分かりました」
私は安原さんに席を譲り、ナルがいくつかの質問をし、安原さんがメモをとっていた。
こうして、SPRの調査が始まった。
他校ということで制服がいることになった。
「真夜は、通信制だけど制服あるの?」
麻衣さんが聞いてきた。
「ありますよ」
「えええええっ!」
そんなに驚くことなのだろうか。
「通信制でも入学式とかはありますし、年に5回ぐらいは登校します」
「真夜の制服姿見たい!」
「調査の時を楽しみしててください」
夏服はセーラーだし、けっこうどこにでもある制服なんだけど。
「ナルはどうするんでしょうね」
「所長……制服無さそうですよね」
安原さんが考え込んでいる。
一体何を着せる気なんだ……?
「僕の兄貴のを貸そうかな……フフフっ」
安原さん…………。