ボトムズを観て衝動的に書いた。

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ボトムズを観たので衝動的に書きました。
後悔はしてない


IS×ボトムズ

俺の始まりを示すものは、一体何と表現するべきだろうか?

そう、何も覚えてはいない

だが、『何か』は覚えている

揺らめく炎と『赤い肩』が、俺の記憶の始まりだった。

放たれた炎が肌を焼き、空気を燻らせ、辺りは赤熱と化す

絶叫をあげる人々、のたうち回り、這いずり回る『人らしきなにか』

その中で俺だけが、ただただ俺だけが炎の中で呆然と立っていたのだ。

苦しむ周りを傍目に、俺だけは目の前を見据えたまま立っていた。

燻り揺れる炎の切っ先に目を向けると、『赤肩のIS』が手に持つ火炎放射器らしき物体が見える

あぁ、そうか、俺達を包むこの炎は…あの切っ先から放たれた炎か

 

『…………』

 

『俺』はそれを無言で見つめていた。

理不尽な蹂躙も、壮絶なる光景も、身を引き裂くほどの激痛も、今はどうでもいい

全てを吹き飛ばす程の、心を熱く凍らせる程の『憤怒』

それを以て…ただただ、炎の行く末を見据えた。

 

 

 

 

『そんな莫迦な』

 

篠ノ之束

稀代の天災と呼ばれた少女は、液晶を目の前に絶叫する

認められぬ現実が、彼女の目の前で展開されている

燃え盛る炎の向こう側で、少年がこちらを見据えている

死屍累々、灼熱地獄の最中から、その目は絶対零度の憤怒を湛えていた。

 

『これが…死なない…生物…!?』

 

生存を確約された異能者

そうなる前に、そうなる様に全てを組み替える人外

因果の律を捻じ曲げ、全てをそうある様に完成させる個体

一にして全を上回る…嘗て『神』を殺したとさえ言われる存在

触れ得ざるもの、赫奕たる異端、神殺し…

 

『………異能………』

 

死なない生物

その者を、嘗ての先人達はこう呼んだ。

 

『異能生存体…!!』

 

 

 

 

織斑一夏

奴はIS…延いてはこの世界最大の謎だ。

嘗て世界を支配した篠ノ之束

神の如きその存在でさえ、奴を支配することは出来なかった。

 

 

 

 

過去を回想しようとする度、酷く俺の頭は疼く

思い出す事を拒絶しているのか

それとも、思い出そうと足掻いているのか

どちらにせよ、俺の過去は誰にも分からぬパンドラの箱と化している

 

『あ、あの…織斑…くん?』

 

…どうやら、自己紹介の順が回ってきたらしい

ゆっくりと席を立ち、名を口にする

 

『織斑一夏』

 

求められた自己紹介を淡々とこなす

学業に専念するつもりは毛頭も無かったが、これが求められたものなら答えもしよう

 

『馴れ合う為にここに来たわけじゃない、俺に近づくな』

 

俺は『身の回りのことを思い』それを淡々と告げた。

 

 

 

 

この身にこびりつくのは血と硝煙香り

脚を引くのは亡骸の腕

炎の臭いが御霊に染み付き、むせる

蜚蠊め、蛆虫め、背を指す言葉が血煙に飛散する

嗚呼、どうかこの身に安らぎを、其の魂に安息を

訪れようのない未来を見据え、我は征く

焼けた大地に孤影を踏んで………

 

 

 

 

奴を語る言葉は少なくない

『産まれながらのPS』『異能生存体』『触れ得ざるもの』『唐変木』『天然ジゴロ』

そのどれもが奴であるとも言えるし、奴で無いとも言える…






一夏『…………って夢を見た。』

千冬『何一つ事実に基づいていない…』


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